JPH05500966A - 再結晶によるアルコール―エステル分離 - Google Patents
再結晶によるアルコール―エステル分離Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、ラセミ体エステルの酵素鏡像異性選択的加水分離又はラセミ体アルコ
ールの酵素鏡像異性選択的エステル化から誘導できる混合物から、鏡像異性的に
富化された化合物を製造する方法に関する。得られる鏡像異性的に富化された化
合物には、他の化合物の出発物質としての多くの用途が見出されている。これら
の化合物のあるものは、例えば、2−デオキシ−D−リボースの製造用に有用で
ある。その他の化合物はロイコトリエン類の製造に有用である。
背景技術
化学酵素合成は、反応系列て化学工程と生物触媒(biocatalytic)
工程との両方を使用する製造上の戦略である。生物触媒的変換は、単離されたか
又は生物学的系の一部としての酵素を使用することによって、一つの有機化合物
を他のものに転化する。これらの生物触媒(酵素)は、原則的に全ての他の種類
の触媒と同じである。しかしなから、酵素鏡像異性特異性のためのキラリティ(
chirality)の誘導のような、これらの生物触媒が特に有用である状況
かある。これらの酵素反応は、穏和な条件下て起こり、しばしば古典的化学プロ
セスよりも一層環境的に受け入れられる。
リパーゼは最適の生物触媒に最も近いものである。これらは単離された細胞外酵
素であり、その本来の機能はグリセリンエステルを加水分解することである。多
くのものは、エステル加水分解のために、又は適切な条件下に、アルコールエス
テル化のための広範囲の基質受容性を有する。これらは容易に(しばしば安価に
)入手てき、実験的に簡単であり、追加される補足因子(cofactor)を
必要とせず、副生成物をもたらさない。当然のことながら、これらの酵素は、在
線化学に於ける生物触媒的使用について最も徹底的に研究されてきた。
リパーゼ触媒作用反応用の二つの盟の基質種類がある。メソ又はプロキラル基質
は、第一の最も広範囲に研究された種類である。リパーゼ固有のキラリティは、
(最適に)単一の鏡像異性体への100%転化を与えるために、同じ分子で二つ
のブロキラル機能(エステル又はアルコール)の間を区別する。
基質の第二の種類はラセミ系であり、そこでは(最適には)二つの鏡像異性体の
一つのみがリパーゼにより認識され加水分解(又はエステル化)され、生成物へ
50%転化し、反対の立体配置の出発物質が50%回酸回収る。この混合物は鏡
像異性体の差別化を完結するために物理的に分離しなくてはならない。アルコー
ル部分よりも酸が目的である基質については、この分離は簡単な水性塩基の抽出
によりしばしば可能である。
アルコールベースの基質は、アルコールとエステルとの間の総体的な物理的類似
性のために最も挑戦的な分離の問題をもたらす。本発明か指向しているものはこ
の種の分離である。
光学活性のエポキシブタジェン(以下、EpB)の化学酵素的合成は、容易に利
用できるEpBの原料か最近入手できるようになって゛きたので、潜在的に魅力
のある製造方法である。EpBから誘導される光学的に純粋なC4シントンの、
新規で簡単で効率的な製造は、多くの最近入手できるキラルシントンが天然原料
からの利用可能性のために3個又は5個の炭素の主鎖を有するので、合成的に有
用である。事実、キラルブール(chiral pool)からのC,シントン
の主鎖延長は、現在光学的活性のEpB及びそれに相当するジオール(1゜2−
ジヒドロキシ−3−ブテン)の製造用の主たる方法を構成する。
例えば、S−1,2−ジヒドロキシ−3−ブテン及び5−EpBへの初期のルー
トは、キラル出発物質としてのC3D−マンニトール(2個の同一の炭素部分3
個)に依存していた(Baer、 E、 ; Fischer、 H,O,L、
J、 Biol、 Chem。
1939年、128巻、463頁)。末端の(対称的)ジアセトニド(diac
etonide)の形成の後、隣接するジオールは、四酢酸鉛で酸化的に分割さ
れ、炭素3個のシントンR−グリセルアルデヒドの不安定なアセトニドの2分子
を生成した。メチレントリフェニルホスホランとのウィティッヒ(Wittig
)反応は、容易に脱保護されて光学的に活性な1.2−ジヒドロキシブテンにな
る1、2−ジヒドロキシブテンアセトニドを与えた。ジオールのモノトシル化及
