JPH0551311A - 保湿材および皮膚化粧料 - Google Patents

保湿材および皮膚化粧料

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JPH0551311A
JPH0551311A JP20955291A JP20955291A JPH0551311A JP H0551311 A JPH0551311 A JP H0551311A JP 20955291 A JP20955291 A JP 20955291A JP 20955291 A JP20955291 A JP 20955291A JP H0551311 A JPH0551311 A JP H0551311A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚化粧料に用いる保湿材の特性を改良し
て、保湿性に優れているとともに、べとつき感などの問
題がなく、特に、温度変化によって特性が変わることの
ない保湿材、および、このような保湿材を使用した皮膚
化粧料を提供する。 【構成】 κ−カラギーナンNa塩および/またはι−
カラギーナンNa塩からなる保湿材(請求項1)、ある
いは、ι−カラギーナンNa塩、κ−カラギーナンNa
塩、および、λ−カラギーナンからなる群から選ばれ
た、少なくとも1種のカラギーナンとローカストビーン
ガムとからなる保湿材(請求項2)、および、この保湿
材を含む皮膚化粧料(請求項3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、保湿材および皮膚化
粧料に関し、詳しくは、化粧水や乳液、クリームなど
の、いわゆるスキンケア化粧品その他、皮膚に直接つけ
て使用する化粧料等に添加する保湿材と、このような保
湿材を添加した皮膚化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化粧水や乳液等の皮膚化粧料に要求され
る特性は、皮膚に使用したときに、べとつかずに滑りが
良いこと、水分や汗を吸収して化粧崩れを防ぐこと、し
っとりとした質感があること等である。上記のような特
性を発揮させるために、皮膚化粧料に保湿材を添加して
おくことが行われている。従来、保湿材として使用され
ている材料には、グリセリン等の多価アルコールやPC
Aソーダなどの有機化合物、あるいは、コラーゲン、ヒ
アルロン酸ソーダ等の天然高分子化合物があった。
【0003】一方、化粧料には、液状のものと、比較的
粘度の高いクリーム状あるいはゲル状のものがあり、そ
の使用目的や用途によって使い分けられている。また、
例えば、毛髪用化粧料においては、セットされた毛髪を
固定するためのセット剤あるいは固定剤が添加されてい
る。これらの化粧料では、粘性を付与したり、ゲル状に
形成したりするために、増粘剤が添加される場合があ
る。
【0004】本願発明者らが先に発明し特許出願してい
る特願昭63−314788号(特開昭2−15721
4号公報)では、前記した毛髪用のセット剤あるいは固
定剤として、カラギーナンを使用することを提案してい
る。これは、カラギーナンの優れたフィルム形成特性を
利用するものである。また、特開昭62−153206
号公報には、カラギーナンやアルギン酸ソーダ等の水溶
性多糖類とムチンとを併用することによって、皮膚化粧
料の保湿性などを改善する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、皮膚
化粧料用の保湿材として使用されている材料のうち、グ
リセリン等の有機化合物は、保湿性が十分でないととも
に、皮膚につけた場合にべとつき感があり、使用感が良
くないという欠点があった。コラーゲン等は、上記有機
化合物からなる保湿材に比べれば、保湿性が高く、べと
つき感も少ないが、用途によっては、いまだ満足できる
ものではなかった。
【0006】特に、化粧水や乳液等のスキンケア化粧料
の場合には、皮膚につけたときに、滑らかに延びること
