JPH055163A - 鉄基焼結材料 - Google Patents

鉄基焼結材料

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JPH055163A
JPH055163A JP3258053A JP25805391A JPH055163A JP H055163 A JPH055163 A JP H055163A JP 3258053 A JP3258053 A JP 3258053A JP 25805391 A JP25805391 A JP 25805391A JP H055163 A JPH055163 A JP H055163A
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weight
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molybdenum
based sintered
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JP3258053A
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Charles G Purnell
グラント パーネル チヤールズ
Paritosh Maulik
モウリツク パリトツシユ
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Federal Mogul Coventry Ltd
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Brico Engineering Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
    • B22F3/24After-treatment of workpieces or articles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C33/00Making ferrous alloys
    • C22C33/02Making ferrous alloys by powder metallurgy
    • C22C33/0257Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements
    • C22C33/0278Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements with at least one alloying element having a minimum content above 5%
    • C22C33/0285Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements with at least one alloying element having a minimum content above 5% with Cr, Co, or Ni having a minimum content higher than 5%

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  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結材料の機械的、物理的性質を均質にす
る。また、焼結材料の硬化能、耐熱性、熱軟化抵抗、耐
食性、高温硬さを改善する。 【構成】 焼結材料が、Cr8〜12%、Mo0.5〜
3%、V1.5%以下で、C0.2〜1.5%、不純物
2%以下、MnS1%以下、任意選択の添加物としての
MoS2 5%以下、および残部としてのFeで規定され
る組成の多孔質マトリックスを有し、このマトリックス
に、熱軟化抵抗を材料に与えるMoに富む炭化物の超顕
微鏡的粒子が均等に分散している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結材料と、この焼結
材料の製造方法と、この製造方法により製造される製品
とに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】例え
ば、内燃機関や圧縮機の弁座インサートやピストンリン
グ等の若干の構成部品は、粉末冶金学的方法(PM法)
により製造される。この種のPM法により製造される構
成部品は、一般的には、鉄基粉末材料から製造される。
【0003】ドイツ特許第1,334,132号には、
この種の公知の一材料が記載されている。すなわち、約
12重量%のクロム、6重量%の銅、1重量%の炭素、
0.4重量%のモリブデン、残部の鉄を含有する材料で
ある。類似の組成がドイツ特許第2,087,436号
にも記載されている。
