【発明の詳細な説明】
微生物学的に生成されたキモシンの回収方法発明の背景
1、発明の分野
本発明は微生物学的に生成されたキモシンの回収に関する。特に、本発明は、キ
モシンを生成するために調製された培養微生物から生じる発酵ビール(rerm
entation beer)からキモシンを回収する方法に関する。本発明は
さらに、微生物学的に生成されたキモシンの選択的回収およびその後の純化の方
法に関する。
2、技術水準
キモシンはチーズの製造に特に有用な公知の酵素である。
最近まで、商業的に使用されるほとんど全てのキモシンは、子牛の4番目の胃か
ら回収されていたが、子羊、ヤギ等の他の哺乳動物の胃からキモシンを回収する
こともこれまでに知られている。しかしながら、近年の子牛の生産の減少によっ
て、そのようなキモシンの天然源が減っており、それによってキモシンの微生物
による生産にはずみがついた。
このような状況下、最近の特許および特許出願は、遺伝子工学による微生物の発
酵によってキモシンが生成され得ることを開示している。例えば、キモシンを発
現し、分泌するよう遺伝的に変更された糸状菌の発酵によるキモシンの生成が、
米国特許出願箱077163.219号に開示されており、この開示内容は本出
願に引用として取り込まれている。同様に、1987年5月19日に発行の米国
特許第4.666.847号は、キモシンを発現し、分泌するよう遺伝的に変更
されたE。
C011(バクテリア)の発酵によるキモシンの生産、並びにキモシンを発現し
、分泌するよう遺伝的に変更されたSaccharomyces cerevi
sjae (酵母)の発酵によるキモシンの生産を開示しており、この開示内容
は本出願に引用されている。
キモシンの微生物学的生産は、キモシンに加えて酵素の発現をももたらすので、
発酵ビールからのキモシンの回収および純化は現存する問題をかかえている。例
えば、キモシンを上記米国出願節07/163,219号のようにして生産する
と、α−アミラーゼ、酸性ホスファターゼ、レウアミノペプチダーゼ(Ieu
amino peptidase)等の酵素か、前記発酵中に同時生成されてし
まう。発酵ビール中に上記のような付加的酵素か存在することにより、そのよう
なビールからのキモシンの回収および純化にさらなる困難性が生じる。
発酵ビールから酵素を分離するための種々の方法が開示されているが、出願人の
知る限りにおいて、キモシンと共に酵素を含む発酵ビールから選択的に極めて多
量(すなわち分配係数(K) >gs)のキモシンを回収できることを開示した
引例はない。
例えば、米国特許第4.144.130号は、細胞から細胞間酵素が遊離されて
いった水溶液からそれら細胞間酵素を回収するため、(1)高分子量不置換また
は置換ポリアルコール、ポリエーテル、ポリビニルピロリドンまたは多糖類と無
機塩との混合物、(2)前記高分子量ポリマーの2種以上の混合物の使用を開示
している。ポリエチレングリコールと無機塩の混合物を使用すると、所望の細胞
間酵素が上部ポリエチレングリコール層に入り、一方、細胞の残骸(celld
ebris)と他の発酵製品か下部の塩含有層に入る。この引例は、通常の細胞
集団を処理する際にはグリコール層に回収された種々の酵素の分配係数が約0.
3であり、冷凍細胞を水と混合し、解体して酵素を遊離すると前記分配係数か約
3に上がることを開示している。しかしながら、この引例は単一酵素の選択的回
収ましてや1種以上の酵素を含む発酵ビールからのキモシンの選択的回収を教示
しておらず、示唆もしていない。
同様にして、米国特許第4,72L613号は、細胞外で生成された酵素(例え
ばプロテアーゼ、アミラーゼおよび微生物的レンネット)を、ポリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールのアミン誘導体、ポリエチレングリコールのカ
ルボキシレート誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール
のアミン誘導体、ポリプロピしlングリコールのカルボキシレート誘導体、ポリ
(エチレングリコール)エステル、ポリエチレンイミン、トリメチルアミノ−ポ
リエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびそ
れらの混合物から成る群より選択されるポリマーと無機塩とを用いて、全発酵ビ
ール(whole fermentation beer)から回収する方法を
開示している。この引例の実施例は前記細胞外酵素に対して約80までの分配係
数を達成することを開示しているが、ポリエチレングリコール/塩混合物からの
キモシンの回収並びに1種類以上の酵素を含む発酵ビールからのキモシンの選択
的回収について開示してはいない。
同様に、Kula等の+Purification of Enzymes b
y Liquid−Liquid Extraction−は、液体−液体抽出
による酵素の純化の種々の方法を記載している。開示される種々の方法の中で、
Kula等は、酵素を含む水溶液にポリエチレングリコール/無機塩混合物を加
えることによって、ポリエチレングリコール相が酵素を含むような2相系か形成
されることを開示している。Kula等はさらに、111ページに、酵素をイオ
〕/交換体に吸着させ、相形酸ポリマーを洗浄し、そして酵素をその後回収する
ことによって、酵素から相形酸ポリマー(ポリエチレングリコール)を除去でき