や、使用状態で表面にべとつき感を示さないように、粘
性が低い材料を使用する必要がある。したがって、この
ような用途に使用する保湿材としては、粘性の高い材料
やゲル状の材料は使用できない。また、従来の保湿材の
中には、常温では適度な粘性を有していても、温度変化
があると、粘度が高くなったりゲル化したりするものが
ある。夏期と冬期などの環境条件の違いによって、保湿
材の特性すなわち皮膚化粧料の性能が変化するのでは、
皮膚化粧料として好ましくない。
【0007】前記した先行技術のうち、特願昭63−3
14788号で、毛髪化粧料のセット剤あるいは固定剤
として使用しているカラギーナンは、上記スキンケア化
粧料のように低い粘性を要求される用途には使用しにく
い。また、特開昭62−153206号公報に示されて
いるカラギーナンとムチンを併用する方法では、化粧水
等に添加した場合、そのpH等の条件によっては、両者
が反応してゲル化を起こすので、ゲル化を嫌う用途には
使用できない。しかも、ムチンは、水難溶性であるた
め、化粧料に分散した状態で添加することしかできな
い。また、保存中に沈殿して長期安定性に劣ることや、
豚の胃や牛の唾液から得られるので、独特の臭気があ
り、皮膚化粧料の材料としては好ましくない等の問題も
ある。
【0008】そこで、この発明の課題は、従来の皮膚化
粧料に用いられていた保湿材の特性を改良して、保湿性
に優れているとともに、べとつき感などの問題がなく、
特に、温度変化によって特性が変わることのない保湿
材、および、このような保湿材を使用した皮膚化粧料を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明のうち、請求項1の発明にかかる保湿材は、κ−
カラギーナンNa塩および/またはι−カラギーナンN
a塩からなる。また、請求項2の発明にかかる保湿材
は、κ−カラギーナンNa塩、ι−カラギーナンNa
塩、および、λ−カラギーナンからなる群から選ばれ
た、少なくとも1種のカラギーナンとローカストビーン
ガムとを含んでいる。
【0010】保湿材を添加する皮膚化粧料としては、前
記した化粧水や乳液のほか、スキンクリーム、フェイシ
ャルパックなどの各種スキンケア化粧料、基礎化粧料そ
の他、保湿性を要求される任意の用途に用いる皮膚化粧
料に適用することができる。皮膚化粧料は、保湿材のほ
かに、溶媒や香料、乳化剤等となる水や有機溶媒、油等
の液体成分と、滑り材やブルーミング材、あるいは着色
材等の添加材からなる粉体成分とで構成されている。な
お、この発明にかかる保湿材は液状で用いるが、これと
は別に、粉体状の保湿材を併用することもできる。
【0011】カラギーナンは、紅藻類に多く含まれる天
然高分子材料である。通常、上記のような原料から得ら
れるカラギーナンは、原料の違いや抽出方法の違いによ
って、κタイプ、ιタイプ、λタイプの3種類に分けら
れる。何れのタイプのカラギーナンも、Na塩やK塩、
Ca塩等の混合体として得られる。このうち、κ−カラ
ギーナンおよびι−カラギーナンは、K塩およびCa塩
の含有量が多い。この発明では、上記κ−カラギーナン
およびι−カラギーナンのK,Ca塩を、Na塩にイオ
ン交換したもの、すなわち、κ−カラギーナンNa塩、
ι−カラギーナンNa塩を用いる。κ−カラギーナンN
a塩、ι−カラギーナンNa塩に残留するKイオンおよ
びCaイオンの量は、Kイオン1.0%以下、Caイオ
ン0.1%以下に調整しておく。
【0012】ローカストビーンガムは、キャロブ(イナ
ゴマメとも呼ばれる)の種子胚乳から得られる天然高分
子材料であり、従来、各種加工食品用の糊剤や増粘剤と
して使用されているものである。請求項1記載の発明で
は、上記κ−カラギーナンNa塩とι−カラギーナン塩
の何れか一方あるいは両方を混在させたものを保湿材と
して使用する。但し、皮膚化粧料などに添加するとき
に、κ−カラギーナンNa塩やι−カラギーナン塩と反
応して、ゲル化させたり、粘度を変えてしまうような材
料と併用しないようにする必要がある。例えば、ムチン
