JPH0552981A - 燃料集合体及び原子炉の炉心 - Google Patents

燃料集合体及び原子炉の炉心

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JPH0552981A
JPH0552981A JP3213686A JP21368691A JPH0552981A JP H0552981 A JPH0552981 A JP H0552981A JP 3213686 A JP3213686 A JP 3213686A JP 21368691 A JP21368691 A JP 21368691A JP H0552981 A JPH0552981 A JP H0552981A
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tru
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Koji Fujimura
幸治 藤村
Kunitoshi Kurihara
国寿 栗原
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Hitachi Ltd
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉のプラント寿命を通じて、燃料が交換
されず、かつTRU消滅を図る燃料集合体、及びこの燃
料集合体で構成した炉心を実現する。 【構成】 燃料親物質に核分裂性物質及び超ウラン元素
を富化した燃料を充填した燃料ペレット5を封入した複
数本の燃料要素3を、ラッパ管2に装荷した燃料集合体
1と、この燃料集合体1を用いて構成した炉心からな
る。 【効果】 原子力発電所の稼働率及び経済性が大幅に向
上する。また、プラント寿命の間、同出力規模の軽水炉
約25基から毎年取出される使用済み燃料に含まれる量
に相当するTRUを消滅することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】本発明は高速増殖炉に係わり、特
に燃料集合体及び原子炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、我が国では、高速増殖炉(以下、
FBRと略称)の原型炉「もんじゅ」の建設を進め、1
992年における初臨界の達成を目指しており、またF
BR開発の次期ステップである実証炉の概念設計を行な
っている。このように、FBRを実用化するに際して、
当面する一つの課題は、商用の軽水炉との競合を可能と
する経済性の向上である。
【0003】これまで、FBRの経済性を向上させる方
策としては、稼働率の向上や燃料の取出し燃焼度の増大
による燃料サイクル費の低減があげられ、この方策につ
いて、多くの設計研究が行なわれてきている。また、燃
料サイクル費の大幅な低減を図る炉心概念として、超長
寿命炉心( Ultra Long-Life Core 、以下、ULLCと
略称)が提案されている。
【0004】上記のULLCは、原子炉の運転寿命の
間、燃料を交換せずに、所定の電気出力を供給する炉心
概念である。すなわち、ULLCは燃料交換を不要とす
るので、燃料交換に必要な燃料取扱い装置、燃料の収納
建屋、燃料の収納建屋と原子炉間における燃料取扱い装
置の移動設備、更には燃料交換に伴う人的作業量及び時
間が、それぞれ削減でき、原子炉の稼働率向上及びコス
ト低減が実現できる。また、燃料の長寿命化に伴って、
燃料サイクル費も低減することができる。
【0005】上記のような利点を有する、ULLC概念
に関しては、例えば、混合酸化物燃料、金属燃料、又は
炭化物燃料を用いて、原子力発電プラント寿命30年
(設備利用率80%)、最高取出し燃焼度200GWd/
t以上を達成する電気出力1000MWe級のFBR
が、公開文献ニュ−クリア・エンジニアリング・アンド
・デザイン106巻(1988年)のpp.357〜373「NEUTRONIC FE
ASIBILITY OF AN LMFBR SUPER LONG-LIFE CORE (SLLC)」
