JPH0551616A - 低s、低p溶銑の製造方法 - Google Patents
低s、低p溶銑の製造方法Info
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- JPH0551616A JPH0551616A JP21207091A JP21207091A JPH0551616A JP H0551616 A JPH0551616 A JP H0551616A JP 21207091 A JP21207091 A JP 21207091A JP 21207091 A JP21207091 A JP 21207091A JP H0551616 A JPH0551616 A JP H0551616A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 精錬容器内溶鉄中に炭材を添加しつつ多量の
冷鉄源を溶解する精錬法において、スラグ中のT.Fe
濃度をコントロールすることによる低S、低P溶銑の製
造方法を提供するものである。 【構成】 精錬容器内の溶鉄中に、熱源として炭材を添
加しつつ多量の冷鉄源を溶解・還元する精錬法におい
て、スラグ中酸化鉄分が2%以下の段階で終了し、その
時点で精錬容器内のスラグのみを排出する工程と、続い
て前記冷鉄源の溶解・還元をスラグ中酸化鉄分が5%以
上の段階で終了し、その時点で精錬容器内の溶銑のみを
排出する工程を組み合わせることを特徴とする低P、低
S溶銑の製造方法である。 【効果】 炭材中S、Pの溶銑中への移行を安価な方法
で防止し、低S、低P溶銑を製造する、および、鉄分歩
留を向上させる効果をもたらす。
冷鉄源を溶解する精錬法において、スラグ中のT.Fe
濃度をコントロールすることによる低S、低P溶銑の製
造方法を提供するものである。 【構成】 精錬容器内の溶鉄中に、熱源として炭材を添
加しつつ多量の冷鉄源を溶解・還元する精錬法におい
て、スラグ中酸化鉄分が2%以下の段階で終了し、その
時点で精錬容器内のスラグのみを排出する工程と、続い
て前記冷鉄源の溶解・還元をスラグ中酸化鉄分が5%以
上の段階で終了し、その時点で精錬容器内の溶銑のみを
排出する工程を組み合わせることを特徴とする低P、低
S溶銑の製造方法である。 【効果】 炭材中S、Pの溶銑中への移行を安価な方法
で防止し、低S、低P溶銑を製造する、および、鉄分歩
留を向上させる効果をもたらす。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼製造業における多
量のスクラップ、金属酸化物鉱石等の含鉄金属原料を加
炭溶解および、または加炭還元して溶銑を製造する転炉
等吹錬容器における低S、低P溶銑製造法に関するもの
である。
量のスクラップ、金属酸化物鉱石等の含鉄金属原料を加
炭溶解および、または加炭還元して溶銑を製造する転炉
等吹錬容器における低S、低P溶銑製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近の製鋼過程での精錬は機能分化が進
み、溶銑予備処理工程において脱P、脱Sを行うこと
で、転炉工程の操業負荷を軽減してきた。
み、溶銑予備処理工程において脱P、脱Sを行うこと
で、転炉工程の操業負荷を軽減してきた。
【0003】また、最近においては転炉機能の拡大に伴
い、多量炭材添加によるスクラップ等冷鉄源の加炭溶解
および、または鉄鉱石、クロム鉱石、マンガン鉱石およ
び、その他の金属酸化物鉱石の含鉄金属原料を溶銑中に
多量に装入して多量炭材添加による還元が行われるよう
になってきた。
い、多量炭材添加によるスクラップ等冷鉄源の加炭溶解
および、または鉄鉱石、クロム鉱石、マンガン鉱石およ
び、その他の金属酸化物鉱石の含鉄金属原料を溶銑中に
多量に装入して多量炭材添加による還元が行われるよう
になってきた。
【0004】しかしこの場合、熱源および、または還元
剤として石炭および、またはコークスの炭材を多量に添
加することによって、炭材に含有するS、Pが溶鉄中に
移行、濃縮し、溶鉄中S、P濃度の上昇を招き、所定の
製品材質を得られない問題がある。
