JPH055062A - 電線被覆用シリコーンゴム組成物 - Google Patents

電線被覆用シリコーンゴム組成物

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JPH055062A
JPH055062A JP3155613A JP15561391A JPH055062A JP H055062 A JPH055062 A JP H055062A JP 3155613 A JP3155613 A JP 3155613A JP 15561391 A JP15561391 A JP 15561391A JP H055062 A JPH055062 A JP H055062A
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silicone rubber
rubber composition
platinum
catalyst
weight
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JP3155613A
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Koji Nakanishi
康二 中西
Takao Matsushita
隆雄 松下
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化前は可使時間が長く、硬化後は耐熱性,
電気絶縁性耐電圧特性等に優れたシリコーンゴム被覆と
なり得る電線被覆用シリコーンゴム組成物を提供する。 【構成】 (A)アルケニル基を有するオルガノポリシロ
キサン生ゴム (B)微粉末シリカ (C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン (D)アルキル系有機過酸化物 (E)白金系触媒を含有する熱可塑性樹脂から構成される
球状微粒子触媒 からなることを特徴とする電線被覆用シリコーンゴム組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電線被覆用シリコーンゴ
ム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ミラブル型のシリコーンゴム組
成物によって電線を被覆する方法は、押出し成形法が取
られている。この場合、シリコーンゴム組成物の加硫剤
としては、有機過酸化物が使用されているが、これらの
中でもアルキル系の有機過酸化物は、大気中の酸素によ
ると考えられる加硫阻害を起すので、押出し成形ができ
ないことがあり、また加硫速度が遅いために発泡現象を
起こすという欠点があった。そこで、電線被覆用シリコ
ーンゴム組成物を硬化させるための加硫剤としては、通
常、アシル系の有機過酸化物が使用されている。アシル
系の有機過酸化物を使用することの利点は、上記のよう
な欠点がないことに加えてシリコーンゴム組成物を熱風
加硫炉で容易に加硫でき、室温付近での貯蔵安定性に優
れ、可使時間が長く取扱いが容易である等である。とこ
ろが、アシル系の有機過酸化物は加硫時に強い臭いを発
して作業環境を著しく悪化させたり、接触している金属
類を腐食させるという問題点があった。特に、アシル系
の有機過酸化物の代表例である2,4ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイドや4−クロロベンゾイルパーオキサイ
ドを使用した場合には、分解残渣であるクロル化された
安息香酸を大気中に飛散させて、周囲の環境を汚染する
という問題点があった。さらに得られた成形物はブルー
ミングを生じ、その表面には加硫阻害に起因する表面粘
着が発生するなどの問題点があった一方、近年、白金系
触媒によって硬化する付加反応硬化性シリコーンゴム組
成物によって電線を被覆する方法も検討されているが、
この付加反応硬化性シリコーンゴム組成物は、室温付近
での貯蔵安定性が悪く、特に、電線被覆では熱が芯線に
奪われ硬化条件の設定が難しく、硬化物に発泡を生じ易
いという欠点があった。特に、400℃以上の熱気加硫
では著しく発泡して成形することが困難であった。ま
た、成形後は硬化不良による深部の未硬化および発泡な
どによって、耐熱性、電気絶縁性および耐電圧特性が低
下するなどの問題点を抱えていた。そのため、白金系触
媒によって硬化する付加反応硬化性シリコンゴム組成物
に有機過酸化物を含有せしめたシリコーンゴム組成物が
提案されている(特開昭59−33362号公報参照)
が、有機過酸化物として2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイドや4−クロロベンゾイルパーオキサイドを
使用した場合は、異臭やブルーミングといった上述の問
題点があり、アルキル系有機過酸化物を使用して熱気加
硫した場合は硬化不良や発泡といった上述の問題点を解