ることを開示している。しかしなから、この引例は、ポリエチレングリコール/
塩混合物を用いるキモシンの回収並びに1種類以上の酵素を含む発酵ビールから
のキモシンの選択的回収について開示していない。
一方、米国特許第4.508.825号は、細胞外プロテアーゼおよび共生酸ア
ミラーセを生成できる微生物の発酵中に、ポリエチレングリコールとカチオン性
エビハロヒドリン/ポリアミンコポリマーまたはデキストランポリマーを発酵媒
体に加え、これらポリマーを相分離させてプロテアーゼリッチ相およびアミラー
ゼリッチ相を形成することによって、前記細胞外プロテアーゼおよび共生底アミ
ラーゼを分離することを開示している。
また、米国特許第4,591,583号は、蔗糖上の培養媒体からのデキストラ
ン−スクラーゼの同時純化および濃縮の方法を開示している。特に、開示された
方法は、2相を形成するためにポリエチレングリコールなどのポリエーテルを加
えることを含む。この2相とは、濃縮および純化デキストラン−スクラーゼ酵素
を含む重デキストランリッチ相と、除去物である汚染酵素活性を含む軽ポリエー
テルリッチ相である。
以上より、引用例は、約85より大のキモシン分配係数を有する2相液体−液体
抽出方法を用いた発酵ビールからの微生物学的に生成されたキモシンの回収を開
示していないことは明らかである。
さらに、引用例は、キモシンと共に発酵酵素を含む(すなわち、はとんどのキモ
シンは1つの層から回収され、一方はとんどの他の発酵酵素はもう1つの層から
回収される)発酵ビールからキモシンを選択的に回収することを開示していない
。
一方、微生物学的活性およびその後の純化によるキモシンの工業的または商業的
規模の生産は、液体−液体の2相系におけるキモシンの大分配係数、並びにその
ような2相系か使用される際のビールに含まれる他の発酵酵素からのキモシンの
選択的回収によって、大きく促進される。
従って、本発明の目的は、発酵または他の微生物学的活性により生産される酵素
の水性混合物から微生物学的に生成されるキモシンを回収する有効な方法、特に
キモシンの商業的規模の回収に有効な方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、約85を超えるキモシンの分配係数を有する液体−
液体2相系を用いた微生物学的に生成されるキモシンの回収方法を提供すること
である。
本発明のさらにもう1つの目的は、他の酵素を含む発酵ビールに含まれる他のポ
リペプチドからのキモシンの選択的回収を可能にする、液体−液体2相系を用い
た微生物学的に生成されるキモシンの回収方法を提供することである。
本発明のさらにもう1つの目的は、微生物学的に生成されるキモシンの回収およ
び純化の方法を提供することである。
これらおよびその他の目的は、以下に述べる発明の概要、発明の詳細な記述、実
施例および請求の範囲に示されるように、本発明によって達成される。
発明の概要
1つの側面において、本発明は、2相系を形成するために有効量のポリエチレン
グリコール(P E G)と無機塩を発酵ビールに加え:発酵ビールとポリエチ
レングリコールと無機塩との混合物を、キモシンリッチで発酵ポリペプチドプア
のポリマー相と、キモシンブアで発酵ポリペプチドリッチの瑞相とに分離させ:
そして前記キモシンリッチで発酵ポリペプチドプアのポリマー相を回収すること
がら成る、発酵ポリペプチドを付加的に含む水性発酵ビールから微生物学的に生
成されるキモシンを回収する方法にある。
驚いたことに、この回収方法は、発酵ビールに見出される発酵ポリペプチドから
のキモシンの選択的回収をiJ能にし、さらにまた、約85を超え、好ましくは
約100を超えるキモシン回収の分配係数を与える。
通常、発酵ビールのpHは、キモシンが安定であるようなあらゆるpH(すなわ
ち約6.5以下)とすることができる。
しかしながら、好ましい実施態様においては、小さいpH(すなわち3以下のp
H1好ましくは約2から約2.5までのpH)を発酵ビールに用いると、約3か
ら約6.5のpHを使用した場合に比べて、キモシンをポリエチレングリコール
相へと分離するためのより大きい分配係数(より大きい選択性)(1000以上
)を与えることがわかった。
従って、本発明による好ましい方法は、発酵ポリペプチドを付加的に含む水性発
酵ビールから微生物学的に生成されるキモシンを回収する方法であって、発酵ビ
ールのpHを約3未満に調整し、次に発酵ビールに有効量のポリエチレングリコ
ール(PEG)と無機塩とを加えて2相系を形成し、発酵ビール−ポリエチレン
グリコール−無機塩混合物を、キモシンリッチで発酵ポリペプチドブアのポリマ
ー相とキモシン回収で発酵ポリペプチドリッチの瑞相とに分離させ、そしてキモ
シンリッチで発酵ポリペプチトブアのポリマー相を回収することから成る方法に
関する。
本発明のさらなる側面において、ポリエチレングリコール相を、キモシンがイオ
ン交換樹脂に結合する条件下で該イオン交換樹脂と接触させることにより、キモ
シンがポリエチレングリコール相から分離できることがわかった。これらの条件
下において、ポリエチレングリコールかイオン交換樹脂を通過し、キモシンが該
イオン交換樹脂から回収される。従って、本発明の上記側面による方法は、発酵
ポリペプチドを付加的に含む水性発酵ビールから微生物学的に生成されるキモシ
ンを回収および純化する方法であって、a)有効量のポリエチレングリコール(
PEG)と無機塩を発酵ビールに加えて2相系を形成し、b)発酵ビール−ポリ
