JP2002136546A - パンツ型の使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 止着用テープを利用することなく、廃棄時に
丸められた状態を保持することができるパンツ型の使い
捨ておむつを提供する。 【解決手段】 表裏面シート２，３を引き裂いて縦方向
へ延びるスリット１３を画成することが可能なミシン線
１２が、前後胴周り域５，７の両側縁８，９と第１接合
部１０との間に形成され、ミシン線１２が、胴周り開口
１４の縁部１６近傍と脚周り開口１５の縁部１７近傍と
の間を縦方向へ延びている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使用後に丸めて廃
棄することが可能なパンツ型の使い捨ておむつに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】使用後に丸めて廃棄するための止着用テ
ープを有するパンツ型の使い捨ておむつは公知である。
おむつを廃棄するときでは、おむつを股下域から胴周り
開口の縁部に向かって縦方向へ丸めるか、または、おむ
つを胴周り開口の縁部から股下域に向かって縦方向へ丸
め、丸められたおむつの外周面にテープを止着する。お
むつは、テープによって丸められた状態が保持される。
テープは、可撓性のプラスチックシートから形成され、
その内面に粘着剤が塗布されており、テープが粘着剤を
介しておむつの外周面に止着される。

【０００３】そのような止着用テープを有するパンツ型
の使い捨ておむつとしては、特開平１０−７１１７２号
公報や特開平１０−７１１７３号公報、特開平１０−８
５２５４号公報に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】おむつの丸められた状
態を保持するために止着用テープを利用することは、簡
便であるという利点がある。しかし、テープは、おむつ
を構成する表裏面シートや吸液性コアと比較して高剛性
であり、おむつの着用中にテープに触れると不快な刺激
があるという欠点がある。また、テープの粘着面が汚れ
てしまうと粘着性がなくなり、役に立たなくなるという
欠点もある。

【０００５】本発明の課題は、前記欠点を解消するため
に止着用テープを利用することなく、廃棄時に丸められ
た状態を保持することができるパンツ型の使い捨ておむ
つを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ための本発明は、透液性表面シートと不透液性裏面シー
トとの間に吸液性コアが介在し、互いに対向する前胴周
り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置す
る股下域とを備え、前記前後胴周り域の両側縁近傍が縦
方向へ延びる第１接合部を介して固着され、胴周り開口
と一対の脚周り開口とが画成されたパンツ型の使い捨て
おむつを改良することにある。

【０００７】改良にかかる本発明の特徴は、前記表面シ
ートと前記裏面シートとを切断することにより画成され
たスリットが、前記前後胴周り域の両側縁と前記第１接
合部との間に形成されて前記胴周り開口の縁部近傍と前
記脚周り開口の縁部近傍との間を前記縦方向へ延び、前
記スリットと前記前後胴周り域の両側縁との間に前記縦
方向へ延びる一対の帯部が形成されていることにある。

【０００８】本発明の実施の態様の一例としては、前記
表面シートと前記裏面シートとを引き裂くことが可能な
ミシン線が、前記前後胴周り域の両側縁と前記第１接合
部との間に形成されて前記胴周り開口の縁部近傍と前記
脚周り開口の縁部近傍との間を前記縦方向へ延び、前記
表面シートと前記裏面シートとを前記ミシン線において
引き裂くことにより前記スリットが画成される。

【０００９】本発明の実施の態様の他の一例としては、
前記縦方向へ延びる第２接合部が、前記帯部に形成され
ている。

【００１０】

【発明の実施の形態】添付の図面を参照し、本発明に係
るパンツ型の使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下
のとおりである。

【００１１】図１，２は、前胴周り域５の側から示す使
い捨ておむつ１Ａの部分破断斜視図と、図１のＡ−Ａ線
端面とである。図１では、表面シート２と裏面シート３
とがミシン線１２において引き裂かれ、一方の側縁８，
９近傍に縦方向へ延びるスリット１３が画成されてい
る。図１では、胴周り方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで
示し、脚周り方向を矢印Ｚで示す。なお、表面シート２
や裏面シート３の内面とは、コア４に対向する面をい
い、それらシート２，３の外面とは、コア４に非対向の
面をいう。

【００１２】おむつ１Ａは、透液性表面シート２と、不
透液性裏面シート３と、それらシート２，３の間に介在
し、全体がティッシュペーパー（図示せず）に被覆、接
合された吸液性コア４とを主要な構成部材とする。コア
４は、ティッシュペーパーを介して表面シート２と裏面
シート３との内面に接合されている。

【００１３】おむつ１Ａは、互いに対向する前胴周り域
５および後胴周り域７と、前後胴周り域５，７の間に位
置する股下域６とを有する。おむつ１Ａでは、前後胴周
り域５，７の縦方向へ延びる両側縁８，９近傍が合掌状
に重なり合い、両側縁８，９近傍が縦方向へ間欠的に並
ぶ多数の第１接合部１０によって固着されている。おむ
つ１Ａには、胴周り開口１４と一対の脚周り開口１５と
が画成されている。

