JPH0556069U

JPH0556069U - 羽毛布団の自動縫製装置

Info

Publication number: JPH0556069U
Application number: JP9978791U
Authority: JP
Inventors: 幸生有田
Original assignee: 丸二ミシン工業株式会社
Priority date: 1991-11-06
Filing date: 1991-11-06
Publication date: 1993-07-27

Abstract

(57)【要約】【目的】羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収納部を
複数区画形成するための帯状シートを縫着する作業を自
動的に能率良く行うことができ、短い時間で羽毛布団を
大量に生産することができてコストダウンを図ることが
でき、異なる数列・間隔の縫着を容易に行うことができ
る羽毛布団の自動縫製装置を提供する。【構成】羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕを張設する枠体
２と、枠体移動手段３と、駆動ボックス４と補助ボック
ス５との間に縣架された長尺支持部材６と、この長尺支
持部材６に複数垂下支持されたミシン本体７と、これら
のミシン本体７の駆動部を同期駆動させるミシン本体側
駆動軸８と、ミシン本体移動手段９と、これらのミシン
本体７の対向位置に配置されたミシン基台１０と、これ
らのミシン基台１０の駆動部を同期駆動させるミシン基
台側駆動軸１１と、ミシン基台移動手段１２とが備えら
れている羽毛布団の自動縫製装置１である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収納部を複数区画形成するための帯状シートを縫着することに用いられる羽毛布団の自動縫製装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収納部を複数区画形成するための帯状シートを縫着する作業は、主に、熟練した者が手縫いによって行っていた。

【０００３】これは、羽毛布団の表地もしくは裏地に、例えば縦４列、横３列の帯状シートを接面させ、これらの帯状シートの幅方向片端部分を長手方向に向けて順次縫っていって、これらの帯状シートを羽毛布団の表地もしくは裏地に縫着する作業である。

【０００４】そして、この縫着作業が終了した後に、羽毛布団の表地と裏地とを近接させて、これらの表地と裏地に上記のようにして縫着された帯状シートの幅方向他端部を互いに縫着して、表地と裏地とを一体となして、この表地と裏地とに複数区画形成された羽毛収納部に、圧縮エアーとともに羽毛を吹き入れて、羽毛布団を作るようにしていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記のように、羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収納部を複数区画形成するための帯状シートを縫着する作業が、主に手縫いによって行われていたために、作業能率が悪くて作業時間が多くかかるといった問題があった。

【０００６】しかも、この縫着作業は、熟練した者しかできなくて、素人にはほとんど不可能であるといった問題があった。

【０００７】したがって、羽毛布団を大量に生産することが不可能であって、市場の要求に答えることができず、しかも、羽毛布団が非常に高価なものとなっていた。

【０００８】この考案の目的は、上記従来の問題を解決することにある。

【０００９】すなわち、羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収納部を複数区画形成するための帯状シートを縫着する作業を自動的に行うことができ、作業能率が良くて、作業時間も短くてよく、素人でもこの縫着作業を容易に行うことができ、しかも、短い時間で羽毛布団を大量に生産することができて、コストダウンを図ることができ、更に、小スペースで作業を行うことができて、また異なる数列・間隔の縫着を切り換え操作によって容易に行うことができる羽毛布団の自動縫製装置を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記目的を達成するために、羽毛布団の表地もしくは裏地を張設する枠体と、この枠体を前方に向けてガイド移動させる枠体移動手段と、この枠体移動手段の左右に配置された駆動ボックスと補助ボックスとの間に縣架された長尺支持部材と、この長尺支持部材の下面側に左右方向に複数垂下支持されたミシン本体と、前記駆動ボックスから延設されてこれらのミシン本体の駆動部を同期駆動させるミシン本体側駆動軸と、これらのミシン本体を決められた縫製間隔に合わせてそれぞれ左右移動させるミシン本体移動手段と、これらのミシン本体の下方のそれぞれの対向位置に配置されたミシン基台と、前記駆動ボックスから延設されてこれらのミシン基台の駆動部を同期駆動させるミシン基台側駆動軸と、これらのミシン基台を決められた縫製間隔に合わせてそれぞれ左右移動させるミシン基台移動手段とが備えられているものとした。