【0004】これら公知の材料は、既に予め合金化され
ている鉄・クロム合金粉末に元素モリブデン粉を添加し
たものである。このモリブデン粉は、二硫化モリブデン
を含む場合と、含まない場合とがある。
【0005】モリブデンは、焼結材料の硬化能の改善
や、また潜在的には焼結材料の熱軟化抵抗の改善という
点から見れば、有利な物質である。しかし、元素モリブ
デン粉の使用は、材料が高価であること、および最適冶
金学的マイクロ組織が得られない点で不利である。最適
冶金学的マイクロ組織が得られない理由は、鉄の格子内
で熱軟化抵抗を生ぜしめる超顕微鏡的な炭化物が、均等
に分散していないためである。これは、焼結処理の間
に、マトリックスの格子内へのモリブデンの拡散に限界
があることによる。
【0006】モリブデンは、元素粉末として添加される
と、マトリックス内でモリブデンに富む炭化物の粗粒子
を形成する。このためマトリックス内で低い割合のモリ
ブデンだけが分離し、この結果、硬化能に対する影響が
小さく、焼結温度が1200℃をかなり上回らないかぎ
り、材料の耐熱性には、ほとんど影響がない。
【0007】二硫化モリブデンが添加される場合、これ
がマトリックス内でクロムと反応して、硫化クロムを生
成し、モリブデンが材料マトリックス内に遊離され、局
部的にマトリックスの耐熱性が改善される。二硫化モリ
ブデンの全てがこのように反応するわけではなく、その
うちの若干は、そのまま残留して自己潤滑特性を発揮す
る。
【0008】モリブデンは、また、炭化物を生成する大
部分の他の元素以上に、炭化モリブデンを生成して、マ
イクロ組織が得られる点から見て有利である。モリブデ
ンと炭素との原子量(それぞれ96と12)の間には大
きな差がある。1重量%のモリブデンは、化学量論的な
炭化モリブデン組成を生成するためには、僅か0.06
重量%の炭素しか必要としない。従って、理論的には、
極めて低含量の炭素により、所望の硬化度及び耐熱性を
得ることができる。
【0009】WO90/06198には、鉄基粉末材料
による精密成形部品の製造が記載されている。そこに
は、モリブデンと鉄との予合金化(予め合金化されてい
ること)によって得られる利点のいくつかが挙げられて
いるが、条件として、他の合金添加物、例えばマンガ
ン、クロム、珪素、銅、ニッケル、アルミニウムを予合
金化粉末中で合計量0.4重量%未満に維持しなければ
ならないとされる。更に、この数値を上回る場合には、
粉末の圧縮性が著しく低下し、最終製品である構成部品
の密度が低下し、したがって、劣質となることも述べら
れている。
【0010】
【課題を解決するための手段】良好な硬化能を有する材
料で造られ、弁座インサートやピストンシリング等の、
高温耐摩耗性を必要とする構成部品は、予合金化された
モリブデンと、公知材料と比較して相対的に極めて高い
含量の、耐食性を生ぜしめるクロムとを有する鉄基粉末
により製造することによって機械的、物理的性質が更に
改善されることが判明した。
【0011】本発明の第一の側面によれば、次の点を特
徴とする鉄基焼結材料が得られる。すなわち、この焼結
材料は、クロム8〜12重量%、モリブデン0.5〜3
重量%、バナジウム1.5重量%以下、炭素0.2〜
1.5重量%、その他の不純物2重量%以下および残部
として鉄で規定される組成の多孔質マルテンサイト・マ
トリックスを有し、このマトリックスが、事実上均等に
分散したモリブデンに富む炭化物の超顕微鏡的粒子を有
する点である。
【0012】本発明による一材料の場合、モリブデンに
富む炭化物の超顕微鏡的な粒子が均等に分散しているの
は、モリブデンの全てが、二硫化モリブデンなどの添加
化合物と異なり、元素単体形態で用いられているためで
ある。このモリブデンは、粉末製造中に鉄粉マトリック
ス内へ入って予合金化される。
【0013】モリブデン含量は、1〜3重量%の範囲が
好ましいが、1.5〜2.5重量%の範囲であるのが最
も好ましい。クロムの含量は9〜11重量%の範囲が好
ましい。その他の不純物、主としてニッケル、マンガ
ン、珪素は、最大2重量%まで含まれてよい。炭素含有
量は0.2〜1.2重量%でよい。
【0014】最終的に熱処理された形態では、マトリッ
クスは、炭素の最終含有量に部分的に左右される程度の
粒界炭化物を有する焼きもどしマルテンサイトから成っ
ている。材料の組成には、1重量%以下の硫化マンガン
および(または)5重量%以下の二硫化モリブデンが含
まれてもよい。
【0015】本発明の焼結材料には、銅または銅基合金
が含浸され、残留細孔が充填されている。あるいはま
た、焼結材料に含浸を行うことなく、最初の混合粉に添
加される2〜6重量%の銅を元素粉末として添加し、焼
結処理および材料の性質を補助してもよい。材料に含浸
処理を施す場合には、焼結処理とは分離して前後して続
けて行なってもよいが、焼結および含浸の段階を組合せ
て同時に行なうようにすることが好ましい。
【0016】本発明による焼結材料は、用途の異なる2
つの別のクラスに分けられると考えてよい。本発明組成
