JPH0551651B2 - - Google Patents

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JPH0551651B2
JPH0551651B2 JP25633984A JP25633984A JPH0551651B2 JP H0551651 B2 JPH0551651 B2 JP H0551651B2 JP 25633984 A JP25633984 A JP 25633984A JP 25633984 A JP25633984 A JP 25633984A JP H0551651 B2 JPH0551651 B2 JP H0551651B2
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metal
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powder
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Tadashi Donomoto
Atsuo Tanaka
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、金属酸化物が微細に分散された合金
に係り、更に詳細には酸化還元反応を利用してか
かる合金を製造する方法に係る。
従来の技術 金属酸化物が微細に分散された合金(複合材
料)は、従来より一般に、金属酸化物の粉末と
ベース金属の粉末とを混合し、該混合粉末を高温
度に加熱して焼結させる所謂粉末冶金法、金属
酸化物の粉末にて多孔質体を形成し、該多孔質体
にベース金属の溶湯を浸透させる方法、ベース
金属と該ベース金属よりも酸化物形成傾向の高い
金属元素とよりなる固体金属を形成し、該固体金
属の表面より固体金属内に酸素を供給することに
より、固体金属内にて前記酸化物形成傾向の高い
金属を酸化させる所謂内部酸化法等にて製造され
ている。
発明が解決しようとする問題点 上述の及びの方法に於ては、金属酸化物が
微細に分散された合金を比較的低廉に且能率良く
製造し得るが、ベース金属と金属酸化物との組合
せが相互に化学的に安定な組合せに限定されるた
め、任意の組成の合金を製造することが困難であ
り、またベース金属と金属酸化物との間の界面接
着力が不十分になり易いため、他の部材と摺動摩
擦されても金属酸化物が脱落したりすることがな
い強力な合金を製造することができないという問
題がある。特にの方法に於ては、粉末間に存在
していた空気や雰囲気ガスが焼結工程後に合金中
に残存することを完全に回避することが困難であ
るため、密度100%の合金を製造することが困難
であり、焼結工程に於て高温度への加熱及び雰囲
気の制御等が必要であるという問題がある。また
上述のの方法に於ては、ベース金属と金属酸化
物との間の界面接着力が高く、優れた特性を有す
る合金を製造し得るが、固体金属をその融点近傍
の高温度に長時間加熱しなければならないため、
合金の製造コストが高く、また合金の体積が比較
的大きい場合にはその中心部まで良好に金属酸化
物が分散された状態にすることが困難であり、更
に金属酸化物の大きさ、形状、分散状態等を制御
することが困難であるという問題がある。
尚本願出願人は特願昭58−13810号に於て、第
一の金属と該第一の金属よりも低い融点を有する
第二の金属とよりなる合金の製造方法にして、前
記第一の金属よりなる多孔質体を形成し、該多孔
質体を鋳型内に配置し、該鋳型内に前記第二の金
属の溶湯を注湯し、前記溶湯を前記多孔質体内に
浸透させることにより前記第一の金属と前記第二
の金属とを合金化させ、前記多孔質体の領域に前
記第二の金属が単独では実質的に存在しない合金
を形成することを特徴とする合金の製造方法を提
案した。この方法によれば、従来の方法によつて
は製造することができない合金をも製造すること
ができるが、この方法によつては金属酸化物が微
細に分散された合金を製造することはできない。
本発明は、金属酸化物が微細に分散された合金
を製造する従来の方法に於ける上述の如き問題に
鑑み、金属酸化物が微細に分散された任意の組成
の合金を低廉に且能率よく製造することのできる
合金の製造方法を提供することを目的としてい
る。
問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、第一の金
属と該第一の金属よりも酸化物形成傾向の高い第
二の金属とを含む合金の製造方法にして、前記第
一の金属と酸素との化合物の固体微細片及び前面