に記載されている。
【0006】一方、原子炉燃料の使用済み燃料の再処理
によって生ずる高レベル放射性廃棄物中には超ウラン元
素(Np、Am、Cmなどの同位体元素、Trans-uraniu
m、以下、TRUと略称、ただしTRUには、FBRの
燃料として用いられるPuを含めないものとする。)が
含まれており、その中には半減期が100万年を超える
超長半減期の核種(例えば、237Npの半減期は214
万年である。)が存在している。
【0007】我が国は、これまで、このような高レベル
放射性廃棄物を、ガラス固化体に封じ込めて地層処分す
ることを基本的な方針として研究開発を進めてきてお
り、また、使用済み燃料に含まれるTRUを再処理し
て、原子炉の炉心に装荷し、炉心の中性子を利用して半
減期の短い核種に核変換する方法も考えてきている。
【0008】原子炉を利用してTRU消滅を図る技術と
しては、例えば、混合酸化物燃料にTRUを10%程度
富化して、連続運転期間2年、取出し燃焼度180GW
d/t以上を達成する電気出力1000MWe級のFB
Rの設計例が、インタ−ナショナル・コンファレンス・
オン・ザ・フィジックス・オブ・リアクタ-ズ : オペレ
-ション、デザイン・アンド・コンピュテ−ションの会
報第4巻 (APRIL 23-27、1990 Concorde-Palm Beach Ho
tel MARSEILE-FRANCE)の p.III-1〜10 「 COREDESIGN S
TUDY FOR ACTINIDE BURNING LMFBRS 」に記載されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のULL
C概念に関する従来技術については、上記文献、すなわ
ちニュ−クリア・エンジニアリング・アンド・デザイン
106巻(1988年)のpp.357〜373「NEUTRONIC FEASIBILITY
OF AN LMFBR SUPER LONG-LIFE CORE (SLLC)」には、電気
出力1000MWeクラス大型炉において、燃料集合体
の全面積に占める燃料領域の割合、すなわち燃料体積比
(Fuel Volume Fraction、以下、Vfと略称)が40%程
度の混合酸化物燃料を用いると、プラント寿命30年間
における寿命初期の反応度変化、すなわち燃焼初期と燃
焼末期における中性子無限増倍率の差が、非常に大きく
なり、既存の反応度制御システムでは制御できないとい
う内容の記述がなされている。
【0010】すなわち、寿命初期の反応度変化が大きく
なれば、既存の反応度制御システムでは制御できないと
いう問題がある。このように寿命初期における反応度変
化が大きい例を、図を用いて説明する。図2は、従来技
術の例における燃焼度と中性子無限増倍率との関係線
図、すなわち燃料集合体の燃焼特性図であり、燃料にラ
ッパ管付きウラン・プルトニウム混合酸化物燃料、すな
わちUO2・PuO2燃料を用いた場合である。また図2
は、FBRにおいて、一応の目標値である100GWd
/t以上の高燃焼度の達成を想定した場合であるが、燃
料の寿命期間を通じた反応度変化、すなわち中性子無限
増倍率における最大変動幅の比率が、既存の制御棒を用
いた制御システムで制御できる範囲0.03〜0.04
(=3〜4%Δk/k)を大幅に上回ることを示してい
る。
【0011】また、上記文献には、Vfが50%以上の
混合酸化物燃料を用いて、燃料の寿命期間を通じた反応
度変化が6%Δk/k程度に抑えられることが記述され
ている。しかし、Vfを50%程度に高めるためには、
燃料集合体のラッパ管を削除するなどの研究開発課題
が、新たに生じることになる。
【0012】本発明の目的は、炉心の反応度変化を低減
して、原子炉の運転寿命の間、燃料を交換せずに、所定
の電気出力を供給するための燃料集合体、及びこの燃料
集合体で構成した炉心を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、上記目的の達成と同
時に、原子炉の運転寿命の間、原子炉の使用済み燃料か
ら分離したTRUを炉心内部に貯蔵し、かつ、このTR