【００１１】更に、前記ミシン本体及びミシン基台の左右の移動を案内するガイドレールがそれぞれ設けられ、このガイドレールに、前記ミシン本体移動手段及びミシン基台移動手段によるミシン本体及びミシン基台の左右移動範囲を規制する規制部材が設けられているものとした。

【００１２】また、前記ミシン本体側駆動軸に、縫製工程において不要となるミシン本体の駆動を停止させるクラッチ機構が設けられているものとした。

【００１３】しかも、前記枠体移動手段の前端部に、前記枠体を挟持して移動させるための挟持手段が設けられているものとした。

【００１４】且つ、前記枠体移動手段の後端部分に、前記枠体の左右側枠部が載置されてこの枠体をガイド滑走させるためのガイドローラが配されているものとした。

【００１５】そして、前記ガイドローラが、枠体移動手段の後端部分における枠体の左右幅に対応した複数箇所に、使用時・不使用時に応じて起倒出没自在に設けられているものとした。

【００１６】

【作用】

この考案の羽毛布団の自動縫製装置は、上記構成により以下に説明する作用をなす。

【００１７】まず、枠体に羽毛布団の表地もしくは裏地を張設した後に、この表地もしくは裏地の縦幅方向が左右になるようにして、この枠体を枠体移動手段に支持させる。

【００１８】そして、これらの羽毛布団の表地もしくは裏地の縦幅方向に縫着される帯状シートの列数（例えば４列）に適応した数のミシン本体の各駆動部を、ミシン本体側駆動軸の回動によって同期駆動させるとともに、上記数と同数のミシン基台の駆動部を、ミシン基台側駆動軸の回動によって同期駆動させながら、枠体を枠体移動手段によって前方に移動させる。

【００１９】このとき、長尺支持部材側から各ミシン本体の後面側を経て各帯状シートが、羽毛布団の表地もしくは裏地の表面に沿って数列流送される。

【００２０】そして、各ミシン本体と各ミシン基台とによって、これらの帯状シートが羽毛布団の表地もしくは裏地の表面側の縦幅方向に数列縫着される。

【００２１】これは、各帯状シートの幅方向片端部分が長手方向に向けて順次縫着される。

【００２２】この縫着が終了した後に、羽毛布団の表地もしくは裏地を張設した枠体を、一端枠体移動手段から取り外す。

【００２３】次に、羽毛布団の表地もしくは裏地の横幅方向が左右になるようにして、この枠体を枠体移動手段に支持させる。

【００２４】そして、これらの羽毛布団の表地もしくは裏地の横幅方向に縫着される帯状シートの列数（例えば３列）に適応した数のミシン本体及びミシン基台とをミシン本体移動手段とミシン基台移動手段とによって、決められた縫製間隔になるように左右に移動させてから、これらのミシン本体の各駆動部を、ミシン本体側駆動軸の回動によって同期駆動させるとともに、各ミシン基台の駆動部を、ミシン基台側駆動軸の回動によって同期駆動させながら、枠体を枠体移動手段によって前方に移動させる。

【００２５】このとき、上記と同様に、長尺支持部材側から各ミシン本体の後面側を経て各帯状シートが、羽毛布団の表地もしくは裏地の表面に沿って数列流送される。

【００２６】そして、各ミシン本体と各ミシン基台とによって、これらの帯状シートが羽毛布団の表地もしくは裏地の表面側の横幅方向に数列縫着される。

【００２７】これは、各帯状シートの幅方向片端部分が長手方向に向けて順次縫着される。

【００２８】この縫着が終了した後に、羽毛布団の表地もしくは裏地を張設した枠体を、枠体移動手段から取り外す。

【００２９】このようにして、この考案の羽毛布団の自動縫製装置によって、各帯状シートを縫着した後は、羽毛布団の表地と裏地とを近接させて、これらの表地と裏地に上記のようにして縫着された各帯状シートの幅方向他端部を互いに縫着して、表地と裏地とを一体となして、この表地と裏地とに複数区画形成された羽毛収納部に、圧縮エアーとともに羽毛を吹き入れて羽毛布団の製造を完了する。

