JPH0553908B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、基準床面上に敷設されて二重床を構
成するフロアパネルに関するものである。

（従来の技術） コンクリート床等の基準床面の上方に多数のフ
ロアパネルを敷設し、フロアパネルと基準床面と
の間にケーブルや換気ダクト等を配設できる自由
空間を確保した二重床構造、すなわちフリーアク
セスフロアが知られている。

上記フリークアクセスフロアのフロアパネルと
しては、例えは平板部の裏面に格子状の補強リブ
を一体に形成してなるアルミ合金製のフロアパネ
ルが使用されている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記フロアパネルでは、電算機等の機器を設置
固定するために平板部に取付部を形成すると、該
取付部に作用した荷重がパネル全域に伝達され
ず、該部分に変形や破損が生じる問題があり、こ
のため電算機等の機器に対して充分な取付強度が
得られず、機器がガタ付く問題があつた。さら
に、これらの変形や破損等を防止するためには、
取付部の周囲に力が伝達するように補強部材をあ
てがつて、該部分を補強しなければならず、面倒
であり、また補強部材によりフロアパネルの重量
が重くなつてしまい、かつ補強部材が床下配線の
邪魔になる等の種々の問題があつた。

本発明は上記従来技術の問題点を解決するもの
で、その目的とするところは、電算機等の機器を
設置固定する際に取付部を形成しても、補強部材
を使用することなく充分に強度を維持することが
できるフロアパネルを提供することである。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成するため、本発明のフロアパ
ネルは、基準床面上に支持脚によつて支承されて
二重床構造を構成するように、鋳造によつて製作
されたフロアパネルにおいて、前記フロアパネル
の表面側に平板部を形成し、前記フロアパネルの
裏面側に複数の補強リブを前記平板部と一体的に
形成し、前記補強リブの交差部のうち一又は二以
上の適宜の交差部に前記フロアパネルの厚さ方向
に延在する筒状突起を一体的に形成し、前記筒状
突起には、前記筒状突起の端面に開口を有するナ
ツト嵌入穴を形成すると共に、前記ナツト嵌入穴
の最奥部から前記平板部の近傍まで延在する穿孔
用の案内穴を形成し、前記ナツト嵌入穴と前記案
内穴の間には段部を形成したことを特徴とする。

（作用） そして、このような構成のフロアパネルに電算
機等の機器を設置するには、まず、必要箇所の筒
状突起のナツト嵌入穴から穿孔用の案内穴内ヘド
リル等の穿孔工具を挿入し、案内穴の底を掘削し
て、フロアパネルの平板部に取付孔を穿設する。
この取付孔は筒状突起の案内穴に連通する。次い
で、フロアパネルの裏面側から筒状突起のナツト
嵌入穴内にナツトを圧入し、これによつて機器の
取付部が完成する。ナツト嵌入穴内に圧入された
ナツトは筒状突起内部の段部に係合し、ナツト嵌
入穴内に確実に係止される。そして、電算機等の
機器を固定するための固定金具はボルトによつて
フロアパネルに固定されるのであるが、このボル
トは、フロアパネルの表面側からフロアパネルの
平板部の取付孔に挿入され、案内穴を通過して、
ナツト嵌入穴内のナツトに螺合する。

このナツトは筒状突起内部の段部に係合してボ
ルトの軸方向への移動を阻止されているから、固
定金具をフロアパネルに強固に固定することがで
きる。筒状突起は補強リブの交差部に補強リブと
一体に形成されているから、ボルト及びナツトを
介して筒状突起にかかる荷重は補強リブで効果的
に分散されてフロアパネルの支持脚に伝達され
る。したがつて、本発明のフロアパネルに電算機
等の機器を取り付けても、この取付部に破損や変
形は生じにくい。

なお、本発明のフロアパネルは、その平板部に
取付孔が形成される以前にはその平板部に開口を
有さないから、電算機等の機器を設置しない通常
のフロアパネルとしても、そのまま使用すること
ができる。また、筒状突起はフロアパネルの適宜
箇所に設けられているから、固定金具の設置位置
の選定も自由にすることができる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。

第１図は本発明のフロアパネルの第一実施例を
示すもので、同フロアパネルを裏面側から見た斜
視図である。同図に示すように、フロアパネル２
は例えばアルミニウム合金を使用して鋳造法によ
り製造されるもので、正方形状の平板部２０の裏
面に背の高い格子状の補強リブ２１ａが一体に形
成されていると共に、該補強リブ２１ａにより囲
まれた部分に背の低い十字状の補強リブ２１ｂが
一体に形成され、さらに補強リブ２１ａと同じ高
さで板厚方向に延びる筒状突起２２が一体に形成
されている。