の第一の好ましい含有量範囲では、炭素含有量が0.2
〜0.6重量%の範囲にある。この材料は、主として内
燃機関(IC)のピストンリングまたはシールリングに
用いられる。ピストントリングは、ほとんどの場合、横
断面面積が小さく、最近では厚さが薄くなり1mmに近く
なっている。種々の密度、粒度、形状を有する複数の異
なる成分の粉末から成る混合粉は、偏析により分離しや
すい。この欠点は、粉末がドラムに装入された状態で搬
送され、ダイの粉末ホッパ内やダイス自体内で振動せし
められることで、一層著しくなる。この結果、焼結材料
が不均質となり、ピストンリングなどの横断面面積の小
さい構成部品の場合、この焼結材料は、リングの周方向
での機械的、物理的性質に著しい差異を生ぜしめる。
【0017】本発明による材料の場合、炭素が別個の粉
末として混合粉に添加されるが、添加量が低い値なの
で、粉末の不均質性に与える影響は比較的小さい。より
重要な点は、モリブデンが、ベース粉末に予合金化さ
れ、鉄中に均等に存在しているため、低水準の添加炭素
を効果的に利用して、モリブデンに富む炭化物を生成で
きる点である。公知粉末の場合、モリブデンは、比較的
大きい粒度の元素粉として添加される。そして、生成さ
れる、モリブデンに富む炭化物の粒度は、10〜100
ミクロン径の程度であった。この粒子は、マトリックス
の格子から分離しており、耐熱性を有意に改善するには
大きすぎ、かつまた、大きいために、ピストンリング周
方向での材料の性質に差異が生じる。これに対し、本発
明の材料の場合、焼結および熱処理後の最終組織内に生
成されるモリブデンに富む炭化物が、超顕微鏡的な1ミ
クロン以下の粒度であり、しかも格子内に分散してい
る。このため、材料の性質は均質になり、耐熱性も著し
く改善される。モリブデンが鉄・クロムのマトリックス
内に予合金化されているため、マトリックスの硬化能
は、モリブデンの所定総含有量の割りには大幅に改善さ
れている。
【0018】ピストンリング材料の場合、リング周方向
の弾性的な性質が一様であることが極めて望ましい。こ
の望ましい目標の達成は、モリブデンを予合金化された
形態にし、混合粉に添加される炭化物などの粉末をより
低い量にすることで容易になる。
【0019】粉末冶金法により製造される内燃機関用ピ
ストンリングは、今後、重要性を増すことになろう。こ
れは、各国で「融通性のある燃料補給」に関する法律が
制定されるためである。その場合には、高腐食性の燃焼
副産物を生じる燃料を用いて作動することが、内燃機関
に要求される。鋳造法により、もしくはワイヤを曲げる
ことにより製造される従来のピストンリングが生き残る
には、クロム又はニッケルのめっきを行なうか、高合金
にされる必要がある。本発明による材料は、熱軟化抵抗
を有し、高水準の固有クロムのため、融通性のある燃料
補給の条件下でも耐食性を有し、表面硬化処理に耐える
ことができる。気孔率や弾性係数をプレス密度により制
御可能な、内燃機関ピストンリング用PM材料の利点
は、このリングの材料に利用することができる。更に、
予合金化されたモリブデンを用いることで、この種の細
く割れやすい構成部品に対して、寸法制御上のひずみや
損失なしに表面硬化処理を行なうことができる。これ
は、材料が、弾性的な性質による熱弛緩抵抗を有してい
るからである。
【0020】材料組成の第二の好ましい含有量範囲で
は、炭素含量は0.6〜1.5重量%の範囲にある。こ
の材料は、主として、内燃機関の弁座インサートに用い
るためのものである。この用途の場合、表面温度や応力
が高い値になるので、ピストンリングの場合と比較し
て、硬さ、特に高温硬さを増す必要がある。したがっ
て、炭素量の水準を高くすることが必要となる。
【0021】本発明の第二の側面によれば、予合金化さ
れた粉末および炭素に、希薄剤として高圧縮率の鉄粉が
混合される。希釈剤としてのこの鉄粉含有量は、最終製
品の60重量%までとし、粉末混合段階でこの鉄粉を添
加する。市販されている適当な希釈用鉄粉は、例えば、
マンガン公称含有量0.2%のアトメット(Atome
t)AT1001(商標名)である。
【0022】希釈された材料の場合、焼結され、熱処理
された材料のマイクロ組織は、本発明の第1の側面のと
ころで既に述べたマルテンサイト組織を有する第1の相
と、若干の残留フェライト領域を有するパーライトの第
2相とを有する網状組織を有し、2相間の遷移領域には
焼もどしマルテンサイトとベイナイトを有している。
【0023】本発明の第3の側面によれば、次の点を特
徴とする焼結材料の製法が得られる。すなわち、クロム
8〜12重量%、モリブデン0.5〜3重量%、バナジ
ウム最大1.5重量%、炭素最大0.2重量%、他の不
純物最大2重量%および残部としての鉄からなる予合金
化粉末を製造する段階と、この予合金化粉末に、1重量
%以下の硫化マンガンと、任意選択的に添加される5重
量%以下の二硫化モリブデンと、60重量%以下の高圧
縮率の鉄粉とを混入し、この混合粉の合計炭素量を1.