第二の金属の固体微細片を混合してこれらよりな
る多孔質体を形成し、前記多孔質体に第三の金属
の溶湯を浸透させることにより前記第二の金属を
前記化合物中の酸素にて酸化せしめることを特徴
とする合金の製造方法によつて達成される。
発明の作用及び効果 本発明によれば、第一の金属と酸素との化合物
の固体微細片及び第一の金属よりも酸化物形成傾
向の高い第二の金属の固体微細片が混合されこれ
らの固体微細片よりなる多孔質体が形成され、該
多孔質体に第三の金属の溶湯が浸透せしめられ、
第三の金属の溶湯が保有する熱によつて化合物と
第二の金属との間の酸化還元反応が惹起せしめら
れる。
従つて実質的に元の多孔質体内に於て化合物が
還元されて第二の金属の微細な酸化物が形成され
ると共に、第一及び第三の金属が合金化されるこ
とによりこれらよりなるベース金属が形成され、
第二の金属の酸化物及びベース金属が酸化還元反
応により発生される熱によつて加熱されるので、
第二の金属の酸化物が微細に分散され且第二の金
属の酸化物とベース金属との界面接着力が高く、
しかも第一の金属と第三の金属との合金化が良好
に行われた合金を能率良く低廉に製造することが
でき、更には必要に応じて鋳物のうち多孔質体に
対応する特定の部位のみを容易に且正確に合金化
させることができる。
また本発明によれば、化合物の固体微細片と第
二の金属の固体微細片とを均一に混合することに
より、ベース金属中に微細な第二の金属の酸化物
が均一に分散した合金を容易に製造することがで
き、化合物及び第二の金属の固体微細片の大きさ
や形状、多孔質体中に於ける各固体微細片の体積
率等を変化させることにより、製造される合金中
に於ける第二の金属の酸化物の大きさ、形状、分
散状態、ベース金属に対する比率等を任意に制御
することができ、また化合物の固体微細片と第二
の金属の固体微細片との混合物を高温度に長時間
加熱することは不要であるので、従来の内部酸化
法の場合に比して遥かに能率良く且低廉に合金を
製造することができ、更には製造されるべき合金
の体積が比較的大きい場合にも内部まで良好に金
属酸化物が分散された合金を製造することができ
る。
本発明の方法に於ては、第一の金属と酸素との
化合物は第二の金属に酸素を供給しこれを酸化さ
せ得るものであれば如何なる化合物であつてもよ
く、従つて本発明の一つの詳細な特徴によれば、
前記化合物は第一の金属の酸化物又は複合酸化物
(複塩を含む)である。
本発明の他の一つの詳細な特徴によれば、第一
の金属と酸素との化合物の固体微細片及び第二の
金属の固体微細片よりなる多孔質体はそれに溶湯
が浸透せしめられる工程に先立ち、室温以上の温
度、好ましくは溶湯を構成する金属の融点以上の
温度に予熱される。このことにより溶湯が多孔質
体に浸透せしめられる際に溶湯が多孔質体によつ
て大きく冷却されることが回避され、また多孔質
体と溶湯との濡れ性が改善されるので、溶湯を多
孔質体内に良好に且迅速に浸透させることがで
き、これにより密度が実質的に100%である合金
を能率良く製造することができる。
本発明の更に他の一つの詳細な特徴によれば、
第三の金属の溶湯を多孔質体に浸透させる工程に
於ては、溶湯は加圧される。このことにより溶湯
が多孔質体内へより一層良好に且迅速に浸透せし
められ、また合金の製造効率が更に一層向上され
る。
尚本発明の方法に於ては、固体微細片は粉末、
不連続繊維、切粉、薄片等であつてよく、特に固
体微細片が粉末である場合には製造される合金の
組織を微細化するためには、粒径が100μ以下、
特に50μ以下であることが好ましい。また溶湯を
加圧してそれを多孔質体内に浸透させる場合に於
ては、溶湯に対する加圧は任意の方法により行わ
れてよいが、特に高圧鋳造法、ダイカスト鋳造
法、遠心鋳造法、減圧鋳造法、低圧鋳造法の如き
所謂加圧鋳造法を応用することにより行われるこ
とが好ましい。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例
について詳細に説明する。
実施例 1 第1図はこの実施例に於て使用された高圧鋳造
装置を示す縦断面図である。図に於て、1は鋳型
を示しており、該鋳型は多孔質体2及び溶湯3を
受入れるモールドキヤビテイ4を有している。溶
湯3はプランジヤ5により所定の圧力に加圧され
るようになつている。また図示の高圧鋳造装置は
モールドキヤビテイ4内にて凝固した凝固体を鋳
型1より取出すためのノツクアウトピン6を有し
ている。
上述の如く構成された高圧鋳造装置を用い、第
一の金属としてVを選定し、第二の金属として
Alを選定してAl2O3が微細に分散されたAl−V−