等と併用すると、κ,ι−カラギーナンNa塩がゲル化
を起こしてしまう。
【0013】また、請求項2記載の発明では、前記κ,
ι−カラギーナンNa塩またはλ−カラギーナンとロー
カストビーンガムとで保湿材を構成する。なお、λ−カ
ラギーナンについては、前記のようなKイオンやCaイ
オンの調整は不要である。カラギーナンとローカストビ
ーンガムの割合は、目的や要求される性能によって適宜
に設定できるが、カラギーナン/ローカストビーンガム
=0.01〜100(重量割合)程度の範囲で使用でき
る。
【0014】保湿材としては、上記のようなカラギーナ
ン、あるいは、カラギーナンとローカストビーンガムを
水あるいは温水に溶解して、水溶液の状態で使用する。
皮膚化粧料などの製造工程で、化粧料溶液に、粉体等の
固型状をなすカラギーナンあるいはローカストビーンガ
ムを溶解させて使用することもできる。前記したスキン
ケア化粧料に保湿材を添加する場合、その使用量は化粧
料の種類によっても異なるが、通常、0.01〜5.0
重量%程度の割合で添加しておくのが好ましい。
【0015】また、皮膚化粧料に添加するカラギーナン
およびローカストビーンガムの割合は、皮膚化粧料に対
してカラギーナン0.01〜5.0%、ローカストビー
ンガム0.01〜1.0%の範囲で使用でき、好ましく
はカラギーナン0.1〜2.0%、ローカストビーンガ
ム0.01〜0.5%を用いる。
【0016】
【作用】従来、一般的に使用されているκ−カラギーナ
ンまたはι−カラギーナンは、K塩やCa塩を比較的多
く含むものであった。このようなカラギーナンは、保湿
性はかなり優れているが、温度変化によって、その粘度
が大きく変化したり、ゲル化を起こすという問題があ
る。従来は、このようなカラギーナンの粘度変化やゲル
性を、増粘剤あるいはゲル化剤等として各種用途に利用
していたのであるが、この発明が対象としている皮膚化
粧料用等の保湿材としては、好ましくない性質である。
【0017】これに対し、上記のような従来のカラギー
ナンに含まれるKイオンやCaイオンをNaイオンに転
換して得られる、κ−カラギーナンNa塩あるいはι−
カラギーナンNa塩は、保湿性を十分に有しているとと
もに、温度変化を与えても、粘度があまり変化せず、ゲ
ル化を起こし難い。したがって、上記のようなκ−カラ
ギーナンNa塩あるいはι−カラギーナンNa塩を保湿
材として使用すれば、優れた保湿性を発揮できると同時
に、温度変化によって粘度が変化し難く、粘度変化を嫌
う用途にも、何ら問題なく使用できるようになる。
【0018】さらに、上記κ,ι−カラギーナンNa塩
もしくはλ−カラギーナンとローカストビーンガムを併
用すると、それぞれの材料を単独で使用した場合に発揮
される保湿性よりも、はるかに高い保湿性を示す。但
し、前記したκ,ι−カラギーナンのK,Ca塩含有物
の場合には、ローカストビーンガムと併用すると、強い
ゲル性を示すようになり、粘度が大幅に変化したり、ゲ
ル化を起こして固まってしまう。特に、温度変化によっ
て、粘性あるいはゲル性が大きく違ってしまう。
【0019】しかし、前記κ,ι−カラギーナンNa塩
もしくはλ−カラギーナンとローカストビーンガムの組
み合わせでは、ゲル性を示さず、特に、常温の場合だけ
でなく、温度変化があっても、ゲル性を示すことがな
い。そのため、粘性の少ない液体状の皮膚化粧料に用い
たり、他の増粘材等で適当な粘度に設定された皮膚化粧
料に添加したときに、粘度を大きく変化させることがな
い。また、皮膚化粧料を使用する環境温度が、大きく変
動しても、粘性が高くなったりゲル性を示したりし難い
ので、環境温度の変動に関わらず、前記保湿性などにつ
いて、安定した良好な特性を示すことができる。
【0020】
【実施例】まず、各種材料の保湿性について測定した。
使用した材料は以下のとおりである。 〔保湿材料〕 κ−カラギーナン(K,Ca塩含有)(商品名:ゲニ
ュゲルSWG、TheCopenhagen Pectin Factory Ltd.