エチレングリコール−無機塩混合物が、キモシンリッチで発酵ポリペプチドブア
のポリエチレングリコール相とキモシンブアで発酵ポリペプチドリッチの瑞相に
分離するのを許容し、
C)キモシンリッチで発酵ポリペプチドブアのポリエチレングリコール相を回収
し、
d)キモシンがイオン交換樹脂に結合しかつポリエチレングリコールがイオン交
換樹脂を通過する条件下で、キモシンリッチで発酵ポリペプチドプアのポリエチ
レングリコール相をイオン交換樹脂と接触させ、そしてe)イオン交換樹脂から
キモシンを回収することから成る方法に関する。
本発明のこの側面において、そして上記した理由により、ポリエチレングリコー
ル/塩を該発酵ビールに加える前に、最初の発酵ビールのpHを約3以下に調整
することか好ましい。さらにまた、前記PEG相の分離および該PEG相とイオ
ン交換樹脂との接触の期間を通してpHを約3未満に維持することが好ましい。
発明の詳細な記述
種々の分子量のポリエチレングリコールなどのポリマーと他のポリマー(例えば
デキストラン)または無機塩との組合せを用いて水溶液から種々の酵素を分離す
ることは公知である。しかしなから、本発明は、十分な量のポリエチレングリコ
ールと無機塩を発酵ビールに加えて2相系を形成することによって、微生物学的
に生成されるキモシン(特に細胞外で生成されるキモシン)の抽出のための極め
て大きい分配係数が達成できるという予期せぬ発見に一部関する。これらの状況
下において、はとんど全てのキモシンかポリエチレングリコール相に分配される
。このことは、ポリエチレングリコール相におけるキモシンの分配係数が約85
より大、好ましくは約100より大であることによって示される。
さらに、本発明はまた、ポリエチレングリコールと無機塩の添加による発酵ビー
ルからの微生物学的に生成されるキモシンの抽出(回収)か大きく選択的である
という予期せぬ発見に関する。すなわち、この抽出工程はキモシンにとって選択
的であり、発酵ビールに見い出される(他の酵素を含む)他のポリペプチドが優
先的にキモシン含有溶液に保持される。この後者の発見は、ポリマーと無機塩の
添加による水溶液からの酵素回収を論じた従来技術は前記水溶液に存在する1つ
の酵素を他の酵素から選択的に回収することを教示していない、という事実に鑑
みて、特に驚くべきことである。
しかしながら、本発明を詳しく論する前に、以下の用語を定義してお(。
″微生物学的に生成されるキモシン“とは、天然に生成されるキモシンの酵素活
性を獲得するよう天然に生成されるキモシンに対する十分なアミノ酸の相同性を
有し、かつここに述べる液体−液体2相水性系中における天然に生成されるキモ
シンの分配特性を有する微生物学的に生成されるポリペプチドを意味する。微生
物学的に生成されるキモシンは、通常、ホスト微生物(すなわち糸状菌、)<ク
チリア、酵母その他)を培養(発酵)し、キモシンの全であるいは大部分をエン
コードする組換えDNAで形質変換され、生成されたポリペプチドか天然に生成
されるキモシンの酵素活性を獲得することにより作り出される。微生物学的に生
成されるキモシンを生成できる適当な形質変換ホスト微生物の開示に関して例え
ば米国特許出願第163.219号および米国特許第4,866.847号を参
照のこと。
微生物学的に生成されるキモシンはさらに細胞内生成または細胞外生成に分類で
きる。より詳細には、細胞内生成酵素は、発酵中にホスト細胞内で生成かつ保持
され、発酵の完了時には(通常細胞を溶解(Iysjng)することによって)
細胞から遊離しなければならない酵素である。細胞は従来のようにして殺され、
熱を用いて溶解される。例えば、lNegner等の米国特許第4,801.9
813号参照のこと。ある種の微生物に有用なもう1つの方法は、細胞を溶解(
lyse)させる浸透圧を変えることである。例えば、Aubert等の米国特
許第4,299458号を参照のこと。細胞を溶解するためのもう1つの従来法
は、細胞壁または膜を分解する酵素を導入することによる方法である。この方法
の例が村山の米国特許第3.816.260号、小林等の米国特許第3.89[
1,19g号、止材等の米国特許第3,917,510号に開示されている。こ
れらの特許の開示内容は本出願に引用として取り込まれている。
細胞外生成酵素は、微生物が細胞壁を横断して移送可能であり、従ってさらなる
処理を細胞に加えずに発酵の完了時に発酵ビール中に見られる酵素である。
“天然に生成されるキモシン”とは、ビールに施されるその後の処理を含む形質
変換ホスト細胞の発酵から回収されるキモシン含有溶液をいう。そのような任意
の処理工程には、例えば、無機塩およびポリエチレングリコールの発酵ビールへ
の添加前に発酵ビール中で細胞(微生物)を殺すことか含まれる。微生物を殺す
ことは、米国特許出願第077385.945号に記載されるようにして行うの
か好ま[7い。
この出願の開示内容は本出願に引用する。さらに、無機塩およびポリエチレング
リコールを加える前に発酵ビールから細胞および/または細胞屑(cell d
ebris)を除去することが望ましい場合もある。そのような除去は、細胞お
よび/または細胞屑を含む固体のほとんどまたは全てを除去する濾過工程によっ
て行い得る。同様に、無機塩およびポリエチレングリコールを加える前に発酵ビ
ールのp++を調整することが望ましい場合もある。また、細胞内生成キモシン
にとって、溶解細胞を除去しそしてタンパク質構造の巻き戻し後に本発明のよう