Sn合金を製造した。
まず平均粒径が25μであり純度が99.8wt%であ
るAl粉末と、平均粒径が10μであり純度が98.5wt
%であるV2O5粉末とを重量比にして2:1の割
合にて均一に混合し、該混合粉末を加圧力500
Kg/cm2にて圧縮成形することにより、かさ密度が
1.46g/c.c.である15×15×80mmの多孔質体を形成
した。次いで多孔質体を真空中にて200℃に予熱
した後、第1図に示されている如く50℃の鋳型1
のモールドキヤビテイ4内に配置した。次いでモ
ールドキヤビテイ4内に湯温330℃、純度99wt%
の純スズの溶湯3を注湯し、溶湯3をプランジヤ
5により加圧力約500Kg/cm2にて加圧し、その加
圧状態を溶湯が完全に凝固するまで保持し、これ
により溶湯3を多孔質体2内に浸透させ、V2O5
とAlとの間にて酸化還元反応を行わせると共に
これらを合金化させた。溶湯3が完全に凝固した
後、ノツクアウトピン6により鋳型1より凝固体
を取出し、該凝固体より純スズのみよりなる部分
を機械加工によつて除去することにより、Al2O3
が微細に分散されたAl−V−Sn合金よりなる直
方体を切出した。
第2図は上述の如く製造されたAl−V−Sn合
金の断面組織を400倍にて示す光学顕微鏡写真で
ある。この第2図に於て、灰色の粒状の部分は
Al−V合金相の部分であり、黒色の粒状の部分
はAl2O3とAl−V合金との混合組織の部分であ
り、地の明灰色の部分はAl2O3とSnとの混合組織
の部分である。第2図より、この実施例によれ
ば、均一且微細な組織を有しAl2O3が微細且均一
に分散されたAl−V−Sn合金(マクロの組成は
17.6wt%Al,6.2wt%V,71.4wt%Sn,4.8wt%
O,Al2O3含有率は10.2wt%)を製造することが
できることが解る。また上述の如く製造された
Al−V−Sn合金についてEPMA分析及びX線回
折試験を行つたところ、製造された合金の組織中
には、Al−V−Sn合金相部分と、AlがV2O5の酸
素により酸化されることにより形成されAl−V
合金及びSn中に微細且均一に分散されたAl2O3
が形成されていることが認められた。
尚具体的実施例としては示されていないが、上
述の実施例の場合と同様の要領にてWO3,Fe2
O3,MnO2,CoO,Nb2O5,Ta2O5,TiO2,Cr2
O3,NiOの各粉末とAl粉末との混合粉末にて多
孔質体を形成し、各多孔質体中に純スズの溶湯を
含浸させることにより種々の合金を製造したとこ
ろ、これらのいずれに於てもW−Al−Sn合金相
部分の如き合金相部分の他に、前記金属酸化物の
酸素によりAlが酸化されることにより形成され
Sn中に微細且均一に分散されたAl2O3が形成され
ていることが認められた。また上述の実施例の合
金を含むこれらの合金はいずれも強度、耐熱性、
耐摩耗性に優れていることが認められた。
実施例 2 第3図はこの実施例に於て使用されたコールド
チヤンバ式ダイカスト鋳造装置を示す部分縦断面
図である。図に於て、8はダイス取付板を示して
おり、該ダイス取付板には鋳込みスリーブ9及び
固定ダイス10が固定されている。固定ダイス1
0は図には示されていないラム装置により第3図
で見て左右の方向へ往復動される可動ダイス11
と共働してモールドキヤビテイ12を郭定するよ
うになつている。モールドキヤビテイ12内には
第一の金属よりなる多孔質体13が配置されるよ
うになつている。鋳込みスリーブ9には図には示
されていないシリンダーピストン装置により第3
図で見て左右の方向に往復動されるプランジヤロ
ツド14の先端に固定されたプランジヤ15が嵌
入されており、スリーブ9に設けられた注入口1
6より注入された溶湯17がプランジヤ15によ
りモールドキヤビテイ12内へ噴出され加圧され
るようになつている。
上述の如く構成されたダイカスト鋳造装置を用
い、第一の金属としてMnを選定し、第二の金属
としてAl及びSiを選定してAl2O3が微細に分散さ
れたMn−Al−Zn合金を製造した。
まず平均粒径が25μであり純度が99.8wt%であ
るAl粉末と、平均粒径が5μであり純度が99.2wt
%であるMnSiO3粉末とを重量比にして2.7:3.5
の割合にて均一に混合し、該混合粉末を加圧力
500Kg/cm2にて圧縮成形することにより、かさ密
度が1.55g/c.c.である15×15×80mmの多孔質体を
形成した。次いで多孔質体を真空中にて300℃に
予熱した後、多孔質体を第3図に示されたダイカ
スト鋳造装置の200℃の可動ダイス11のモール
ドキヤビテイ12内に配置した。次いでプランジ