第２図は筒状突起２２部分の断面図である。同
図に示すように、筒状突起２２内には、フロアパ
ネル２の裏面側からナツト６が圧入されるナツト
嵌入穴２２ａが段部２２ｂを設けて形成されてい
る。このナツト嵌入穴２２ａの内周面には軸方向
に延びる係合溝２２ｃが形成されており、ナツト
６を圧入する際、該ナツト６の外周面に設けた軸
方向に延びる突条６ａが係合する。そして、筒状
突起２２の内部には、ナツト嵌入穴２２ａの最奥
部からフロアパネル２の平板部２０の近傍まで延
在する穿孔用の案内穴２２ｄを形成し、ナツト嵌
入穴２２ａと穿孔用の案内穴２２ｄの間には段部
２２ｂが位置するのである。

この筒状突起２２は、電算機等の機器をフロア
パネル上に設置固定するための固定金具３０の調
整幅及びフロアパネル２の強度を考慮して適宜位
置に配設され、例えば第３図に示すように所定の
長さの調整スリツト３２ａを持つ固定金具３０を
用いた場合、機器の脚部は、大円と小円の間に取
付可能であり、適宜選択された筒状突起に取付部
を設けることでフロアパネル２の全面の任意位置
に取付可能となる。なお、固定金具の形状等は、
機器のレイアウト等によつて変更することができ
る。

第４図は上記フロアパネル２を敷設したフリー
アクセスフロア１上に電算機等の機器５を設置固
定した状態を示す部分断面図である。同図に示す
ように、フリーアクセスフロア１は複数枚のフロ
アパネル２をコンクリート床等の基準床面３上に
支持脚４を介して敷設することにより構成されて
おり、電算機等の機器５が設置固定されるフロア
パネル２の平板部２０に筒状突起２２に連通する
取付孔２３が形成される。

そして、このような構成のフロアパネル２に電
算機等の機器を設置するには、まず、必要箇所の
筒状突起２２のナツト嵌入穴２２ａから穿孔用の
案内穴２２ｄ内へドリル等の穿孔工具を挿入し、
案内穴２２ｄの底を掘削して、フロアパネル２の
平板部２０に取付孔２３を穿設する。この取付孔
２３は筒状突起２２の案内穴２２ｄに連通する。
次いで、フロアパネル２の裏面側から筒状突起２
２のナツト嵌入穴２２ａ内にナツト６を圧入し、
これによつて機器の取付部が完成する。ナツト嵌
入穴２２ａ内に圧入されたナツト６は筒状突起内
部の段部２２ｂに係合し、ナツト嵌入穴２２ａ内
に確実に係止される。また、この時、第２図に示
すように、ナツト嵌入穴２２ａの内壁に係合溝２
２ｃを形成し、この係合溝２２ｃにナツト６の突
条６ａが係合するように構成すれば、ナツト６の
空回りが防止される。

電算機等の機器５は、第４図及び第５図に示す
ように、機器５の脚部５ａが移動するのを防止す
る脚受金具３１と、該脚部が浮き上がるのを防止
する浮き上がり防止金具３２とから構成される固
定金具３０によつて据え付けられる。すなわち、
機器５をフロアパネル２上に設置し、脚部５ａを
脚受金具３１に嵌合すると共に、浮き上がり防止
金具３２の係合溝３２ｂを脚部５ａに係合し、次
いでボルト８を調整スリツト３２ａから取付孔２
３ａを通して筒状突起２２内に挿入してナツト６
と螺合緊締することで、固定金具３０はフロアパ
ネル２に固定され、機器５はフロアパネル２上に
設置固定されて転倒等が防止される。

なお、支持脚４はフロアパネル２のコーナー部
２ａが集合する位置の下方に設置されており、高
さ調整可能に構成されている。また、支持脚４の
上部にはストリンガー受台４１が設けられてい
て、フロアパネル２の側辺部に沿うようにして支
持脚４の上端部間に架設したストリンガー１１の
端部を支持している。フロアパネル２はこのスト
リンガー１１を介して支持脚４の上端部に支持さ
れており、各コーナー部２ａが支持脚４の上端部
に螺合するパネル固定具１２により浮き上がらな
いように固定されている。

上記実施例では、フロアパネル２に形成された
取付部２４は筒状突起２２によつて補強され、か
つ荷重がこの取付部２４に作用したとき、その周
囲の補強リブ２１ａに伝達され、また補強リブ２
１ａは取付部２４に作用する荷重を分散して支持
脚４へ伝達する。その結果、強度が増加する。よ
つて電算機等の機器５に水平荷重が作用し、固定
金具３０を介してフロアパネル２に該荷重が作用
した場合でも、取付部２４の周囲部分の変形及び
破損は防止される。上方向の垂直荷重がボルト８
に作用した場合、該荷重はナツト６から補強リブ
２１ａへ分散され、かつナツト６は取付部の変形
を防止する。さらに筒状突起に取付部を形成して
も補強リブ２１ａを切断することが無いため、フ
ロアパネル２の強化が低下することもない。これ
により、別部材として補強板をあてがう必要がな
くなり、平板部２０の板厚も厚く設定しなくても
済み、フロアパネル２の軽量化やコストダウンを
図ることが可能となる。さらにナツト６はフロア
パネル２の裏面から突出しないため、下部空間１
０に配線されたケーブル（図示せず）を傷つける
ことはない。

