JPH0554502A - ハードデイスク駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、ハブにハードディスクを固定
する構造部分の加工を容易にできるとともに、ハードデ
ィスクの反りを少なくできるようにしたハードディスク
駆動装置を得ることにある。 【構成】ディスク嵌合周面およびこの周面の径より大径
な平坦な座面を有して回転駆動されるハブと、断面が円
形であって弾性を有するとともにディスク嵌合周面の径
より小さい内径を有した欠円環状に形成され、ディスク
嵌合周面に弾性的に嵌合して取付けられた複数のクラン
プリングと、中心孔を有し、この孔をディスク嵌合周面
に嵌合して設けられるとともに、中心孔の縁部を複数の
クランプリングで挟まれるハードディスクと、ディスク
嵌合周面の径より大径であってハブに取付けられハード
ディスクをクランプリングを介して座面との間に挟持す
る平坦な押さえ面を周部に有したディスククランパーと
を具備した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転駆動されるハブに
ハードディスクを固定するための構造を改良したハード
ディスク駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は従来のハードディスク駆動装置を
例示している。この装置は、密閉されたケース１、ラジ
アルギャップ型の直流ブラシレスモータ２、ハードディ
スク３、および図示しない磁気ヘッド並びにヘッド駆動
機構を備えている。ブラシレスモータ２は、モータハウ
ジング４と、ステータ５と、ロータ６と、フレキシブル
印刷回路基板７とを備えている。

【０００３】モータハウジング４は、円形をなす平坦な
回路基板取付け面４ａを有しているとともに、段付きの
筒部８および取付け部９を有している。筒部８はモータ
ハウジング４の中央部に位置して一体に突設され、その
突出された一端は開口されているとともに、他端は回路
基板取付け面４ａの中央部に開口されている。取付け部
９は回路基板取付け面４ａの周囲に設けられており、こ
の取付け部９は図示しない複数のねじを介してケース１
に固定されている。この取付により、ケース１の内側に
筒部８が配置されるとともに、回路基板取付け面４ａが
ケース１の外部に臨むようになっている。

【０００４】ステータ５は筒部８の外周に嵌合して取付
けられている。このステータ５は、筒部８に固定され放
射状に突出する複数の突極を有したステータコア１０
と、前記突極に巻き付けられた巻線１１とを備えてい
る。なお、巻線１１の端末部は回路基板取付け面４ａに
接着されたフレキシブル印刷回路基板７に接続され、こ
の基板７を介して外部のモータ制御回路に接続されるよ
うになっている。

【０００５】ロータ６は、図６において下面が開口され
たカップ状をなすハブ１２の内周面にリング形のロータ
マグネット１３を取付けているとともに、ハブ１２の中
央部内面に回転軸１４を例えば一体に突出して形成され
ている。ロータ６の回転軸１４は、前記筒部８内にその
一端開口から挿入されて、筒部８内に収納された一対の
軸受け１５，１６を介して回転自在に支持されている。
この取付けによって、ロータ６の内側にはステータ５が
収納されるとともに、ロータマグネット１３の内周面と
ステータ５の突極先端面とが近接して対向される。

【０００６】ハブ１２の円形周壁１７は、ディスク嵌合
周面１７ａを有しているとともに、この周面１７ａに連
なったフランジ部１８を有している。フランジ部１８は
ディスク嵌合周面１７ａの径より大径であって、その座
面１８ａは図５に詳しく示すように同図中において上向
きに凸となる断面円弧状の曲面で形成されている。さら
に、図６においてハブ１２の周部上面には段差１９が形
成されている。

【０００７】前記ハードディスク３は中心孔３ａを有し
ており、この孔３ａを前記ディスク嵌合周面１７ａに嵌
合するとともに、この孔３ａの縁部を前記座面１８ａに
載置して設けられている。そして、このディスク３はデ
ィスククランパー２０のハブ１２への取付により、この
クランパー２０の周部とフランジ部１８との間に挟持さ
れてロータ６に固定されている。

