JPH0551327U - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パンツ型使い捨ておむつを横幅方向に引き裂
いて、パンツ止着用の引き裂き片を得る。 【構成】 パンツ型使い捨ておむつ１の透水性表面部材
１０と不透水性裏面部材１３とが実質的に非伸縮性であ
り、かつ、重ね合わせた両部材が両手で摘持して引き裂
き可能な強度であることによって、引き裂き片２０を得
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はパンツ型の使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、使用後の使い捨ておむつは、排泄物が漏れ出ることがないように丸め て廃棄する。丸めたおむつが妄りに広がらないようにするため、オープンタイプ のおむつであれば着用時に使用した腰周りの粘着性テープファスナーを利用し、 丸めたおむつを止着しておくことができる。パンツ型のおむつでは、胴周り側部 に粘着性タブを予め延出させておくと、そのタブで止着することができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、パンツ型使い捨ておむつを対象にしている。この種のおむつでは 、従来の粘着性タブが粘着部分の汚損によって止着できなくなるという問題があ る。加えて、胴周り側部にタブを延出させるとおむつの横幅がそれだけ広がるこ とになるから、広がった部分はタブを除いて材料を無駄に使うことになるという 問題がある。

【０００４】 そこで、この考案は、パンツ型おむつを胴周り弾性部材と吸収体端縁との間に おいて横幅方向に引き裂き可能に作り、得られる引き裂き片で使用後に丸めたお むつを止着し、前記従来の問題を解決することを課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案が、前記課題を解決するために要旨とするところは以下のとおりであ る。

【０００６】 この考案は、透水性シートからなる表面部材と不透水性シートからなる裏面部 材との間に吸収体が介在し、これら両部材からなる前身頃と後身頃とを胴周り両 側部で接合してなるパンツ型使い捨ておむつを前提にしている。

【０００７】 かかるおむつにおいて、表・裏面部材は実質的に非伸縮性であり、前・後身頃 の接合が表・裏面部材の側縁をおむつ外側に臨ませてある。この接合により形成 される胴周り開口部周縁には、胴周り弾性部材を伸張下に貼着してある。加えて 、前・後身頃の少なくとも一方には胴周り弾性部材よりも股下寄りにおいて胴周 り方向に弾性部材を伸張下に貼着してあり、おむつの胴周り方向に補助的な伸縮 性が付与してある。重ね合わせた表・裏面部材は、両手で摘持して横幅方向に引 き裂き可能な強度にしてある。それにより、おむつが吸収体の端縁と胴周り弾性 部材との間において側縁から横幅方向に引き裂き可能にしてあることがこの考案 の特徴である。

【０００８】 この考案の好ましい実施態様の一つにおいては、前・後身頃が間欠的に接合し てある。

【０００９】 また、他の好ましい実施態様においては、裏面部材が不織布と一軸延伸したプ ラスチックシートのラミネートであって、不織布を裏面側に使用し、プラスチッ クシートはその延伸方向をおむつ横幅方向に実質的に一致させてある。

【００１０】

【作用】

このパンツ型使い捨ておむつでは、使用後に横幅方向に引き裂き、丸めたおむ つを止着するのに好適な引き裂き片を得ることができる。表・裏面部材が非伸縮 性であるから引き裂くときに部材が徒らに伸びることがない。また、これら部材 の側縁をおむつ外側に臨ませてあるから、引き裂き始めるための切り口を作るこ とが容易である。

【００１１】 前・後身頃を胴周り側部で間欠的に接合しておくと、この接合部位は引き裂き の障害にならない。

【００１２】 裏面部材に一軸延伸したプラスチックシートを使用し、その延伸方向をおむつ 横幅方向に一致させておくと、延伸方向に沿って直線的におむつを引き裂くこと ができる。

【００１３】

【実施例】

この考案に係る使い捨ておむつの詳細を添付の図に基づいて説明すると以下の とおりである。

【００１４】 図１は、この考案に係るパンツ型使い捨ておむつ１を一部切り欠いて示す斜視 図である。おむつ１は、前身頃２、後身頃３、両身頃２，３間に介在する股下部 ４、胴周り開口部６、左右一対の脚周り開口部７等を有する。

【００１５】 おむつ１は、透水性不織布シート８からなる表面部材１０、表面部材１０と対 向する不透水性プラスチックシート１１と裏面の不織布シート１２とをラミネー トした裏面部材１３、両部材１０，１３間に介在し前身頃２から後身頃３にかけ て延在する吸収体１４、胴周り・脚周り開口部６，７周縁において部材１０，１ ３の少なくとも一方に伸張下に貼着した弾性部材１５，１６、前身頃２において プラスチックシート１１の表面部材１０と対向する面に胴周り方向に伸張下に貼 着した弾性部材１７等の部材によって構成してある。表・裏面部材１０，１３は 吸収体１４の外周で重ね合わせて適宜接合してある。前・後身頃２，３の胴周り 側部は、部材１０，１３の側縁が外側に延出するように互いに重ね合わせ、おむ つ１の縦方向に間欠的に配置した接合部５により接合してある。