【００３０】

【実施例】

以下、この考案に係る羽毛布団の自動縫製装置の実施例について、図面に基づいて説明する。

【００３１】図１はこの考案に係る羽毛布団の自動縫製装置の一実施例の全体構造を示す正面側から見た斜視図、図２は図１の自動縫製装置における主にミシン本体とミシン基台とを示す部分拡大斜視図、図３は図１の自動縫製装置における枠体の挟持手段を示す部分拡大斜視図、図４は図１の自動縫製装置における枠体ガイド滑走用のガイドローラを示す部分拡大斜視図、図５は図１の自動縫製装置における枠体移動手段の要部を示す部分拡大斜視図、図６は枠体に羽毛布団の表地もしくは裏地を張設した状態の斜視図、図７は図１の自動縫製装置によって、羽毛布団の表地もしくは裏地の表面側の縦幅方向に４列の帯状シートを縫着するスタート時の裏面側から見た斜視図、図８は図７の縫着工程の完了直前の状態を示す裏面側から見た斜視図、図９は図１の自動縫製装置によって、羽毛布団の表地もしくは裏地の表面側の横幅方向に３列の帯状シートを縫着するスタート時の裏面側から見た斜視図、図１０は図９の縫着工程の完了直前の状態を示す裏面側から見た斜視図、図１１は図１０の状態を表面側から見た斜視図、図１２は縦幅方向及び横幅方向に帯状シートを縫着完了した羽毛布団の表地もしくは裏地の斜視図、図１３は表地と裏地の各帯状シートを互いに縫着完了した羽毛布団に、羽毛を吹き入れるときの状態を示す斜視図である。

【００３２】この考案に係る羽毛布団の自動縫製装置１は、図１２に示す羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕに、羽毛収納部ｕを複数区画形成するための帯状シートＳを縫着することに用いられるものである。

【００３３】この自動縫製装置１は、図１に示すように、羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕを張設する枠体２と、この枠体２を前方に向けてガイド移動させる枠体移動手段３と、この枠体移動手段３の左右に配置された駆動ボックス４と補助ボックス５との間に縣架された長尺支持部材６と、この長尺支持部材６の下面側に左右方向に複数垂下支持されたミシン本体７と、前記した駆動ボックス４から延設されてこれらのミシン本体７の駆動部（図示せず）を同期駆動させるミシン本体側駆動軸８と、これらのミシン本体７を決められた縫製間隔に合わせてそれぞれ左右移動させるミシン本体移動手段９と、これらのミシン本体７の下方のそれぞれの対向位置に配置されたミシン基台１０（図２参照）と、前記した駆動ボックス４から延設されてこれらのミシン基台１０の駆動部（図示せず）を同期駆動させるミシン基台側駆動軸１１（図２参照）と、これらのミシン基台１０を決められた縫製間隔に合わせてそれぞれ左右移動させるミシン基台移動手段１２（図２参照）とが備えられているものである。

【００３４】更に、図２に示すように、前記したミシン本体７及びミシン基台１０の左右の移動を案内するガイドレール１３，１４がそれぞれ設けられ、これらのガイドレール１３，１４に、前記したミシン本体移動手段９及びミシン基台移動手段１２によるミシン本体７及びミシン基台１０の左右移動範囲を規制する規制部材１５，１６が設けられている。

【００３５】この実施例では、ミシン本体移動手段９及びミシン基台移動手段１２がエアーシリンダからなるものについて図示している。

【００３６】また、規制部材１５，１６は、それぞれのガイドレール１３，１４の左右端近傍箇所に嵌着されたゴム材について図示している。

【００３７】このゴム材からなる規制部材１５，１６は、ミシン本体７及びミシン基台１０の左右の移動範囲の変更に応じて、ガイドレール１３，１４の左右方向にそれぞれ嵌着位置を移動して変更することができるようになっている。