製) κ−カラギーナンNa塩(上記をイオン交換でNa
型に変換)Kイオン含有量0.68%,Caイオン含有
量0.05% ι−カラギーナン(Ca塩含有)(商品名:ゲニュゲ
ルCJ、The Copenhagen Pectin Factory Ltd.製) ι−カラギーナンNa塩(上記をイオン交換でNa
型に変換)Kイオン含有量0.65%,Caイオン含有
量0.04% λ−カラギーナン(商品名:ラクタリンXP−700
8、FMC Corporation製) ローカストビーンガム(商品名:ゲニュガムRL−2
00、MEYHALLCHEMICAL AG 製) フタル化コラーゲン グリセリン ムチン、ブタ胃製(和光純薬製) 、、、については、70%イソプロピルアルコ
ール水溶液で洗浄した後、50〜60℃で乾燥したもの
を用いた。
【0021】はKイオンが5.0%以上であり、は
Caイオンが1.0%以上であった。これらに対し、
およびでは、Kイオン1.0%以下およびCaイオン
0.1%以下になるようにイオン交換を行った。上記
〜の材料を、単独もしくは複数種組み合わせて、後述
する表1、2に示す、それぞれの保湿材水溶液を作製
し、その特性を評価した。 〔特性試験〕 (a) 保湿性試験 持手付アルミカップ(上部径60mm、下部径54mm、深
さ16mm、容量54ml)に、約10gの前記各水溶液を
秤取した。このときの重量をAとする。上記各水溶液
を、25℃、RH≒40%に設定された恒温槽に18時
間保持した。なお、恒温槽の環境設定は、炭酸カリウム
飽和水溶液の入ったデシケータを25℃の恒温槽に配置
しておくことによって、前記のような環境条件に設定し
た。恒温槽から取り出した各水溶液の重量(重量B)を
測定し、次式により蒸発率を求めた。蒸発率の値が小さ
いほど、保湿性が高いことを示す。
【0022】蒸発率%=(1−B/A)×100 (b) 外観性状試験 各水溶液を10℃の恒温槽に18時間保持した後、ゲル
状態であるかゾル状態であるかを調べて、外観性状を評
価した。評価基準は、ゾル状態の場合を○、ゲル状態に
なった場合を×とした。なお、カラギーナンとローカス
トビーンガムは、加熱溶解したものを恒温槽に入れた。
【0023】
【表1】 ────────────────────────────────── 保湿材水溶液 蒸発率% 外観性状 ────────────────────────────────── 比較例1.0 水 12.49 ○ 比較例1.1 0.7%ローカストビーンガム 4.83 ○ 比較例1.2 0.7%κ−カラギーナン(K,Ca塩含有) 5.78 × 比較例1.3 0.7%ι−カラギーナン(Ca塩含有) 5.54 ○ 比較例1.4 0.7%λ−カラギーナン 5.52 ○ 比較例1.5 0.7%フタル化コラーゲン 6.27 ○ 比較例1.6 0.7%ムチン 11.36 ○ 比較例1.7 0.7%グリセリン 11.57 ○ 比較例1.8 0.5%ι−カラギーナン(Ca塩含有) +0.2%ローカストビーンガム 3.35 × 比較例1.9 0.5%ムチン +0.2%ローカストビーンガム 10.12 ○ 比較例1.10 0.5%ムチン +0.2%κ−カラギーナンNa塩 10.00 × 比較例1.11 0.5%ムチン +0.2%ι−カラギーナンNa塩 9.30 × 比較例1.12 0.5%ムチン +0.2%λ−カラギーナン 9.41 × 比較例1.13 0.5%κ−カラギーナンNa塩 +0.2%ムチン 5.42 ○ 比較例1.14 1.0%ムチン +0.2%κ−カラギーナンNa塩 8.92 × 比較例1.15 1.0%ムチン +0.2%λ−カラギーナン 8.50 ○
【0024】
【表2】 ────────────────────────────────── 水溶液 蒸発率% 外観性状 ────────────────────────────────── 実施例1.1 0.7%κ−カラギーナンNa塩 5.93 ○ 実施例1.2 0.7%ι−カラギーナンNa塩 5.61 ○ 実施例1.3 0.5%κ−カラギーナンNa塩 +0.2%ローカストビーンガム 3.34 ○ 実施例1.4 0.5%ι−カラギーナンNa塩 +0.2%ローカストビーンガム 3.64 ○ 実施例1.5 0.5%λ−カラギーナン +0.2%ローカストビーンガム 3.42 ○ ────────────────────────────────── 以上の試験結果をみると、単独の保湿材料としては、ロ
ーカストビーンガム(比較例1.1 )が最も保湿性が高い
(蒸発率が小さい)ことが判る。また、κ,ι−カラギ