Uの消滅を図るための燃料集合体、及びこの燃料集合体
で構成した炉心を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0015】(1)燃料親物質に核分裂性物質及び超ウ
ラン元素を富化した混合酸化物燃料からなる燃料ペレッ
トを、燃料被覆管内に封入した複数本の燃料要素と、燃
料要素を取り囲むラッパ管とより構成される燃料集合体
において、燃料ペレットに含まれる核分裂性物質の富化
度が9〜12%であり、超ウラン元素の富化度が5〜3
0%であること。
【0016】(2)燃料集合体が装荷される原子炉の炉
心において、炉心に(1)記載の燃料集合体を装荷する
こと。
【0017】(3)(2)において、炉心の半径方向
に、炉心半径より小さい半径をもつ、円柱状の内部領域
を設け、この内部領域の燃料の密度又はVfが、内部領
域を取り囲む炉心の外部領域の燃料の密度又はVfの7
0〜90%であること。
【0018】(4)(2)において、炉心の軸方向中心
部に、軸方向に炉心高さより小さい厚さをもち、かつ半
径方向に、炉心半径より小さい半径をもつ、円柱状の内
部領域を設け、この内部領域の燃料の密度又はVfが、
内部領域の上下方向を含めて内部領域を取り囲む、炉心
の外部領域の燃料の密度又はVfの70〜90%である
こと。
【0019】(5)(4)において、内部領域の軸方向
の中心位置を、炉心の軸方向の中心位置よりも下げるこ
と。
【0020】
【作用】本発明における技術手段の物理的背景は、次の
とおりである。
【0021】中性子無限増倍率のPu富化度依存性は、
燃焼度が大きくなるにつれて小さくなる。したがって、
Pu富化度のみを変えて、高燃焼度領域の中性子無限増
倍率を制御することの困難なことが、一般に知られてい
る。一方、中性子無限増倍率のTRU富化度依存性は、
高燃焼度領域においても大きい。これは、TRU富化度
が大きい場合は、237Npの(n、γ)反応とβ崩壊に
よって生成される核分裂性核種238Puの量が増えて、
増殖比が増大するためである。また、中性子無限増倍率
は、主に燃料の増殖比に依存するが、増殖比は核分裂性
物質とTRUの混入割合によってほぼ決定される。した
がって、中性子無限増倍率のVf依存性は小さい。
【0022】上記のような物理的特性を有する3つの核
設計パラメ−タ、すなわちPu富化度、TRU富化度及
びVfを組合せることによって、長期の運転期間を通じ
て、燃焼度に対する中性子無限増倍率の変化が小さい、
すなわち反応度変化が小さい、燃料集合体を実現するこ
とができる。上記の3つの核設計パラメ−タを用いた技
術手段を図を用いて説明する。すなわち、図3は、この
ような技術手段を示した、燃焼度と中性子無限増倍率と
の関係線図である。
【0023】図3において、通常のUO2・PuO2燃料
を用いる場合は、図中の曲線31に示すように、燃焼期
間中の反応度変化が非常に大きい(10%Δk/k以
上)。しかし、このUO2・PuO2燃料にTRUを富化
すると、図中の曲線32に示すようになり、図中の曲線
31に比べて、中性子無限増倍率は燃焼末期に増大し、
燃焼初期に減少する。更に、TRUの富化度に応じてP
uの富化度を調整しながら、Puを富化すると、図中の
曲線33に示すように、燃焼初期の中性子無限増倍率が
小さくなり、燃焼期間を通じて、ほぼ一定した値の中性
子無限増倍率となる。更に、Vfを調整することによ
り、図中の曲線33の形状は変えずに、例えば図中の曲
線34に示すように、この形状を縦軸方向にそのまま移
動させることができる。したがって、中性子無限増倍率
が燃焼期間を通じてほぼ一定で、かつ燃焼期間を通じた
臨界性の維持、すなわち中性子無限増倍率が、燃焼末期
で1.0、そのほかの燃焼期間では1.0以上の値となる
ようにすることが可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の第1〜第4の各実施例を図面
を用いて説明する。
【0025】図1の(a)は第1実施例の燃料集合体の
斜視図、図1の(b)は図1の(a)の横断面図、図1
の(c)は第1実施例の燃料要素の縦断面図であり、1