剤として石炭および、またはコークスの炭材を多量に添
加することによって、炭材に含有するS、Pが溶鉄中に
移行、濃縮し、溶鉄中S、P濃度の上昇を招き、所定の
製品材質を得られない問題がある。
【0005】溶鉄中のS、P濃度を低減させる従来技術
としては、転炉容器内溶鉄中炭素濃度が2%以上の段階
で炭材の供給を停止し一旦排滓、その後吹錬により溶鋼
を製造する転炉における脱S精錬法(特公平3−220
4)、脱Si、脱Sおよび脱P処理を順次連続して底吹
き炉で行う方法(特公昭60−56201)、脱Si、
軽脱C、脱Pを底吹き炉で行う溶銑処理法(特公昭61
−40005)が開示されている。
としては、転炉容器内溶鉄中炭素濃度が2%以上の段階
で炭材の供給を停止し一旦排滓、その後吹錬により溶鋼
を製造する転炉における脱S精錬法(特公平3−220
4)、脱Si、脱Sおよび脱P処理を順次連続して底吹
き炉で行う方法(特公昭60−56201)、脱Si、
軽脱C、脱Pを底吹き炉で行う溶銑処理法(特公昭61
−40005)が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した炭材添加によ
る溶鉄中S、P濃度の上昇を定量的に述べれば、現在使
用可能なS、P含有量が最低レベルの石炭でもSが0.
15〜0.20重量%、Pが0.005〜0.01重量
%含まれており、この炭材を例えばスクラップの加炭溶
解に使用した場合、溶解後の溶鉄中のS、P濃度が各々
0.04%を優に越える場合があり、この値は、高炉で
製造された溶銑の予備処理した後のS濃度0.01%以
下、P濃度0.03%以下に比して非常に高い値であ
り、そのまま次工程に供すると所定の製品材質を得られ
ない問題が生じる。
る溶鉄中S、P濃度の上昇を定量的に述べれば、現在使
用可能なS、P含有量が最低レベルの石炭でもSが0.
15〜0.20重量%、Pが0.005〜0.01重量
%含まれており、この炭材を例えばスクラップの加炭溶
解に使用した場合、溶解後の溶鉄中のS、P濃度が各々
0.04%を優に越える場合があり、この値は、高炉で
製造された溶銑の予備処理した後のS濃度0.01%以
下、P濃度0.03%以下に比して非常に高い値であ
り、そのまま次工程に供すると所定の製品材質を得られ
ない問題が生じる。
【0007】溶鉄中S、P濃度を低減する技術として前
記刊行物が開示されているが、特公平3−2204は脱
Sのみの技術であり、特公昭60−56201および特
公昭61−40005は加炭溶解あるいは、還元を対象
とした技術でなく本件課題をなんら解決するものでな
い。一方、本件課題を解決する方法として生石灰あるい
は、螢石等のフラックスを溶鉄中にインジェクションす
ることも考えられるが、炉内耐火物の溶損を助長する
か、あるいは設備の大幅な改造が発生するなどの欠点が
ある。
記刊行物が開示されているが、特公平3−2204は脱
Sのみの技術であり、特公昭60−56201および特
公昭61−40005は加炭溶解あるいは、還元を対象
とした技術でなく本件課題をなんら解決するものでな
い。一方、本件課題を解決する方法として生石灰あるい
は、螢石等のフラックスを溶鉄中にインジェクションす
ることも考えられるが、炉内耐火物の溶損を助長する
か、あるいは設備の大幅な改造が発生するなどの欠点が
ある。
【0008】
【課題解決するための手段】この発明は以上の事情を背
景としてなされたもので、加炭溶解や還元時に石炭やコ
ークスを熱源や還元剤として使用する場合において、フ
ラックスのインジェクション等を実施することもなく溶
鉄中のS、P濃度の上昇を防止する効果的な溶銑製造方
法を提供するものである。
景としてなされたもので、加炭溶解や還元時に石炭やコ
ークスを熱源や還元剤として使用する場合において、フ
ラックスのインジェクション等を実施することもなく溶
鉄中のS、P濃度の上昇を防止する効果的な溶銑製造方
法を提供するものである。
【0009】すなわち本発明は、転炉容器内またはそれ
に類似する吹錬容器内の溶鉄中に熱源および、または還
元剤として石炭および、またはコークスを添加しつつ多
量のスクラップ、金属酸化物鉱石等の含鉄金属原料を加