び塩基処理は、光学的に活性なEpBを与えた(Crawford、 R,J、
; Lutener、 S、 B、 ;Cockcroft、 R,D、 C
an、J、 Chem、1976年、54巻、3364頁)。
対応するR鏡像異性体は、数種のルートによりL−アスコルビン酸から製造され
る対掌体の炭素3個のシントンS−グリセルアルデヒドアセトニドから得られた
。一連のアセトニド形成及びメチル化による最初の異なったヒドロキシル基の保
護の後、オゾン分解及びリチウムアルミニウム水素化物処理は、S、S−1,2
,3,4−テトラヒドロキシブタン−1,2−アセトニドを与えた。四酢酸鉛の
酸化分割により、所望のS−グリセルアルデヒドアセトニドが得られた。この物
質は、光学的に活性な1,2−ジヒドロキシ−3−ブテン及び最終的にR−Ep
Bに変換できる。
また、光学的に活性な1.2−ジヒドロキシ−3−ブテンは、キラルプールから
得られる僅か炭素4個のシントンの一つである酒石酸から製造できる。アセトニ
ドの製造及びカルボキシル基の還元の後、ギ酸導入再配列及び得られたギ酸塩の
加水分解により、所望のジオールが得られた。これは光学活性EpBに変換でき
る。
全てのルートが合成上の問題を有する。上記の酸化工程は面倒てあり、非常に毒
性の(鉛)副生成物を作る。最初の二つのルートはまた、それ自体むしろ不安定
な物質であるグリセルアルデヒドアセトニドの厄介なウィティッヒオレフィン化
を含む。加うるに、この二つのルートはそれぞれ、D−マンニトール及びL−ア
スコルビン酸のみか商業的に利用できるものであるために、単一の(しかし補足
的な)鏡像異性体についてのみ利用てきる。酒石酸からのルートは、再配列反応
の間の1. 4−ジヒドロキシ−2−ブテンが形成されるため複雑になる。所望
の1,2−ジヒドロキシ−3−ブテンからのこの異性体の分離は簡単なことては
ない。
現実に、酒石酸からのルートのみがC4シントンを指向している。他の系列は主
鎖延長による後からの思いつきとしてC4物質を与える。更に直接のアプローチ
である、相当するラセミC4出発物質からの光学活性なC4シントンの合成は、
種々の有機分子の製造のための一層大きい多様性を与える。
従って、生物触媒技術を使用する(ラセミEpBからの)光学活性なEpB及び
誘導体の製造は、非常に興味が持たれるものである。この問題に対する鏡像異性
選択性リパーゼ触媒の加水分解アプローチは、多くのEpB誘導体に於ける種々
の酸素官能性の存在のために期待てきる。
EpBは多くのルートによりラセミ体エステルに転化できる。次いてこのエステ
ルは、酵素的鏡像異性選択性加水分解に付され、鏡像異性的に富化されたアルコ
ール及び鏡像異性的に富化されたエステルの混合物を作る。これらの化合物はク
ロマトグラフィー分離技術を使用して分離できるが、これは大スケール操作では
実用的でない。残念ながら、前記のように、エステルからのアルコールの分離は
、これらの化合物の物理的特性の類似性のために困難である。
それて、本発明は、関連する光学的に活性なエステルから光学的に活性なアルコ
ールを分離する問題を指向している。
発明の開示
本発明の方法は、鏡像異性的に富化された1−トシルオキシ−2−アシルオキシ
−3−ブテンと鏡像異性的に富化された1−トシルオキシ−2−ヒドロキシ−3
−ブテンとの、再化合物を含有する第一の混合物からの分離のために開示されて
いる。この方法には、
(a)有機溶剤からなる溶剤中の、該混合物の溶液を形成し、
(b)(a)て形成された溶液を、鏡像異性的に富化された1−トシルオキシ−
2−ヒドロキシ−3−ブテンの大部分が沈澱し、鏡像異性的に富化された1−ト
シルオキシ−2−アシルオキシ−3−ブテンの大部分を溶液中に残す温度にし、
(c)(b)で形成された沈澱を溶液から分離する工程が含まれる。
本発明は、鏡像異性的に富化された対掌体の両方が回収されるので特に有利であ
る。他の方法は、対掌体の他方を消滅させることにより対掌体の一方を回収し、
それで方法の縮収率を減少させる。
本発明は、ラセミアセテートの酵素鏡像異性選択的加水分解又はラセミアルコー
ルの酵素鏡像異性選択的エステル化(このラセミアセテート又はアルコールは、
それぞれ、3゜4−エポキシ−1−ブテンから形成される)により形成されるア
ルコール及びエステルを分離する際に特に有用である。
即ち、本発明は、鏡像異性的に富化されたl−トシルオキシ−2−ヒドロキシ−
