JPH0551678A - 高靱延性TiAl系金属間化合物 - Google Patents
高靱延性TiAl系金属間化合物Info
- Publication number
- JPH0551678A JPH0551678A JP3208187A JP20818791A JPH0551678A JP H0551678 A JPH0551678 A JP H0551678A JP 3208187 A JP3208187 A JP 3208187A JP 20818791 A JP20818791 A JP 20818791A JP H0551678 A JPH0551678 A JP H0551678A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- intermetallic compound
- tial
- ductility
- volume fraction
- atomic
- Prior art date
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- Pending
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高靱延性を有するTiAl系金属間化合物を
提供する。 【構成】 TiAl系金属間化合物は、Ti53Al
47(数値は原子%)の組成を有するTiAl系金属間化
合物組成分と、0.05原子%以上、5原子%未満のG
aを含有する。Ti3 Al相の体積分率Vfは0.05
%以上、40%以下に設定される。
提供する。 【構成】 TiAl系金属間化合物は、Ti53Al
47(数値は原子%)の組成を有するTiAl系金属間化
合物組成分と、0.05原子%以上、5原子%未満のG
aを含有する。Ti3 Al相の体積分率Vfは0.05
%以上、40%以下に設定される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高靱延性TiAl系金属
間化合物に関する。
間化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】TiAl系金属間化合物は、軽量で、且
つ優れた耐熱性を有するためエンジン部品等の構造材料
として着目されている。
つ優れた耐熱性を有するためエンジン部品等の構造材料
として着目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
TiAl系金属間化合物は、常温延性が低いために加工
性が悪く、その上、製品化しても靱性が低いために実用
性が乏しい、といった問題がある。
TiAl系金属間化合物は、常温延性が低いために加工
性が悪く、その上、製品化しても靱性が低いために実用
性が乏しい、といった問題がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、金属組織を改善する
と共に第3元素の添加を行うことによって常温延性およ
び靱性を向上させた前記TiAl系金属間化合物を提供
することを目的とする。
と共に第3元素の添加を行うことによって常温延性およ
び靱性を向上させた前記TiAl系金属間化合物を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高靱延性T
iAl系金属間化合物は、30原子%以上、60原子%
以下のAlを含有し、残部がTiであるTiAl系金属
間化合物組成分と、0.05原子%以上、5原子%未満
のGaを含有し、Ti3 Al相α2 の体積分率Vfを
0.05%以上、40%以下に設定したことを特徴とす
る。
iAl系金属間化合物は、30原子%以上、60原子%
以下のAlを含有し、残部がTiであるTiAl系金属
間化合物組成分と、0.05原子%以上、5原子%未満
のGaを含有し、Ti3 Al相α2 の体積分率Vfを
0.05%以上、40%以下に設定したことを特徴とす
る。
【0006】
【実施例】図1は、TiAl系金属間化合物の金属組織
の一例を模型的に示したもので、この金属組織は、Ti
Al相γおよびTi3 Al相α2を交互に析出させた層
状組織(ラメラ組織)、図示例では層状組織部Lの集合
体よりなる。このような金属組織を得るためには、組成
上、Al含有量を30原子%以上、52原子%以下に設
定することが必要である。
の一例を模型的に示したもので、この金属組織は、Ti
Al相γおよびTi3 Al相α2を交互に析出させた層
状組織(ラメラ組織)、図示例では層状組織部Lの集合
体よりなる。このような金属組織を得るためには、組成
上、Al含有量を30原子%以上、52原子%以下に設
定することが必要である。
【0007】この場合、層状組織部LにおけるTi3 A
l相α2の体積分率Vfを0.05%以上、40%以下
に設定することにより、TiAl系金属間化合物の常温
延性を向上させることができる。ただし、Ti3Al相
α2 の体積分率Vfが0.05%未満では、金属組織が
粗大化して強度および常温延性が低下し、一方、40%
を超えると、金属組織が脆化して同様に強度および常温
延性が低下する。また常温延性向上の観点より層状組織
部Lの平均粒径は、1μm以上、1000μm以下であ
ることが望ましい。
l相α2の体積分率Vfを0.05%以上、40%以下
に設定することにより、TiAl系金属間化合物の常温
延性を向上させることができる。ただし、Ti3Al相
α2 の体積分率Vfが0.05%未満では、金属組織が