【００３８】更に、図１に示すように、前記したミシン本体側駆動軸８に、縫製工程において不要となるミシン本体の駆動を停止させるクラッチ機構１７が設けられている。

【００３９】また、図１，図３に示すように、前記した枠体移動手段３の前端部に、枠体２を挟持して移動させるための挟持手段１８が設けられている。

【００４０】この挟持手段１８は、枠体移動手段３を構成する基枠台３ａ上に、この基枠台３ａに対して前後移動自在とされた前部移動枠３ｂの上端部に左右方向に架け渡された回転軸１８ａと、この回転軸１８ａの左右端近傍箇所に取着固定された下水平板１８ｂと、この下水平枠１８ｂの上部箇所に設けられ回転軸１８ａの回転に伴って回動し係止爪１８ｄを有する回動板１８ｃと、回転軸１８ｂの一端部に設けられ、この回転軸を回転させる操作レバー１８ｅとから構成されている。

【００４１】しかも、図４に示すように、前記した枠体移動手段３の後端部分に、枠体２の左右側枠部２ａ，２ｂが載置されてこの枠体２をガイド滑走させるためのガイドローラ１９が配されている。

【００４２】そして、このガイドローラ１９は、枠体移動手段３の後端部分における枠体の左右幅に対応した複数箇所に、使用時・不使用時に応じて起倒出没自在に設けられている。

【００４３】すなわち、このガイドローラ１９が支持板材１９ａを介して枢軸１９ｂを中心として左右起倒方向に回動自在に取着され、この支持板材１９ａにエアーシリンダ１９ｃのロッド１９ｄの先端が連結されていて、このエアーシリンダ１９ｃの駆動によるロッド１９ｄの進出退行によって、支持板材１９ａが回動されることによって、ガイドローラ１９が使用時・不使用時に応じて起倒される。

【００４４】枠体２には、図６に示すように、その四辺の各枠材に複数個のバインダー２ｃが取着されており、羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕはその四辺縁部をこれらのバインダー２ｃで挟持されることによって枠体２に張設される。

【００４５】枠体移動手段３は、基枠台３ａと、この基枠台３ａに対して前後移動自在とされ、前記した挟持手段１８を有する前部移動枠３ｂと、基枠台３ａを構成する断面コ字形の左右枠３１ａ，３２ａの内部に長手方向（前後方向）に渡って配された無端チェーン３ｃと、この無端チェーン３ｃの一部にその軸部を係止着され、断面コ字形の左右枠３１ａ，３２ａ内に滑走自在に配されて前部移動枠３ｂを前後移動させるローラ３ｄ（図５参照）とから主に構成されている。

【００４６】そして、無端チェーン３ｃが図示しない駆動源によって、搬送駆動されると、この無端チェーン３ｃの一部に軸部を係止着されたローラ３ｄが断面コ字形の左右枠３１ａ，３２ａ内を滑走することによって、前部移動枠３ｂが前方へ移動され、この前部移動枠３ｂに設けられた挟持手段１８によって挟持された枠体２が前方へ移動される。

【００４７】このとき、枠体２の左右側枠部２ａ，２ｂがガイドローラ１９に載置されてこの枠体２がガイド滑走される。

【００４８】この枠体２の前方への移動とともに、この枠体２に張設された羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕも一体に移動される。

【００４９】また、駆動ボックス４内には、図示しないが、ミシン本体側駆動軸８と、ミシン基台側駆動軸１１（図２参照）とを回転駆動させる駆動モータが内蔵されている。

【００５０】尚、図１において、符号２０は帯状シートＳが巻設されているシート用ドラムであり、符号２１は長尺支持部材６上に複数個巻設配置されたミシン糸であって、符号２２はこのミシン糸２１が掛けられる糸案内用掛け輪である。