3−ブテン及びl−トシルオキシ−2−アシルオキシ−3−ブテンを含有する混
合物を分離するために特に有用である。
好ましい態様に於いて、この混合物は下記式により表され(式中、Rは、独立に
H1直鎖若しくは分岐鎖の置換若しくは非置換のアルキル、アリール、置換アリ
ール、アリールアルキル、窒素を含有しない複素アリール(heteroary
l)若しくは置換複素アリール又はハロゲンから選択される。上記の置換基は、
ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、シアノ、アリールチオ、アルキルチオ
から選択できる。)本発明の方法により、分離すべき混合物の溶液は有機溶剤中
で形成される。有用な有機溶剤には、ジアルキルエーテル、塩素化炭化水素、脂
肪酸のエステル、芳香族炭化水素、低級アルコール(C1〜4)又はそれらの混
合物が含まれる。極性溶剤の特別の例には、トルエン、ジエチルエーテル、メタ
ノール、イソプロパツール及び酢酸ブチルが含まれる。特に有用な溶剤は、ジア
ルキルエーテル(極性)及びトルエン(芳香族)のような、極性溶剤又は芳香族
溶剤の何れかである。
ある例に於いて、上記の好ましい溶剤に加えて、非極性溶剤を再結晶を助けるた
めに使用することが望ましい。非極性溶剤は、他の溶剤がトルエン、ジエチルエ
ーテル又は酢酸ブチルである場合に特に有用である。有用な非極性溶剤には、脂
肪族若しくは脂環式炭化水素又はそれらの混合物が含まれる。本発明で有用な非
極性溶剤の特別の例には、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン及びシクロヘキサンが
含まれる。混合物は普通最初の溶剤に溶解し、次いて任意の非極性溶剤を添加す
る。溶解は室温で又は(例えば、約40°Cまての)穏和な加熱で起きる。 ・
最初の溶剤の非極性溶剤に対する比率は、非極性溶剤が使用されるとき限定され
ない。普通、この比率は約5/1と0、2 / 1との間である。
現在好ましい溶剤は、トルエンとへブタンとの約l:lの混合物である。より低
い体積の溶剤かこの混合物で必要である。更に、望ましい物理的特性、例えば、
沸点及び引火点のために、トルエンが好ましい。
この方法の第二工程で、溶液を、アシルオキシ化合物を上澄みの溶液中に残して
、ヒドロキシ化合物が沈澱する温度にする。この温度は、典型的に室温又は室温
より低い。好ましい温度は約25°Cと約−25°Cとの間の範囲内である。こ
の方法の第三工程で、沈澱を例えば、真空濾過により上澄みから除去する。
再結晶工程の間、ヒドロキシ化合物のあるものはアシルオキシ化合物と一緒に溶
液(上澄み)中に残る。この不純物は、所望の鏡像異性的に富化されたアシルオ
キシ化合物を溶液中に残すためにヒドロキシ化合物を消費する一つの分離方法に
より除去できる。
回収された鏡像異性的に富化されたアシルオキシ化合物は、簡単な加水分解によ
りヒドロキシ化合物に転化できる。かくして、本発明の方法は、例えば、R−ア
ルコールとS−エステルとの元の混合物から、両方の光学的立体配置のアルコー
ルを生成することができる。溶液からR−アルコールが沈澱し、一方、上澄み中
のS−エステルからS−アルコールが容易に製造できる。
得られたヒドロキシートシラートの何れも、実質的光学的純度まで再結晶により
精製できる。
即ち、本発明の方法は、その好ましい態様に於いて、下記の反応体系により示す
ことができる。
本発明は、光学的に活性なエステルから光学的に活性なアルコールを分離する方
法に関する。この種預の典型的な混合物の製造を記載する。この方法に於いて、
EpBを先ずラセミアセテートに転化する。次いてこのアセテートを、酵素加水
分解に付して所望の出発物質を製造する。しかしながら、特別の混合物と同様に
所望の混合物を得る方法は、その最大の面に於いてそれ自体本発明に対して限定
的ではないことを理解されたい。゛記載したルートは単に好ましいルートである
。
酵素加水分解に有用なラセミエステル出発基質は、二つのルートによりEpBか
ら製造できる。効率よくするために、容易に置換されて他の用途用に光学的に活
性なEpBを形成するl−アルコキシ置換基として、トシラート基を選択した。
更に、トシル化グリセリン誘導体の酵素加水分解が報告されている(Hamag
uchi、 S、 ; 0hashi、 T、 ; Watanabe、 K、
著、Agric、 Biol、 Chem、1986年、50巻、1629頁)
