JPH0556163B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 開示技術は、各種生産工場からの廃液や建設現
場からの汚泥排液等のスラリーを固液分離するフ
イルタプレスの濾枠構造の技術分野に属する。

＜要旨の概要＞ 而して、この出願の発明は濾枠本体の両側面の
少くとも一側面側に濾過シートが張設され、下側
に固液分離された濾液の排出口を設けられている
フイルタプレスの濾枠構造に関する発明であり、
特に、鉄等の所定金属製のパイプを所定間隔に輪
切りにした短円筒形状の濾枠本体がその少くとも
一側面Ｏ−リングを有して枠締時にスラリーに対
するシール作用を司どるようにされ、又、その内
周面に指示ピンを介して添設した環状のゴム製等
の弾性クリツプが設けられ、該弾性クリツプに樹
脂製等のデイスク状の網体の表裏面に布製の濾布
が一体的に重合されて該弾性クリツプに差し込ま
れてクランプされ、又、該濾過シートの逆中央部
にスラリー供給パイプが挿通され、該スラリー供
給用のパイプの濾枠本体の間隔に等しいか短い部
分に給液する供給孔としてのスリツト等が形成さ
れているフイルタプレスの濾枠構造に係る発明で
ある。

＜従来の技術＞ 周知の如く、市民生活が豊かになつて、それに
伴つて産業活動も隆盛になり、製造業、建設業を
含めて公害問題等も発生するようになり、就中、
工場廃液や建設工事の作業現場からの汚泥排液等
のスラリーの排出量は著しい量になり、そのまま
自然排出すると地下水汚染や海水や河川等の汚濁
をきたして甚だしい公害問題や環境破壊問題を発
生するようになるために、かかるスラリーの処理
が重要視されるようになり、該スラリー固液分離
を図り、有害な固体部分は焼却、埋立て等し、液
分は洗浄化処理等するようにされているが、固液
分離効率が高く、確実なスラリー処理が可能であ
る等のさまざまなメリツトから所謂フイルタプレ
スが広く用いられている。

かかるフイルタプレスは第７図に示す様に、ベ
ース１にスタンド２，３を立設し、図上一方側の
スタンド２の右側寄りに鋳物製の濾板４，４…を
ガイドレール５沿つて移動自在にし、他方のスタ
ンド３に設けた油圧シリンダ６により開枠、枠締
自在にし、枠締状態における固液分離作用による
濾液は廃液シユート７を介して排出される開枠に
よりケーキが所定に剥離除去されるようにされて
いる。

而して、該フイルタプレスにおいて、第８図に
示す様に、各濾板４はその鋳物製の濾板本体８の
両側面に濾液ガイド溝９，９…が放射状、或い
は、上下方向に所定数刻設されて下側等の所定部
位に設けられた濾液排出口１０に接続され、その
表裏面に添設される濾過シートとしの濾布１１に
対しスラリー供給口１２から供給されるスラリー
を所定の高圧で押圧させて固液分離させ、該濾布
１１より分離される濾液を濾板本体８の濾液ガイ
ド溝９を介して濾液排出口１０に導いて排出する
ように固液分離するようにされている。

＜発明が解決しようとする課題＞ したがつて、各濾板４にあつては高圧で供給さ
れるスラリー圧に対抗するための油圧シリンダ６
による枠締圧が大きいために、相当の強度と剛性
を有しておらねばならず、又、操作時は勿論のこ
と、保守点検整備や交換時等に損傷が生じると固
液分離機能に著しい障害をおよぼすために、上述
した如く、一般には濾液本体８が鋳物製にされて
おり、したがつて、相当重量であり、取り扱いに
大きな労力を要して作業性が悪く、煩瑣であると
いう欠点があるうえに開枠、枠締時の油圧シリン
ダ６の使用電力が高く、又、製造は勿論のこと、
組み付けにも多大な工数がかかり、コスト高にな
る不利点があるのに加えてメンテナンスがし難い
という難点があつた。

＜発明の目的＞ この出願の発明の目的は上述従来技術に基づく
フイルタプレスの鋳物製の濾歌の重量過大に伴う
問題点を解決すべき技術的課題とし、固液分離機
能は何ら変わらず、しかも、軽量で濾過シートの
張設や点検、整備、交換等もし易く、開枠、枠締
時の動力コストも安く、取り扱いが容易であるよ
うにして各種産業に於ける公害対処技術利用分野
に益する優れたフイルタプレスの濾枠構造を提供
せんとするものである。

