JPH0555797U - サーボモータの制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーボモータの正転時，逆転時における負荷
の変動に対し、常に速度アンプのゲインを最適値に調整
する。 【構成】 サーボモータ５に対する指令装置１からの回
転指令を正転側指令と逆転側指令に弁別する指令方向判
別回路10と、サーボモータ５の回転方向を弁別する回転
方向判別回路７と、前記指令方向判別回路10でもって正
転側と逆転側に切換えられ、かつ、夫々独立した速度ゲ
イン調整ボリウム３Ａ，３Ｂを備えた正転側速度アンプ
２Ａ，逆転側速度アンプ２Ｂを有し、回転方向別にゲイ
ン調整を可能にした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、サーボモータの負荷状態が該サーボモータの正転時，逆転時におい て異なる場合に、正転時，逆転時共に安定した特性を得ることが出来るサーボモ ータの制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年工業分野におけるサーボモータの進出には目覚ましいものがあり、それと 同時にサーボモータの使用状態も多様化してきている。

【０００３】 図２は、従来の速度フィードバック系をもつサーボモータの制御装置のブロッ ク図を示す。この制御装置の動作を説明すると、指令装置１より与えられた回転 指令Ｓ１に対するサーボモータ５の回転数をエンコーダ６により検出し、速度フ ィードバック信号Ｓ２とする。

【０００４】 この速度フィードバック信号Ｓ２は、回転方向判別回路７により、正転側と逆 転側が判別され、夫々正転側及び逆転側ｆ／ｖ(周波数／電圧)変換回路８，９に て変換された後、回転指令Ｓ１と速度フィードバック信号Ｓ２は速度アンプ２に よりかけ合わされ、サーボモータ５のトルク指令となり、電流アンプ４で増幅さ れ、サーボモータ５に供給される。

【０００５】 上記において、速度アンプ２のゲインは１個の速度ゲイン調整ボリウム３によ り負荷に対し、最適値となるよう調整される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の構成ではモータの正転，逆転に対する速度アンプ２ のゲイン調整を１個の速度ゲイン調整ボリウム３で調整するようになっているた め、負荷状態に対するサーボ系のゲインが１つの値しか定まらない。この場合、 負荷に重力方向の力が作用する場合や、負荷が、バネ等により一方向にテンショ ンをかけられている場合など、サーボモータの正転時，逆転時に負荷の状態が異 なる条件においては速度アンプのゲインを最適値に調整することが難かしく、調 整に時間を取られたり、サーボモータの応答性あるいは安定性を犠牲にして調整 されることとなる。

【０００７】 本考案は、上述したような従来の不具合いを解消し、サーボモータの正転時， 逆転時における負荷の変動に対し、常に速度アンプのゲインを最適値に調整する ことができるサーボモータの制御装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、サーボモータに対する回転指令を正転側指令と逆転側指令に弁別す る指令方向判別回路と、サーボモータの回転方向を弁別する回転方向判別回路と 、正転側と逆転側で各々切替えられ、かつ、夫々独立した速度ゲイン調整ボリウ ムを備えた正転側速度アンプ，逆転側速度アンプを有し、回転方向別にゲイン調 整を可能にしたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、簡単な手段により、サーボモータの正転時，逆転時における 負荷の違いを独立して調整出来るため、正転時，逆転時共、応答性や安定性を損 なうことなく最適な調整が可能となる。

【００１０】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例の構成を示すブロック図を示し、２Ａ，２Ｂは夫々 正転側，逆転側の速度アンプで、後述する指令方向判別回路10より出力された正 転側，逆転側回転指令Ｓ３，Ｓ４と、正転側，逆転側ｆ／ｖ変換回路８，９より 出力されるフィードバック信号Ｓ２Ａ，Ｓ２Ｂを合成する。３Ａ，３Ｂは夫々正 転側，逆転側速度ゲイン調整ボリウムで、速度アンプ２Ａ，２Ｂの正転側，逆転 側の速度ゲインを可変とする。10は指令方向判別回路で、指令装置１から入力さ れた回転指令が正転側の指令か、逆転側の指令かを判別し、前記、正転側，逆転 側速度アンプ２Ａ，２Ｂを切換え、動作させる。

【００１１】 なお、前記図２と同一機能のブロックは同一番号を付し、その説明を省略する 。

【００１２】 以上のように構成された本実施例の動作を説明する。

【００１３】 まず指令装置１より与えられた回転指令は指令方向判別回路10により、正転側 回転指令か逆転側回転指令かを判別する。今、仮に正転側回転指令(逆転側回転 指令も同様であり、以下( )で示す)が与えられたとすると、回転指令は正転側( 逆転側)速度アンプ２Ａ(２Ｂ)に入力される。正転側(逆転側)速度アンプ２Ａ (２Ｂ)の出力は正転側(逆転側)速度ゲイン調整ボリウム３Ａ(３Ｂ)により個別に 調整されたゲインにより増幅され、次段の電流アンプ４によりサーボモータ５を 正転側(逆転側)に回転させる。

【００１４】 サーボモータ５の回転速度はエンコーダ６により検出され回転方向判別回路７ により回転方向の判別が行われる。この場合、正転側(逆転側)の回転であるため 、速度フィードバック信号Ｓ２は正転側(逆転側)ｆ／ｖ変換回路８(９)に入力さ れ速度に比例する正転側(逆転側)フィードバック信号電圧Ｓ２Ａ(Ｓ２Ｂ)に変換 され、正転側(逆転側)速度アンプ３Ａ(３Ｂ)にフィードバックされる。

【００１５】 以上のように本実施例によれば正転用，逆転用にそれぞれ独立した速度ゲイン 調整ボリウム３Ａ，３Ｂを使用することによりサーボモータの回転方向により負 荷状態が変わる使用条件下において、各々の回転時に対するサーボ系のゲインを 最適に調整することが出来る。

【００１６】 なお、本実施例ではアナログ電圧値により回転指令を与える方式としたがパル ス数及び周波数によるデジタル式回転指令による方式にも応用出来る。また、本 実施例では正転，逆転独立した速度アンプとしたが、１個の速度アンプでアナロ グスイッチ等によりゲインを切り換えられるように構成してもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のサーボモータの制御装置は、サーボモータの正転 用，逆転用に個々に速度ゲイン調整機能を持たせたことにより、幅広い負荷状況 に対応出来る。本考案が解決しようとする課題は高度な制御論理に基づくデジタ ル制御によっても実現出来るが、本考案の場合は従来のアナログ制御回路の応用 であるため、容易に実現可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】従来の速度フィードバック系をもつサーボモー
タ制御装置のブロック図である。

【符号の説明】

１…指令装置、 ２Ａ…正転側速度ランプ、 ２Ｂ…逆
転側速度ランプ、 ３Ａ…正転側速度ゲイン調整ボリウ
ム、 ３Ｂ…逆転側速度ゲイン調整ボリウム、４…電流
アンプ、 ５…サーボモータ、 ６…エンコーダ、 ７
…回転方向判別回路、 ８…正転側ｆ／ｖ変換回路、
９…逆転側ｆ／ｖ変換回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 サーボモータに対する回転指令を正転側
   指令と逆転側指令に弁別する指令方向判別回路と、サー
   ボモータの回転方向を弁別する回転方向判別回路と、正
   転側と逆転側で各々切換えられ、かつ、夫々独立した速
   度ゲイン調整ボリウムを備えた正転側速度アンプ，逆転
   側速度アンプを有し、回転方向別にゲイン調整を可能に
   したことを特徴とするサーボモータの制御装置。