決できないという欠点があった。また、白金系触媒とア
ルキル系有機過酸化物とを併用した導電性シリコーンゴ
ム組成物が知られているが(特開昭52−98051号
公報参照)、これは、白金系触媒による硬化時にしばし
ば問題となる発泡現象を抑えるため、このような発泡が
起こり難いカーボンブラックを用いた時の硬化方法であ
り、補強性充填剤として微粉末シリカを用いた通常の系
では適用が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようする課題】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意研究した結果、付加反応により硬化
するシリコーンゴム組成物の硬化を促進するための触媒
として、白金系触媒を含有する特殊な球状微粒子触媒と
アルキル系の有機過酸化物と併用すれば、上記問題点は
一挙の解決される事を見出し、本発明に到達した。本発
明の目的は、硬化前は可使時間が長く、硬化時に臭いを
発生させることなく、硬化条件の変化に対して影響を受
けにくく、成形物に発泡現象を生じることもなく、硬化
後は表面粘着が極めて少なく、ブルーミングも生じな
く、そして、硬化物の深部まで硬化が十分に行なわれる
ため、耐熱性、電気絶縁性および耐電圧特性等に優れた
シリコーンゴム被覆となり得る電線被覆用シリコーンゴ
ム組成物を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段とその作用】上記目的は、 (A)平均組成式RaSiO(4-a)/2(式中、Rは置換または非置換の1価炭化水素基、 aは 1.8〜 2.3の数である。)で示され、1分子中に少なくとも2個のケイ 素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン生ゴム 100重量部、 (B)微粉末シリカ 10〜100重量部、 (C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイ ドロジェンポリシロキサン 0.1〜10重量部、 (D)アルキル系有機過酸化物 0.05〜10重量部、 (E)白金系触媒を白金金属原子として 0.01重量%以上含有する熱可塑性樹脂 から構成される球状微粒子触媒(ここで、熱可塑性樹脂の軟化点は50〜200 ℃であり、球状微粒子触媒の粒子径は 0.01〜10μmである。) 触媒量 からなることを特徴とする電線被覆用シリコーンゴム組
成物によって達成することができる。
【0005】これを詳細に説明すると、本発明に使用さ
れる(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムは、本発
明組成物の主剤となる成分であり、1分子中に少なくと
も2個のケイ素原子結合アルケニル基を有することが必
要である。このオルガノポリシロキサン生ゴムは、上式
中、Rはメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,
ヘキシル基,オクチル基などのアルキル基;ビニル基,
アケニル基,ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニ
ル基などのアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基などの置換炭化水素基で例示される1価炭化水素基
であり、aは1.8〜2.3の数である。このオルガノポ
リシロキサン生ゴムの分子構造は直鎖状であるが、若干
分岐状のシロキサン骨格を有するものでもよい。また、
その重合度は当業界においてオルガノポリシロキサン生
ゴムと呼称されている範囲内のものが使用可能であり、
通常は、25℃における粘度が107 センチストークス
以上、平均分子量25×104 以上のものが使用され、
好ましくは40×104 以上のものが使用される。
【0006】本発明に使用される(B)成分の微粉末シリ
カは、本発明組成物に機械的強度を付与するための成分
である。かかる微粉末シリカとしてはヒュームドシリ
カ,沈降法シリカなどが例示される。これらの中でも粒
子径が50mμ以下、比表面積が 100m2/g以上の
超微粒末状のシリカが好ましい。また表面処理シリカ、
例えば微粉末シリカがオルガノシラン,オルガノシラザ
ン,ジオルガノシクロポリシロキサンなどで表面処理さ
れたものは更に好適である。
【0007】本発明に使用される(C)成分のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンは、(A)成分のオルガノ
ポリシロキサンの架橋剤であり、本発明の組成物が網状
構造を形成し、シリコーンゴムとしての特性を発揮する
ためには1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水
素原子を有することが必要である。ケイ素原子に結合し