＜課題を解決するための手段・作用＞ 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とす
るこの出願の発明の構成は、上述課題を解決する
ために、鉄製等の所定金属製のパイプを所定間隔
に輪切りにして短円筒状の濾枠本体を作成し、そ
の両側面の少くとも一側面にＯ−リングを設け、
更にその内周面の両端部に支持ピン等を介しゴム
製等の弾性クリツプを環状に添設してホルダリン
グにより固定するようにし、それに先だつて該弾
性クリツプに対し内側に樹脂製の網体、及び、そ
の表裏面に布製の濾布等を一体重合した濾過シー
トを挾着して該濾枠の両側面に付設し、該濾枠の
内周面の下端部には濾液排出口を設け、又、各濾
過シートの中央部にはスラリー供給用のパイプを
遊装状態で挿通して枠締時の空間となる濾枠の間
隔に等しいか、それより短い間隔で該スラリー供
給用のパイプにスリツト等のスラリー供給孔を設
けて全体的に構造が簡単で軽量化出来るように
し、開枠は勿論のこと、枠締における油圧シリン
ダ作動動力を軽減させ、又、保守点検、整備、交
換等の取り扱い作業も容易にし、枠締状態におい
て、中央のスラリー供給パイプより所定のスラリ
ーを供給し、上記スリツト等のスラリー供給孔よ
り各濾枠間の濾過シートの間にスラリーを所定圧
力で供給し、該濾過シートに於いては固液分離作
用がなされ、濾過シートを濾過した濾液は濾枠本
体の内周面の下部に設けられた濾液排出口より所
定に排出され、ケーキは開枠時に濾過シート間の
間隔が拡がることにより所定の剥離落下して除去
されるようにされ、再び何ら支承なく枠締されて
スラリーの供給のもとに固液分離作用がスムース
に行われるようにし、各濾枠についての保守点
検、整備、或いは、ケーキの洗浄等開枠に際して
は当該濾枠を容易に解離してこれに対処すること
が出来るようにした技術的手段を講じたものであ
る。

＜実施例＞ 次に、この出願の発明の実施例を第７図を援用
し、第１乃至６図基づいて説明すれば以下の通り
である。

尚、第７，８図と同一態様部分は同一符号を用
いて説明するものとする。

第１、乃至、３図に示す実施例において、３３
はこの出願の発明の要旨の中心をなすフイルタプ
レスの濾枠であつて、第７図に示す様なフイルタ
プレスに用いられる濾枠ユニツトの濾枠本体をな
すものであり、図示しない同径の鉄製のパイプを
設定幅づつ輪切りにして各ユニツトの濾枠本体１
３を作製するものである。

而して、該濾枠本体１３′は第１、乃至、３図
に示す様に、その幅方向略中央部に内周方向に沿
つて濾液の排出の環状溝１４が形成されており、
その最下端部に於いては排出口１５が設けられ
て、樋７に臨ませて濾液をスムースに排出するこ
とが出来るようにされている。

又、該濾枠本体１３の両端面には略半円形状の
リング溝１６，１６が同心的に形成されてその一
方側にはＯ−リング１７が嵌着されて濾締の際に
濾枠本体１３，１３…の濾液に対するシールを司
どるようにされている。

又、濾枠本体１３の内周面に於いては環状溝１
４の幅方向前後に周方向所定間隔で金属製の支持
ピン１８，１８…が第３図に示す様に、一体的に
植設されており、該支持ピン１８，１８…に対し
ては環状溝１４の幅方向両側に於いて、断面コの
字型のゴム製の弾性クリツプ１９が設けられて
各々内向き部分に周方向所定間隔で濾液スリツト
２０が穿設されて内側周方向環状溝２１に接続さ
れて濾液を内側に滲出可能であるようにされてい
る。

又、濾枠本体１３の内周面に於いては環状溝１
４の両側に断面Ｌ型のホルダリング２２が添設さ
れて支持ピン１８と共に弾性クリツプ１９をリン
グ状に支持するようにされている。

そして、２３はデイスク状の濾過シートであ
り、三重構造とされ、その内側には所定の合成樹
脂製の設定メツシユの網体２４がその表裏面に布
製の濾布２５，２６を重合させてそれらのフラン
ジ部分を上記弾性クリツプ１９の環状溝２１内に
挿入して、該弾性クリツプ１９の外端部内外面に
設けられた金属製のホルダリング２７，２７によ
挟圧緊締して濾過シート１９をクランプするよう
にしている。