にして処理されるキモシンのバルクを含む封入体を回収することは一般的である
。
“発酵ポリペプチドとは、キモシン以外のポリペプチドであって、ポリエチレン
グリコールおよび無機塩を加える時点で発酵ビールに含まれるホスト微生物(キ
モシンと共に)によって発酵中生成され得るポリペプチドをいう。
そのような発酵ポリペプチドの主な成員は発酵中に共生成される酵素である。例
えば、米国特許出願第07/1[i3.2]、9号に記載されるようなキモシン
の細胞外生成もまた、α−アミラーゼ、酸性ホスファターゼ、レウアミノベブチ
ダーゼ(leu atnino peptjdase)等の酵素の生成を生じさ
せる。これら酵素は発酵の完了時の発酵ビールにみられる。同様に、キモシンが
細胞内で生成される場合、キモシンと共に生成される酵素には、ホスト細胞の発
酵中に生成されるあらゆる細胞外酵素やキモシンを遊離させるために発酵の完了
時にホスト細胞を溶解する際に遊離されたあらゆる細胞内酵素かある。
“発酵副生物″とは、ポリエチレングリコールと無機塩を発酵ビールに加えた時
に発酵ビールに含まれる非ポリペプチド生成物(例えば有機酸、錯カルボッ\イ
ドレート等)をいう。
“ポリエチレングリコール”とは、本発明のようにキモシンを抽出するのに使用
できるあらゆる分子量のポリエチレングリコールをいう。ポリエチレングリコー
ルは約400から約22.000の分子量で得られる。本発明で使用するのに好
ましいポリエチレングリコールは約600から約12,000の範囲の分子量を
有する。特に好ましいポリエチレングリコールはP E G −8000、すな
わち約8000の分子量を有するポリエチレングリコールである。使用するポリ
エチレングリコールの選択は、キモシンを抽出すべき混合物の組成に一部依存し
、プロセスの経済性に一部依存し、その他の要因にも依存する。
“無機塩“とは、本発明のようにしてキモシンを抽出するのに使用できるあらゆ
る無機塩をいう。適した無機塩には、例えば、硫酸塩、リン酸塩その他がある。
硫酸塩は好ましく、例えば硫酸す)・リウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニ
ウムその他がある。さらに、適した塩の混合物も使用でき、さらにそのような塩
の混合物と塩化ナトリウムなどの塩との組合せも使用できる。塩化ナトリウムな
どの塩は、それ自体ではポリエチレングリコールで2相系に分かれないか、適当
な無機塩と組合わせると酵素の分配係数を向上させることが知られている。
“分配係数(K)”とは、
式 K−C,/Cb
(ここて、C1は上部相の分配コンパウンドの平衡濃度を表わし、C6は上部相
の分配コンパウンドの平衡濃度を表わす)で定義される。従って、各相の分配コ
ンパウンドの量はその分配係数と各相の容積に依存する。すなわち、分配コンパ
ウンドか一体的な分配係数を有する(分配コンパウンドか上部相および上部相に
おいて等しく分配される)場合、両ト目か同容積の場合のみ両相は同量の分配コ
ンパウンドを含む。」一部用か上部相の1090の容積を何する場合、分配係数
が一体的であるとすると上部相は10?oの分配コンパウンド(7か含まない。
以上より、上部相の容積か上部相に比べて小さい場合でも上部相て多ユの分配コ
ンパウンドを回収できることから分配コンパウンドの分配係数がとても大きいこ
とか極めて有益である。このように、本発明においては、大変大きい分配係数の
ため、ポリエチレングリコールの使用量を小さくしながらキモシンの回収口を大
変大きくすることかできる。
“等電点(I’P)”とは、ポリペプチドか静電的に中性(すなわち、ポリペプ
チドか同数のプラスおよびマイナスに帯電した機能体(「unctional
1ty)をHする)となるpHをいう。キモシンの等電点は約46である。等電
点未満のpHにおいて、キモシンは正味正電荷を有し、等電点より大き1、)p
l+において、キモシンは正味負電荷を有する。
“イオン交換樹脂”とは、帯電化合物を静電的に結合する能力を有するタンパク
相容性(protein compatible)樹脂状材料をいう。
イオン交換樹脂は公知であり、カチオンおよびアニオン交換樹脂を含む。
本発明の実施に際し、キモシンの溶液を、キモシンかイオン交換樹脂に結合する
条件下で、イオン交換樹脂と接触させる。本発明においてカチオン交換樹脂を使
用するかアニオン交換樹脂を使用するかは、ポリエチレングリコール相のpl+
(すなわち、溶液のpHかキモシンの等電点より1−か下か)による。従って
、キモンン含仔溶液を、キモシンかイオン交換樹脂に結合する条件下で、イオン
交換樹脂と接触させるとは、単にキモシンがイオン交換樹脂に結合するよう溶液
のpHをその等電点より上か下に調整することをいう。
溶液のpHは通常的6.5以下であるか、等電点付近のpH(すなわち、約36
から約5.0のpt()はキモシンの正味静電荷が小さくなるので好ましくない
。正味静電荷か小さいと、イオン交換樹脂との効果的な結合かできにくくなる。
サラニ、ポリエチレングリコール相(溶液)を3.0〜5.0のp++に維持す
る場合、キモシンはより有効な自己分解を生じる。自己分解は、水中よりポリエ
チレングリコール中でかなり小さい。とにかく、水性ポリエチレングリコール相
を3.0〜5.0のpHに維持すると、自己分解によるキモシン産生量のいく分
かのロスを生じる。従って、カチオン交換樹脂を使用する場合は、溶液のpHを
約3.0未満にし、アニオン交換樹脂を使用する場合は、pHを約5.0より大