5重量%以下にする段階と、この混合粉を所望の密度ま
で加圧する段階と、この加圧された混合粉を焼結する段
階とを有する点である。
【0024】焼結補助剤として、2〜6重量%の銅を混
合粉に添加することもできる。あるいはまた、本発明方
法により製造される焼結材料は、銅もしくは銅合金で含
浸するようにしてもよい。この場合には、本発明方法に
含浸処理の段階が含まれる。この含浸処理段階は、焼結
段階の後もしくは焼結段階と同時に行なわれる。含浸の
場合は、銅の添加は行なわない。本発明にはまた、焼結
材料の低温処理および焼もどしの段階が含まれている。
【0025】
【実施例】本発明を一層よく理解できるように、材料の
実施例の組成が後掲の表に示されている。材料A、B、
H、I、Lは、比較のために記載した公知の材料であ
る。添付図面は、表に記載の材料のうちの若干につい
て、その性質を示したものである。
【0026】表には、最初の縦の行に、識別コードが記
載され、公知材料に*印が付されている。縦の3行目の
含浸は、「含浸された」ことを意味している。最後の行
に示したパーセンテージは、最終製品の重量に対するパ
ーセンテージである。たとえば、先行する各縦行の総計
が100%であり、これに対し最後の行に記載されたパ
ーセンテージの鉄が希釈剤として用いられるということ
である。
【表1】
【0027】焼結材料の製造の際は、粉末全体が770
MPaで圧縮され、保護雰囲気内で1100℃で焼結さ
れる。焼結後、熱処理も行なわれる。材料の含浸を行な
う場合は、1100℃での焼結中に行い、その後で熱処
理を施す。合金を鉄粉で希釈する場合は、アトメットA
T1001(商標名)を、希釈用鉄粉として用いる。
【0028】次に添付図面の線図を説明する。図1は、
材料A(×)、B(○)、C(+)、D(・)の場合に
ついて、焼もどし硬さと焼もどし温度(℃)(x軸)と
の関係を示した図である。図から判るように、合金Cを
生成する予合金化されたモリブデンの焼もどし硬さが最
も高い値である。予合金化されたモリブデンとバナジウ
ムとにより生成された合金Dは、合金Bに比して、焼も
どし硬さがやや低い値を示しているが、熱軟化抵抗は、
図2に見られるように、合金Bより大である。図2に
は、図1と同じ材料の場合の、高温硬さ(HR30N)
と温度との関係が示してある。本発明の諸合金の高温硬
さは、ドイツ特許第1,339,132号やドイツ特許
第2,087,436号に記載された公知の合金、例え
ば合金Aと合金Bとの高温硬さより、明らかに高い値で
ある。
【0029】図3、図4には、予合金化されたモリブデ
ンの有利な影響が示してある。図3は、材料E(・)、
F(+)、G(×)、H(○)について、これら材料の
処理の異なる段階での温度と室温硬さとの関係を示した
図である。符号Sの囲み内には、焼結後の硬さが示され
ている。符号Cの囲み内には、続く低温処理後の硬さが
示してある。曲線は、異なる温度で焼もどしを行なった
後、室温で測定した硬さを示している。図4は図2と類
似のものだが、材料は、図3に示した材料に関係してい
る。50%の鉄粉で希釈されたモリブデン予合金化粉末
合金Gの硬さは、元素モリブデンを添加し、鉄粉で希釈
されない合金Hの硬さに比肩する。合金Gと合金Hは、
いずれも含浸された合金である。含浸された状態で試験
を行なった4種の合金のうち、元素モリブデンを添加し
た合金は、最も低い熱軟化抵抗を示している。このよう
に、本発明による合金の高温硬さは、合金Hで例証され
るように、明らかに公知の合金のそれを上回っている。
【0030】元素モリブデンを添加した合金の性質が劣
るのは、マトリックス内でのモリブデンの溶解が不完全
な結果、炭化モリブデンの、望ましくない分布が生じる
ためであって、モリブデン総量のためではない。このこ