粗大化して強度および常温延性が低下し、一方、40%
を超えると、金属組織が脆化して同様に強度および常温
延性が低下する。また常温延性向上の観点より層状組織
部Lの平均粒径は、1μm以上、1000μm以下であ
ることが望ましい。
【0008】図2は、TiAl系金属間化合物の金属組
織の他例を模型的に示したもので、この金属組織は、T
iAl相のみからなる単相部Sγと、TiAl相γおよ
びTi3 Al相α2 を交互に析出させた層状組織部Lと
より構成される。このような金属組織を得るためには、
組成上、Al含有量を45原子%以上、60原子%以下
に設定することが必要である。
織の他例を模型的に示したもので、この金属組織は、T
iAl相のみからなる単相部Sγと、TiAl相γおよ
びTi3 Al相α2 を交互に析出させた層状組織部Lと
より構成される。このような金属組織を得るためには、
組成上、Al含有量を45原子%以上、60原子%以下
に設定することが必要である。
【0009】この場合、層状組織部Lの体積分率Vfを
15%以上、好ましくは35%以上に設定することによ
りTiAl系金属間化合物の常温延性を向上させること
ができる。また層状組織部LにおけるTi3 Al相α2
の体積分率Vfは0.05%以上、40%以下に設定さ
れる。さらに常温延性向上の観点より層状組織部Lの平
均粒径は、1μm以上、1000μm以下であることが
望ましい。
15%以上、好ましくは35%以上に設定することによ
りTiAl系金属間化合物の常温延性を向上させること
ができる。また層状組織部LにおけるTi3 Al相α2
の体積分率Vfは0.05%以上、40%以下に設定さ
れる。さらに常温延性向上の観点より層状組織部Lの平
均粒径は、1μm以上、1000μm以下であることが
望ましい。
【0010】本発明は、前記のような金属組織を現出す
る30原子%以上、60原子%以下のAlを含有するT
iAl系金属間化合物組成分に、0.05原子%以上、
5原子%未満のGaを添加して、Ga含有TiAl系金
属間化合物を構成するものである。
る30原子%以上、60原子%以下のAlを含有するT
iAl系金属間化合物組成分に、0.05原子%以上、
5原子%未満のGaを添加して、Ga含有TiAl系金
属間化合物を構成するものである。
【0011】このような金属間化合物を、次のような方
法で製造した。
法で製造した。
【0012】先ず、純度99.5%のTi(スポンジチ
タン)と、純度99.99%のAl(アルミニウムショ
ット)と、純度99.9%のGa(細片)とを目標組成
に秤量して素材を得た。この素材の組成は、原子%で、
(Ti53Al47)100-x Ga x である。次いで素材を非
消耗アーク溶解炉を用いて、Ar雰囲気下で溶解するこ
とによりインゴットを得た。その後インゴットに、加熱
温度1573K、加熱時間3時間の条件下で熱処理を施
して、Ga含有TiAl系金属間化合物を得た。
タン)と、純度99.99%のAl(アルミニウムショ
ット)と、純度99.9%のGa(細片)とを目標組成
に秤量して素材を得た。この素材の組成は、原子%で、
(Ti53Al47)100-x Ga x である。次いで素材を非
消耗アーク溶解炉を用いて、Ar雰囲気下で溶解するこ
とによりインゴットを得た。その後インゴットに、加熱
温度1573K、加熱時間3時間の条件下で熱処理を施
して、Ga含有TiAl系金属間化合物を得た。
【0013】溶解工程では、金属間化合物の均一性を向
上させるため、先ず、1回目の溶解(表側からの溶解)
を行った後インゴットを裏返して2回目の溶解(裏側か
らの溶解)を行って2個のボタン状インゴットを作り、
次いで2個のボタン状インゴットを合せて、表側からの
溶解および裏側からの溶解を1サイクルとして2サイク
ル繰返すことにより40gの親指状インゴットとした。
上させるため、先ず、1回目の溶解(表側からの溶解)
を行った後インゴットを裏返して2回目の溶解(裏側か
らの溶解)を行って2個のボタン状インゴットを作り、
次いで2個のボタン状インゴットを合せて、表側からの
溶解および裏側からの溶解を1サイクルとして2サイク
ル繰返すことにより40gの親指状インゴットとした。
【0014】Ga含有TiAl系金属間化合物の靱性お
よび常温延性を調べるため、次のような曲げ試験を行っ
た。
よび常温延性を調べるため、次のような曲げ試験を行っ
た。
【0015】前記金属間化合物より、縦3mm、横4mm、
長さ37mmの試験片を製作し、その試験片について常温
下で4点曲げ試験(JIS R 1601)を行った。
この試験では、クロスヘッド速度を0.5mm/min に設
定して、試験片の伸び側に貼着されたストレインゲージ
によるひずみと圧下荷重とを測定し、それら測定値より
曲げ強さおよび曲げ伸びを求めた。
長さ37mmの試験片を製作し、その試験片について常温
下で4点曲げ試験(JIS R 1601)を行った。
この試験では、クロスヘッド速度を0.5mm/min に設
定して、試験片の伸び側に貼着されたストレインゲージ
によるひずみと圧下荷重とを測定し、それら測定値より
曲げ強さおよび曲げ伸びを求めた。
【0016】図3は、各種Ga含有TiAl系金属間化
合物におけるTi3Al相α2 の体積分率Vfと曲げ強
さとの関係を示す。図中、線aがGa含有量0.05原
子%の場合に、線bがGa含有量0.5原子%の場合
に、さらに線cがGa無添加およびGa含有量5原子%
の場合にそれぞれ該当する。
合物におけるTi3Al相α2 の体積分率Vfと曲げ強
