JPH055371A - 人工視覚環境創成システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人工造形物を利用して、例えば四季の変化、
昼夜の変化や気象条件の変化その他各種イベント時など
の環境変化に適合する視覚的光環境を外部空間に創成す
る。 【構成】 このため、例えば人工樹木６，８等の前記人
工造形物上に、複数の液晶カラー表紙パネル１と照明手
段２とを配設し、外気温検知センサ３及び照度検知セン
サ４の出力データにより、コンピュータ制御装置５によ
り前記液晶カラー表示パネル１の色及び透明度並びに前
記照明装置２の出力を駆動／制御するよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、人工視覚環境、特に
外部空間の光環境を創成するためのシステムに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】例えば街路や商店街のアーケード、バス
ターミナルやバスストップあるいは広場における休憩ベ
ンチ等における新しい感覚のシェルターには、自然の四
季に応じて、夏には日射を遮り、冬には日が当たるよ
う、また日中には、例えば樹木等類似の自然景観が得ら
れ、夜には照明機能が得られるような視覚的環境を備え
た斬新な設計が一部に望まれるが、従来、このような外
部環境を実現するための技術は存在しなかった。

【０００３】わずかにこの種の技術に近似する文献とし
ては、例えば特開昭５６−１１４０２５号公報「太陽エ
ネルギ利用の街路照明装置」が唯一のものである。引用
文献の詳細な重複説明は省略するが、その概要は、完全
自立型の街路照明直立ポールに装着された発光体を街路
の照明や交通信号等に使用するもので、電源として複数
個の太陽電池と蓄電池を、さらに補助電源として風力発
電機を備えることにより、通常の電力使用量を節減し、
かつ緊急事態等の停電時にも対処しようとしたものであ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来提案例にあっては、例えば街路灯の場合に
は、その地域全体にいくつもの街路灯があり、全体の系
で一つの照明目的と有しており、また、交通信号機の場
合には、他の多くの系統と連動して作動させる必要があ
るため、この提案では、他の多くの発光体や全体システ
ムとの関連性やシステム制御に対して全く考慮されてお
らず、単なる単独の照明装置の発明にとどまっている。

【０００５】この発明は、前記のような外部空間の視覚
的光環境システムの創成に関する技術が前記引用例を含
めて皆無である現状にかんがみてなされたもので、多く
の発光体や外部空間の光環境全体をシステム的に制御
し、四季の変化、昼夜の変化や気象条件の変化、各種イ
ベント時などの環境変化に適合する光環境を創成するシ
ステム及びその制御手段を提供することにより、自然を
感じさせる最適な視覚的光環境を外部空間に創成するた
めの手段の提供を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、この発明にお
いては、人工造形物上に配設された複数の液晶カラー表
示パネルと照明手段とより成り、外気温検知手段及び照
度検知手段の各出力データによりそれぞれ前記液晶カラ
ー表示パネルの色及び透明度ならびに前記照明手段の出
力を制御するための制御手段を備えるようこの人工視覚
環境創成システムを構成することにより前記目的を達成
しようとするものである。

【０００７】

【作用】以上のようなシステム構成により、例えば人工
樹木等の任意の人工造形物上に配設した複数の液晶カラ
ー表示パネル及び照明手段を、例えば四季，昼夜等の区
分等に応じて自然感のある外部スペース視覚的光環境を
創出することができ、未然樹木と異なり保守的にも有利
である。

【０００８】

【実施例】以下に、この発明を実施例に基づいて発明す
る。図１は、この発明システムの一実施例の構成ブロッ
ク図、図２はこのシステムを配設した人工樹木の一例を
示す。 （構成）１は、例えば任意のデザインの人工造形物の一
事例としての人工樹木６の模擬枝葉部に取付けられた複
数の液晶カラー表示パネル、２は、例えばそれぞれの側
縁に分布して配設された、もしくは特定パネル部に配設
された照明装置である。人工樹木６は、例えば構成の直
立支柱７を主体として構成されており、図３はこれらの
人工樹木６を街路の両側に並列して装飾的に街路樹を模
したものである。

【０００９】（制御）これらの各液晶パネル１は適当な
個所に配設された単数または複数の外気温検知センサ３
（特に図示せず）より得られた気温データより、例えば
過去１０日間の平均気温をマイクロコンピュータより成
る制御装置５において求めて四季の春夏秋冬等の区分を
判別し、また、適当な個所に配設された単数または複数
の照度検知センサ４（不図示）の出力データから昼夜の
区分や気象条件の変化等を判別する。

【００１０】制御装置５は以上のような四季／昼夜別等
の出力データから、例えば以下のように各液晶カラー表
示／照明装置１／２を駆動制御する； 春：カラー液晶パネル１の色を淡緑色とし、新緑のイメ
ージを演出する。

【００１１】夏：上記１パネルの色を濃緑色とすること
により夏のイメージを演出すると共に、日射を遮る。

【００１２】秋：上記パネル１の色を紅／黄色として紅
葉をイメージする。

【００１３】冬：上記パネル１の無色透明とし、日射を
遮らないようにする。

【００１４】これら液晶の各カラー駆動及び液晶シャッ
タ駆動、ならびにそれぞれの制御に関しては、いずれも
従来公知の技術を応用し得るため、詳細説明は省略す
る。また、前記各季節において、夜間のみ照明装置２を
点灯させ、カラー液晶パネル１を照らして出すようにす
る。

【００１５】（他の実施例）図４〜図９に、このシステ
ムを適用し得る人工造形物の他の諸事例を示す。図４の
８は、他の人工樹木の一例で鋼製支柱９に枝葉部を装飾
的に造形したもので、図５はその前記図３相当図であ
る。図６は、背の低い生垣１０風に構成した例、図７
は、背の高い装飾的側壁１１風に構成した例、さらに図
８，９はそれぞれ藤棚１２風または装飾的天蓋１３風に
構成した各例を示す。

【００１６】なお、この発明原理による諸構成もしくは
制御例は以上の諸図例のみに限定されるものでないこと
はもちろんである。

【００１７】

【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、例えば四季の変化、昼夜の変化や気象条件の変化、
その他各種イベント時など、外部環境変化に適合する視
覚的光環境を、人工造形物を利用して外部空間に創出す
ることが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一実施例の構成ブロック図

【図２】 このシステムを備えた人工樹木の一例

【図３】 図２を使用した模擬街路樹の一例

【図４】 人工樹木の他の一例

【図５】 その図３相当図

【図６】 他の人工造形物の一例

【図７】 他の人工造形物の一例

【図８】 他の人工造形物の一例

【図９】 他の人工造形物の一例

【符号の説明】

１ 液晶カラー表示パネル ２ 照明手段 ３ 外気温検知手段 ４ 照度検知手段 ５ 制御手段 ６，８，１０，１１，１２，１３ 人工造形物

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 人工造形物上に配設された複数の液晶カ
   ラー表示パネルと照明手段とより成り、外気温検知手段
   及び照度検知手段の各出力データによりそれぞれ前記液
   晶カラー表示パネルの色及び透明度ならびに前記照明手
   段の出力を制御するための制御手段を備えたことを特徴
   とする人工視覚環境創成システム。