とすることが好ましい。
上記の理由から、好ましくは、ポリエチレングリコール溶液のpHは約3以下、
より好ましくは約3未満、さらに好ましくは約2から約2.5とする。小さいp
H値を用いる場合、発酵副生物は容易にイオン交換樹脂を通過し、一方大きいp
H値(5以上のpH値)においてアニオン交換樹脂を用いると、発酵副生物のい
くらかが不可逆的にアニオン交換樹脂に結合して使用期間を短かくしてしまう。
本発明に用いるのに好ましいカチオン交換樹脂には、例えば、IBF SP 5
pherodex、 Pharoacia 5P−3ephadex。
Indion 5P−2,IBF 5P−Trisacrylその他がある。本
発明に用いるのに好ましいアニオン交換樹脂には、例えば、IBPQ 5phe
rodex、 Pharmacia Q−3phadex、 Indion Q
−2,1B[’ Q−Trisacryl その他がある。
本発明の方法は、微生物学的に生成されるキモシンの回収および/または純化に
有用である。微生物学的に生成されるキモシンを回収および純化する際、全発酵
ビールまたは混合物はその粗形性で使用でき、所望ならば、発酵混合物をまず濾
過してほとんどあるいは全ての固形分を除去した後に液体の濾液を使用してもよ
い。
本発明の1つの側面において、発酵ビールに有効量のポリエチレングリコール(
PEG)と有効量の無機塩を加えて2相系を形成することにより、微生物学的に
生成されるキモシンを回収する、得られた溶液は放置されてキモシンリッチで発
酵ポリペプチドブアのポリエチレングリコール相とキモシンブアで発酵ポリペプ
チドリッチの瑞相とに分離される。次にキモシンリッチで発酵ポリペプチドブア
のポリエチレングリコール相が従来の技術によって回収される。
これらの条件下において、前記ポリエチレングリコール相において85より大、
好ましくは100より大のキモシンの分配係数か達成されることがわかった。ポ
リエチレングリコール抽出は大きいpH値(すなわちp++e5以上)でキモシ
ンを回収するのに有用であるが、pH3未満でキモシンを回収するのにより有効
である。そのような小さいpH値において、1000あるいはそれを超えるまで
の分配係数が達成され得る。大きい分配係数は特に好ましい。と言うのは、大き
い分配係数により、発酵ビールからのキモシンの所望の分離を達成するのに少量
のポリエチレングリコールで済み、次の段階としてポリエチレングリコールから
のキモシンの分離が促進される(すなわち、分離すべきポリエチレングリコール
が少なくて済む)からである。
1回の抽出の結果、ポリエチレングリコールは発酵ビールに元から存在する全キ
モシンの95%以上を含み得ると共に、発酵ビールからの発酵ポリペプチドまた
は発酵副生物をあったとしてもほとんどない程度に含むのみとなる。このように
、発酵ビールに含まれる微生物学的に生成されるキモシンのほぼ全部を回収する
手段を提供するのみならず、本発明はまた、発酵ビールからのキモシンの選択的
回収をも提供する。キモシン回収のこの選択性は、発酵ビールからキモシンを回
収することを可能にするのみならす、発酵中に共生成された発酵副生物および発
酵ポリペプチドのほとんどからキモシンを分離することを可能にする。このよう
に、本発明によるキモシンの回収は、抽出前、すなわち発酵ビール中における発
酵ポリペプチドおよび発酵副生物によるキモシンの汚染に比べてそれらによるキ
モシンの汚染が約7590以上少ない(好ましくは約9006以1少ない)ポリ
エチレングリコールを目を与える。
本発明のもう1つの側面において、抽出されたキモシンを含むポリエチレングリ
コール相か他の相から分離され、このポリエチレングリコール相が、キモシンが
イオン交換樹脂に結合するようなpilに調整しながら、イオン交換樹脂と接触
される。これらの条件下でポリエチレングリコール□は帯電していないので、ポ
リエチレングリコールはイオン交換樹脂を通過し、ポリエチレングリコールから
のキモシンの純化か達成される。このように、抽出されたキモシンを含む単離し
たポリエチレングリコール和か、キモシンがイオン交換樹脂に結合する条件下で
、イオン交換樹脂と接触されると、略合でのキモシンかポリエチレングリコール
から出て来てイオン交換樹脂に結合し、ポリエチレングリコールはイオン交換樹
脂カラムを通過する。最初の接触後、好ましくはイオン交換樹脂からキモシンを
除去せずに、残るポリエチレングリコールを除去するため、イオン交換樹脂は水
または水と塩で洗浄される。次に、キモシンは、キモシンをイオン交換樹脂から
除去するp)Iに維持された緩衝剤と塩溶液を用いて、カラムから溶離される。
キモシン回収の高選択性により、イオン交換樹脂の勾配溶離または段階的溶離を
用いる必要かない。と言うのは、ポリエチレングリコール相てイオン交換樹脂と
結合し、その後イオン交換樹脂から遊離されるほぼ唯一の酵素または物質はキモ
シンだからである。従って、塩溶液を用い、(もちろん、カチオン交換樹脂を使
うかアニオン交換樹脂を使うかによって) pilを上げるか下げるかしてイオ
ン交換樹脂に結合したキモシン全部を1ハツチで溶離させるワンバルク工程でキ
モシンを溶離てきる。好ましくは、溶離の速度または程度を援助するため、ある
いは、ある場合(すなわちアニオン交換樹脂を用いて)イオン交換樹脂からのキ
モシンの溶離を行わせるため、溶離溶液に塩を加える。好ましくは、溶離溶液と