。トシラート以外の基は、その他の考慮が更に重要になったとき使用できる。
また、1−トシルオキシ−2−アセトキシ−3−ブテン基質は、それか普通のリ
パーゼにより高いR−鏡像異性選択率で加水分解でき、光学的に活性なEpBへ
の速いルートを与えるので好ましい。
ラセミアセテート基質は二つの方法の一つにより製造した。
ジオールルートは、EpBを水と中性条件下で又は酸触媒作用を使用して反応さ
せることにより製造てきる1、2−ジヒドロキシ−3−ブテンラセミ体で開始し
た。ジオールをピリジン中で4℃てp−トルエンスルホニルクロライド<p−T
sCl)で処理し、約10%の相当するジトシラートで汚染されている所望のモ
ノトシラートを得た。このモノトシラートは選択的に結晶化でき、純粋なモノト
シラートか61%収率で得られた。ヒドロキシトシラートを通常の条件下(AC
20、Et3N、CIl□CI□)でアセチル化して、アセトキシートシラート
(所望のラセミアセテート)を93%の収率て得た。ジオールルートを下記に示
す。
また、1−ヒドロキシ−2−アセトキシ−3−ブテンを与えるために、アセトキ
シートシラートは、El)Bと酢酸とのパラジウム(0)触媒作用下の最初の反
応により製造てきた。
通常の条件下(p −TsCl、 EtaN、 CH2Cl2.88%)ノドシ
ル化は、所望の生成物を与えた。しかしながら、モノアセテート物質の異性体不
一致(蒸留精製の間のアセチル移動)及び二つの中間物の位置異性体の非分離性
は、望まない異性体か酵素加水分解を複雑にするので、重要な問題をもたらした
。従って、前者(ジオール)の製造が好ましい。
次の工程で、リパーゼの存在下でラセミエステルを加水分から誘導されるリパー
ゼPS−300であり、両者はAman。
International Enzyme Companyから市販されてい
る。)ラセミエステルの酵素鏡像異性選択的加水分解は、少量(例えば、50■
粗リパーゼ10.1モルラセミエステル)のは、pH7の燐酸塩緩衝水溶液中の
エマルジョンとして、自動滴定条件(rpHスタット」、終点pH7,oo)下
で行うことができ、この反応に続いて1.ooON NaOHの取り込みを行う
。反応を約5096転化で停止し、光学活性アルコールのR−鏡像異性体及び未
反応のS−エステルを得ることができる。加水分解のR−選択率は非常に高く、
200と300との間のR対S加水分解速度比(E値)で、高い光学的純度〔両
方とも〉80%鏡像異性過剰(ee) )で両方の鏡像異性体を得る。このこと
は、[鏡像異性的に富化された」により意味されることである。
(E値は、(a ) Chen、 C,S、 ; Fujimoto、 Y、
; Girdaukas、 G、 ;Sih、 C,J、 J、 Am、 Ch
em、 Soc、 1982年、104巻、7294頁又は(b) Chen、
C,S、 ; Wu、 S、 H,; Girdaukas、 G、 ; S
ih、 C,J。
J、 Am、 Chem、 Soc、 1987年、109巻、2812頁に記
載された方法に従って測定される。)同じ方法で、[実質的に光学的に純粋な」
は〉98%eeを意味する。
また、Pseudomonas Novo sp、 ATCC21808から単
離されるリパーゼが使用でき、300以上のE値て同じ立体配置選択率を与える
。
溶液又は十分分散したエマルジョンは、酵素加水分解反応を成功させるために重
要である。ある例では、光学的活性アルコールと光学的活性エステルとの混合物
は、加水分解が完結する前に望ましくないゲルを形成し、反応を早期に終結させ
た。9:lのpH7の緩衝液:テトラヒドロフラン溶剤混合物はこの問題を回避
し、鏡像異性選択率を犠牲にすることなく (254以下のE値が観察された)
、更に速い加水分解反応(係数2で増加した速度)も、もたらした。酵素加水分
解は下記に示される。
アルコール エステル
E p B (250g)を800mLの水に添加し、次いて10gの酸樹脂を
添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。触媒を濾過により除去し、濾液を
減圧下で濃縮した。残渣を蒸留(60〜65°C/1mm)l、て、3,4−ジ
ヒドロキシ−ブト−1−エンを85%の収率て得た。’HNMR(CDC13)
: 5.9 (m、 IH) ; 5.4〜5.2 (m、 2H) ;4.