【０００８】すなわち、ディスククランパー２０は円板
状をなし、その周部に前記フランジ部１８方向に突出す
る環状の挟持突部２１を一体に有している。この突部２
１の先端面すなわち押さえ面２１ａは図５に詳しく示す
ように同図中において下向きに凸となる断面円弧状の曲
面で形成されている。図６に示すようにディスククラン
パー２０は、ハブ１２に嵌合されるとともに前記クラン
パー２０の中央部を通ってハブ１２に螺合するねじ２２
の締付けにより固定されている。その取付によって、デ
ィスククランパー２０の突部２１と前記フランジ部１８
との間にハードディスク３の中心孔３ａの縁部が挟持さ
れて、ハードディスク３のハブ１２への固定がなされて
いる。

【０００９】ハブ１２に対する前述のようなハードディ
スク３の固定構造において、仮にハードディスク３を挟
持するフランジ部１８の座面１８ａとディスククランパ
ー２０の押さえ面２１ａとが例えば平坦面である場合に
は、これらの面をハードディスク３に完全に面接触する
ような面に加工することは技術上困難であり、実際上は
ハードディスク３を数箇所の点で挟持することになり、
それに伴ってハードディスク３にその厚み方向に反りを
生じ易い。

【００１０】しかし、図５，図６に示したハードディス
ク３のハブ１２への固定構造によれば、前記座面１８ａ
および押さえ面２１ａが夫々断面円弧面に形成されてい
るので、各円弧面の頂点をハードディスク３の中心孔３
ａの縁部を線接触させて、このディスク３をその厚み方
向に挟持できる。そのため、理論的にはハードディスク
３の反りが発生する可能性を少なくできる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところが、座部１８の
座面１８ａおよびディスククランパー２０の押さえ面２
１ａを断面円弧状にする加工は難しく、生産性が悪いだ
けでなく、その頂点の位置を正確に出すことが困難であ
った。そのため、実際には、座面１８ａの頂点が押さえ
面２１ａの頂点よりも外側に位置したり内側に位置した
りすることが多い。したがって、このような挟持位置の
ばらつきに基いてハードディスク３がその厚み方向に反
ってしまい、ディスク３の反りを十分な信頼性をもって
防止することは困難であった。

【００１２】本発明の目的は、ハブにハードディスクを
固定する構造部分の加工を容易にできるとともに、ハー
ドディスクの反りを少なくできるようにしたハードディ
スク駆動装置を得ることにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のハードディスク駆動装置は、ディスク嵌合
周面およびこの周面の径より大径で平坦な座面を有して
回転駆動されるハブと、断面が円形であって弾性を有す
るとともに前記ディスク嵌合周面の径より小さい内径を
有した欠円環状に形成され、前記ディスク嵌合周面に弾
性的に嵌合して取付けられた複数のクランプリングと、
中心孔を有し、この孔を前記ディスク嵌合周面に嵌合し
て設けられるとともに、前記中心孔の縁部を前記複数の
クランプリングで挟まれるハードディスクと、前記ディ
スク嵌合周面の径より大径であって前記ハブに取付けら
れ前記ハードディスクを前記クランプリングを介して前
記座面との間に挟持する平坦な押さえ面を周部に有した
ディスククランパーとを具備したものである。

【００１４】

【作用】上記の構成ハードディスク駆動装置において
は、ハブのディスク嵌合周面に嵌合したハードディスク
の中心孔の縁部を、このディスクの両面からディスクク
ランパーで挟むとともに、互いに積層されたハードディ
スクとディスククランパーとを、ハブの座面とハブに取
付けられたディスククランパーとの間で挟持して、ハブ
に対するハードディスクを固定している。ところで、ハ
ードディスクをその厚み方向両側から挟む複数のクラン
プリングの断面は円形であって、これらとハードディス
クとを線接触させてハードディスクを固定できるので、
ハブの座面およびディスククランパーの押さえ面を平坦
な面とできる。そして、クランプリングはその弾性変形
を利用してハブのディスク嵌合周面に嵌合されているか
ら、これらクランプリングのハードディスクに接する位
置はディスク嵌合周面を基準として定められる。したが
って、ハードディスクとこれを挟む複数のクランプリン
グとの各接触位置が、径方向にずれることは極めて少な
い。