而して、濾枠本体１３の内外の濾過シート２
３，２３の間は濾液室２８に形成されており、各
濾過シート２３の中央部には金属製のリングプレ
ート２９，２９が設けられてスラリー供給用のパ
イプ３０を挿通されており、該パイプ３０の各連
結部となる濾枠本体１３，１３の相対向する濾過
シート２３，２３の間隔に等しいか、短い長さの
スラリー供給孔としてのスリツト３１，３１…が
その軸方向に沿つて周方向所定間隔で形成されて
濾枠本体１３，１３間の濾過シート２３，２３内
にスラリー圧給するようにされている。

尚、濾過シート２３についてはその中央部に於
ける押えリング２９と弾性クリツプ１９に対する
ホルダリング２７，２７に挾持されて内外方向へ
の撓み変形等は生じないようにされているもので
ある。

又、第１図に於いて、各濾枠本体１３の両側部
には、マウントガイド３２が設けられて装置フレ
ームのガイドレール５に各濾枠本体１３をマウン
トさせて、第７図に示す在来態様同様に油圧シリ
ンダ６による開枠、枠締時に図示しないチエーン
等を介してる前後動スライド自在にされるように
されている。

上述構成の枠締の濾枠３３において、第７図に
示す在来態様同様に、各濾枠本体１３を油圧シリ
ング６により枠締すると、該各濾枠本体１３は相
互に圧着されリング溝１６，１６に対するＯ−リ
ング１７の係合により密封状態にされる。

そして、スラリー供給用のパイプ３０の図示し
ない端部から所定圧でスラリーを供給すると、該
スラリーは、スラリー供給用のパイプ３０の各濾
枠１３，１３間のスリツト３１，３１…により圧
出されて各濾枠１３，１３間のスラリー室内に供
給され、濾過シート２３の内外の濾布２５，２６
を通り、更に樹脂製の網体２４を通り、各濾枠本
体１３の両側の濾過シート２３，２３間の濾液室
２８に固液分離作用を介して濾液が濾過され、ケ
ーキはスラリー室に分離残留される。

而して、経時的な固液分離作より濾液室２８内
に固液分離された濾液が次第に環状溝１４を介し
て排出口中央から落下し、樋７により所定に排出
し、設定時間経過後スラリーの圧給を停止し、油
圧シリンダ６により各濾枠本体１３をマウントガ
イド３２のガイドレール５に対するスライドを介
して開枠し、それにより、各濾枠本体１３，１３
間のスラリー室に分離残留されていたケーキは剥
離落下して一定に除去され、その後油圧シリンダ
６により各濾枠濾枠本体１３を枠締して再びスラ
リーを圧給し、固液分離作用を反復する。

この間、前述した如く各濾枠本体１３は極めて
軽量で作成されているために、その開枠、枠締に
おける油圧シリンダ６の動力は少くて済み、又、
所定タイミングで必要に応じ、所定の濾枠本体１
３を取り外して交換、保守点検整備を行うに際し
ても、濾枠本体１３の脱着は容易であり、又、濾
過シート２３に対する洗浄、交換、補修等の作業
も容易に行われるものである。

この際、該濾過シート２３の濾枠本体１３から
の脱着は弾性クリツプ１９に対するホルダリング
２７，２７の取り外しにより容易に行われる。

そして、固液分離作用中における濾過シート２
３本体についての分離された濾液は、該濾過シー
ト２３を伝わり、弾性クリツプ１９のスリツト２
０から濾液室２８内へと導入される。

而して、上述実施例は濾枠本体１３の前後面が
平行にパイプ材から切断されてその幅方向長さが
各々一定にされた態様であるが、第４，５図に示
す様に、その前後の端面をテーパー面にすること
により、実質的に両側の濾過シート２３，２３の
間隔、即ち、濾液室２８′，２８″を大小の容量に
形成させることが出来、濾枠本体１３′，１３″の
両端面に於けるリング溝１６、及び、Ｏ−リング
１７によるシール機能は何ら支承がないものであ
る。

又、第６図に示す実施例は、濾枠本体１３の
両端面に於けるシールをＯ−リングに変えて凹凸
部１６′，１７′による嵌着を介しての一種のラビ
リンスシールにするものであり、実質的な作用効
果は上述実施例と変わりはないものである。

尚、この出願の発明の実施態様は上述各実施例
に限るものでないことは勿論であり、例えば、濾
枠本体を金属製と樹脂製のリング体のサンドイツ
チ構造にしたり、弾性クリツプについて濾枠本体
の内周面にガイド溝を介しワンタツチ式に脱着可
能にする等種々の態様が採用可能である。