た有機基としては、前述した(A)成分のオルガノポリシ
ロキサンのRと同様のものが例示される。この有機基
は、1分子中に1種のみでもよく、また、2種以上が混
在していてもよい。このオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンの分子構造は、直鎖構造,分岐鎖状構造,網状
構造,環状または3次元構造を含んでいてもよく、これ
らの単一重合体または共重合体もしくは2種以上の重合
体の混合物も使用できる。このオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンの粘度は、通常、25℃における粘度が
0.5〜50,000センチポイズの範囲であり、好まし
くは1〜10,000センチポイズの範囲内である。ま
た、その配合量は(A)成分100重量部に対して 0.1
〜10重量部の範囲内である。
【0008】本発明に使用される(D)成分のアルキル系
有機過酸化物は、本発明のシリコーンゴム組成物を加硫
させるための硬化用触媒である。このアルキル系有機過
酸化物としては、ジクミルパーオキサイド,ジ−t−ブ
チルパーオキサイド,t−ブチルクミルパーオキサイ
ド,2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン,1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが例示され
る。本成分の添加量は(A)成分100重量部に対して
0.05〜10重量部の範囲内である。
【0009】本発明に使用される(E)成分の球状微粒子
触媒は、本発明を特徴ずける成分である。このような
(E)成分は、白金系触媒を白金金属原子として 0.01
重量%以上含有する熱可塑性樹脂からなる球状微粒子触
媒である。この球状微粒子触媒を構成する白金系触媒
は、ヒドロシリル化反応を促進する触媒活性をもつ白金
系金属、白金系化合物またはこの白金系化合物を主成分
とする組成物である。このような白金系触媒としては、
白金微粉末,塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸,
白金とジケトンの錯体,塩化白金酸とオレフィン類の錯
体,塩化白金酸とアルケニルシロキサンの錯体およびこ
れらをアルミナ,シリカ,カーボンブラックなどの担体
に担持させたものが例示される。これらの中でも塩化白
金酸とアルケニルシロキサンの錯体がヒドロシリル化触
媒としての触媒活性が高いので好ましく、特に特公昭4
2−22924号公報に開示されているような白金アル
ケニルシロキサン錯体が好ましい。
【0010】本発明に使用される熱可塑性樹脂は、軟化
点50〜200℃の温度範囲内にあることが必要であ
る。これは軟化点が50℃より低いと、ヒドロシリル化
反応によって硬化するシリコーンゴム組成物に添加した
後の貯蔵安定性が著しく低下し、また、200℃より高
いと、触媒活性を発現する温度が高過ぎて、実質的に触
媒としての機能を果たさなくなるからである。この点か
ら、熱可塑性樹脂の軟化点は70〜150℃の温度範囲
内にあることが好ましい。この熱可塑性樹脂の分子構造
や化学構造は特に制限されない。しかし、この熱可塑性
樹脂は白金系化合物触媒を透過しないことが必要であ
り、またシリコーンゴム組成物中のオルガノポリシロキ
サン成分に溶解しないものを選択する必要がある。この
ような熱可塑性樹脂のうち、シリコーン樹脂としては、
例えば平均単位式R1aSiO(4-a)/2(式中、R1はメチル基
およびフェニル基であり、aは0.8〜1.8の数であ
る)で示されるシリコーン樹脂が例示される。本発明に
使用される(E)成分は、上記のような白金系触媒が上記
のような熱可塑性樹脂に含有された球状微粒子触媒であ
るが、白金系触媒の含有量は、白金系触媒の量が白金金
属として 0.01〜5重量%の範囲内になる量であるこ
とが好ましい。またその触媒活性を十分に発現するため
とシリコーンゴム組成物に添加配合した時の分散安定性
を保持するためには、その平均粒子径が 0.01〜10
μmの範囲内にあることが必要であり、かつ、その形状
が球状体であることが必要である。
【0011】このような球状微粒子触媒は、例えば、白
金系触媒と軟化点50〜200℃の熱可塑性樹脂を溶媒
に溶解した溶液を形成させ、次いで、該溶液を熱気流中
に噴霧し、前記溶媒を揮発させると共に、噴霧状態で前
記熱可塑性樹脂を微粒子状に固化させることによって製
造される。また、白金系触媒と軟化点50〜200℃の
熱可塑性樹脂およびそれらと相溶する溶剤からなる溶液
を、界面活性剤水溶液で乳化し、その乳化液から溶媒を
乾燥除去することにより、白金系触媒含有熱可塑性樹脂
球状微粒子触媒を製造し、次いで白金系触媒を溶解する
が、熱可塑性樹脂は溶解しない溶剤で洗浄することによ
って製造される。
【0012】このような(E)成分の配合量は、本発明を