炭溶解および、または還元する溶銑製造法において、前
記原料の溶鉄中における加炭溶解および、または還元
を、スラグ中の酸化鉄分濃度が2%以下の段階で一旦中
断し、且つその時点で前記容器内のスラグのみを排出す
る工程と、その後引き続いての前記加炭溶解および、ま
たは還元を、スラグ中の酸化鉄分濃度が5%以上の段階
で終了させ、且つその時点で前記容器内の溶銑のみを出
銑する工程を組み合わせることを特徴とするものであ
る。
に類似する吹錬容器内の溶鉄中に熱源および、または還
元剤として石炭および、またはコークスを添加しつつ多
量のスクラップ、金属酸化物鉱石等の含鉄金属原料を加
炭溶解および、または還元する溶銑製造法において、前
記原料の溶鉄中における加炭溶解および、または還元
を、スラグ中の酸化鉄分濃度が2%以下の段階で一旦中
断し、且つその時点で前記容器内のスラグのみを排出す
る工程と、その後引き続いての前記加炭溶解および、ま
たは還元を、スラグ中の酸化鉄分濃度が5%以上の段階
で終了させ、且つその時点で前記容器内の溶銑のみを出
銑する工程を組み合わせることを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明者等は炭材を使用したスクラップ等含鉄
金属原料の多量溶解において溶鉄中脱S、Pを図るべく
開発、研究にあたった。先ず発明者等は、脱S、脱P反
応が精錬炉内の酸素ポテンシャル、特にスラグ中酸素ポ
テンシャルに大きく依存することに注目した。即ち、ス
ラグ中酸素ポテンシャルが高くなるほど脱P反応が進
み、逆にスラグ中酸素ポテンシャルが低くなるほど脱S
反応が進行する。ここでスラグ中酸素ポテンシャルはス
ラグ中酸化鉄分(以下、スラグ中T.Fe濃度と称す)
と正の相関があることが物理化学的に公知であることか
ら、スラグ中T.Feを制御すれば溶鉄中S、Pを制御
できることに着目した。
金属原料の多量溶解において溶鉄中脱S、Pを図るべく
開発、研究にあたった。先ず発明者等は、脱S、脱P反
応が精錬炉内の酸素ポテンシャル、特にスラグ中酸素ポ
テンシャルに大きく依存することに注目した。即ち、ス
ラグ中酸素ポテンシャルが高くなるほど脱P反応が進
み、逆にスラグ中酸素ポテンシャルが低くなるほど脱S
反応が進行する。ここでスラグ中酸素ポテンシャルはス
ラグ中酸化鉄分(以下、スラグ中T.Fe濃度と称す)
と正の相関があることが物理化学的に公知であることか
ら、スラグ中T.Feを制御すれば溶鉄中S、Pを制御
できることに着目した。
【0011】さらに本発明者等は、前記目的を達成すべ
く実験、研究を重ねたところ、容器内スラグ中T.Fe
濃度が2%以下で脱S効率が急激に向上し、また、同
T.Fe濃度が5%以上で脱P効率が向上することを見
いだした。
く実験、研究を重ねたところ、容器内スラグ中T.Fe
濃度が2%以下で脱S効率が急激に向上し、また、同
T.Fe濃度が5%以上で脱P効率が向上することを見
いだした。
【0012】これらの物理学的知見に基づき含鉄金属原
料の溶解、還元工程を脱S期と脱P期に分割して精錬を
行い、スラグ中T.Fe濃度を制御すれば効果的に低
S、低P溶鉄を製造できることが推定された。
料の溶解、還元工程を脱S期と脱P期に分割して精錬を
行い、スラグ中T.Fe濃度を制御すれば効果的に低
S、低P溶鉄を製造できることが推定された。
【0013】そこで発明者等は、上底吹き5トン試験炉
において容器内にあらかじめ溶銑を装入しておき、その
容器内に相対的に多量のスクラップを副原料と共に2回
に分割して装入し、加炭熱源として微粉炭を吹き込み溶
解精錬して炭素濃度3.5%以上の溶銑を製造する試験
において、第1回目のスクラップ装入後の精錬を脱S期
として吹錬末期に上吹き送酸速度低減によりスラグ中
T.Feを2%以下に制御し、その時点で容器内スラグ
を一旦排出した。その後引き続いて、第2回目のスクラ
ップ投入後の精錬を脱P期として吹錬末期のスラグ中
T.Feをランス高さの増加により5%以上に制御し
た。この結果、図1に示すとおり、2回目の吹錬を終了
した溶銑のS、P濃度は、初期の未精錬時の移行、下と