は燃料集合体、2はラッパ管、3は燃料要素、4はナト
リウム冷却材流路、5は燃料ペレット、6は燃料被覆
管、7は上部端栓、8は下部端栓である。
【0026】第1実施例は、電気出力1000MWe、
燃料の平均取出し燃焼度200GWd/t程度で、プラ
ント寿命(40年以上)を通じて、燃料交換を不要とす
る運転を実現するための炉心に装荷する燃料集合体を想
定しており、炉心の平均的な出力密度は50W/cm3
度である。また、従来技術と同様な制御棒システムによ
る、炉心の余剰反応度制御を実現するために、燃料集合
体のプラント寿命を通じた最大反応度変化が3%Δk/
k程度と想定している。
【0027】燃料集合体1は、燃料被覆管6内に封入さ
れた複数の燃料ペレット5、上部端栓7、及び下部端栓
8などからなる燃料要素3と、複数個の燃料要素3を取
り囲むラッパ管2などからなっている。また、冷却材の
液体ナトリウムは、燃料被覆管6の外側のナトリウム冷
却材流路4を、下から上へ向かって流れる。炉心燃料は
燃料親物質である劣化ウランに、PuとTRUを富化し
た混合酸化物であり、ラッパ管2や燃料被覆管6などの
構造材はステンレス鋼からなっている。
【0028】本実施例における燃料親物質に富化するP
uとTRUの各富化度は、作用の項で図3により説明し
た技術手段を用いて決定している。この技術手段を用い
て、決定したPu富化度とTRU富化度の各範囲を図4
を用いて説明する。図4は、縦軸に燃料の寿命期間中の
最大反応度変化、横軸に核分裂性プルトニウム(Pu-
f)富化度をとっており、TRU富化度が大きくなるほ
ど、最大反応度変化が最小となるPu-f富化度が、大き
くなることを示している。
【0029】TRU富化度の下限は、最大反応度変化が
3%Δk/kよりも小さくなるPu-f富化度範囲が存在
する5%とした。一方、TRU富化度の上限は、TRU
混入によって燃焼特性が改善できる範囲が存在する30
%とした。図4は、TRU富化度が30%より小さな範
囲では、燃料の最大反応度変化が3%Δk/k程度より
小さくなるPu-f富化度の範囲が、9〜12%である
ことを示している。
【0030】図5は、燃焼度と中性子無限増倍率との関
係線図であり、図中の曲線51は本実施例、また図中の
曲線52は、従来技術の、ラッパ管を削除し、かつVf
が55%のときのUO2・PuO2燃料の場合であり、図
中の曲線51との比較のために示してある。
【0031】本実施例では、燃料集合体の燃料親物質に
富化するPu-f富化度10%(Puの富化度14%)、
TRU富化度20%にとってある。これらは、上記の富
化度の範囲内にある。また、Vfはラッパ管付き燃料集
合体で実現可能な42%とした。図5は、最大反応度変
化が、図中の曲線52では20%Δk/kを超えている
が、図中の曲線51では3%Δk/k以下となることを
示している。すなわち、図1の(c)の燃料ペレット5
には、Pu-f富化度10%(Puの富化度14%)、T
RU富化度20%の燃料を封入してある。
【0032】本発明の第2実施例を図を用いて説明す
る。図6は第2実施例の炉心の縦断面図である。炉心
は、本実施例の燃料集合体1を複数個、円柱形状に束ね
た炉心領域62と、炉心領域62の周りを取り囲む複数
個の径方向ブランケット燃料集合体領域63と、炉心領
域62の上下を取り囲む円盤状の軸方向ブランケット燃
料領域64より構成している。また、炉心領域62は内
側炉心領域62aと外側炉心領域62bとに分かれる
が、内側炉心領域62aにはVfの低い燃料集合体を、
外側炉心領域62bにはVfの高い燃料集合体を装荷し
てある。
【0033】炉心領域62に装荷する燃料のPu-f及
びTRUの各富化度は、第1実施例の場合と同じであ
る。また、内側炉心のVfと外側炉心のVfとの比率は
約83%である。更に、径方向ブランケット燃料集合体
領域63及び軸方向ブランケット燃料領域64に位置す
る燃料要素には、燃料親物質である劣化ウランの酸化物
を核燃料物質とするブランケット燃料ペレットだけを充
填してある。
【0034】本実施例になる原子炉の熱出力は約260
0MW、電気出力は約1000MWであり、プラント寿