さとの関係を示す。図中、線aがGa含有量0.05原
子%の場合に、線bがGa含有量0.5原子%の場合
に、さらに線cがGa無添加およびGa含有量5原子%
の場合にそれぞれ該当する。
【0017】Ti3 Al相α2 の体積分率Vfの測定
は、Ga含有TiAl系金属間化合物から作製された試
験片を鏡面に研摩した後、走査型電子顕微鏡(SEM)
により組成像写真を得、その組成像写真をもとに画像解
析装置を用いて行った。
は、Ga含有TiAl系金属間化合物から作製された試
験片を鏡面に研摩した後、走査型電子顕微鏡(SEM)
により組成像写真を得、その組成像写真をもとに画像解
析装置を用いて行った。
【0018】図3から明らかなように、Ga含有量を
0.05原子%以上、5原子%未満に設定すると共にT
i3 Al相α2 の体積分率Vfを0.05%以上、40
%以下に設定することによって、Ga含有TiAl系金
属間化合物の曲げ強さ、したがって靱性を向上させるこ
とができる。
0.05原子%以上、5原子%未満に設定すると共にT
i3 Al相α2 の体積分率Vfを0.05%以上、40
%以下に設定することによって、Ga含有TiAl系金
属間化合物の曲げ強さ、したがって靱性を向上させるこ
とができる。
【0019】図4は、各種Ga含有TiAl系金属間化
合物におけるTi3Al相α2 の体積分率Vfと曲げ伸
びとの関係を示す。図中、各線a〜cは図3の各線a〜
cにそれぞれ対応する。
合物におけるTi3Al相α2 の体積分率Vfと曲げ伸
びとの関係を示す。図中、各線a〜cは図3の各線a〜
cにそれぞれ対応する。
【0020】図4から明らかなように、Ga含有量およ
びTi3 Al相α2 の体積分率Vfを前記同様に設定す
ることによって、Ga含有TiAl系金属間化合物の曲
げ伸び、したがって常温延性を向上させることができ
る。
びTi3 Al相α2 の体積分率Vfを前記同様に設定す
ることによって、Ga含有TiAl系金属間化合物の曲
げ伸び、したがって常温延性を向上させることができ
る。
【0021】ただし、Ga含有量が0.05原子%未満
では、Ga無添加の場合に比べて効果に差が無く、一
方、5原子%以上では、TiAl相γの劈開強度が低下
してGa含有TiAl系金属間化合物の曲げ強さおよび
曲げ伸びが共に低下する。
では、Ga無添加の場合に比べて効果に差が無く、一
方、5原子%以上では、TiAl相γの劈開強度が低下
してGa含有TiAl系金属間化合物の曲げ強さおよび
曲げ伸びが共に低下する。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、Al量、Ga量および
Ti3 Al相の体積分率Vfを前記のように特定するこ
とによって優れた靱延性を有するTiAl系金属間化合
物を提供することができる。
Ti3 Al相の体積分率Vfを前記のように特定するこ
とによって優れた靱延性を有するTiAl系金属間化合
物を提供することができる。
【図1】金属組織の一例を示す説明図である。
【図2】金属組織の他例を示す説明図である。
【図3】Ti3 Al相の体積分率Vfと曲げ強さとの関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図4】Ti3 Al相の体積分率Vfと曲げ伸びとの関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
α2 Ti3 Al相 γ TiAl相 L 層状組織部
Claims (1)
- 【請求項1】 30原子%以上、60原子%以下のAl
を含有し、残部がTiであるTiAl系金属間化合物組
成分と、0.05原子%以上、5原子%未満のGaを含
有し、Ti3 Al相α2 の体積分率Vfを0.05%以
上、40%以下に設定したことを特徴とする高靱延性T
iAl系金属間化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208187A JPH0551678A (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | 高靱延性TiAl系金属間化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208187A JPH0551678A (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | 高靱延性TiAl系金属間化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551678A true JPH0551678A (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=16552107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3208187A Pending JPH0551678A (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | 高靱延性TiAl系金属間化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0551678A (ja) |
-
1991
- 1991-08-20 JP JP3208187A patent/JPH0551678A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |