JPH0555613B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は紡機におけるローラドラフト装置の
バツクボトムローラの取付構造に関するものであ
る。

（従来の技術） 一般に紡機においてはその表面速度の異なる二
組以上のローラを設置し、その表面速度の差を利
用して繊維束を逐次細化するいわゆるローラドラ
フト形式のドラフト装置が広く用いられている。
従来、この種のドラフト装置においては、第４図
に示すように全錘共通のフロントボトムローラ３
１、ミドルボトムローラ３２、バツクボトムロー
ラ３３がそれぞれ軸受３４，３５，３６を介して
回転自在に支承され、ギヤエンド側に設けられた
歯車列３７を介して回転駆動されるようになつて
いる。そして、この種のドラフト装置においては
紡出条件特に繊維長の長さに対応してミドルボト
ムローラ３２及びバツクボトムローラ３３のゲー
ジ変更を行う必要があるため、ミドルボトムロー
ラ３２及びバツクボトムローラ３３はその軸受３
５，３６がスライド部材３８，３９を介してロー
ラスタンド４０に取付けられている。そして、前
記ゲージの変更はバツクボトムローラ３３の場合
により頻繁に行われる。

バツクボトムローラ３３のゲージ変更を行う場
合には、バツクボトムローラ３３を機台上から下
し、各ローラスタンド４０に装備されたスライド
部材３９を設定ゲージと対応する所定位置に移動
させて固定し、その後再びバツクボトムローラ３
３をスライド部材３９上に載せる。ところが、全
錘共通のバツクボトムローラを使用する場合に
は、他のボトムローラに対するバツクボトムロー
ラの表面速度の関係からバツクボトムローラの太
さに制限がある。そのため、バツクボトムローラ
３３はねじ継手によりギヤエンド側からアウトエ
ンド側まで１本に連結されしかも比較的径が細く
形成されているため、撓み、ねじれが生じ易い。
従つて、バツクボトムローラ３３をスライド部材
３９上に載せた後、各錘毎にバツクボトムローラ
３３の撓みあるいはねじれがないかどうかを確認
するとともに最終調整を必要とするため、ゲージ
変更作業に手間がかかるという不都合がある。

一方、昭和59年12月15日公開の特開昭59−
223323号公報には、バツクローラを１錘毎に駆動
可能に配設し、全錘共通のバツクボトムローラ駆
動軸から歯車伝達機構を介して駆動するドラフト
装置が開示されているが、この装置ではミドルボ
トムローラとバツクボトムローラとが同一フレー
ムに対して支承されており、両ローラ間のゲージ
変更に対する配慮がなされていない。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は前記従来装置におけるゲージ変更作
業に手間がかかるという問題点を解決するもので
ある。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明においてはローラスタンドのガイド面
に沿つて前後方向すなわち機台の長手方向と直交
する方向に移動可能に固定される支持ブラケツト
により、支持パイプが機台長手方向に沿うように
固定支持されている。前記支持パイプ内には全錘
共通のバツクボトムローラ駆動軸が遊挿されると
ともに回転自在に支持されている。又、前記駆動
軸により歯車伝達機構を介して駆動されるバツク
ボトムローラは、前記支持パイプに回動可能に支
持されるとともにブラケツトにより所定位置に固
定される支持部材に回転自在に支持されている。

（作用） この発明のバツクボトムローラは全錘共通のバ
ツクボトムローラ駆動軸から歯車伝達機構を介し
て駆動される。そして、バツクボトムローラのゲ
ージ変更を行う場合には、バツクボトムローラあ
るいはバツクボトムローラ駆動軸を機台から取外
すことなく、支持パイプを支持する支持ブラケツ
トをローラスタンドのガイド面に沿つて設定ゲー
ジと対応する所定位置にスライドし、同位置に固
定することによりゲージ変更を行うことができ
る。そして、支持パイプが十分な強度をもつため
ゲージ変更作業時に支持パイプがねじれたり撓ん
だりすることがない。

（実施例） 以下、この発明を具体化した一実施例を第１〜
３図に従つて説明する。ローラービーム１上には
１スタツフ毎にローラスタンド２がボルト３によ
り機台長手方向と直交する状態に締付固定されて
いる。ローラースタンド２の前側上部にはフロン
トボトムローラ４が軸受４ａを介して回動可能に
支承されている。又、フロントボトムローラ４の
後方には、ローラスタンド２に対してスライド可
能に載置されボルト５により所定位置に締付固定
されるスライド部材６上に、軸受７ａを介してミ
ドルボトムローラ７が回動可能に支承されてい
る。

前記ローラスタンド２の後部下面には支持パイ
プ８を機台長手方向に沿う状態に支持する支持ブ
ラケツト９が、ローラースタンド２のガイド面に
沿つて前後方向すなわち機台長手方向と直交する
方向に移動可能に装備されるとともに、長孔２ａ
を介してローラスタンド２の上方から支持ブラケ
ツト９に螺入されるボルト１０により固定支持さ
れている。前記支持パイプ８内には全錘共通のバ
ツクボトムローラ駆動軸１１が遊挿されるととも
に軸受１２を介して回転自在に支持されている。
バツクボトムローラ駆動軸１１は６錘分毎にカツ
プリング１３を介して連結されるとともに、ギヤ
エンド側の端部から歯車列１４を介して回転駆動
されるようになつている。