【００１４】前後胴周り域５，７の両側縁８，９と第１
接合部１０との間には、縦方向へ間欠的に並ぶ多数の第
２接合部１１が形成されている。第１接合部１０と第２
接合部１１とでは、表面シート２の内面が互いに重なり
合った状態で、表面シート２どうしが固着されていると
ともに、表面シート２と裏面シート３とが固着されてい
る。それらシート２，３の固着は、熱による溶着手段を
利用している。

【００１５】第１接合部１０と第２接合部１１との間に
は、胴周り開口１４の縁部１６近傍と脚周り開口１５の
縁部１７近傍との間を縦方向へ延びるミシン線１２が形
成されている。おむつ１Ａでは、表面シート２と裏面シ
ート３とをミシン線１２において引き裂くことが可能で
あり、それらシート２，３をミシン線１２において引き
裂くと、図１に示すように、第１接合部１０と第２接合
部１１との間に縦方向へ延びるスリット１３が画成され
る。

【００１６】胴周り開口１４の縁部１２には、胴周り方
向へ伸縮する複数条の胴周り用弾性部材１８が表面シー
ト２と裏面シート３との間に介在し、それらシート２，
３の内面に伸長状態で取り付けられている。脚周り開口
１５の縁部１７には、脚周り方向へ伸縮する複数条の脚
周り用弾性部材１９が表面シート２と裏面シート３との
間に介在し、それらシート２，３の内面に伸長状態で取
り付けられている。図１では、弾性部材１８，１９各々
が収縮し、胴周り開口１４の縁部１２と脚周り開口１５
との縁部１７とに沿って多数のギャザーが形成されてい
る。

【００１７】図３，４は、廃棄するために丸められた図
１のおむつ１Ａの斜視図である。それら図では、前胴周
り域５を内側にしておむつ１Ａが股下域６から胴周り開
口１４の縁部１６に向かって縦方向へ丸められている。
図３では、両側縁８，９とスリット１３との間に延びる
帯部２０を丸められたおむつ１Ａの外周面にかけとめる
以前の状態で示す。

【００１８】おむつ１Ａでは、表面シート２と裏面シー
ト３とをミシン線１２において引き裂くと、おむつ１Ａ
の両側縁８，９近傍に縦方向へ延びるスリット１３が画
成されるとともに、前後胴周り域５，７の両側縁８，９
とスリット１３との間を縦方向へ延びる一対の帯部２０
が形成される。

【００１９】おむつ１Ａを廃棄するときには、前胴周り
域５を内側にしておむつ１Ａを股下域６から胴周り開口
１４の縁部１６に向かって縦方向へ丸め、図３に示すよ
うに、帯部２０を矢印Ｗ１で示す方向へ移動させるとと
もに、縁部１６と両側縁８，９とが交わる角部２１を矢
印Ｗ２で示す方向へ折り返し、帯部２０を丸められたお
むつ１Ａの外周面にかけとめる。

【００２０】おむつ１Ａでは、帯部２０各々によってお
むつ１Ａの丸められた状態が保持される。おむつ１Ａで
は、胴周り開口１４の縁部１６を２条の帯部２０が跨
ぎ、脚周り開口１５の縁部１７がおむつ１Ａとともに丸
められる。ゆえに、おむつ１Ａでは、胴周り開口１４と
脚周り開口１５とが口を開けることはなく、排泄物や臭
気がそれら開口１４，１５から漏れてしまうことがな
い。

【００２１】このおむつ１Ａでは、止着用テープを利用
することなく、おむつ１Ａの丸められた状態を保持する
ことができる。おむつ１Ａには、止着用テープが取り付
けられていないので、おむつ１Ａの着用中に止着用テー
プが触れることによる不快な刺激がない。

【００２２】帯部２０には、第２接合部１１が延びてい
るので、帯部２０において表面シート２と裏面シート３
とが分離してしまうことがなく、帯部２０を丸められた
おむつ１Ａの外周面にかけとめ易い。但し、おむつ１Ａ
には、第２接合部１１が形成されていなくてもよい。

【００２３】おむつ１Ａでは、それを胴周り開口１４の
縁部１６から股下域６に向かって縦方向へ丸め、帯部２
０を丸められたおむつ１Ａの外周面にかけとめることも
できる。そのように丸められたおむつ１Ａでは、胴周り
開口１４の縁部１６が丸められたおむつ１Ａの内部に納
まるので、おむつ１Ａの外周面に縁部１６が露出するこ
とはない。

【００２４】図５は、図１とは異なる態様の前胴周り域
５の側から示す使い捨ておむつ１Ｂの部分破断斜視図で
ある。このおむつ１Ｂが図１のそれと異なる点は、以下
のとおりである。第１接合部１０と第２接合部１１との
間には、胴周り開口１４の縁部１６近傍と脚周り開口１
５の縁部１７近傍との間を縦方向へ延びるスリット１３
が形成されている。スリット１３は、表面シート２と裏
面シート３とを切断することによって画成されている。