25 (m、IH) ;3,7 (m、IH) ;3.5 (m、IH) +2
.3 (br s、IH)。IR(CC14) : 3600.3499 (b
road)、 2900゜2880Cm−’OMs : 87. 70. 57
. 42. 31. 29m/eQ1、 2−ジヒドロキシ−3−ブテン(20
,00g : 0.227モル;1.05当景)をピリジン(200mL)中に
溶解した。反応混合物を水浴中で冷却し、そしてp−トルエンスルホニルクロラ
イド(p−TsCl) (41,11g ; 0.216モル)を30分間に亘
って4回に分けて添加した。十分に混合した後、反応混合物を4°Cて18時間
静置し、その時点て薄層クロマトグラフィー(以下TLC)分析はp−TsCl
を示さなかった。混合物を40°Cの水浴て減圧下に最初の体積の約半分にまて
濃縮し、次いてエーテル(200mL)で希釈した。混合物を水(100mL)
で、洗液が酸性になるまで水冷した3 N MCI (2X 100mL)で、
そして飽和重炭酸ナトリウム(100mL)で洗浄した。有機溶液を乾燥(Mg
SO,)した後、溶剤を除去して、41.73 gの所望の化合物と相当するジ
ートシラートとの91=9混合物(’HNMR分析)を得た。
粗生成物は一20°Cて数日間かかって固化した。これを、ヘキサン(100m
L)の添加及び−20°Cへの冷却により塩化メチレン(50mL)から再結晶
し、TLC分析により純粋であった所望の化合物の二つの取得物(合計33.3
3g : 61%)を得た。融点38〜44℃。’HNMR(300MHz、
CDC1a) : 7.800 (2H,d、 J=8.25Hz) ; 7.
356 (2H,d、 J=8.19Hz) ; 5.751 (IH,ddd
、 J=5.38.10.46.16.55Hz) ; 5.378 (IH,
br d、 J=I7.05Hz) ;5.247 (IH,br d、 J=
10.48Hz) ; 4.396 (IH,m) ; 4.066 (IH。
dd、 J=3.39.10.20Hz) ; 3.906 (18,dd、
J=7.41.10.22Hz) + 2.451 (3H,s) : 2.2
76 (I)1. d、J=4.50[(z) 、 IR(KBr。
crn−’) : 3520 (s、 b) ; 1650 (w) ; 16
00 (s) + 1350 (S) : 1170(s) 。燃・焼分析二理
論値−C,54,53; H,5,82; N、 O0実測値−C,54,8,
I : H,5,86、N、< 0.3゜■−トシルオキシー2−アセトキシ−
3−ブテン上記て得たトシラー) (25,OOg ; 0.103モル)を塩
化メチレン(125mL)中に溶解し、0°Cに冷却した。トリエチルアミン(
21,5mL ; 0.155モル;1.5当量)を添加し、次いで無水酢酸(
11,7mL ; 0.124モル;1.2当量)を滴下した。反応混合物を室
温に暖め、2.5日後に出発物質のトシラートはTLC分析により観察されなか
った。混合物をエーテル(250mL)中に注ぎ、水(2X 50mL)及び飽
和重炭酸ナトリウム(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO,) I、、そして
濃縮した。この粗生成物をpH7の燐酸塩緩衝液(100mL)と共に攪拌して
過剰の無水酢酸の全てを加水分解し、そしてエーテル(3X 50mL)で抽出
した。−緒にしたエーテル抽出液を乾燥(MgSO,) L、そして濃縮して、
27.51g (9396)のアセテート生成物を得た。’HNMR(300M
Hz、 CDC13) : 7.786 (2H,d、 J=8.26Hz)
; 7.355 (2H。
d、 J=8.03Hz) ; 5.710 (IH,ddd、 J=6.23
.10.54.17.05Hz) ;5.396 (IH,m) ; 5.32
4 (IH,d、 J=16.72Hz) ; 5.279 (IH,d。