ヤ15によりモールドキヤビテイ12内へ湯温
550℃、純度99.3wt%の純亜鉛の溶湯17を注入
し、該溶湯をプランジヤにより加圧力500Kg/cm2
にて加圧し、その加圧状態を溶湯17が完全に凝
固するまで保持し、これにより溶湯17を多孔質
体13内に浸透させ、AlとMnSiO3との間にて酸
化還元反応を行わせると共にこれらとZnとを合
金化させた。溶湯17が完全に凝固した後、可動
ダイス11を固定ダイス10より離型し、図には
示されていないノツクアウトピンにより可動ダイ
ス11より凝固体を取出し、該凝固体より純亜鉛
のみよりなる部分を機械加工によつて除去するこ
とにより、Al2O3及びSiO2が微細に分散された
Mn−Al−Zn合金よりなる直方体を切出した。
第4図は上述の如く製造されたMn−Al−Zn合
金の断面組織を400倍にて示す光学顕微鏡写真で
ある。この第4図に於て、粒状の白つぽい部分は
Mn−Al合金相の部分であり、地の灰色及び黒色
の部分はAl2O3及びSiO2とZn−Al合金との混合
組織の部分である。第4図より、この実施例によ
れば、均一且微細な組織を有しAl2O3及びSiO2
微細且均一に分散されたMn−Al−Zn合金(マク
ロの組成は7.2wt%Mn,13.2wt%Al,3.7wt%
Si,69.7wt%Zn,6.3wt%O,Al2O3及びSiO2
有率はそれぞれ4.5wt%,7.8wt%)を製造するこ
とができることが解る。また上述の如く製造され
たMn−Al−Zn合金についてEPMA分析及びX
線回折試験を行つたところ、MnSiO3はAlにより
還元されており、合金の組織中にはMn−Al合金
相部分及びZn−Al合金相部分と、MnSiO3とAl
との間の酸化還元反応により形成されZn−Al合
金相部分中に微細且均一に分散されたAl2O3及び
SiO2とが存在していることが認められた。
尚具体的実施例としては示されていないが、
MnSiO3の代りにFe2O3,TiO2,PbMoO4,Na3
VO4,NiFe2O4,Na2WO4が使用された場合にも
上述の実施例の場合と同様の酸化還元反応が生
じ、製造された合金中にはAl2O3及びTiO2等が微
細且均一に分散されていることが認められた。
実施例 3 第5図はこの実施例に於て使用された横形遠心
鋳造装置を示す縦断面図である。図に於て、19
は端壁20及び21により両端を閉じられた円筒
形の鋳枠を示している。鋳枠19内には該鋳枠に
対し着脱自在に固定された円筒形の鋳型22が配
置されている。鋳枠19は二つのローラ23及び
24上に回転可能に載置されており、これらのロ
ーラ23及び24を介して図には示されていない
電動機により軸線25の周りに高速度にて回転駆
動されるようになつている。鋳型22内には多孔
質体26が配置され、また端壁20に設けられた
孔に挿通された樋27を経て溶湯28が導入され
るようになつている。
上述の如く構成された遠心鋳造装置を用い、第
一の金属としてWを選定し、第二の金属として
Tiを選定してTiO2が微細に分散されたW−Ti−
Zn合金を製造した。
まず平均粒径が10μであり純度が97.6wt%であ
るTi粉末と、平均粒径が3μであり純度が99.9wt
%であるWO3粉末とを重量比にして4.5:7.2の割
合にて均一に混合し、該混合粉末を加圧力1200
Kg/cm2にて圧縮成形することにより、かさ密度
5.85g/c.c.,15×15×80mmの多孔質体を形成し
た。次いで多孔質体を真空中にて400℃に予熱し、
該多孔質体を第5図に示されている如く内径100
mm,100℃の鋳型22内に軸線25に沿つて配置
した。次いで鋳型22内に湯温550℃、純度
99.3wt%の純亜鉛の溶湯28を注入し、鋳枠19
及び鋳型22を200rpmにて回転させ、その状態
を溶湯28が完全に凝固するまで維持し、これに
より溶湯28を多孔質体26内に浸透させ、Ti
とWO3との間にて酸化還元反応を行わせると共
にこれらとZnとを合金化させた。溶湯28が完
全に凝固した後、鋳型22より円筒状の凝固体を
取出し、該凝固体より亜鉛のみよりなる部分を機
械加工によつて除去することにより、TiO2が微
細に分散されたW−Ti−Zn合金よりなる直方体
を切出した。
第6図は上述の如く製造されたW−Ti−Zn合
金の断面組織を400倍にて示す光学顕微鏡写真で
ある。この第6図に於て、粒状の白つぽい部分は
W−Ti合金相の部分であり、黒色の部分はTiO2
の部分であり、地の灰色の部分はTiO2とZnとの
混合組織の部分である。第6図より、この実施例
によれば、均一且微細な組織を有しTiO2が微細