命は40年以上、設備利用率は90%である。また、炉
心等価直径と炉心高さは、それぞれ630cm及び15
0cmである。
【0035】上記の炉心設計パラメ−タを用いて計算し
た結果、得られた主な炉心特性は、最大反応度変化:約
3%Δk/k、燃料集合体の平均取出し燃焼度:約19
0GWd/t、最大出力密度:110W/cm3、制御棒
全引き抜き運転時の集合体の最大出力変動:約30%で
ある。また、1年当り約620kgのTRUを消滅でき
る。これは、同出力規模の軽水炉約25基の1年分の使
用済み燃料に含まれるTRU量に相当する。
【0036】本発明の第3実施例を図を用いて説明す
る。図7は第3実施例の炉心の縦断面図である。炉心
は、上記の各実施例と同じPu-f及びTRUの各富化
度の炉心燃料を、軸方向中心部に円盤状に配置した内側
炉心領域72と、これと同じPu-f及びTRUの各富
化度で、Vfのみを異にする、内側炉心領域72の周り
に配置した外側炉心領域73と、外側炉心領域73を取
り囲む複数個の径方向ブランケット燃料集合体領域63
と、外側炉心領域73の上下を取り囲む円盤状の軸方向
ブランケット燃料領域64とより構成している。
【0037】本実施例の炉心は、いわゆる回の字型の炉
心構成となっており、内側炉心領域72にはVfの低い
燃料集合体を、外側炉心領域73にはVfの高い燃料集
合体を装荷してある。内側炉心と外側炉心のVfの比率
は約78%である。その他の設計パラメ−タは、第2実
施例と同じである。
【0038】上記の炉心設計パラメ−タを用いて計算し
た結果,得られた主な炉心特性は、最大反応度変化:約
2.5%Δk/k、燃料集合体の平均取出し燃焼度:約1
90GWd/tである。また、燃焼初期における炉心軸
方向出力分布を、本実施例と、Vfが一様な場合とを比
較して、図8に示す。図8中の曲線81及び曲線82
は、燃焼初期における、本実施例、及びVfが一様な場
合の各炉心軸方向出力分布を示している。また、図中の
曲線83、84及び85は、本実施例における内側炉心
領域、外側炉心領域及び軸方向ブランケット領域を、更
に図中の曲線86は、Vfが軸方向一様な炉心領域を、
それぞれ示している。すなわち図8は、本実施例による
と、軸方向出力分布が平坦化されることを示している。
【0039】本発明の第4実施例を図を用いて説明す
る。図9は第4実施例の炉心の縦断面図である。炉心
は、上記の各実施例と同じPu-f及びTRUの各富化
度の炉心燃料を、軸方向中心部よりわずかに下側に配置
した円盤状の内側炉心領域92と、内側炉心領域92の
周りに配置した外側炉心領域93と、外側炉心領域93
を取り囲む複数個の径方向ブランケット燃料集合体領域
63と、外側炉心領域93の上下を取り囲む円盤状の軸
方向ブランケット燃料領域64からなり、上下非対称の
回の字型炉心構成となっている。内側炉心領域92には
Vfの低い燃料集合体を、外側炉心領域93にはVfの
高い燃料集合体を装荷している。その他の各設計パラメ
−タは第3実施例と同じである。
【0040】上記の炉心設計パラメ−タを用いて計算し
た結果、得られた主な炉心特性は、最大反応度変化:約
2.5%Δk/k、燃料集合体の平均取出し燃焼度:約1
90GWd/tである。また、1年当り約620kgの
TRUを消滅できる。これは、同出力規模の軽水炉約2
5基の1年分の使用済み燃料に含まれるTRU量に相当
する。
【0041】炉心上部に制御棒を部分挿入したときの炉
心軸方向出力分布を、本実施例と、内側炉心領域を下側
にずらさない場合とを比較して、図10に示す。図中の
曲線101は制御棒挿入範囲、曲線102及び103は
それぞれ、燃焼初期における、本実施例、及び内側炉心
領域を下側にずらさない場合の各炉心軸方向出力分布を
示している。また曲線104及び105はそれぞれ、本
実施例の内側及び外側の各炉心領域を、曲線106は内
側炉心領域を下側にずらさない場合の炉心領域を示して
いる。そのほかは、前出の符号である。図10は、本実
施例が、内側炉心領域を下側にずらさない場合と比較し
て、制御棒挿入時における、軸方向出力分布の下方への
ひずみが少なくなり、出力分布が平坦化することを示し