ーナンのK塩またはCa塩含有物(比較例1.2 と1.3 )
およびκ,ι−カラギーナンNa塩(実施例1.1 と1.2
)は、従来保湿材として使用されていたグリセリン
(比較例1.7 )やフタル化コラーゲン(比較例1.5 )よ
りも優れた保湿性を示している。
【0025】複数の保湿材料を組み合わせた場合、ι−
カラギーナンのCa塩含有物とローカストビーンガムを
組み合わせたもの(比較例1.8 )では、保湿性は非常に
高くなるが、ゲル化してしまう。また、ムチンとカラギ
ーナンやローカストビーンガムを組み合わせたもの(比
較例1.9 〜1.15)は、保湿性が良くない。そして、実施
例1.3 〜1.5 のように、κ,ι−カラギーナンNa塩と
ローカストビーンガムを組み合わせると、保湿性が非常
に高くなると同時に、ゲル化することもないことが実証
された。また、各実施例では、温度変化を与えても、ゲ
ル性が生じたり、粘度が大きく変わるようなことはなか
った。 〔温度変化の影響〕つぎに、カラギーナンの粘度特性に
対する温度変化の影響について検討を加えた。
【0026】前記各種のカラギーナンについて、温度を
様々に変化させたときの粘度を測定した。粘度の測定方
法は常法により実施した。表3に試験結果を示してい
る。
【0027】
【表3】 ───────────────────────────────── 濃度 試 験 温 度 保湿材料 wt% 10℃ 20℃ 30℃ 40℃ ───────────────────────────────── κ−カラギーナンNa塩 1.0 110.0 97.5 67.5 52.5 〃 2.0 778.0 532.0 410.0 354.0 ι−カラギーナンNa塩 1.0 106.0 86.0 50.0 26.0 〃 2.0 480.0 290.0 140.0 94.0 ι−カラギーナン(Ca塩含有) 1.0 277.0 55.0 36.7 29.4 〃 2.0 2420.0 1336.0 182.5 102.0 ───────────────────────────────── 粘度単位:cp ※κ−カラギーナンK,Ca塩含有物についても試験
を行ったが、10℃でゲル化したため、粘度測定は行わ
なかった。
【0028】以上の結果、κ,ι−カラギーナンのう
ち、K,Ca塩含有物は、温度変化によって、粘度が極
端に増減したり、ゲル化を起こすのに対し、Na塩で
は、それほど大きな粘度変化を示さないことが判る。 −皮膚化粧料− この発明にかかる皮膚化粧料、および、従来の各種保湿
材を用いた皮膚化粧料を製造して、その性能を比較し
た。 〔化粧水〕以下の配合で化粧水を製造した。
【0029】 重量% 保湿材料 表4のとおり プロピレングリコール 3.0 ポリオキシエチレン(25モル) オレイルアルコールエーテル 2.0 エチルアルコール 5.0 香料、防腐剤 適量 精製水 残部 製造された化粧水を、20名のパネラーが使用して、そ
の使用感をしっとり感とべとつき感について評価した。
表4に試験結果を示している。
【0030】
【表4】 ────────────────────────────────── しっとり感 べとつき感 保湿材料 有り 不明 無し 有り 不明 無し ────────────────────────────────── 実施例2.1 ι-カラキ゛ーナンNa塩 0.4% 17 3 0 0 1 19 +ローカストヒ゛ーンカ゛ム 0.1% 実施例2.2 ι-カラキ゛ーナンNa塩 0.5% 15 3 2 0 2 18 比較例2.1 グリセリン 0.5% 15 2 3 15 5 0 比較例2.2 ローカストヒ゛ーンカ゛ム 0.5% 14 4 2 2 3 15 比較例2.3 ムチン 1.0% 11 2 7 13 3 4 +λ-カラキ゛ーナン 0.2% ────────────────────────────────── 上記結果をみれば、グリセリン(比較例2.1 )やムチン
+カラギーナン(比較例2.3 )では、べとつき感があ
り、ローカストビーンガム(比較例2.2 )を単独で使用
したのでは、しっとり感が十分でなく、べとつき感も少
し劣っている。これに対し、この発明の実施例では、し
っとり感があると同時にべとつき感がないと評価されて
おり、皮膚化粧料として非常に優れた性能を発揮できる
ことが実証された。特に、ι−カラギーナンNa塩+ロ
ーカストビーンガム(実施例2.1 )では、何れの性能も
極めて良好であった。 〔拭き取りフェイシャルパック〕以下の配合で、拭き取
りフェイシャルパックを製造した。