且均一に分散されたW−Ti−Zn合金(マクロの
組成は22.0wt%W、17.5wt%Ti,54.8wt%Zn,
5.7wt%O,TiO2含有率は14.1wt%)を製造する
ことができることが解る。また上述の如く製造さ
れたW−Ti−Zn合金についてEPMA分析及びX
線回折試験を行つたところ、WO3はTiによつて
還元されており、合金の組織中にはW−Ti−Zn
合金相部分とTiがWO3の酸素により酸化される
ことによつて形成されW−Ti−Zn合金相部分中
に微細且均一に分散されたTiO2とが存在してい
ることが認められた。
尚具体的実施例としては示されていないが、
MoO3,MnO2,CoO,Fe2O3,NiO,Cr2O3の各
粉末にTi粉末を混合して該混合粉末にて多孔質
体を形成し、上述の実施例の場合と同様の要領に
て合金を製造したところ、その場合にもTiと各
金属酸化物との間に於て酸化還元反応が生じてお
り、得られた合金の組織中にはTiO2が微細且均
一に分散していることが認められた。また上述の
実施例の合金を含むこれらの合金はいずれも耐熱
性及び耐摩耗性に優れていることが認められた。
上述の実施例1〜3より、金属酸化物又は複合
酸化物の粉末とこれらの金属酸化物又は複合酸化
物を構成する金属よりも酸化物形成傾向の高い金
属の粉末とよりなる多孔質体中に他の金属溶湯が
浸透されると、金属溶湯が保有する熱によつて金
属酸化物又は複合酸化物と酸化物形成傾向の高い
金属との間に於て酸化還元反応が生じ、この反応
により生じる熱によつて良好な合金化が行われる
と共に、酸化還元反応により生じた酸化物形成傾
向の高い金属の酸化物が合金の組織中に微細に分
散されることが解る。またこの場合金属溶湯は上
述の如き酸化還元反応を促進させるに足る熱を保
有するものであれば如何なる種類のものであつて
も良いことが解る。
以上に於ては本発明を種々の実施例について詳
細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて種々の
実施例が可能であることは当業者にとつて明らか
であろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の合金の製造方法に使用される
に好適な一つの高圧鋳造装置を示す縦断面図、第
2図は本発明に従つて製造されたAl−V−Sn合
金の断面組織を400倍にて示す光学顕微鏡写真、
第3図は本発明の合金の製造方法に於て使用され
るに好適なコールドチヤンバ式ダイカスト鋳造装
置を示す部分縦断面図、第4図は本発明に従つて
製造されたMn−Al−Zn合金の断面組織を400倍
にて示す光学顕微鏡写真、第5図は本発明の合金
の製造方法に於て使用されるに好適な横形遠心鋳
造装置を示す縦断面図、第6図は本発明に従つて
製造されたW−Ti−Zn合金の断面組織を400倍に
て示す光学顕微鏡写真である。 1……鋳型、2……多孔質体、3……溶湯、4
……モールドキヤビテイ、5……プランジヤ、6
……ノツクアウトピン、8……ダイス取付板、9
……鋳込みスリーブ、10……固定ダイス、11
……可動ダイス、12……モールドキヤビテイ、
13……多孔質体、14……プランジヤロツド、
15……プランジヤ、16……注入口、17……
溶湯、19……鋳枠、20,21……端壁、22
……鋳型、23,24……ローラ、25……軸
線、26……多孔質体、27……樋、28……溶
湯。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 第一の金属と該第一の金属よりも酸化物形成
    傾向の高い第二の金属とを含む合金の製造方法に
    して、前記第一の金属と酸素との化合物の固体微
    細片及び前記第二の金属の固体微細片を混合して
    これらよりなる多孔質体を形成し、前記多孔質体
    に第三の金属の溶湯を浸透させることにより前記
    第二の金属を前記化合物中の酸素にて酸化せしめ
    ることを特徴とする合金の製造方法。
JP25633984A 1984-12-04 1984-12-04 酸化還元反応を利用した合金の製造方法 Granted JPS61136643A (ja)

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JPH0796693B2 (ja) * 1985-05-21 1995-10-18 東芝セラミックス株式会社 Al▲下2▼O▲下3▼―Al―Si系の複合材の製造方法

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