なり、スラグ中T.Fe濃度を制御することにより、微
粉炭内S、Pの溶銑中への移行、濃縮が防止され、ある
いはむしろ、脱S、脱P効果があることが実証された。
ここでスクラップを2回にわけて装入しているが、多量
のスクラップを溶解するために便宜上それを実施してお
り、被溶解原料の装入回数がスラグ中T.Feの目標濃
度および脱S、脱P効果になんら影響を及ぼすものでは
ない。
において容器内にあらかじめ溶銑を装入しておき、その
容器内に相対的に多量のスクラップを副原料と共に2回
に分割して装入し、加炭熱源として微粉炭を吹き込み溶
解精錬して炭素濃度3.5%以上の溶銑を製造する試験
において、第1回目のスクラップ装入後の精錬を脱S期
として吹錬末期に上吹き送酸速度低減によりスラグ中
T.Feを2%以下に制御し、その時点で容器内スラグ
を一旦排出した。その後引き続いて、第2回目のスクラ
ップ投入後の精錬を脱P期として吹錬末期のスラグ中
T.Feをランス高さの増加により5%以上に制御し
た。この結果、図1に示すとおり、2回目の吹錬を終了
した溶銑のS、P濃度は、初期の未精錬時の移行、下と
なり、スラグ中T.Fe濃度を制御することにより、微
粉炭内S、Pの溶銑中への移行、濃縮が防止され、ある
いはむしろ、脱S、脱P効果があることが実証された。
ここでスクラップを2回にわけて装入しているが、多量
のスクラップを溶解するために便宜上それを実施してお
り、被溶解原料の装入回数がスラグ中T.Feの目標濃
度および脱S、脱P効果になんら影響を及ぼすものでは
ない。
【0014】前記試験の他、更に、同様な試験によりス
ラグ中T.Fe濃度と溶銑中S、Pのスラグ中への移行
度合い表すS分配比およびP分配比の関係を系統的に調
査した。その結果、図2、図3に示すように、スラグ中
T.Fe濃度が2%以下でS分配比が上昇し、即ち溶銑
中Sのスラグへの移行が増進し、またスラグ中T.Fe
濃度が5%以上でP分配比が上昇、即ち溶銑中Pのスラ
グへの移行が増進することも実証された。
ラグ中T.Fe濃度と溶銑中S、Pのスラグ中への移行
度合い表すS分配比およびP分配比の関係を系統的に調
査した。その結果、図2、図3に示すように、スラグ中
T.Fe濃度が2%以下でS分配比が上昇し、即ち溶銑
中Sのスラグへの移行が増進し、またスラグ中T.Fe
濃度が5%以上でP分配比が上昇、即ち溶銑中Pのスラ
グへの移行が増進することも実証された。
【0015】以上の実証に基づく新規な知見から、発明
者等は石炭、コークス添加の加炭溶解、加炭還元におい
て転炉容器内スラグ中T.Fe濃度を2%以下に制御す
ることで溶鉄中脱S反応を促進させ、更に、同スラグ中
T.Fe濃度を5%以上に制御することで溶鉄中脱P反
応を促進させる方法により、フラックスのインジェクシ
ョン等を行うこともなく溶銑中S、Pの上昇を抑制でき
ることを見出した。
者等は石炭、コークス添加の加炭溶解、加炭還元におい
て転炉容器内スラグ中T.Fe濃度を2%以下に制御す
ることで溶鉄中脱S反応を促進させ、更に、同スラグ中
T.Fe濃度を5%以上に制御することで溶鉄中脱P反
応を促進させる方法により、フラックスのインジェクシ
ョン等を行うこともなく溶銑中S、Pの上昇を抑制でき
ることを見出した。
【0016】ところで実操業における経済性を考えた場
合、脱S期を脱P期に先行して実施するのが有効であ
る。即ち、脱P後はスラグ中T.Fe濃度が上昇するた
め、出銑後、容器内スラグを容器内に残留させ次回の精
錬に利用することで鉄分歩留の低下を防止できるからで
ある。更に、スラグ組成はT.Fe濃度の他、脱S、脱
P効率を各精錬期において維持するために塩基度(Ca
O/SiO2 )を1.2〜2.0に狙うことが効果的で
ある。
合、脱S期を脱P期に先行して実施するのが有効であ
る。即ち、脱P後はスラグ中T.Fe濃度が上昇するた
め、出銑後、容器内スラグを容器内に残留させ次回の精
錬に利用することで鉄分歩留の低下を防止できるからで
ある。更に、スラグ組成はT.Fe濃度の他、脱S、脱
P効率を各精錬期において維持するために塩基度(Ca
O/SiO2 )を1.2〜2.0に狙うことが効果的で
ある。