硬化させるのに十分な量であり、通常、(A)成分のオル
ガノポリシロキサン生ゴム100重量部に対して白金金
属原子として 0.0000001〜0.01重量部の範
囲内であり、好ましくは0.000001〜0.001重
量部の範囲内である。
【0013】本発明の電線被覆用シリコーンゴム組成物
は、上記(A)成分〜(E)成分からなり、必要に応じて、
クレープハードニング防止剤として、両末端シラノール
基封鎖ジオルガノポリシロキサン,オルガノアルコキシ
シラン,ヘキサオルガノジシラザンを添加してもよく、
貯蔵安定性と硬化特性を更に良くするために、ベンゾト
リアゾール,アセチレン系化合物,ハイドロパーオキサ
イドなどの付加反応抑制剤を添加しても良い。また目的
に応じて従来からシリコーンゴム組成物に使用されてい
る各種の添加剤、例えば、非補強性無機充填剤,顔料,
耐熱剤や芯線密着防止剤などを加えてもよい。このよう
な添加剤のうち、非補強性充填剤としては、けいそう
土,石英粉末,炭酸カルシウム,マイカ,酸化アルミニ
ウム,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化チタンが例示
され、顔料としてはカーボンブラック,弁柄が例示さ
れ、耐熱剤としては、稀上類酸化物,稀土類水酸化物,
セリウムシラノレート,セリウム脂肪酸塩などが例示さ
れ、芯線密着防止剤としては、酸化亜鉛,そして、ステ
アリン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム
などの高級脂肪酸及びそれらの金属塩が例示される。
【0014】本発明の電線被覆用シリコーンゴム組成物
は、上記(A)成分〜(E)成分を均一に混合することによ
って容易に得られるが、特に、(A)成分と(B)成分を先
ず均一に混合した後、(C)成分、(D)成分および(E)成
分を混合することが好ましい。
【0015】以上のような本発明の電線被覆用シリコー
ンゴム組成物は、加熱硬化時に臭いが発生せず、優れた
硬化特性を有するため硬化物に発泡現象を生じることが
ない。通常の白金系触媒を含有する付加反応硬化型シリ
コーンゴム組成物の硬化は、硬化条件の影響を大きく受
け、400℃以上の高温では硬化パターンに異常をきた
し、著しく発泡し易くなるが、本発明の電線被覆用シリ
コーンゴム組成物中の白金系触媒は熱可塑性樹脂で保護
されており、しかもアルキル系有機過酸化物が存在する
のでこの様な現象を生じることがなく、幅広い硬化条件
で成形することが可能であり、高温での硬化に際しても
異常をきたさない。したがって、本発明の電線被覆用シ
リコーンゴム組成物は電線被覆に極めて有用である。
【0016】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例、比較例によ
って説明する。実施例中、部とあるのは重量部を意味
し、粘度は25℃における値であり、cstはセンチス
トークスである。尚、実施例中、シリコーンゴムの物性
とあるのは、シリコーンゴム被覆電線から芯線を引き抜
いて得られたシリコーンゴム被覆物の物性値である。
【0017】
【参考例1】白金ビニルシロキサン錯体組成物の調製 6gの塩化白金酸水溶液(白金含有量33重量%)と1
6gの1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを3
5gのイソプロピルアルコールに溶解した。この溶液に
10gの重炭酸ソーダを加えて懸濁状態で攪拌しながら
70〜80℃で30分間反応させた。イソプロピルアル
コールと水を圧力50mmHg、温度45℃の条件下で揮発
除去し、固形分を濾過することによって白金含有量 9.
8重量%のビニルシロキサン配位白金錯体触媒の 1,3
−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液を調製した。
【0018】
【参考例2】熱可塑性シリコーン樹脂の調製 332gのフェニルトリクロロシラン、53gのジメチ
ルジクロロシランおよび110gのジフェニルジクロロ
シランを150gのトルエンで稀釈した溶液を、430
gのトルエンと142gのメチルエチルケトンと114
gの水からなる液中に滴下して加水分解した。この反応
混合物を水洗いして塩化水素を除去してから有機相を分
離し、さらに加熱してメチルエチルケトンを除去した。
次いで0.2gの水酸カリウムを加えて加熱し、発生す
る水を留去した後、酢酸で中和して水洗いを繰返した。
しかる後、溶媒を留去して熱可塑性シリコーン樹脂を得
た。この熱可塑性シリコーン樹脂のガラス転移点は65
℃、軟化点は85℃であった。
【0019】
【参考例3】シリコーン樹脂球状微粒子触媒の調製 ガラス製の攪拌機付容器に参考例2で得られた熱可塑性
シリコーン樹脂900gとトルエン500gとジクロロ
メタン4600gを投入し均一に混合した。次いで参考
例1で得られた白金ビニルシロキサン錯体組成物 44.