共に塩か使用される。と言うのは、キモシンは通常塩溶液の形態で販売されてお
り、従ってこの段階でキモシンに塩を取り込むことは好都合である。
プロセス全体を通して大きいpH(約6.5までのpH)か使用できるか、発酵
ビールからキモシンを抽出する際のポリエチレングリコール/無機塩混合物の効
率、よってプロセスの効率は、抽出工程全体を通して小さいpilが保たれた場
合程高くはない。従って、プロセス全体の効率を高めるため、小さいpil、よ
ってカチオン交換樹脂を使用するのか好ましい。
約3以下のpHてポリエチレングリコール抽出を行い、分離されたポリエチレン
グリコール相をpilを小さく保ちなからカチオン交換樹脂と接触させることに
よって本発明の上記好ましい側面を組合わせると、1回のポリエチレンクリコー
ル抽出およびイオン交換樹脂との1回の(single−pass)接触で、最
初の発酵ビールに存在していた全キモシンの90〜95%を回収できることかわ
かった。
一方、ポリエチレングリコール抽圧工程に大きいpHを用い、さらにキモシンの
等電点より大きいpHに維持しながらアニオン交換樹脂を使用しても、許容でき
る結果か得られる。しかしながら、その場合には、不可逆的に結合した発酵副生
物の蓄積によってアニオン交換樹脂の耐用年数は減じられる。キモシンを抽出す
るのに大きいpilを使用する場合、前述した問題は、ポリエチレングリコール
抽出物のpilをキモシンの等電点より小さくシ(好ましくは約3.6以丁、よ
り好ましくは約3以下)、次にキモシンをカチオン交換樹脂と接触させることに
よって回避できる。
前述したポリエチレングリコール/無機塩混合物を用いることによるキモシン回
収の高い効率に加えて、ポリエチレングリコール中のキモシンの溶解度か大変高
くてキモシンか水性ト目からポリエチレングリコール相に急速に移動することが
わかった。ポリエチレングリコール相へのキモシンの抽出に8要な時間は通常大
変短いので、それは重要なプロセス設計ファクターではない。従って、この方法
は大変有効で実施に際して経済的であり、商業生産へと容易にスケールアップさ
れる。
明らかなように、p旧二関係なく、本発明の方法は、水性混合物からより疎水性
のポリエチレングリコール相へのキモシンの移動を伴う。これは、少なくとも一
部は、非ポリエチレングリコール柑の塩濃度によって促進される。小さい分子量
のポリエチレングリコールを使用すると、ポリエチレングリコールは疎水性か小
さくなり、非ポリエチレングリコール相中の高い塩濃度か必要となって、実施の
コストを上げる。大きい分子量でより疎水性のポリエチレングリコールを使用す
ると、より少ない塩で済むが、高分子量ポリエチレングリコールの高粘度のため
に分離速度が小さくなる。このように、本発明の方法は、所望のポリエチレング
リコール分子量、塩濃度そして所望の経済性を与える他のパラメータを選択する
ことにより、どのような特定のオペレーションにも最適化できる。1つの目的は
、ポリエチレングリコール相へのキモシンの移動に必要な時間を最小にすること
であるか、もう1つの目的はポリエチレングリコール相にほとんと全てのキモシ
ンを移動させるのに用いられる塩の二を最小にすることである。非ポリエチレン
グリコール相中の塩濃度は20vt%以上にもすることかできるか、通常適切な
ポリエチレングリコールと共に用いて約15%未満とする。例えば、P E G
−8000と共に用いて約10〜13%の硫酸ナトリウムが適当である。一方、
最少無機塩濃度は、ポリエチレングリコールによって2相系を形成するのに必要
な塩の濃度によって決定される。しかしながら、好ましい実施態様において、無
機塩濃度は、発酵ビールの容積を基準にして約85から約20の対容積重量%(
weightto volume percent)である。
また、好ましくは、用いられるポリエチレングリコール濃度は、発酵ビールの容
積を基準にして約20対容積重二%未満、より好ましくは約15対容積重二%未
満である。経済性および後の分離の容易性の点から、ポリエチレングリコールは
できる限り少なく使用するのか好ましい。使用されるポリエチレングリコールお
よび無機塩の正確な濃度は、当業者によって容易に決定(7得る。
キモシンがイオン交換樹脂と結合した後、イオン交換樹脂を通過したポリエチレ
ングリコール相を集め、そして活性炭などの化学種で処理して付加的不純物を除
去するかまたは集めたポリエチレングリコ・−ル相を直接出発材料の他のバッチ
に加えることにより、ポリエチレングリコール相は回収されそして再使用され得
る。
同様に、イオン交換樹脂は、適切なpHに調整された水溶液でイオン交換樹脂を
洗浄することにより、キモシンを含むポリエチレングリコールの次のバッチに使
用するため再生できる。例えば、カチオン交換樹脂を使用する場合、pHを約2
にするのに十分な硫酸を含む水溶液で洗浄することにより該カチオ〉・交換樹脂
は再生できる。
ポリエチレングリコールのリサイクリングとイオン交換樹脂の再使用を可能にす
る本発明のL記側面により、本発明の方法は、キモシン(特に微生物学的に生成
されるキモシン)の工業的量の純化のための有効な商業的および工業的オペレー
ションに特に有用となる。
本発明について概要を述べてきたか、以下の実施例に示される実施態様を参照す
ることにより、本発明がより明確に理解されよう。しかしながら、本発明の範囲
は添付の請求の範囲によって決定されるものであり、以下の実施例は、本発明か
実施できる特定の様態の単なる例示に過きない。