J= 10.63Hz) ; 4.09 (2H,m) : 2.453 (3
H,s) ; 2.017 (3H,s)。
IRに−トフィルム、 an−’) : 1740 (S) ; 1645 (
w) ; 1600 (m) ;1360 (S) : 1175 (S)。
この方法により、光学的に活性なR−(+)−アルコール(((2) D”+7
.14°(c、 1.036、メタノール))は、R−(+)−エステル(Ca
〕D20+5.30°(c、 1.246、メタノ上記のラセミエステル(25
,76g ; 90.6ミリモル)とpH7の燐酸塩緩衝液(90g)とを−緒
にし、pHスタット条件(自動滴定−pH7,00終点)下で激しく攪拌した。
pHが7.00て安定化したとき、Pseudomonas fluoresc
ensからのリパーゼ(SAM n)(50■)を添加した。混合物をpHスタ
ット条件下で15時間攪拌し、その時点て45.5=ImLの1.0OON N
a0IIか消費された。混合物を塩化メチレン(3x loOmL)で抽出し、
乾燥(NazS04) L、そして濃縮して、23.47 g (98%物質回
収)のアルコールとエステルとの混合物を得た。一部(約350■)をフラッシ
ュクロマトグラフィー処理(1:2の酢酸エチル:ヘキサンて溶離)して、R−
アルコール(148■;92%ee)及びS−エステル(195■;94%ee
)を得た。鏡像異性的過剰は、Dale et al、 J、 Org、 Ch
em、、 1969年、33巻、2543頁に記載された方法と類似の方法を使
用して測定した。
R−アルコール: (α) D”+7.14°(c、 1.036、メタノール
)
S−エステル: (α) D”−5,29°(c、 1.324、メタノーール
)
その他の全ての性質は、アルコール及びエステルについて前記した通りである。
Pseudomonas Nova sp、 ATCC21808からのリパー
ゼを使用上記のようにして製造したラセミエステル(1,42g ; 5.00
ミリモル)とpH7の燐酸塩緩衝液(20g)とを−緒にし、pHスタット(自
動滴定−pH7,00終点)条件下で激しく攪拌した。pHが7.00て安定化
したとき、Pseudomonas Nova sp、 ATCC21808か
らのリパーゼの硫酸アンモニウム懸濁液(1,OOmL)を添加した。混合物を
pHスタット条件下で4時間攪拌し、その時点で2.471mLの1.0OON
NaOHが消費された(49.496転化)。混合物を塩化メチレン(3x2
0mL)て抽出し、乾燥(MgSOa) シ、そして濃縮した。粗生成物を、溶
離液として3:lのヘキサン:酢酸エチルを使用してフラッシュクロマトグラフ
ィー処理して、670■(47%;92%ee)のS−エステル及び447mg
(37%;98%ee)のR−アルコール(1個のオーバーラツプ留分)を得
た。鏡像異性的過剰は、Dale etal、 、1.0rg、 Chem、、
1969年、33巻、2543頁に記載された方法と類似の方法を使用して測
定した。
R−アルコール: ((Z) D”+7.14°(c、 1.036、メタノー
ル)
S−エステル: 〔α) D”−5,29°(c、 1.324、メタノー−ル
)
アルコール及びエステルの全ての性質は前記した通りである。
R−アルコールのすレフインの還元で、相当する(−)−1,2−ブタンジオー
ルモノトシラートか得られた。この化合物は、R−(−)立体配置を有すること
が知られている(Hamaguchi、 et al、 Agri、 Biol
、 Chem、 50巻、1629頁(1986年))。
下記の例を本発明の一層の理解のために示す。
R−1−トシルオキシ−2−ヒト0キシ−3−ブテン(9296ee)及び5−
1−トシルオキシ−2−アセトキシ−3−ブテン(8296ee)の略l:1の
混合物(1118,3g ニー緒にして最大4.63モル)を、暖かいジエチル
エーテル(IL)に溶解し、そしてヘキサン(IL)で希釈した。混合物を一2
