JPH0555928B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明を音響および／または画像の磁気記録媒
体に関し、改良された耐摩耗性と帯電防止能を備
えた磁気記録媒体を提供する。 一般に磁気記録媒体はポリエステルなどのフイ
ルムなどの非磁性の基体上に有機バインダー中に
分散した磁性粉末（γ−Fe₂O₃、Co被覆γ−
Fe₂O₃、Fe粉末等）を塗布して造られるが、磁気
記録媒体は記録、再生時に磁気ヘツドなどに激し
く接触するために、磁性層が摩耗されやすく、耐
摩耗性に優れたものが要求されている。また、磁
性層は静電気を帯びやすく、ほこりが付着し、こ
れによる音の歪、画面のチラツキが生じやすい。
また磁気記録媒体の磁性層の終端の識別は光学的
検出によつているから、磁性層を色によてえ区別
する、例えば黒色にする必要がある。 これらの従来技術の欠点を改良するために、
種々の添加剤を磁性層に添加することが提案され
ている。例えば、特開昭57−183628では、
Cr₂O₃、SiC、Al₂O₃、TiO₂、SiO₂、ZnO、特開
昭57−164420ではα−Fe₂O₃、Cr₂O₃、Al₂O₃等、
特開昭57−170132では、SnO₂、、特開昭56−
29836では、MoS₂、WS₂等である。 しかしながら、これらの添加剤は、いずれも粒
子が大きく、磁性層の表面粗さを増し、滑り性を
低下する。しかも帯電防止効果は充分でないた
め、カーボンブラツクの併用を必要とする。しか
し、カーボンブラツクは分散性に劣り、有機バイ
ンダーと反応し塗膜を劣化させるなどの問題があ
る。本発明によれば、非磁性支持体上に磁性粉末
を含む磁性層を有する磁気記録媒体において、磁
性層中に比表面積２m²／ｇ以上30m²／ｇ未満の微
細なバナジウム、ニオブ、モリブデンまたはタン
グステンの酸窒化物の粉末が、磁性粉末100重量
部に対して0.5ないし10重量部含まれていること
を特徴とする磁気記録媒体が提供される。この磁
気記録媒体は耐摩耗性と平滑性において従来のも
ので優れ、例えば、磁気テープにおいては、記録
可能部分が適度の黒色を有する。 上記金属の微細な黒色調の酸窒化物、該金属の
酸化物、即ち、Nb₂O、V₂O₅、WO₃、MoO₃もし
くは、これらの低級酸化物、或いはそれらのオキ
シ酸のアンモニウム塩、即ち、NH₄VO₃、
（NH₄）₁₀W₁₂O₄₁・5H₂O（NH₄）₆Mo₇O₂₄・4H₂O
等をアンモニアガスと500〜900℃で反応させて得
られる。これらの生成物はＸ線による結晶構造の
解析から立方晶系のNaCl構造を取つており、酸
素と窒素は次の範囲で含有される。

【表】 粒子の大きさは出発原料を選択することにより
比表面積で２m²／ｇの以上の微粉末が得られる。
比表面積は２m²／ｇあればよく、余り高いと分散
が悪くなるので、30m²／ｇ以下が望ましい。粉末
の電気抵抗10Kg／cm²の圧力で圧縮した圧粉体で１
は10¹〜10^-1Ω・cmであれば充分に効果が得られ
る。 これらの粉末は磁性層中に磁性粉末100重量部
に対して0.5ないし10重量部の割合で混合される。
0.5重量部未満では、前記の効果が充分でなく、
10重量部を越えると、磁気特性の低下が無視でき
なくなる。 次に実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例に用いた酸室化物粉末の製造条件および特
性は次の第２表に示す通りである。

【表】

【表】 実施例 次の第３表に示す組成を有する混合物をサンド
グラインダー（五十嵐機械(株)製）で分散し、15μ
ｍの厚さのポリエステルフイルム上に乾燥厚みが
約5μになるように塗布し乾燥した。 第３表 γ−Fe₂O₃粉末 100重量部 オレイン酸 １重量部 ポリウレタン 10重量部 塩ビ−酢ビ共重合体 15重量部 ポリイソシアナート ８重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 酸窒化物粉末 0.5〜10重量部 このフイルムから所定の幅に切断して得た磁気
記録テープを耐摩耗性を調べるためにテープレコ
ーダーに充填し、５cm／secの速度で500回走行さ
せた後、出力変動で測定した。結果を第４表に示
した。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 非磁性支持体上に磁性粉末を含む磁性層を有
   する磁気記録媒体において、磁性層中に比表面積
   ２m²／ｇ以上30m²／ｇ未満の微細なバナジウム、
   ニオブ、モリブデンまたはタングステンの酸窒化
   物の粉末が磁性粉末100重量部に対して0.5ないし
   10重量部含まれていることを特徴とする磁気記録
   媒体。