【0017】スラグ中T.Fe濃度の制御は、上吹きラ
ンスのある設備の場合はランス高の制御、底吹き機能を
有する場合は底吹き撹拌力の制御等の従来公知技術で容
易に行うことができる。また、脱S期吹錬終了後排滓前
に、CO2、窒素等によりガス撹拌のみを行うスラグ還
元期を設けることで更にスラグ中T.Fe濃度が低下
し、脱S効率を向上させることも可能である。この場
合、スラグ還元期は溶鉄温度低下および生産低下を招か
ない範囲として10分以内が適当である。尚、排滓は従
来一般の排滓方法と同様に炉傾動にて行えば良い。
ンスのある設備の場合はランス高の制御、底吹き機能を
有する場合は底吹き撹拌力の制御等の従来公知技術で容
易に行うことができる。また、脱S期吹錬終了後排滓前
に、CO2、窒素等によりガス撹拌のみを行うスラグ還
元期を設けることで更にスラグ中T.Fe濃度が低下
し、脱S効率を向上させることも可能である。この場
合、スラグ還元期は溶鉄温度低下および生産低下を招か
ない範囲として10分以内が適当である。尚、排滓は従
来一般の排滓方法と同様に炉傾動にて行えば良い。
【0018】以下にこの発明の実施例を示す。
【0019】
【実施例】炉底に12本の羽口を有する300トン上底
吹き転炉に200トンの溶銑を保持した状態に、150
トンのスクラップを装入し溶解するに当たり、底吹き羽
口より酸素および微粉炭を、上吹きランスより酸素を吹
き込み本発明方法を適用した実施例を表1に示す。従来
法1〜3および本発明実施例4〜7は、各溶解後の炉内
残留溶銑量が200トンになるまで出銑し、炉内につね
に溶銑を残湯させる連続操業を行った結果である。従来
法1〜3はスラグ中T.Fe濃度の制御を行わず、実施
例4〜7は本発明のスラグ中T.Fe濃度の制御を実施
したものである。
吹き転炉に200トンの溶銑を保持した状態に、150
トンのスクラップを装入し溶解するに当たり、底吹き羽
口より酸素および微粉炭を、上吹きランスより酸素を吹
き込み本発明方法を適用した実施例を表1に示す。従来
法1〜3および本発明実施例4〜7は、各溶解後の炉内
残留溶銑量が200トンになるまで出銑し、炉内につね
に溶銑を残湯させる連続操業を行った結果である。従来
法1〜3はスラグ中T.Fe濃度の制御を行わず、実施
例4〜7は本発明のスラグ中T.Fe濃度の制御を実施
したものである。
【0020】
【表1】
【0021】この実施例における成分値から分かるよう
に、本法を適用することで溶解精錬後は、本法を適用し
ない従来例に比較していずれもS、P温度を低レベルに
維持することが可能であり、スラグ中T.Fe濃度の制
御も従来公知の種々の方法により十分可能であることが
明らかである。更に、この実施例に示す如く溶銑の一部
を連続的に残湯させる操業を行えば、炭材添加による溶
銑のS、P濃度の著しい上昇を抑制できることも分か
る。
に、本法を適用することで溶解精錬後は、本法を適用し
ない従来例に比較していずれもS、P温度を低レベルに
維持することが可能であり、スラグ中T.Fe濃度の制
御も従来公知の種々の方法により十分可能であることが
明らかである。更に、この実施例に示す如く溶銑の一部
を連続的に残湯させる操業を行えば、炭材添加による溶
銑のS、P濃度の著しい上昇を抑制できることも分か
る。
【0022】上記の実施例はスクラップの溶解の例であ
るが、金属酸化物鉱石等の含鉄金属原料の溶解、還元の
場合でも、溶銑成分とは独立したスラグ中T.Fe濃度
制御によって溶銑のS、P濃度上昇を抑制できることは
当然である。
るが、金属酸化物鉱石等の含鉄金属原料の溶解、還元の
場合でも、溶銑成分とは独立したスラグ中T.Fe濃度
制御によって溶銑のS、P濃度上昇を抑制できることは
当然である。
【0023】
【発明の効果】上記実施例からも明らかな如く、本発明
は、精錬容器内に炭材を吹き込み多量のスクラップ等含
鉄原料の溶解、還元を行う精錬法において、鋼材規格に
よっては不純物である炭材中S、Pの溶銑中への移行を
安価な方法で防止、低S、低P溶銑を製造する、およ
び、鉄分歩留を向上させる効果をもたらすものである。
は、精錬容器内に炭材を吹き込み多量のスクラップ等含