0°Cて2日間冷却することによって相分離及び沈澱を促進した。この結果、’
HNMR分析により86:14の比率てヒドロキシ化合物とアセトキシ化合物と
からなる固体513.5gが得られた。この固体を暖かいエーテル(IL)に溶
解し、ヘキサン(1,5L)で希釈し、そして−20°Cて1.5日間冷却して
、鏡像異性的に富化された1−トシルオキシ−2−ヒドロキシ−3−ブテン42
4.]、g(ラセミエステルから38%収率)を得た。残留するエステルは、’
HNMR及び薄層クロマトグラフィー(TLC)分析により検出されなかった。
−緒にした母液を濃縮して、アセトキシ化合物とヒドロキシ化合物との混合物(
IHNMR分析によりそれぞれ、73 : 27)684.4 gを得た。アル
コール及びエステルの全ての性質は前記した通りである。
再結晶母液からのS−エステル及びアルコールの73 : 27混合物(10,
OOg ;全137.3ミリモル、エステル27.2ミリモル及びアルコール1
o、 1 ミリモル)をアセトン(50mL)中に溶解した。テトラメチルアン
モニウムアセテート(3,36g ; 25.25ミリモル;アルコール基準て
z5当量)を添加し、反応混合物を一夜室温で攪拌し、TLC分析により測定し
たときアルコールを完全に消費させた。反応混合物をエーテル(100mL)で
希釈し、水(3X25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4) シ、そして濃縮し
て、粗S−エステル7、64 gを得た。S−エステルの全ての性質は前記した
通りである。
光学的に純粋なヒドロキシートシラート前記反応からの祖S−エステル(7,6
4g;最大の27.2ミリモル)をメタノール(35mL)中に溶解し、そして
3.5mLの濃塩酸を添加した。反応混合物を室温で2.5日間攪拌し、TLC
分析により測定したときエステルを完全に消費させた。反応混合物をエーテル(
70mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(3X 25mL)で洗浄し、乾燥
(MgS04) シ、そして濃縮して、粗S−アルコール(約82%ee) 5
.10gを得た。これを、暖かいエーテル(Z5mL/g)から、ヘキサン(5
mL/g)を添加することにより、実質的な光学的純度(〉99%ee)が達せ
られるまで再結晶して(2回の再結晶) 、4.10g (ラセミエステルから
25%収率)を得た。S−アルコールの全ての性質は前記した通りである。
かくして、本発明の方法は沈澱からR−アルコールを生成し、上澄みからS−ア
ルコールを生成した。
重炭酸カリウムを使用する残留ラセミアルコールの消滅再結晶母液からのS−エ
ステル及びアルコールの73 : 27混合物(10,OOg +全量37.5
ミリモル、エステル27.4ミリモル及びアルコール10.1ミリモル)をエチ
レングリコール(37,5mL)中に溶解した。重炭酸カリウム(5,05g
; 50.5ミリモル:アルコール基準でエステル当量)を添加し、反応混合物
を激しく一夜(14時間)室温で攪拌し、TLC分析により測定したときアルコ
ールを完全に消費させた。反応混合物を水(40mL)で希釈し、エーテル(3
X 30mL)で抽出し、乾燥(MgSO,) L、そして濃縮して、粗S−エ
ステル8.17gを得、これを更に精製すること無しに使用した。
光学的に純粋なS−ヒドロキシートシラート粗S−エステル(8,17g;最大
の27.4 ミリモル)をメタノール(40mL)中に溶解し、そして濃塩酸(
4mL)を添加した。
得られた溶液を室温で24時間撹拌し、TLC分析により測定したときエステル
を完全に消費させた。反応混合物を注意深く飽和重炭酸ナトリウム(40mL)
で希釈して塩酸を中和し、エーテル(3X 20m1.)で抽出した。−緒にし
た抽出物を乾燥(MgSO4) L、そして濃縮して、S−アルコール(約82
%ee)6、29 gを得た。この物質を、暖かいエーテル(2,5mL/g)