4gを投入し、混合することにより白金ビニルシロキサ
ン錯体と熱可塑性シリコーン樹脂の均一溶液を得た。次
いでこの溶液を流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流
にしたスプレードライヤー槽[アシザワ,ニトロ,アト
マイザー株式会社製]内に連続して噴霧した。ここで、
窒素ガスの熱気流温度はスプレードライヤーの入口で9
5℃であり、スプレードライヤーの出口で45℃であ
り、熱気流速度は1.3m3/minであった。1時間の運
転後バッグフィルターによって450gの白金ビニルシ
ロキサン錯体組成物含有シリコーン樹脂微粒子触媒を捕
集した。この微粒子触媒の平均粒子径は 1.1μmであ
り、5μm以上の微粒子触媒の含有量は 0.5重量%で
あった。またこの微粒子触媒の形状を走査型電子顕微鏡
により観察したところ、球状であることが確認された。
【0020】
【参考例4】白金触媒含有ポリメチルメタクリレート樹
脂微粒子の調製 8.0gのポリメチルメタクリレート(軟化点110
℃、平均分子量93,000)と1.0gの参考例1で得
られた白金ビニルシロキサン錯体触媒を、165gの塩
化メチレンに溶解させた。この塩化メチレン溶液を、
7.5gのポリビニルアルコール[日本合成化学工業
製,ゴーセノールGL-05]を含む水中に撹拌しながら添
加した。次いで、塩化メチレンを25〜40℃で40時
間かけて蒸発除去した。この懸濁液から遠心分離によっ
て固体状物を分離した。次いで、この固体状物を水洗し
た後、多量のメチルアルコールで洗浄し、次いでヘキサ
メチルジシロキサンで洗浄することにより、平均粒子径
10μm、白金含有量0.104%の白金触媒含有ポリメ
チルメタクリレート樹脂微粒子を得た。
【0021】
【実施例1】両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖
されたジメチルシロキサン単位 99.6モル%とメチル
ビニルシロキサン単位 0.4モル%からなるオルガノポ
リシロキサン生ゴム(重合度5000)100部、粘度
60cstの両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロ
キサン 8.0部、比表面積 200m2/gの乾式シリカ
40部、珪藻土15部をニーダーミキサーに投入して加
熱下均一になるまで混練した。次いで、耐熱剤として酸
化セリウム 0.5部を添加して均一に混練した。このゴ
ムベース100部に対して、平均分子式がMe3SiO(Me2Si
O)3(MeHSiO)5SiMe3(式中、Meはメチル基である。)
で示されるジメチルハイドロジェンポリシロキサン 0.
5部、参考例3で得られたシリコーン樹脂球状微粒子触
媒 0.03部、白金触媒抑制剤としての1−エチニル−
1−サイクロヘキサノール 0.002部および2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン 0.25部を2本ロールにより混合してシリコーンゴ
ム組成物1を製造した。比較のため、上記シリコーンゴ
ム組成物1の製造方法において、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 0.25
部を添加しない以外は上記と同様にしてシリコーンゴム
組成物2を調製した(比較例1)。また、上記シリコー
ンゴム組成物1の製造方法において、シリコーン樹脂球
状微粒子触媒の替わりに参考例1で得られた白金ビニル
シロキサン錯体組成物(白金金属含有量 0.6重量%)
を 0.08部使用し、1−エチニル−1−サイクロヘキ
サノールの量を 0.005部と使用した以外は、上記と
同様にしてシリコーンゴム組成物3を調製した(比較例
2)。また、上記シリコーンゴム組成物1の製造方法に
おいてシリコーン樹脂球状微粒子触媒の代りに参考例1
で得られた白金ビニルシロキサン錯体組成物(白金金属
含有量0.6重量%)を0.08部を使用し、1−エチニ
ル−1−サイクロヘキサノールの量を 0.01部とした
以外は、上記と同様にしてシリコーンゴム組成物4を調
製した(比較例3)。これらのシリコーンゴム組成物
1、2、3および4について押出機を使用して電線被覆
成形を実施した。すなわち、芯線外径 1.0φmm(20
本/0.18mm)、肉厚0.45mmのシリコーンゴム組成
物被覆電線を成形し、これを400℃の熱風炉中で18
秒間処理してシリコーンゴム組成物を加熱硬化させた。
本発明のシリコーンゴム組成物1と比較例のシリコーン
ゴム組成物2、3、4は、硬化時に強い臭いを発生する
ことがなく良好な環境で成形できた。比較例1のシリコ
ーンゴム組成物2は、実施例1のシリコーンゴム組成物
1に比べ硬化が甘く、耐熱性が低下した。比較例2のシ
リコーンゴム組成物3は、電線被覆膜の形成時に発泡を
押える必要から反応抑止剤の量を極端に減量する必要が
あった。この為、可使用時間は2〜3時間と非常に短