とを示すために、2つの合金IとJとを用意した。これ
らの合金は、いずれも約2%のモリブデン粉が添加され
ている。合金Jは、類似のベース粉から造られるが、モ
リブデンと母合金にされている。図5、図6は、それぞ
れ図1、図2に類似しているが、合金I(+)と合金J
(○)に関する図であり、予合金化された粉末を用いた
合金は元素粉を添加した合金と比較して、性質が改善さ
れている。加えて、合金Iのマイクロ組織内にはモリブ
デンに富む大きい分離した粒子・炭化物が存在し、この
ことが、マトリックス内でのモリブデンの溶解が不完全
なことを示している。合金Jには、そのようなモリブデ
ンに富む粒子は見られない。合金Jの場合、モリブデン
の大部分が、光学顕微鏡の解像力では捉えられないほど
微細な二次炭化物を生成する。
【0031】図7は、リング内のギャップを閉じるのに
要する負荷の降下(%)(y軸)と温度(℃)との関係
を示した図である。この温度とは、合金K(+)と合金
L(○)により製造されたピストンリングが、16時間
にわたり所定量の弾性荷重を受けたさいの温度である。
公知の合金Iは約300℃以下の温度では僅かに勝る値
だが、内燃機関の通常の使用温度に達すると、合金K
は、より高い温度では可なり公知合金を上回る値になる
のが見られよう。
【0032】図8、図9は、合金M(○)と、類似の合
金B(+)とを比較したものである。合金Bは、すでに
図1、図2で説明した。図示のように、合金Mのほう
が、可なり硬さが高い値である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、含浸されない焼結材料C、Dと
公知材料A、Bとについて、室温硬さ(y軸)と焼もど
し温度との関係を示したグラフ。
【図2】共通の温度で焼もどし後、図1の材料につい
て、高温硬さ(y軸)と試験温度(℃)との関係を示し
たグラフ。
【図3】本発明による、含浸された材料E、F、Gと公
知材料Hとについて、室温硬さ(y軸)と焼もどし温度
との関係を示したグラフ。
【図4】共通の温度で焼もどし後、図3の材料につい
て、図2と類似の高温硬さ曲線を示したグラフ。
【図5】本発明による材料Jと元素モリブデン粉を添加
した公知材料Iとについて、室温硬さ(y軸)と焼もど
し温度との関係を示し、予合金化されたモリブデンと元
素モリブデンとの効果を表わしたグラフ。
【図6】共通の焼もどし処理後、図5の材料について、
高温硬さ(y軸)と試験温度との関係を示し、高温硬さ
に対する予合金化されたモリブデンと元素モリブデンの
影響を表わしたグラフ。
【図7】ピストンリング用の本発明による材料Kと公知
材料Lとについて、リング内のギャップを閉じる負荷の
降下(%)(y軸)と負荷温度との関係を示し、これら
の材料に対する熱崩壊試験の成績を示したグラフ。
【図8】図1と類似の線図で、材料Mと公知材料Bとを
比較した図。
【図9】図2と類似の線図で、材料Mと公知材料Bとを
比較した図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 鉄基焼結材料において、該焼結材料が、
    クロム8〜12重量%、モリブデン0.5〜3重量%、
    バナジウム1.5重量%以下、炭素0.2〜1.5重量
    %、最大2重量%のその他の不純物および残部としての
    鉄で規定される組成の多孔質マルテンサイト・マトリッ
    クスを有しており、このマトリックスが、事実上一様に
    分散した、モリブデンに富む炭化物の超顕微鏡的粒子を
    有することを特徴とする鉄基焼結材料。 【請求項2】 モリブデン量が1.5〜2.5重量%で
    あることを特徴とする、請求項1記載の鉄基焼結材料。 【請求項3】 クロム量が9〜11重量%であることを