からヘキサン(5mL/g)を添加することにより、実質的な光学的純度(>
9996 ee)か達せられるまで3回再結晶した(4.68gニラセミエステ
ルから2996収率)。S−アルコールの全ての性質は前記した通りである。
5−1−トシルオキシ−2−ヒドロキシ−3−ブテン(〉95%ee)及びR−
1−)シルオキシ−2−アセトキシ−3−ブテン(〉95%ee)の略1:1混
合物(185,55g ;−緒にして最大0.70モル)を、トルエン(85m
L ; 1 mL/ヒドロキシートシラートg)に室温で溶解した。ヘプタン(
85mL;1体積)を激しく攪拌しながら添加した。混合物を室温で30分間攪
拌し、この時点で結晶化が始まった。混合物を4°Cに一夜(攪拌無しに)冷却
し、沈澱を捕集し、冷トルエンで洗浄し、約196のアセテートで汚染されたヒ
ドロキシ化合物61.41 g(36%)を得た。暖かい(約40°C) )ル
エン(122mL ; 2 mL/g)から4°Cに冷却することによるこの物
質の再結晶により、’HNVR及びTLC分析によりアセテート化合物の無い実
質的に光学的に純粋なS−ヒドロキシートシラート53.13g (31%)を
得た。
最初の母液の濃縮で、約75 : 25比のアセテート対ヒドロキシ化合物12
3.97gが得られた。純粋なアセテートは、上記例1に記載したようにして得
ることかできた。
再結晶によるアルコール−エステル分離方法は、鏡像異性的に富化された1−ト
シルオキシ−2−アシルオキシ−3−ブテンと鏡像異性的に富化された1−トシ
ルオキシ−2−ヒドロキシ−3−ブテンとの、再化合物を含有する第一混合物か
らの分離のために開示される。この方法は、
(a)有機溶剤中の該混合物の溶液を形成し、(b)(a)で形成された溶液を
、鏡像異性的に富化された1−トシルオキシ−2−ヒドロキシ−3−ブテンの大
部分か沈澱し、鏡像異性的に富化された1−トシルオキシ−2−アシルオキシ−
3−ブテンの大部分を溶液中に残す温度にし、そして、
(c)(b)で形成された沈澱を溶液から分離する工程を含む。
国際調査報告 。、、/Ifc: H/n’)11 J
Claims (8)
- 1.鏡像異性的に富化された1−トシルオキシ−2−アシルオキシ−3−ブテン と鏡像異性的に冨化された1−トシルオキシ−2−ヒドロキシ−3−ブテンとの 、両化合物を含有する第一の混合物からの分離方法であって、(a)有機溶剤中 の該混合物の溶液を形成し、(b)(a)で形成された溶液を、鏡像異性的に富 化された1−トシルオキシ−2−ヒドロキシ−3−ブテンの大部分が沈澱し、鏡 像異性的に富化された1−トシルオキシ−2−アシルオキシ−3−ブテンの大部 分を溶液中に残す温度にし、そして (c)(b)で形成された沈澱を溶液から分離する工程を含む方法。
- 2.該溶剤が極性溶剤及び非極性溶剤の混合物からなる請求の範囲第1項記載の 方法。
- 3.極性溶剤の非極性溶剤に対する比率が約5/1と0.2/1との間である請 求の範囲第2項記載の方法。
- 4.該混合物が構造: ▲数式、化学式、表等があります▼+▲数式、化学式、表等があります▼(式中 、 Rは、独立にH、直鎖若しくは分岐鎖の置換若しくは非置換のアルキル、アリー ル、置換アリール、アリールアルキル、窒素を含有しない複素アリール若しくは 置換複素アリール又はハロゲンから選択される。)により表される請求の範囲第 1項記載の方法。
- 5.該第一混合物が、ラセミエステルの酵素鏡像異性選択的加水分解により製造 される請求の範囲第1項記載の方法。
- 6.該ラセミエステルがエポキシブタジエンから誘導される請求の範囲第5項記 載の方法。
- 7.該有機溶剤がジエチルエーテル及びヘキサンの混合物である請求の範囲第1 項記載の方法。
- 8.該溶剤が約1/1の比率のトルエン/ヘプタン混合物である請求の範囲第1 項記載の方法。
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