【００１６】 不織布シート８，１２は坪量５〜８０ｇ／ｍ² の熱可塑性合成繊維からなる実 質的に非伸縮性の不織布であって、両手で摘持して引き裂くことができる。不織 布シートは一般に製造時の機械引取方向に繊維が配向する傾向にあって、この方 向は不織布が特に伸びにくく、一方引き裂きが容易であるから、この方向をおむ つ１の横幅方向に一致させておくことが好ましい。プラスチックシート１１も実 質的に非伸縮性であって、引き裂き可能なものを使用するが、特に一軸延伸した プラスチックシートをその延伸方向をおむつ１の横幅方向に一致させて使用する ことが好ましい。さらに、これらシート８，１１，１２は適宜の引張強度のもの を選び、重ね合わせた表・裏面部材１０，１３が胴周り弾性部材１５と吸収体１ ４の端縁１４Ａとの間において、胴周り側縁から横幅方向に引き裂き可能にして あるが、重ね合わせた前・後身頃２，３もまた同様に引き裂き可能にしてあるこ とが好ましい。なお、表・裏面部材１０，１３は非伸縮性であるから、おむつ１ 着用時にはこれら部材１０，１３が実質的に伸縮しない。しかし、おむつ１には 前記弾性部材１７で少なくとも胴周り側部にギャザーを作り、胴周り方向に補助 的な伸縮性を持たせてある。弾性部材１７はおむつの前記引き裂きの障害となら ないようにその貼着部位を胴周り弾性部材１５よりも股下部４寄りにしてある。

【００１７】 図２は、図１においておむつ１を引き裂き、引き裂き片２０を得るに至る状態 を示すおむつ１の斜視図である。重ね合わせた前・後身頃２，３を胴周り弾性部 材１５のやや下で両手で摘持し（ただし、図示せず）、胴周り側縁に切り口を入 れて引き裂き始めると、接合部５間が裂け、続いて胴周り弾性部材１５と吸収体 端縁１４Ａとの間が裂けて胴周り弾性部材１５を含み伸縮性のあるリング状の引 き裂き片２０が得られる。胴周り側縁に予め小さな切り口を設けておくと、適切 な位置で切り裂くことが容易になる。

【００１８】 図３は、排泄物で汚れたおむつ１を着用したまま接合部５を剥して脱がせ、そ の後におむつ１を丸め込んでから後身頃３の胴周り弾性部材１５と吸収体端縁１ ４Ａとの間で引き裂き、リボン状の引き裂き片２０を得る状態を示している。

【００１９】 図４は、図３の引き裂き片２０により丸めたおむつ１が止着してある状態を示 す。引き裂き片２０が図１のごとくリング状であるときは、特に素早く止着する ことができる。

【００２０】 このように構成したおむつ１では、不織布シート１１，１２が相対的に一方向 に強く配向しているときにはその方向を、および一軸延伸フィルムではその延伸 方向を、おむつ横幅方向に一致させておくと引き裂きが容易になり、かつ、直線 的な引き裂きが可能になる。胴周り弾性部材１５と吸収体端縁１４Ａとの間にお いて引き裂くときには、吸収体１４が引き裂きの障害になることがない。なお、 裏面部材１３の不織布シート１２は、プラスチックシート１１の肌触り、外観を 布地並みに変えたり、損傷を防止したりする目的を有する。

【００２１】

【考案の効果】

この考案に係るパンツ型使い捨ておむつでは次のような効果が得られる。 １．表・裏面部材が重ねて引き裂き可能にしてあるから、丸めたおむつを止着す るための引き裂き片を容易に得ることができる。 ２．表・裏面部材が非伸縮性であるから、引き裂くときに部材は徒らに伸びるこ とがなく、引き裂きが容易になる。 ３．表・裏面部材の側縁を外側に延出させてあるから、引き裂き始めるための切 り口を作り易い。 ４．前・後身頃の少なくとも一方には胴周り方向に補助的な伸縮性を持たせてあ るから、表・裏面部材が非伸縮性であるにもかかわらず横幅方向に伸縮性の あるおむつが得られる。 ５．前・後身頃を胴周り側部で間欠的に接合してあるから、接合が障害となるこ となく接合部と接合部との間で容易に引き裂くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るパンツ型使い捨ておむつを一部
切り欠いて示す斜視図。

【図２】引き裂かれているおむつの斜視図。

【図３】図２と異なる態様で引き裂かれているおむつの
斜視図。

【図４】丸めて止着したおむつの斜視図。

【符号の説明】

１ パンツ型使い捨ておむつ ２ 前身頃 ３ 後身頃 ５ 接合部 ６ 胴周り開口部 ７ 脚周り開口部 １０ 表面部材 １３ 裏面部材 １４ 吸収体 １５，１７ 弾性部材 ２０ 引き裂き片

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透水性シートからなる表面部材と不透水性
   シートからなる裏面部材との間に吸収体が介在し、これ
   ら両部材からなる前身頃と後身頃とを胴周り両側部で接
   合してなるパンツ型使い捨ておむつにおいて、 前記表・裏面部材が実質的に非伸縮性であり、前記前・
   後身頃の接合は前記表・裏面部材の側縁をおむつ外側に
   臨ませ、かかる接合により形成される胴周り開口部周縁
   には胴周り弾性部材を伸張下に貼着し、前記前・後身頃
   の少なくとも一方には前記弾性部材よりも股下寄りにお
   いて胴周り方向に弾性部材を伸張下に貼着しておむつに
   補助的な伸縮性が付与してあり、かつ、重ね合わせた前
   記両部材が両手で摘持しておむつ幅方向に引き裂き可能
   な強度にしてあることによって、前記吸収体の端縁と胴
   周り弾性部材との間においておむつが側縁から横幅方向
   に引き裂き可能であることを特徴とする前記使い捨てお
   むつ。
2. 【請求項２】前記前・後身頃の接合がおむつ縦方向にお
   いて間欠的になされていることを特徴とする請求項１記
   載の使い捨ておむつ。
3. 【請求項３】前記裏面部材が不織布と一軸延伸したプラ
   スチックシートのラミネートであって、不織布を裏面側
   に使用するとともに、プラスチックシートがその延伸方
   向をおむつ横幅方向に実質的に一致させてある請求項１
   記載の使い捨ておむつ。