JPH055439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は竪型炉芯管式炉、特に、その炉芯管の
自重および操炉時における炉芯管の熱膨張による
変形を防止する竪型炉芯管式炉に関するものであ
る。

（従来の技術とその問題点） 従来、前記竪型炉芯管式炉における炉芯管の炉
本体内への取付方法は、炉芯管の上端を支持して
取付ける方法，炉芯管の下端を支持して取付ける
方法，炉芯管の上端と下端を支持して取付ける方
法がある。

ところで、前記竪型炉芯管式炉は、各種セラミ
ツクス粉末の焼成、高純度金属の溶融などの各種
の処理に使用されるもので、その炉芯管は、処理
中に材料が炉芯管と反応することを防止する目
的、あるいは炉芯管自体から発生する不純物によ
つて材料が汚染されることを防止する目的から、
石英管，高純度のアルミナ管とする場合が多い。

そして、炉の操業に際しては、この炉芯管はそ
の軟化点近傍の温度で使用されることがあるが、
この場合、炉芯管が前記のような方法で炉本体内
に支持されていると、特に、炉芯管が大型化する
と、炉芯管自重の増加と相俟つてつぎのような不
都合が生じる。

上端支持の場合には、炉芯管の全自重を炉芯
管の上端フランジ部で支えることになるため、
炉芯管の肉厚を厚くする必要があるばかりか、
炉芯管自重により、加熱部位が伸びる。

下端支持の場合には、炉芯管の全自重を炉芯
管の下端部で支えることになるため炉芯管自重
により、加熱部位が座屈する。

両端支持の場合には、炉芯管の熱膨張を吸収
できず、加熱部位が座屈する。

すなわち、炉芯管の耐久性に問題があるばかり
か、炉芯管の大型化に十分対応することができな
いという問題があつた。

したがつて、本考案は、簡単な構成で、前記問
題点を解決する竪型炉芯管式炉を提供するもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、前記目的を達成するために、竪型炉
芯管式炉の炉芯管下端部を、炉本体に載置すると
ともに、前記炉芯管上端フランジ部を、炉本体上
面に取り付けた蛇腹管で保持するフランジにより
支持し、かつ、前記炉芯管支持用フランジに上方
付勢手段を設けたものである。

（実施例） つぎに、本考案を実施例である図面にしたがつ
て説明する。

１は炉本体で、この炉本体１の底部２中央に
は、貫通孔３を有する半球形の凹所４を有すると
ともに、上部中央に円形の開口部５を有する。

また、前記炉本体１の開口部５の外方には、ス
テンレス等の耐熱金属からなる蛇腹管６が設けら
れ、その上面に、環状のフランジ７が設けられて
いる。そして、前記蛇腹管６の上，下端部はそれ
ぞれフランジ７の下面と炉本体１の上面とに溶接
等で固着されている。

なお、前記フランジ７は炉本体１の上面に植設
されたガイド棒８により保持され、炉芯管１３の
熱膨張時、垂直方向に移動可能となつている。

９は、前記炉本体１の上面縁部に設けた上方付
勢手段で、第３図に示すように、炉本体１の上面
縁部にピン１０ａを支軸として上，下揺動自在に
設けたアーム１０と、このアーム１０の一端に設
けられ、前記フランジ７の下縁部と当接するコロ
１１と、他端に設けたバランスウエイト１２とか
らなり、前記フランジ７を上方に付勢するように
なつている。

そして、前記ガイド棒８と上方付勢手段９と
は、第２図に示すように、たとえば、交互に等間
隔で配置してある。

１３はフランジ７の開口部７ａから炉本体１の
開口部５を介して挿入されて炉本体１内に装着さ
れる、たとえば、石英管からなる炉芯管で、この
炉芯管１３は、その下端部を、前記凹所４に設け
たセラミツクフアイバー等の耐熱弾性材１５上に
載置され、上端部に設けたフランジ部１４を前記
フランジ７に、前記同様セラミツクフアイバー等
の耐熱弾性材１６を介して吊架されるものであ
る。

なお、耐熱弾性材１５，１６は炉芯管１３の装
着時などにおける炉芯管１３の損傷を防止するも
ので、必要に応じて設けるものである。

つまり、炉１内の炉芯管１３はその下端部を炉
本体１の底部２に、上端部を上方付勢手段９によ
つて上方に付勢されるフランジ７とにより支持さ
れることになる。かかる場合、下端部および上端
部で支持される力の割合は、通常ほぼ均等とする
ものであるが、炉芯管１３の加熱部位が上方ある
いは下方に位置する場合は、上方付勢手段９によ
る付与力を調整して、炉芯管の上端部と下端部に
おける負荷荷重をほぼ均一にする。

なお、１７は炉本体１に設けた、カーボンヒー
タ，タングステンヒータ等のヒータである。

本考案にかかる竪型炉芯管式炉は、前記構成か
らなるため、ヒータ１７によつて炉芯管１３が昇
温して膨張すると、この膨張は蛇腹管６の伸張に
より吸収されるとともに、炉芯管１３は、常に、
その上，下端部で支持されることとなる。

前記実施例では、上方付勢手段９をテコの原理
を用いた形式のものとしたが、これに限らず第４
図に示す如くエアシリンダ１８とし、供給エア圧
を調整するようにしてもよい。さらに、炉芯管１
３の下端部は第５図に示す如く炉外載置方式であ
つてもよい。

（効果） 以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、炉芯管の下端部は炉本体に、上端部は蛇腹管
を介して上方付勢手段により上方に付勢されるフ
ランジにより、炉本体内に装着されている。

したがつて、炉芯管がヒータにより加熱されて
熱膨張しても、この膨張は蛇腹管により炉芯管に
無理な力を与えることなく吸収されるとともに、
炉芯管はその上，下端部がそれぞれ適当な割合で
支持されているため、従来のように、炉芯管の自
重による伸びや座屈等の変形が生じず、炉芯管の
耐久性を向上することができ炉芯管の大型化に対
応できることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案にかかる竪型炉芯管式炉の一
実施例を示す断面図、第２図は第１図の平面図、
第３図は第１図の要部拡大図で、第４図は第３図
の変形例を示す図、第５図は炉芯管の支持方法を
示す図である。 １……炉本体、２……炉底部、５……開口部、
６……蛇腹管、７……フランジ、９，１８……上
方付勢手段、１３……炉芯管、１４……フランジ
部、１５，１６……耐熱弾性材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 竪型炉芯管式炉の炉芯管下端部を、炉本体に載
   置するとともに、前記炉芯管の上端フランジ部
   を、炉本体上面に取り付けた蛇腹管で保持するフ
   ランジにより支持し、かつ、前記炉芯管支持用フ
   ランジに上方付勢手段を設けたことを特徴とする
   竪型炉芯管式炉。