ている。すなわち、最大出力密度が10%程度減少す
る。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、原子力発電所のプラン
ト寿命を通じて、燃料交換をせずに、所定の電気出力が
供給できる高速増殖炉が実現可能となり、稼働率が向上
し、燃料寿命が長期化するため、経済性が大幅に向上す
る。
【0043】また、プラント寿命の間、原子炉の使用済
み燃料から分離したTRUを炉心内部に貯蔵し、かつ、
電気出力1000MW級の軽水炉約25基から毎年取出
される使用済み燃料に含まれる量に相当するTRUを、
毎年消滅することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の燃料集合体及び燃料要素
の説明図である。
【図2】従来技術の例における燃焼度と中性子無限増倍
率との関係線図である。
【図3】本発明の技術手段を説明するための燃焼度と中
性子無限増倍率との関係線図である。
【図4】Pu及びTRUの各富化度と最大反応度変化と
の関係線図である。
【図5】第1実施例における燃焼度と中性子無限増倍率
との関係線図である。
【図6】第2実施例における炉心の縦断面図である。
【図7】第3実施例における炉心の縦断面図である。
【図8】第3実施例と、Vfが一様な場合とにおける、
炉心軸方向の出力分布比較のための説明図である。
【図9】第4実施例における炉心の縦断面図である。
【図10】第4実施例と、内側炉心を下側にずらさない
場合とにおける、炉心軸方向の出力分布比較のための説
明図である。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…ラッパ管、3…燃料要素、5…燃
料ペレット、6…燃料被覆管、61…第2実施例の炉
心、62a…内側炉心領域、62b…外側炉心領域、6
3…径方向ブランケット燃料集合体領域、64…軸方向
ブランケット燃料領域、71…第3実施例の炉心、72
…内側炉心領域、73…外側炉心領域、91…第4実施
例の炉心、92…内側炉心領域、93…外側炉心領域。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料親物質に核分裂性物質及び超ウラン
    元素を富化した混合酸化物燃料からなる燃料ペレット
    を、燃料被覆管内に封入した複数本の燃料要素と、前記
    燃料要素を取り囲むラッパ管とより構成される燃料集合
    体において、前記燃料ペレットに含まれる前記核分裂性
    物質の富化度が9〜12%であり、前記超ウラン元素の
    富化度が5〜30%であることを特徴とする燃料集合
    体。
  2. 【請求項2】 燃料集合体が装荷される原子炉の炉心に
    おいて、前記炉心に請求項1記載の燃料集合体を装荷し
    てなることを特徴とする原子炉の炉心。
  3. 【請求項3】 前記炉心の半径方向に、前記炉心の半径
    より小さい半径をもつ、円柱状の内部領域を設け、該内
    部領域の燃料の密度又は燃料体積比が、前記内部領域を
    取り囲む前記炉心の外部領域の燃料の密度又は燃料体積
    比の70〜90%である請求項2記載の原子炉の炉心。
  4. 【請求項4】 前記炉心の軸方向中心部に、軸方向に前
    記炉心の高さより小さい厚さをもち、かつ半径方向に前
    記炉心の半径より小さい半径をもつ、円柱状の内部領域
    を設け、該内部領域の燃料の密度又は燃料体積比が、前
    記内部領域の上下方向を含めて前記内部領域を取り囲
    む、前記炉心の外部領域の燃料の密度又は燃料体積比の
    70〜90%である請求項2記載の原子炉の炉心。
  5. 【請求項5】 前記内部領域の軸方向の中心位置を、前
    記炉心の軸方向の中心位置よりも、下げてなる請求項4
    記載の原子炉の炉心。
JP3213686A 1991-08-26 1991-08-26 燃料集合体及び原子炉の炉心 Pending JPH0552981A (ja)

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