本実施例は、水性2相ポリエチレングリコール抽出とそれに続くイオン交換樹脂
との接触を用いて食品グレートキモシンを生産するキモシン回収方法を記載する
。キモシンはAspergillus Niger var、 awamorj
の発酵から回収される。
プロセスは、30001 発酵槽と約25001 のブロスノ\−ベスト容積(
broth harvest volull+e)で記載する。発酵か完了する
と、硫酸および酢酸の添加によりpHを2.0〜2,5に調整することにより、
ブロス(broth)を不活性化する(米l特許出願第07/385,945号
、 Lavlis等により1989年6月13日出願(開示内容は本出願に引用
)をり照のこと)。この不活性化状態を1時間、発酵温度において空気流れ中で
保持する。この不活性化は、汚染物をこわすために十分な実行可能な細胞減少(
viable cell reduction)を達成する。
不活性化の後に、pl+を20〜2.5に維持する。不活性化は、約125kg
の硫酸と25kgの酢酸を必要とする。
P E G 8000/硫酸ナトリウム系を用いてpH2,0〜2.5において
水で3×に稀釈し、その後、4%重量/容積のPEG3000 (75kg)と
105%重量/容積の無水硫酸ナトリウムを加えることにより、ブロスを抽出す
る。PEG/塩系とブロスを混合すると、短時間でキモシンかPEG相に抽出さ
れる。この2相混合物を、抽出遠心機を用いて分離する。
キモシンリッチの軽PEG相をさらなる処理のために集める。このプロセスを用
いてPEG抽出のために25001 のブロスを約75001 に稀釈し、約7
001のPEG柑抽出物を得る。
この抽出物は脱イオン水て3×に稀釈され、イオン交換工程の前にセルロース
パッドを通して濾過される。濾過された抽出物を、40〜100ミクロンの粒径
を有するIBFSpherodex SPカチオン交換樹脂の1.01カラムに
通す。充填したカラムを、pH2の3016%NaCj7溶液で洗浄する。
このカラムをpH6,0において50mMリン酸塩緩衝剤と2MNaCf1で溶
離する。イオン交換樹脂の能力は樹脂1−当り約60gのキモシンまでである。
キモシンを含む溶離画分を次の処理のために集める。カラムは、硫酸でp)12
に調整された水で洗浄することによって再使用のため再生される。
溶離されたキモシン溶液は商業的食品グレード使用のため1796NaCΩとさ
れるか、所望ならば他の目的用に処理される。
実施例2
本実施例は、本発明の方法により得られる、PEG相へのキモシンの高分配を示
すものである。実施例1と同じ発酵ブロスを用いて同しように不活性化し、以下
の抽出を、全ブロス(サンプル])および回転真空ドラムフィルターからの全ブ
ロスの濾液(サンプル2および3)に対して行った。3つのサンプル全てを処理
のためpl+2に維持し、5%重量/容積のP E G 8000および10%
重量/容積の硫酸ナトリウムて抽圧した。サンプル1および2をボトル遠心機(
RC3B)で相分離し、サンプル3を5A−1連続実験遠心機で分離した。
容 積 (活性) 全キモシン 回 収金ブロスの抽出
粗供給物 10 30 300
処理済供給物 15 13 195
PEG棺 1..7 206 350 117残り 13 1 、5 1−9
5
マスバランス=122
a液の抽出
粗供給物 14 1.3.7 1.92PEG相 3.3 49 164 85
残り 11..3 0.78 9 5
マスバランス−90
に−62
容 積 (活性) 全キモシン 回 収(ρ) (CHU# ) (CHtl)
(%)サンプル3:
at&の抽出
粗供給物 430 7.16 3078PEG相 62 52.3 3127
104残り 385 0.24 96 3
マスバランス−107
に−201
(CI−111−Chris、 )Iansen単位−!:l CHU/ml
、以下の条件下基 体+110gの低温スプレー乾燥、スキムミルク粉末をIC
ICl0n+2の0.05%塩化カルシウムに懸濁させる。このミルクを室温で
30分間撹拌し、そしてさらに30分間放置する。このミルクは4〜25℃の範
囲の温度で3時間以下の期間貯蔵しなければならない。
温 度:恒温水浴中で32±0.2℃
酵素添加: 0.5 mlの酵素溶液を25m1の戻したスキムミルクに加え、
稀釈して380〜500秒の凝固時間を与える。
(410〜460の凝固時間を与える)ある値の測定に用いた方法は曖昧であっ
ておよその値を与えるものであるため、上記マスバランス(mass bala
nce)は100%ではない。しかしながら、上記試験は、試験方法の実験誤差
を許容する本発明によって達成されるキモシンの相対分配を表わしている。
実施例3
本実施例では、脱イオン水で稀釈し濾過した実施例1と類似のPEG相を、I)
H−2の脱イオン水中で平衡させられた各樹脂1mlのカラムに通した。流れ速
度は1.0ml/分であり、pH−2,0の脱イオン水て洗浄した。pH−5,
8、2MNaCj7.50mMリン酸ナトリウム(Pi)で溶離した。
樹脂:
IBF SP−円IARMAcIA INDION IBF 5P−8PHER
ODEX 5P−3EPHA、 5P−2TRl5ACRYL稀釈 稀釈 稀釈
稀釈
1:21+41:21・4L:21:41.:21=4充 填(mgs)
34.3 34,3 34.3 34J 34.3 34,3 34.3 17
.S未結合(mgs)
9.8 3.82 2B、5 0.31234y8 17.6 27.3 0.