【００５１】次に、上記のように構成された自動縫製装置１の作用について説明する。

【００５２】まず、図６に示すように、枠体２に羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕを張設した後に、図７に示すように、この表地もしくは裏地Ｕの縦幅方向が左右になるようにして、この枠体Ｕを枠体移動手段３に支持させる。

【００５３】これは、枠体移動手段３に設けられた挟持手段１８で枠体２の前端部を挟持するとともに、枠体２の左右側枠部２ａ，２ｂをガイドローラ１９，１９に載置することによって行う。

【００５４】そして、これらの羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕの縦幅方向に縫着される帯状シートＳの列数（この実施例においては図７に示すように４列）に適応した数のミシン本体７の各駆動部を、ミシン本体側駆動軸８の回動によって同期駆動させるとともに、上記数と同数のミシン基台１０の駆動部を、ミシン基台側駆動軸１１の回動によって同期駆動させながら、枠体２を枠体移動手段３によって前方に移動させる。

【００５５】これは、無端チェーン３ｃの搬送方向への駆動によって行われる。

【００５６】このとき、長尺支持部材６上のシート用ドラム２０から各ミシン本体７の後面側を経て各帯状シートＳが、羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕの表面に沿って数列流送される。

【００５７】そして、図８に示すように、各ミシン本体７と各ミシン基台１０とによって、これらの帯状シートＳが羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕの表面側の縦幅方向に数列縫着される。

【００５８】これは、各帯状シートＳの幅方向片端部分が長手方向に向けて順次縫着される。

【００５９】この縫着が終了した後に、羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕを張設した枠体２を、一端枠体移動手段３から取り外す。

【００６０】次に、羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕの横幅方向が左右になるようにして、この枠体を枠体移動手段３に支持させる。

【００６１】そして、これらの羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕの横幅方向に縫着される帯状シートＳの列数（この実施例においては、図９に示すように３列）に適応した数のミシン本体７及びミシン基台１０とをミシン本体移動手段９とミシン基台移動手段１２とによって、決められた縫製間隔になるように左右に移動させてから、これらのミシン本体７の各駆動部を、ミシン本体側駆動軸８の回動によって同期駆動させるとともに、各ミシン基台１０の駆動部を、ミシン基台側駆動軸１１の回動によって同期駆動させながら、枠体２を枠体移動手段３によって前方に移動させる。

【００６２】この状態では、図９に示す最右寄りのミシン本体７は、クラッチ機構１７の作動によって、その駆動を停止されている。

【００６３】このとき、上記と同様に、長尺支持部材上のシート用ドラム２０から各ミシン本体７の後面側を経て各帯状シートＳが、羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕの表面に沿って数列流送される。

【００６４】そして、各ミシン本体７と各ミシン基台１０とによって、これらの帯状シートが羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕの表面側の横幅方向に数列縫着される。

【００６５】これは、各帯状シートＳの幅方向片端部分が長手方向に向けて順次縫着される。

【００６６】この縫着が終了した後に、羽毛布団の表地もしくは裏地Ｕを張設した枠体２を、枠体移動手段３から取り外す。

【００６７】このようにして、この考案の羽毛布団の自動縫製装置によって、各帯状シートＳを縫着した後は、羽毛布団の表地と裏地Ｕとを近接させて、これらの表地と裏地Ｕに上記のようにして縫着された各帯状シートＳの幅方向他端部を互いに縫着して、表地と裏地Ｕとを一体となして、この表地と裏地Ｕとに複数区画形成された羽毛収納部ｕに、圧縮エアーとともに羽毛を吹き入れて羽毛布団の製造を完了する。

【００６８】この羽毛の吹き入れは、図１３に示すように、羽毛収納部ｕの表地もしくは裏地Ｕに設けられた穴部ｕ１から、圧縮エアーとともに吹き入れることによって行われる。