又、適用対象のフイルタプレスは工場や建設現
場からの汚泥スラリーに対する処理ばかりでな
く、食料品や化学品、薬品等のスラリーの処理等
にも適用可能であることは勿論のことである。

＜発明の効果＞ 以上、この出願の発明によれば、基本的に各種
スラリーを固液分離する高能率のフイルタプレス
において、従来極めて重量が大であつた鋳物の濾
板に代えて金属製のパイプを所定幅ずつ輪切りに
した短円筒の濾枠本体としたことにより、該濾枠
本体の重量が著しく軽量化され、しかも、その軸
方向の強度は充分であるために、開枠、枠締にお
ける油圧シリンダの動力が少くて済み、しかも、
Ｏ−リング等を介してのシール機能は安全である
ことになり、何ら固液分離機能に支承をきたすこ
とがないという優れた効果が奏される。

又、該濾枠本体の内周面に環状の弾性クリツプ
を添設し、該弾性クリツプに濾過シートをクラン
プすることにより、該濾過シートの濾枠本体に対
する脱着が容易であるために、濾枠本体の軽量化
による保守点検、整備交換の作業が容易であると
共に、濾濾枠本体の内周面に環状の弾性クリツプ
を添設し、該弾性クリツプに濾過シートをクラン
プすることにより、濾過シートの濾枠本体に対す
る脱着が容易であるために、濾枠本体の軽量化に
よる保守点検、整備交換の作業が容易であると共
に、濾過シートの保守点検装備等のメンテナンス
もし易いという利点がある。

このように、濾枠本体の軽量化に基づくイニシ
ヤルコスト、ランニングコストの低下は産業廃棄
物等のスラリーの固液分離処理を介して公害処理
を低コストで行うことが出来るという効果があ
る。

而して、濾枠本体をパイプから輪切りの切断す
るに際し、その切断面を軸方向に直交する方向や
傾斜面を大小にとるようにすることにより、該濾
枠の内周面に添設する両側の濾過シートの間隔を
大小にして濾液容積を設計的に変化させることが
出来るために、フイルタプレスの能力を設計的に
弾力的に行うことが出来るという自由度がある効
果も奏される。

【図面の簡単な説明】

第１乃至６図はこの出願の発明の実施例の説明
図であり、第１図は１実施例の部分切截拡大斜視
図、第２図は同部分断面、第３図は第２図拡大部
分断面図、第４，５，６図は別の実施例の部分断
面図、第７図はフイルタプレスの模式側面図、第
８図は従来技術に基づくフイルタプレスの濾板の
構造断面図である。 ２３……濾過シート、１５……濾液排出、１３
……濾枠本体、１７……Ｏ−リング、１８……支
持ピン、１９……弾性クリツプ、２１……環状
溝、２４……網体、２５，２６……濾布、２７…
…ホルダリング、３０……スラリー供給パイプ、
３３……濾枠、４１……スラリー供給孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少くとも一側面に濾過シートを張設すると共
   に濾液排出口を下設されているフイルタプレスの
   濾枠構造において、濾枠本体が金属製のパイプを
   所定間隔で輪切りにされた短円筒から形成され、
   その内側面に添設した環状の弾性クリツプに濾過
   シートがクランプされており、該濾過シートにス
   ラリー供給用のパイプが挿通されていることを特
   徴とするフイルタプレスの濾枠構造。 ２ 上記濾枠本体の少とくも一端面にＯ−リング
   が付設されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載のフイルタプレスの濾枠構造。 ３ 上記濾枠本体の端面がテーパ状に形成されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   のフイルタプレスの濾枠構造。 ４ 上記弾性クリツプが環状溝を形成されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のフ
   イルタプレスの濾枠構造。 ５ 上記弾性クリツプにホルダリングが付設され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第４項記
   載のフイルタプレスの濾枠構造。 ６ 上記弾性クリツプに濾枠に一体の支持ピンが
   付設されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第４項記載のフイルタプレスの濾枠構造。 ７ 上記濾過シートがデイスク状の網体と表裏面
   に一体の濾布から形成されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のフイルタプレスの
   濾枠構造。 ８ 上記スラリー供給パイプが濾枠の枠締姿勢で
   の濾枠間隔の長さ以上の長さのスラリー供給孔を
   形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載のフイルタプレスの濾枠構造。 ９ 上記スラリー供給パイプが始端濾枠から終端
   濾枠まで一体的に素材で形成されていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のフイルタプ
   レスの濾枠構造。