前記支持パイプ８にはバツクボトムローラ１５
を２錘一組で回動可能に支持するための支持部材
としてのケース１６がその基端において回動可能
に支持され、第３図に示すようにローラービーム
１上にボルト１７を介して締付固定されるブラケ
ツト１８により、ボルト１９を介して固定支持さ
れている。バツクボトムローラ１５はケース１６
の先端に回動可能に支持されるとともにケース内
に配設されたクラツチ、ブレーキ装置を備えた歯
車伝達機構２０を介してバツクボトムローラ駆動
軸１１の回転が伝達されるようになつている。
又、ケース１６の上端両側部にはスライバをバツ
クボトムローラ１５へ案内するトランペツト２１
が取付けられている。なお、前記ローラスタンド
２の後部上端にはフロントトツプローラ２２、ミ
ドルトツプローラ２３、バツクトツプローラ２４
を支持するアーム２５がその基端において回動可
能に支持されている。

次に前記のように構成された装置の作用を説明
する。紡出条件の変更等に対応してバツクボトム
ロータ１５のゲージ変更を行う場合には、ケース
１６を固定支持しているボルト１９を緩め、次い
で支持ブラケツト９を締付固定しているボルト１
０を緩め、支持ブラケツト９をローラースタンド
２のガイド面に沿つて設定ゲージと対応する所定
位置までスライドさせる。そして、所定位置にお
いてボルト１０を締付け、支持ブラケツト９をロ
ーラースタンド２に締付固定する。次にボルト１
７を緩め、その状態でブラケツト１８をケース１
６と当接する位置まで移動させ、最後にボルト１
７及びボルト１９を締付けることによりゲージ変
更作業が完了する。支持パイプ８は曲げ、ねじれ
などが生じない十分な強度及び太さに形成されて
いるため、支持ブラケツト９を所定位置にスライ
ドさせてボルト１０により締付固定した場合に支
持パイプ８が撓んだりねじれたりすることがな
い。従つて、支持パイプ８に支持部材としてのケ
ース１６を介して支持されているバツクボトムロ
ーラ１５は、ミドルボトムローラ７と平行状態を
保持したまま所定位置に移動配置される。従つて
従来装置と異なり支持ブラケツト９を移動した後
に、各錘毎にバツクボトムローラ１５のねじれ等
の最終チエツクを必要とせずゲージ変更作業が容
易にしかも短時間で完了する。

又、この実施例の装置においてはバツクボトム
ローラ駆動軸１１が６錘分毎にカツプリング１３
により連結されているため、ゲージ変更を行う際
に小単位に分解し個々の単位毎にゲージ変更作業
を行うことができ、作業がより容易になる。さら
に、トランペツト２１がケース１６に固定された
状態のままゲージ変更作業を行うことができるの
で、紡出糸の品質に影響を及ぼすトランペツト２
１とバツクボトムローラ１５との距離が常に一定
に保持されるため、ゲージ変更作業毎にトランペ
ツト２１の取付位置調整を行う必要がない。又、
バツクボトムローラ駆動軸１１の回転をバツクボ
トムローラ１５に伝達する歯車伝達機構２０がケ
ース１６内に組込まれているため、ゲージ変更作
業時に歯車伝達機構等を分解する必要がなく再組
付作業時に必要となるギヤツプ調整等の煩雑な調
整作業を行う必要がない。

なお、この発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、バツクボトムローラ１５を２
錘一組で支持する構成に代えて各錘毎に支持する
構成を採用したり、ローラースタンド２を１スタ
ツフ毎に配設する代わりに複数スタツフ毎に設け
たり、トランペツト２１をケース１６と独立して
配設する等この発明の趣旨を逸脱しない範囲にお
いて各部の形状、構成等を任意に変更することも
可能である。

発明の効果 以上詳述したように、この発明によればボトム
ローラが機台長手方向に沿つて配設される支持パ
イプに支持部材を介して支持され、該支持パイプ
内に遊挿されるとともに回転自在に支持される全
錘共通のバツクボトムローラ駆動軸を介して駆動
されるので、支持パイプ及びバツクボトムローラ
駆動軸の太さ及び強度を撓み、曲げが生じない十
分な強度を持つ状態にすることができ、バツクボ
トムローラのゲージ変更時に支持パイプを所定位
置まで移動固定する場合に撓み、ねじれ等が生じ
ることがなく、支持パイプを支持する支持ブラケ
ツトをローラスタンドに沿つて所定位置まで移動
することによりゲージ変更作業を簡単にしかも速
く行うことができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はこの発明を具体化した一実施例を
示すものであつて、第１図は一部省略平面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線拡大断面図、第３図は第
１図のＢ−Ｂ線拡大断面図、第４図は従来装置を
示す概略平面図である。 ローラースタンド……２、支持パイプ……８、
支持ブラケツト……９、バツクボトムローラ駆動
軸……１１、カツプリング……１３、バツクボト
ムローラ……１５、支持部材としてのケース……
１６、歯車伝達機構……２０。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ローラスタンドのガイド面に沿つて前後方向
   に移動可能に固定支持される支持ブラケツトによ
   り機台長手方向に沿つて支持パイプを固定支持
   し、該支持パイプ内には全錘共通のバツクボトム
   ローラ駆動軸を遊挿するとともに回転自在に支持
   し、前記駆動軸により歯車伝達機構を介して駆動
   されるバツクボトムローラを、前記支持パイプに
   回動可能に支持されるとともにブラケツトにより
   所定位置に固定される支持部材に回転自在に支持
   したバツクボトムローラの取付構造。 ２ 前記バツクボトムローラ駆動軸は数錘分毎に
   カツプリングで連結されている特許請求の範囲第
   １項に記載のバツクボトムローラの取付構造。