【００２５】おむつ１Ｂでは、前後胴周り域５，７の両
側縁８，９とスリット１３との間を縦方向へ延びる一対
の帯部２０が形成されている。おむつ１Ｂを廃棄すると
きには、前胴周り域５を内側にしておむつ１Ｂを股下域
６から胴周り開口１４の縁部１６に向かって縦方向へ丸
め、図１のおむつ１Ａと同様に、帯部２０を丸められた
おむつ１Ｂの外周面にかけとめる。

【００２６】表面シート２には、親水性繊維不織布や多
数の開孔を有するプラスチックフィルムを使用すること
ができる。裏面シート３には、疎水性繊維不織布や不透
液性のプラスチックフィルム、または、疎水性繊維不織
布とプラスチックフィルムとのラミネートシートを使用
することができる。裏面シート３には、高い耐水性を有
するメルトブローン法による繊維不織布を、高い強度を
有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド法による繊維不織
布で挟んだ複合不織布を使用することもできる。

【００２７】不織布としては、スパンレース、ニードル
パンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボン
ド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製
造されたものを使用することができる。不織布の構成繊
維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリ
アミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンま
たはポリエステルからなる芯鞘型複合繊維またはサイド
バイサイド型複合繊維を使用することができる。

【００２８】コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリ
マー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所
要の厚みに圧縮されている。高吸収性ポリマーとして
は、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のもの
を使用することができる。

【００２９】表裏面シート２，３に対するコア４の接合
や弾性部材１９，２０の取り付けには、ホットメルト型
接着剤、または、ヒートシールやソニックシール等の熱
による溶着手段を利用することができる。

【００３０】

【発明の効果】本発明に係るパンツ型の使い捨ておむつ
では、それを廃棄するときに、前後胴周り域の両側縁と
スリットとの間に形成された帯部を丸められたおむつの
外周面にかけとめることで、おむつの丸められた状態を
保持することができる。このおむつでは、止着用テープ
を利用する必要がないので、止着用テープを取り付けた
従来技術のように、おむつの着用中にテープが触れるこ
とによる不快な刺激がない。

【００３１】丸められて帯部がかけとめられたおむつで
は、胴周り開口の縁部を２条の帯部が跨ぎ、脚周り開口
の縁部がおむつとともに丸められるので、胴周り開口と
脚周り開口とが口を開けることはなく、排泄物や臭気が
それら開口から漏れてしまうことがない。

【００３２】ミシン線において表裏面シートを引き裂く
ことによりスリットを画成するおむつでは、その廃棄時
に帯部が形成されるので、あらかじめスリットが画成さ
れたおむつとは異なり、おむつの着用中に帯部が遊動す
ることはなく、それが邪魔になることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】前胴周り域の側から示すパンツ型の使い捨てお
むつの部分破断斜視図。

【図２】図１のＡ−Ａ線端面図。

【図３】廃棄するために丸められた図１のおむつの斜視
図。

【図４】廃棄するために丸められた図１のおむつの斜視
図。

【図５】図１とは異なる態様の前胴周り域の側から示す
おむつの部分破断斜視図。

【符号の説明】

１ パンツ型の使い捨ておむつ ２ 透液性表面シート ３ 不透液性裏面シート ４ 吸液性コア ５ 前胴周り域 ６ 股下域 ７ 後胴周り域 ８ 側縁 ９ 側縁 １０ 第１接合部 １１ 第２接合部 １２ ミシン線 １３ スリット １４ 胴周り開口 １５ 脚周り開口 １６ 縁部 １７ 縁部 ２０ 帯部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3B029 BD11 BD21 4C098 AA09 CC03 CC11 CC27 CE05 CE08 DD10 DD23 DD25 DD26 DD28

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透液性表面シートと不透液性裏面シート
   との間に吸液性コアが介在し、互いに対向する前胴周り
   域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する
   股下域とを備え、前記前後胴周り域の両側縁近傍が縦方
   向へ延びる第１接合部を介して固着され、胴周り開口と
   一対の脚周り開口とが画成されたパンツ型の使い捨てお
   むつにおいて、 前記表面シートと前記裏面シートとを切断することによ
   り画成されたスリットが、前記前後胴周り域の両側縁と
   前記第１接合部との間に形成されて前記胴周り開口の縁
   部近傍と前記脚周り開口の縁部近傍との間を前記縦方向
   へ延び、前記スリットと前記前後胴周り域の両側縁との
   間に前記縦方向へ延びる一対の帯部が形成されているこ
   とを特徴とする前記おむつ。
2. 【請求項２】 前記表面シートと前記裏面シートとを引
   き裂くことが可能なミシン線が、前記前後胴周り域の両
   側縁と前記第１接合部との間に形成されて前記胴周り開
   口の縁部近傍と前記脚周り開口の縁部近傍との間を前記
   縦方向へ延び、前記表面シートと前記裏面シートとを前
   記ミシン線において引き裂くことにより前記スリットが
   画成される請求項１記載のおむつ。
3. 【請求項３】 前記縦方向へ延びる第２接合部が、前記
   帯部に形成されている請求項１または請求項２に記載の
   おむつ。