鉄原料の溶解、還元を行う精錬法において、鋼材規格に
よっては不純物である炭材中S、Pの溶銑中への移行を
安価な方法で防止、低S、低P溶銑を製造する、およ
び、鉄分歩留を向上させる効果をもたらすものである。
【図1】5トン小型転炉での溶銑中S濃度、P濃度の推
移と操業パターンを示す図。
移と操業パターンを示す図。
【図2】同じく5トン小型転炉でのスラグT.Fe濃度
とS分配比の相関を示す図。
とS分配比の相関を示す図。
【図3】同じく5トン小型転炉でのT.Fe濃度とP分
配比の相関を示す図。
配比の相関を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 隆 室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式会社室 蘭製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項1】 転炉容器内またはそれに類似する吹錬容
器内の溶鉄中に熱源および、または還元剤として石炭お
よび、またはコークスを添加しつつ多量のスクラップ、
金属酸化物鉱石等の含鉄金属原料を加炭溶解および、ま
たは還元する溶銑製造法において、前記原料の溶鉄にお
ける加炭溶解および、または還元を、スラグ中の酸化鉄
分濃度が2%以下の段階で一旦中断し、且つその時点で
前記容器内のスラグのみを排出する工程と、その後引き
続いての前記加炭溶解および、または還元を、スラグ中
の酸化鉄分濃度が5%以上の段階で終了させ、且つその
時点で前記容器内溶銑のみを出銑する工程を組み合わせ
ることを特徴とする低S、低P溶銑の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21207091A JPH0551616A (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 低s、低p溶銑の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21207091A JPH0551616A (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 低s、低p溶銑の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551616A true JPH0551616A (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=16616369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21207091A Withdrawn JPH0551616A (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 低s、低p溶銑の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0551616A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008174780A (ja) * | 2007-01-17 | 2008-07-31 | Nippon Steel Corp | 擬似溶銑の製造方法 |
JP2008223089A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Jfe Steel Kk | 転炉型精錬炉における溶銑の脱燐処理方法 |
WO2021124682A1 (ja) * | 2019-12-19 | 2021-06-24 | 株式会社 ベアック | プレス装置及びプレス方法 |
-
1991
- 1991-08-23 JP JP21207091A patent/JPH0551616A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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