JP2972255B2 - 原子炉 - Google Patents

原子炉

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、沸騰水型原子炉(BWR)に係わり、特に、
ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料を含む燃料集合体
を装荷する原子炉に用いるのに好適なものである。
〔従来の技術〕
原子炉発電の全発電電力量に占める割合が増加してい
る今日、原子力発電の経済性向上や天然ウラン資源の節
約が重要となつている。
天然ウラン資源を節約する有効な方法の一つとして、
使用済核燃料を再処理して得られるプルトニウムを、再
び、原子炉に装荷する方法がある。この方法によれば、
燃料として必要な、濃縮ウラン量が減少し、天然ウラン
資源の節約が図れる。
一方、プルトニウムを現存する軽水炉で利用する場合
には、次の様な問題点がある。プルトニウムと天然ウラ
ン又は劣化ウランの混合酸化物燃料を濃縮ウラン燃料と
同じ減速材対燃料原子数比に成型加工して用いた場合、
減速材(冷却材)密度反応度係数は濃縮ウラン燃料に比
べて大きな正の値をとる。
これは以下の理由による。第2図に示すように、減速
材対燃料原子数比の増加に伴う中性子無限増倍率の増加
の割合(第2図の曲線の傾き)は、混合酸化物燃料の方
が濃縮ウラン燃料よりも大きい。即ち、第2図の曲線の
傾きに相当する減速材密度反応度係数は、混合酸化物燃
料の方が濃縮ウラン燃料よりも大きな正の値をとる。
BWRの場合、減速材密度が大きい方がボイド率が小さ
いので、第2図から、ボイド率の増加に伴う中性子無限
増倍率の増加の割合に相当するボイド反応度係数に関し
ては、混合酸化物燃料の方が濃縮ウラン燃料よりも大き
な負の値をとることになる。BWRはボイド反応度係数が
負であることにより自己制御性を持つが、その絶対値が
大きくなると不安定性が増す。
そこで、混合酸化物燃料を用いた場合に、減速材密度
反応度係数を濃縮ウラン燃料と同等に保つような燃料集
合体が、特開昭60−66187号公報に記載されている。こ
の燃料集合体はBWRに用いるよう設計されたもので、減
速材のボイド率が小さく減速材対燃料原子数比が大きな
軸方向下部に混合酸化物燃料を、ボイド率が大きく減速
材対燃料原子数比が小さな軸方向上部に濃縮ウラン燃料
を配置している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、プルトニウム使用量を一定とした
場合、軸方向一様にプルトニウムを装荷する場合に比
べ、プルトニウムを含む燃料集合体数が増加する。プル
トニウムを含む燃料集合体の成型加工は、プルトニウム
240の自発核分裂による中性子や、プルトニウム241の娘
崩壊生成物であるアメリシウム241によるガンマ線から
しやへいして、実施する必要がある。このため、成型加
工費が高くなる。また、燃料の貯蔵や輸送に関して管理
が繁雑となる。
また、濃縮ウラン燃料と混合酸化物燃料を同一の炉心
に装荷した場合、巨視的断面積の差により、混合酸化物
燃料において出力密度が高くなり、熱的余裕が減少す
る。
本発明の目的は、混合酸化物燃料及び濃縮ウラン燃料
を装荷した場合でも、混合酸化物燃料の減速材密度反応
度係数を濃縮ウラン燃料と同等に保ちつつ、混合酸化物
燃料の熱的余裕を確保でき、且つ燃料の成形加工や燃料
の成形加工及び輸送を簡便化できる原子炉を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、濃縮ウラン燃
料を含むウラン燃料からなる第1燃料集合体と、ウラン
−プルトニウム混合酸化物燃料を含む第2燃料集合体と
を装荷してなる原子炉において、前期第燃料集合体の
単位高さあたりの燃料装荷量が、前記第燃料集合体の
それに比べて小さく、かつ、前記第燃料集合体を構成
する燃料棒本数が、前記第燃料集合体を構成する燃料
棒本数よりも多くなるように構成する。
〔作用〕
本発明によれば、第2燃料集合体の単位高さあたりの
燃料装荷量を第1燃料集合体のそれに比べて小さくする
ことにより、混合酸化物燃料の減速材対燃料原子数比
は、濃縮ウラン燃料に比べて大きくなる。
第2図から、減速材対燃料原子数比が大きくなると、
減速材密度反応度係数は小さくなる傾向がある。従っ
て、混合酸化物燃料の減速材対燃料原子数比を濃縮ウラ
ン燃料よりも大きくすることにより、混合酸化物燃料の
減速材密度反応度係数を小さくして濃縮ウラン燃料と同
等に保つことができる。
即ち、この効果を得るためには、混合酸化物燃料の減
速材対燃料原子数比を濃縮ウラン燃料よりも大きくする
ように燃料を装荷すれば良い。具体的には、混合酸化物
燃料として中空ペレットや低密度ペレットなどを用い