【００６９】このようにして、各羽毛収納部ｕに羽毛が区画配入された羽毛布団が製造される。

【００７０】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案は、羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収納部を複数区画形成するための帯状シートを縫着することに用いられる羽毛布団の自動縫製装置であって、羽毛布団の表地もしくは裏地を張設する枠体と、この枠体を前方に向けてガイド移動させる枠体移動手段と、この枠体移動手段の左右に配置された駆動ボックスと補助ボックスとの間に縣架された長尺支持部材と、この長尺支持部材の下面側に左右方向に複数垂下支持されたミシン本体と、前記駆動ボックスから延設されてこれらのミシン本体の駆動部を同期駆動させるミシン本体側駆動軸と、これらのミシン本体を決められた縫製間隔に合わせてそれぞれ左右移動させるミシン本体移動手段と、これらのミシン本体の下方のそれぞれの対向位置に配置されたミシン基台と、前記駆動ボックスから延設されてこれらのミシン基台の駆動部を同期駆動させるミシン基台側駆動軸と、これらのミシン基台を決められた縫製間隔に合わせてそれぞれ左右移動させるミシン基台移動手段とが備えられているものであるから、以下に述べる効果を奏する。

【００７１】すなわち、羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収納部を複数区画形成するための帯状シートを縫着する作業を自動的に行うことができ、作業能率が良くて、作業時間も短くてよく、素人でもこの縫着作業を容易に行うことができる。

【００７２】しかも、短い時間で羽毛布団を大量に生産することができて、コストダウンを図ることができる。

【００７３】更に、小スペースで作業を行うことができる。

【００７４】また異なる数列・間隔の縫着を、ミシン本体移動手段及びミシン基台移動手段によるミシン本体及びミシン基台の左右移動切り換え操作によって容易に行うことができる。

【００７５】更に、前記ミシン本体及びミシン基台の左右の移動を案内するガイドレールがそれぞれ設けられ、このガイドレールに、前記ミシン本体移動手段及びミシン基台移動手段によるミシン本体及びミシン基台の左右移動範囲を規制する規制部材が設けられていることによって、ミシン本体及びミシン基台の左右移動をスムーズに行うことができるとともに、規制部材によって、ミシン本体及びミシン基台の移動位置を決められた所定の位置とすることが確実にできる。

【００７６】また、前記ミシン本体側駆動軸に、縫製工程において不要となるミシン本体の駆動を停止させるクラッチ機構が設けられていることによって、余分な動力を浪費することがない。

【００７７】しかも、前記枠体移動手段の前端部に、前記枠体を挟持して移動させるための挟持手段が設けられていることによって、枠体の枠体移動手段への支持を容易に行うことができ、枠体の取付け取り外しを簡単に行うことができる。

【００７８】且つ、前記枠体移動手段の後端部分に、前記枠体の左右側枠部が載置されてこの枠体をガイド滑走させるためのガイドローラが配されていることによって、枠体の前方への移動をスムーズに行うことができる。

【００７９】そして、前記ガイドローラが、枠体移動手段の後端部分における枠体の左右幅に対応した複数箇所に、使用時・不使用時に応じて起倒出没自在に設けられていることによって、枠体に張設される羽毛布団の表地もしくは裏地の縦幅及び横幅あるいは全体の大きさに応じたガイドローラを選択して、枠体をスムーズにガイド滑走することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る羽毛布団の自動縫製装置の一実
施例の全体構造を示す正面側から見た斜視図である。