第６図は、断面Ｌ字状（アングル状）の固定金
具７を使用して電算機等の機器５を設置固定した
状態を示す部分断面図であり、水平部分７ａを平
板部２０の取付孔２３位置に設置し、ボルト８を
該水平部分７ａの調整スリツト７ｂから取付孔２
３を通して筒状突起２２内に挿入してナツト６に
螺合緊締する。電算機等の機器５は、そのケース
５ｂをルト９で固定金具の垂直部分と固定するこ
とでフロアパネル２上に設置固定される。

第７図はフロアパネル２上に間仕切材１３を設
置固定した状態を示す部分断面図である。この場
合には、断面ほぼコ字状の間仕切レール１４を使
用し、予め該間仕切レール１４の水平部分１４ａ
の挿通孔１４ｂから取付孔２３を通してボルト８
を筒状突起２２内に挿入してナツト６に螺合緊締
することにより、間仕切レール１４をフロアパネ
ル２に固定しておく。そして、間仕切材１３の下
端部を間仕切レール１４の垂直部分１４ｃ，１４
ｃに嵌め込むことで、間仕切材１３はフロアパネ
ル２上に立設される。

以上のように、第６図及び第７図に示した実施
例においては機器等の取付部材が異なるのみであ
り、フロアパネル２に荷重が作用した時の効果に
ついては、第４図及び第６図に示した実施例の場
合と同じである。

第８図はフロアパネル２の第二実施例を示す裏
面図である。また、第９図は第８図のＡ−Ａ線矢
視断面図である。このフロアパネル２は、補強リ
ブ２１ａ，２１ｂの他にさらに背の低い補強リブ
２１を補強リブ２１ａ，２１ｂで囲まれた部分に
配設し、フロアパネルの強度をより向上させた点
が第１図に示すフロアパネル２と相違し、筒状突
起２２やその配設状態及びその効果については同
様である。

（発明の効果） 以上説明したように本発明のフロアパネルによ
れば、フロアパネルの裏面に補強リブと筒状突起
が一体に形成されており、電算機等の機器を固定
金具を用いて設置固定した場合、筒状突起に設け
られた取付部にかかる荷重は補強リブで受けて分
散され、支持脚へ伝達されるため、取付部及び周
囲に変形や破損は発生しない。また筒状突起に取
付部を設けることで、補強リブが切断されること
がなくなり、フロアパネルの強度が低下すること
はない。よつて他に補強部材を使用することなく
充分にフロアパネルの強度を維持することがで
き、フロアパネルの軽量化やコストダウンを図る
ことが可能となる。

なお、本発明のフロアパネルは、その平板部に
取付孔が形成される以前にはその平板部に開口を
有さないから、電算機等の機器を設置しない通常
のフロアパネルとしても、そのまま使用すること
ができる。また、筒状突起はフロアパネルの適宜
箇所に設けられているから、固定金具の設置位置
の選定も自由にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のフロアパネルの第一実施例を
示す斜視図であり、第２図は筒状突起部分の部分
断面図、第３図は機器の取付可能な位置を示す説
明図、第４図はフロアパネル上に機器を固定した
状態を示す部分断面図、第５図は本発明のフロア
パネルが装備されたフリーアクセスフロアの一部
斜視図、第６図はフロアパネル上の機器を他の固
定金具で固定した状態を示す部分断面図、第７図
はフロアパネル上に間仕切材を立設した状態を示
す部分断面図、第８図及び第９図はフロアパネル
の第二実施例を示すもので、第８図は裏面図、第
９図は同第８図のＡ−Ａ矢視断面図である。 ２……フロアパネル、３０……固定金具、２１
ａ，２１ｂ，２１ｃ……補強リブ、２２……筒状
突起、２２ａ……ナツト嵌入穴、２２ｂ……段
部、２２ｃ……係合溝、２２ｄ……穿孔用の案内
孔、２４……取付部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基準床面上に支持脚によつて支承されて二重
   床構造を構成するように、鋳造によつて製作され
   たフロアパネルにおいて、前記フロアパネルの表
   面側に平板部を形成し、前記フロアパネルの裏面
   側に複数の補強リブを前記平板部と一体的に形成
   し、前記補強リブの交差部のうち一又は二以上の
   適宜の交差部に前記フロアパネルの厚さ方向に延
   在する筒状突起を一体的に形成し、前記筒状突起
   には、前記筒状突起の端面に開口を有するナツト
   嵌入穴を形成すると共に、前記ナツト嵌入穴の最
   奥部から前記平板部の近傍まで延在する穿孔用の
   案内穴を形成し、前記ナツト嵌入穴と前記案内穴
   の間には段部を形成したことを特徴とする、フロ
   アパネル。