【0031】 重量% 保湿材料 表5のとおり カルボキシビニルポリマー 1.0 ポリオキシエチレン(15モル) オレイルアルコールエーテル 1.0 トリエタノールアミン 1.0 エチルアルコール 5.0 香料、防腐剤 適量 精製水 残部 製造された拭き取りフェイシャルパックを、前記同様に
評価した。表5に試験結果を示している。
【0032】
【表5】 ────────────────────────────────── しっとり感 べとつき感 保湿材料 有り 不明 無し 有り 不明 無し ────────────────────────────────── 実施例3.1 κ-カラキ゛ーナンNa塩 0.4% 18 2 0 0 3 17 +ローカストヒ゛ーンカ゛ム 0.1% 実施例3.2 κ-カラキ゛ーナンNa塩 0.5% 15 2 3 0 2 18 比較例3.1 フタル化 コラーゲン 0.5% 13 2 5 2 2 16 比較例3.2 ムチン 1.0% 12 2 6 15 2 3 +ローカストヒ゛ーンカ゛ム 0.2% ────────────────────────────────── 上記結果をみれば、各比較例では、しっとり感に劣る
か、べとつき感があるのに対し、この発明の実施例で
は、しっとり感があると同時にべとつき感がないことが
判る。特に、κ−カラギーナンNa塩+ローカストビー
ンガム(実施例3.1)では優れた性能が発揮されている。 〔乳液〕以下の配合で、乳液を製造した。
【0033】 重量% 保湿材料 表6のとおり ミツロウ 2.0 ラノリン 2.0 流動パラフィン 10.0 スクワラン 10.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0 ポリオキシエチレン(20モル) ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0 香料、防腐剤 適量 精製水 残部 製造された乳液を、前記同様に評価した。表6に試験結
果を示している。
【0034】
【表6】 ────────────────────────────────── しっとり感 べとつき感 保湿材料 有り 不明 無し 有り 不明 無し ────────────────────────────────── 実施例4.1 λ-カラキ゛ーナン 0.4% 17 2 1 0 3 17 +ローカストヒ゛ーンカ゛ム 0.1% 比較例4.1 λ-カラキ゛ーナン 0.5% 12 2 6 1 4 15 比較例4.2 λ-カラキ゛ーナン 0.4% +ムチン 0.1% 11 2 7 2 4 14 ────────────────────────────────── 上記結果をみれば、各比較例では、しっとり感に劣って
いるのに対し、この発明の実施例では、しっとり感があ
ると同時にべとつき感がない。
【0035】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる保湿材
および皮膚化粧料によれば、保湿性が非常に高く、皮膚
につけたときに、しっとり感があると同時にべとつき感
がなく、しかも、環境温度の変化があっても、安定した
良好な性能を発揮することができる。
【0036】特に、カラギーナンおよびローカストビー
ンガムという、植物性天然原料から得られ、従来も化粧
料等の添加材として使用されていた材料を使用するの
で、皮膚に対する悪影響がなく、前記のような高性能と
同時に安全性の点でも優れたものとなる。特に、κ,ι
−カラギーナンNa塩とローカストビーンガムとを組み
合わせて使用すると、それぞれの材料を単独で使用した
場合よりも、はるかに優れた性能を発揮できることにな
り、保湿材あるいは皮膚化粧料の性能向上に大きく貢献
できることになる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 κ−カラギーナンNa塩および/または
    ι−カラギーナンNa塩からなる保湿材。
  2. 【請求項2】 κ−カラギーナンNa塩、ι−カラギー
    ナンNa塩、および、λ−カラギーナンからなる群から
    選ばれた、少なくとも1種のカラギーナンとローカスト
    ビーンガムとからなる保湿材。
  3. 【請求項3】 κ−カラギーナンNa塩、ι−カラギー
    ナンNa塩、および、λ−カラギーナンからなる群から
    選ばれた、少なくとも1種のカラギーナンとローカスト
    ビーンガムとを含む皮膚化粧料。
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