【図２】図１の自動縫製装置における主にミシン本体と
ミシン基台とを示す部分拡大斜視図である。

【図３】図１の自動縫製装置における枠体の挟持手段を
示す部分拡大斜視図である。

【図４】図１の自動縫製装置における枠体ガイド滑走用
のガイドローラを示す部分拡大斜視図である。

【図５】図１の自動縫製装置における枠体移動手段の要
部を示す部分拡大斜視図である。

【図６】枠体に羽毛布団の表地もしくは裏地を張設した
状態の斜視図である。

【図７】図１の自動縫製装置によって、羽毛布団の表地
もしくは裏地の表面側の縦幅方向に４列の帯状シートを
縫着するスタート時の裏面側から見た斜視図である。

【図８】図７の縫着工程の完了直前の状態を示す裏面側
から見た斜視図である。

【図９】図１の自動縫製装置によって、羽毛布団の表地
もしくは裏地の表面側の横幅方向に３列の帯状シートを
縫着するスタート時の裏面側から見た斜視図である。

【図１０】図９の縫着工程の完了直前の状態を示す裏面
側から見た斜視図である。

【図１１】図１０の状態を表面側から見た斜視図であ
る。

【図１２】縦幅方向及び横幅方向に帯状シートを縫着完
了した羽毛布団の表地もしくは裏地の斜視図である。

【図１３】表地と裏地の各帯状シートを互いに縫着完了
した羽毛布団に、羽毛を吹き入れるときの状態を示す斜
視図である。

【符号の説明】

Ｕ羽毛布団の表地もしくは裏地ｕ羽毛収納部Ｓ帯状シート１自動縫製装置２枠体３枠体移動手段４駆動ボックス５補助ボックス６長尺支持部材７ミシン本体８ミシン本体側駆動軸９ミシン本体移動手段１０ミシン基台１１ミシン基台側駆動軸１２ミシン基台移動手段１３，１４ガイドレール１５，１６規制部材１７クラッチ機構１８挟持手段１９ガイドローラ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】羽毛布団の表地もしくは裏地に、羽毛収
納部を複数区画形成するための帯状シートを縫着するこ
とに用いられる羽毛布団の自動縫製装置であって、羽毛布団の表地もしくは裏地を張設する枠体と、この枠
体を前方に向けてガイド移動させる枠体移動手段と、こ
の枠体移動手段の左右に配置された駆動ボックスと補助
ボックスとの間に縣架された長尺支持部材と、この長尺
支持部材の下面側に左右方向に複数垂下支持されたミシ
ン本体と、前記駆動ボックスから延設されてこれらのミ
シン本体の駆動部を同期駆動させるミシン本体側駆動軸
と、これらのミシン本体を決められた縫製間隔に合わせ
てそれぞれ左右移動させるミシン本体移動手段と、これ
らのミシン本体の下方のそれぞれの対向位置に配置され
たミシン基台と、前記駆動ボックスから延設されてこれ
らのミシン基台の駆動部を同期駆動させるミシン基台側
駆動軸と、これらのミシン基台を決められた縫製間隔に
合わせてそれぞれ左右移動させるミシン基台移動手段と
が備えられていることを特徴とする羽毛布団の自動縫製
装置。
【請求項２】前記ミシン本体及びミシン基台の左右の
移動を案内するガイドレールがそれぞれ設けられ、この
ガイドレールに、前記ミシン本体移動手段及びミシン基
台移動手段によるミシン本体及びミシン基台の左右移動
範囲を規制する規制部材が設けられている請求項１に記
載の羽毛布団の自動縫製装置。
【請求項３】前記ミシン本体側駆動軸に、縫製工程に
おいて不要となるミシン本体の駆動を停止させるクラッ
チ機構が設けられている請求項１又は請求項２に記載の
羽毛布団の自動縫製装置。
【請求項４】前記枠体移動手段の前端部に、前記枠体
を挟持して移動させるための挟持手段が設けられている
請求項１乃至請求項３に記載の羽毛布団の自動縫製装
置。
【請求項５】前記枠体移動手段の後端部分に、前記枠
体の左右側枠部が載置されてこの枠体をガイド滑走させ
るためのガイドローラが配されている請求項１乃至請求
項４に記載の羽毛布団の自動縫製装置。
【請求項６】前記ガイドローラが、枠体移動手段の後
端部分における枠体の左右幅に対応した複数箇所に、使
用時・不使用時に応じて起倒出没自在に設けられている
請求項５に記載の羽毛布団の自動縫製装置。