【００１５】

【実施例】図１〜図４を参照して本発明の一実施例を説
明する。なお、説明にあたり、図５，図６を参照して説
明した従来例と同様の構成については、同一符号を付し
てその説明を省略し、前記従来例とは異なる構成につい
てのみ以下説明する。従来例と異なる構成はハブ１２に
対するハードディスク３の固定構造である。

【００１６】すなわち、ハブ１２のフランジ部１８に設
けられる座面１８ｂは、図１に示すように平坦な面で形
成されている。この座面１８ｂは、ディスク嵌合周面１
７ａの径Ａよりも大径であって、この嵌合周面１７ａに
対して直角に連なっている。

【００１７】また、ハブ１２にねじ２２で取付けられた
ディスククランパー２０は、フランジ部１８の外径と略
同じ大きさの円板からなり、その周部に押さえ面２１ｂ
を有している。押さえ面２１ｂは図１，図２においてデ
ィスククランパー２０の下面に面一に連なった平坦な面
で形成されている。

【００１８】これら座面１８ｂおよび押さえ面２１ｂと
の間には、ディスク嵌合周面１７ａに嵌合した一対のク
ランプリング２５，２６を介してハードディスク３が挟
持されている。図３および図４に示すように各クランプ
リング２５，２６は、断面が円形であって、ディスク嵌
合周面１７ａの径Ａよりも少し小さい内径Ｂを有して、
欠円環状に形成されている。さらに、クランプリング２
５，２６は弾性を有しており、例えばステンレス製で成
形されている。

【００１９】図１および図２において下側に位置された
クランプリング２５は、ディスク嵌合周面１７ａに弾性
的に嵌合して、この周面１７ａと前記座面１８ｂとハー
ドディスク３の中心孔３ａの縁部下面に夫々接して設け
られている。同様に上側に位置されたクランプリング２
５は、ディスク嵌合周面１７ａに弾性的に嵌合して、こ
の周面１７ａと前記押さえ面２１ｂとハードディスク３
の中心孔３ａの縁部上面に夫々接して設けられている。

【００２０】前記構成を備えたハードディスク駆動装置
において、そのハブ１２にハードディスク３を固定する
には、まず、ハブ１２のディスク嵌合周面１７ａに一方
のクランプリング２５を嵌合させて、このリング２５を
ハブ１２の平坦な座面１８ｂ上に載せる。この際に、ク
ランプリング２５はその内径が少し広がるように弾性変
形されてディスク嵌合周面１７ａに嵌合され、この周面
１７ａを締め付ける。次に、ディスク嵌合周面１７ａに
ハードディスク３の中心孔３ａを嵌合させて、この中心
孔３ａの縁部をクランプリング２５上に載せる。

【００２１】この後、他方のクランプリング２６を、デ
ィスク嵌合周面１７ａに前記と同様にこの周面１７ａを
締め付けるようにして弾性変形させて嵌合することによ
り、ハードディスク３の中心孔３ａの縁部上面に係合さ
せて、両クランプリング２５，２６間にハードディスク
３を挟んで仮固定する。

【００２２】なお、以上は一枚のハードディスク３を仮
固定する場合であるが。さらに多くのハードディスク３
を固定する場合には、その固定数に応じたハードディス
クおよびクランプリングのディスク嵌合周面１７ａへの
嵌合を交互に行う。

【００２３】最後に、ハブ１２にディスククランパー２
０を載せて、これをねじ２２の締め付けによりハブ１２
に取付ける。そうすると、ディスククランパー２０の周
部の平坦な押さえ面２１ｂとハブ１２の平坦な座面１８
ｂとの間に、ハードディスク３を挟んだ複数のクランプ
リング２５，２６が挟持される。すなわち、以上の手順
によりハブ１２へのハードディスク３の固定作業が完了
する。