る。
また、混合酸化物燃料の減速材対燃料原子数比を濃縮
ウラン燃料よりも大きくすることによって混合酸化物燃
料の出力密度は大きくなるものの、第燃料集合体を構
成する燃料棒本数を第燃料集合体を構成する燃料棒本
数よりも多くすることにより、混合酸化物燃料の線出力
密度を低減できるので、混合酸化物燃料の熱的余裕を確
保できる。
更に、この用に混合酸化物燃料を使用することによ
り、プルトニウムを集中していつの燃料集合体に装荷で
きるので、燃料集合体の成型加工、輸送、貯蔵などを簡
便化することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。第
1図は、本発明の原子炉の炉心10の横断面と、これに装
荷される濃縮ウラン燃料からなる燃料集合体および混合
酸化物燃料を含む燃料集合体の横断面を示したものであ
る。
本実施例では、濃縮ウラン燃料からなる燃料集合体11
は、八行八列の燃料棒格子で構成されている。中央部に
は水ロツド20が2本配置され燃料棒の本数は六十二本で
ある。一方、混合酸化物燃料を含む燃料集合体12は、燃
料棒格子が九行九列であり、水ロツド九本を除く七十二
本が燃料棒である。また、混合酸化物燃料は、燃料ペレ
ツトが中空となるように成型して装填されている。
このような構成を用いることにより、混合酸化物燃料
を八行八列の燃料棒格子で用いた場合に比べ、線出力密
度が15%低減され、燃料の巨視的断面積の違いにより、
混合酸化物燃料を含む燃料集合体において出力ピークが
生じた場合にも、熱的余裕が確保できる。
また、混合酸化物燃料を中空ペレツトに成型して用い
るとともに、燃料集合体内に九本の水ロツドを配置する
ことにより、濃縮ウラン燃料に比べ集合体横断面内の減
速材対燃料原子数比が大きくなり、減速材密度に対する
反応度係数を濃縮ウラン燃料と同等に保つことができ
る。さらに、本実施例では、濃縮ウラン燃料からなる燃
料集合体内の水ロツド本数二本から九本に増加したこと
により減速材の密度変化に対する、集合体横断面内の軽
水の平均密度の変化が小さくなるようにしている。
以上に述べた実施例では、混合酸化物燃料を中空ペレ
ツトに成型して用いたが、混合酸化物燃料を濃縮ウラン
に比べ、低密度のペレツトに成型して用いても同様の効
果が得られる。また、混合酸化物燃料を濃縮ウラン燃料
に比べ細径の燃料棒に装填して用いてもよい。さらに、
これらの方法を組合せて用いることも可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、原子炉に混合酸化物燃料及び濃縮ウ
ラン燃料を装荷した場合でも、混合酸化物燃料の減速材
密度反応度係数を濃縮ウラン燃料と同等に保ちつつ、混
合酸化物燃料の熱的余裕を確保でき、且つ燃料の成型加
工や輸送を簡便化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例になる原子炉の横断面図、
第2図は、濃縮ウラン燃料と混合酸化物燃料における減
速材対燃料原子数比に対する中性子無限増倍率の変化を
示す特性図である。 10……原子炉の炉心、11……濃縮ウラン燃料からなる燃
料集合体、12……混合酸化物燃料を含む燃料集合体、20
……水ロツド。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】濃縮ウラン燃料を含むウラン燃料からなる
    第1燃料集合体と、ウラン−プルトニウム混合酸化物燃
    料を含む第2燃料集合体とを装荷してなる原子炉におい
    て、 前記第2燃料集合体の単位高さあたりの燃料装荷量が、
    前記第1燃料集合体のそれに比べて小さく、かつ、前記
    第2燃料集合体を構成する燃料棒本数が、前記第1燃料
    集合体を構成する燃料棒本数よりも多いことを特徴とす
    る原子炉。
  2. 【請求項2】前記ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料
    が、中空ペレットに成型されて装荷される請求項1に記
    載の原子炉。
  3. 【請求項3】前記ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料
    が、前記濃縮ウラン燃料に比べて低密度に成型されて装
    荷される請求項1に記載の原子炉。
  4. 【請求項4】前記ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料
    が、前記濃縮ウラン燃料に比べて細径の燃料棒に装荷さ
    れる請求項1に記載の原子炉。
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