    特徴とする請求項1または2記載の鉄基焼結材料。 【請求項4】 1重量%以下の硫化マンガンおよび(ま
    たは)5重量%以下の二硫化モリブデンが前記組成に含
    まれていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の鉄基焼結材料。 【請求項5】 前記マトリックスの細孔に銅または銅基
    合金が含浸されていることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の鉄基焼結材料。 【請求項6】 前記組成に銅が含まれていることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鉄基焼結材
    料。 【請求項7】 前記焼結材料が、比較的純粋な鉄粉の6
    0%以下の添加で希釈されていることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の鉄基焼結材料。 【請求項8】 前記焼結材料が、2相の網状組織を有し
    ており、この2相のうちの第1の相が、モリブデンに富
    む炭化物の、一様に分散した超顕微鏡的粒子を含む焼き
    もどしマルテンサイトから成るマイクロ組織を有し、第
    2の相が若干の残留フェライト領域を有するパーライト
    であり、更にこの2つの相は、その間に遷移領域を有
    し、この遷移領域がマルテンサイトとベイナイトを有す
    ることを特徴とする請求項7記載の鉄基焼結材料。 【請求項9】 鉄基焼結材料の製造方法において、この
    方法が、クロム8〜12重量%、モリブデン0.5〜3
    重量%、バナジウム最大1.5重量%、炭素最大0.2
    重量%、他の不純物最大2重量%および残部としての鉄
    で規定される組成の母合金粉を製造する段階と、この母
    合金粉を、1重量%以下の硫化マンガン、任意的に加え
    られる5重量%以下の二硫化モリブデン、および50重
    量%以下の高圧縮性の鉄粉と混合し、この混合粉の合計
    炭素量を1.5重量%以下とする段階と、この粉末を所
    望密度に加圧する段階と、この加圧された粉末を焼結す
    る段階とを含むことを特徴とする鉄基焼結材料の製造方
    法。 【請求項10】 前記混合粉の合計炭素量が0.2〜
    0.6重量%に調節されることを特徴とする請求項9記
    載の鉄基焼結材料の製造方法。 【請求項11】 前記混合粉の合計炭素量が0.6〜
    1.5重量%に調節されることを特徴とする請求項9記
    載の鉄基焼結材料の製造方法。 【請求項12】 前記混合粉が、2〜6重量%の銅をも
    含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に
    記載の鉄基焼結材料の製造方法。 【請求項13】 前記方法が、銅または銅基合金を含浸
    させる段階を更に含むことを特徴とする請求項9〜12
    のいずれか1項に記載の鉄基焼結材料の製造方法。 【請求項14】 前記方法が、加圧され焼結された粉末
    を低温処理する段階を更に含むことを特徴とする請求項
    9〜13のいずれか1項に記載の鉄基焼結材料の製造方
    法。
JP3258053A 1990-10-06 1991-10-04 鉄基焼結材料 Pending JPH055163A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB90217670 1990-10-06
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