【００２４】前述のハードディスク３の固定構造によれ
ば、ハードディスク３をその厚み方向両側から挟むクラ
ンプリング２５，２６の断面は円形であるから、これら
とハードディスク３とを線接触させてハードディスク３
を固定できる。そのため、ハブ１２の座面１８ｂおよび
ディスククランパー２０の押さえ面２１ｂを夫々平坦な
面とできるものであり、したがって、これら各面１８
ｂ，２１ｂの加工が容易であり、加工コストを低減でき
る。

【００２５】しかも、クランプリング２５，２６をその
弾性変形を利用してハブ１２のディスク嵌合周面１７ａ
に嵌合させたから、これらクランプリング２５，２６の
ハードディスク３に接する位置は、ディスク嵌合周面１
７ａを基準として定められる。すなわち、ディスク嵌合
周面１７ａの径がＡであるから、クランプリング２５，
２６の径をＣ（図４参照）とすれば、回転軸１４を中心
に（Ａ＋Ｃ）／２を半径として描かれる円を形成する位
置で、クランプリング２５，２６はハードディスク３に
線接触する。したがって、ハードディスク３とこれを挟
むクランプリング２５，２６との各接触位置が、径方向
にずれることが極めて少ないので、ハードディスク３の
固定に伴う厚み方向の反りを少なくできるものであり、
ハードディスク駆動装置の信頼性を向上できる。

【００２６】その上、クランプリング２５，２６は同材
質であるから、使用時において熱膨脹をしても、それに
よって互いのハードディスク３に接する位置が径方向に
ずれて、ハードディスク３の反りを与える原因となるこ
とがないので、ハブ３とディスククランパー２０とを異
種材質で作ることも可能であり、材料選択の自由度を大
きくできる。ちなみに、図５および図６に示した従来例
において、ハブ３とディスククランパー２０とを同一材
質にしない場合には、熱膨脹差に応じてその座面１８ａ
と押さえ面２１ａの各頂点とハードディスク３との接触
位置が互いにずれて、ハードディスク３の反りの原因と
なることがあるので、従来例ではハブ３とディスククラ
ンパー２０とは同一材質とする必要がある。

【００２７】

【発明の効果】以上詳記したように本発明のハードディ
スク駆動装置によれば、クランプリングを介してハード
ディスクを挟持するハブのフランジ部の座面とディスク
クランパーの押さえ面とを夫々平坦な面で形成できるか
ら、これらの加工を容易にできるとともに、クランプリ
ングがハードディスクに線接触する位置が径方向にずれ
ることが少ないので、ハードディスクの厚み方向の反り
を少なくできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るハードディスク駆動装
置のディスク固定部分を示す断面図。

【図２】同実施例に係るハードディスク駆動装置全体を
示す断面図。

【図３】同実施例に係りクランプリングの平面図。

【図４】同実施例に係り図３のＺ−Ｚ線に沿うクランプ
リングの断面図。

【図５】従来例に係るハードディスク駆動装置のディス
ク固定部分を示す断面図。

【図６】同従来例に係るハードディスク駆動装置全体を
示す断面図。

【符号の説明】

３…ハードディスク、３ａ…中心孔、１２…ハブ、１７
ａ…ディスク嵌合周面、１８ｂ…座面、２０…ディスク
クランパー、２１ｂ…押さえ面、２５，２６…クランプ
リング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク嵌合周面およびこの周面の径よ
   り大径で平坦な座面を有して回転駆動されるハブと、断
   面が円形であって弾性を有するとともに前記ディスク嵌
   合周面の径より小さい内径を有した欠円環状に形成さ
   れ、前記ディスク嵌合周面に弾性的に嵌合して取付けら
   れた複数のクランプリングと、中心孔を有し、この孔を
   前記ディスク嵌合周面に嵌合して設けられるとともに、
   前記中心孔の縁部を前記複数のクランプリングで挟まれ
   るハードディスクと、前記ディスク嵌合周面の径より大
   径であって前記ハブに取付けられ前記ハードディスクを
   前記クランプリングを介して前記座面との間に挟持する
   平坦な押さえ面を周部に有したディスククランパーとを
   具備したハードディスク駆動装置。