く、成形時にはスコーチを生じる可能性があった。比較
例3のシリコーンゴム組成物4は、可使用時間を24時
間に延すため反応抑止剤の使用量を増やしたものである
が、発泡現象を生じ成形物から良好な特性値を得ること
が出来なかった。これらの測定結果を表1に示した。
【表1】
【0022】
【実施例2】実施例1で得られたシリコーンゴム組成物
1(実施例2)、比較例1のシリコーンゴム組成物2
(比較例4)および比較例2のシリコーンゴム組成物3
(比較例5)について押出機を用いて下記の条件で電線
被覆成形を実施した。すなわち、芯線外径 4.9φmm
(88本/0.45mm)、肉厚1.0mmのシリコーンゴム
組成物被覆電線を成形し、これを450℃の熱風炉中で
25秒間処理してシリコーンゴム組成物を加熱硬化させ
た。本発明のシリコーンゴム組成物1は、実施例1の場
合と同様に良好な電線被覆膜を形成したが、比較例4の
シリコーンゴム組成物2は、電線に熱を奪われ深部の加
硫が不足し、引張り強さなど充分な物性特性を得ること
が出来なかった。また、比較例5のシリコーンゴム組成
物3は発泡現象を生じ良好な電線被覆膜を形成すること
が出来なかった。これは電線の芯線が大きくなることに
より熱が芯線に奪われるやすくなるとともに、白金触媒
の場合は高温時に空気中の酸素等による失活が顕著なた
めと思われる。これらの測定結果を表2に示した。
【表2】
【0023】
【実施例3】実施例1のシリコーンゴム組成物1(実施
例3)と比較例2のシリコーンゴム組成物3(比較例
6)について押出機を用いて下記の条件で電線被覆成形
を実施した。すなわち、芯線外径 1.2φmm(30本/
0.18mm)、肉厚5.0mmのシリコーンゴム組成物被覆
電線を成形し、これを400℃の熱風炉中で24秒間処
理してシリコーンゴム組成物を加熱硬化させた。実施例
3のシリコーンゴム組成物1は、実施例1と同様に良好
な電線被覆膜を形成したが、比較例5のシリコーンゴム
組成物3は発泡現象を生じ良好な電線被覆膜を形成する
ことが出来なかった。肉厚が厚いこの様な被覆では、通
常の白金触媒による硬化手法は非常に発泡しやすくなる
ことがわかる。これらの測定結果を表3に示した。
【表3】
【0024】
【実施例4】実施例1のシリコーンゴム組成物1におい
て、シリコーン樹脂球状微粒子触媒の替わりに参考例4
で得られたポリメチルメタクリレート樹脂球状微粒子触
媒を0.03部使用した以外は、実施例1と同様にして
シリコーン組成物5を調製し、下記の条件で電線被覆成
形を実施した。すなわち、芯線外径 1.0φmm(20本
/0.18mm)、肉厚0.45mmのシリコーンゴム組成物
被覆電線を成形し、これを400℃の熱風炉中で18秒
間処理してシリコーンゴム組成物を加熱硬化させた。ポ
リメチルメタクリレート樹脂球状微粒子触媒を用いても
実施例1と同様に良好な電線被覆膜を形成することが出
来た。これらの測定結果を表4に示した。
【表4】
【0025】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴム組成物は、(A)
成分〜(E)成分からなり特に(D)成分のアルキル系有機
過酸化物と(E)成分の特殊な球状微粒子触媒を含有して
いるので、硬化前は可使時間が長く、硬化に際しては臭
いがないため作業環境を悪化させることがなく、良好な
硬化特性のため発泡せず、硬化後はブルーミングがな
く、表面タックが極めて少なく、深部の硬化が十分に行
なわれるため、耐熱性も低下しないシリコーンゴム被覆
となり得るという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/46 H 9059−5G // H01B 7/28 Z 7244−5G

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)平均組成式RaSiO(4-a)/2(式中、R
    は置換または非置換の1価炭化水素基、aは1.8〜2.
    3の数である。)で示され、1分子中に少なくとも2個
    のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシ
    ロキサン生ゴム100重量部、 (B)微粉末シリカ 10〜100重量部、 (C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイ ドロジェンポリシロキサン 0.1〜10重量部、 (D)アルキル系有機過酸化物 0.05〜10重量部、 (E)白金系触媒を白金金属原子として 0.01重量%以上含有する熱可塑性樹脂 から構成される球状微粒子触媒(ここで、熱可塑性樹脂の軟化点は50〜200 ℃であり、球状微粒子触媒の粒子径は 0.01〜10μmである。) 触媒量 からなることを特徴とする電線被覆用シリコーンゴム組
    成物。
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