33B溶 離(mgs)
2B、5 26 8.84 21.2 0.32 1.05 10.fl Iア
、3マスバランス(%)
1013 87 103 83 102 54 11.1 100実施例4
本実施例は、多段階溶離を以下のように行った以外は実施例3と同じである。す
なわち、 670m1の5P−3pherodex樹脂;充填および溶離@ 4
50m1.分:1.:4PEG抽出物の稀釈pH−2,0充填(load 1:
4 dilution orPEG ExtractpH−2,0) +脱イf
ンH20pH2,0,2M N a CN I)t(2,0で洗浄;2M Na
CI、200d P i、 pH5,8で溶離。
# 記 述 容積(!:l) CHI/Ω CHUl 開始 240 1]、、
072658.82 (空隙) 1 170 0.89 117.33 (空隙
)260 7.21 432.84 脱イオン水洗浄 2.5 0 0
5 NaCfI洗浄 7.4 4.89 311i、1811i6 溶離#1
1 1347 13477 溶離#2 1 924 924
8 溶離#3 1 214 214
9 溶離#4 1 108108
10 溶離$5 1 25.6 25.611 溶離#6 1 13.8 13
.8マスバランス゛ L21.14
収率(結合物の%) : 127.13能力(MG/ML) : 51.08
実施例5
本実施例は、860m1のPEG抽出物を1%′″Nuchar SA−木炭で
30分間処理し、濾過し、に3に稀釈し、次に3.2(7)の床法を有する2、
5mlの樹脂のカラムに供給した以外は実施例4と同しである。結果は以下の通
りであった。
# 記述 容積(1)■/1 ■S
1 開始 2.800 75 195
2 (空 隙) 2.6り0 22.5 58.53 脱イオン水 20 15
.7 0.3144 塩 30 137 4.11
5 複合物 36 3.667 132.0(280CHLI/ml)
32g
(結合の収率): 〜□(100) −96,7%2.5ml
実施例6
実施例2の抽出手順と同様であるが、約5,8のp++を使用して、下記の酵素
を水溶液から液体−液体2相系のポリエチレングリコール相に抽出して以下の結
果を得た(純粋酵素を使用)。
酸 素 タンパク 活 性 分配係数
<ff1g/ ml ) CHIJ/ mll子牛モモシン 1.7 28 8
7
牛ベプンン 1. 、9 3 ]−31、5豚ペプシン 2.3 29.7 1
.45E、parasitica
M、m1ehei
この実験をくり返したが、今度はpHを2〜2.5にして以下の結果を得た。
酸 素 タンパク 活 性 分配係数
(mg/ml) Cl4U/ml
子牛キモシン 1.2 89 >943牛ペプシン IJ 50 >482
豚ペブンン 1..8 23.7 >208E、parasiNca
M、m1ehej
上記結果は、キモシンが優れた分配係数(すなわち、p)158あるいは2〜2
,5て約85より大)を与え、一方、牛ペプシンおよび豚ペプシンは小さいpH
でのみ優れた分配係数を与えることを示している。しかしなから、牛ペプシンも
豚ペプシンも発酵ビールにみられるポリペプチドではない。
一方、上記データはまた、微生物レンネット(すなわち、E、 parasit
icaアスパラギン酸プロテアーゼ(asparticprotease)およ
びM、 m1eheiアスパラギン酸プロテアーゼ)か試験された小さいp)I
および大きいpl+で大きな分配係数を有しないことを示している。
実施例7
次の実施例は、Aspergjllus Nlger var、 awamor
iの発酵ビールにみられるグルコアミラーセ(CAM)、α−アミラーゼ、酸性
ホスファターゼ、レウアミノペプチダーセアミラーゼ(leu amino p
eptjdase aI[1ylase) 、そしてキモシンについて、pH2
、5と55での分配係数の直接比較に関する。下記の例外を除いて、抽出は、実
施例2と同様に行っサンプル 開始(濃度) CHD/ml 分配係数1)!+
2.5“細胞なし 798
pH5,5w4胞なし 5.9 92
pn 2.5 ”細胞 6.3 98
pH5,5°細胞 5.9 88
α−アミラーゼ
pH2,5“細胞なし 19.4[100に近いpH5,5”細胞なし 19.
400 01.m近いpH2,5b細胞 19.400 0 +、:近いpH5
,5°細胞 19.400 0 +、:近いp142.5 ”細胞なし 3,7
77.5 0i:近いpH5,5’細胞なし 3.777.5 0.QQ145
IpH2,5”ME胞 3.777.5 0.0fl19Hp85.5 ’細胞
3.777.5 0.(](H]98[)pl+ 2.5 ”細胞なり、 5
94 01.:近いp)15.5′細胞なし 594 0に近いp++ 2.5
b細胞 594 0!:近いp++ 5.5 c細胞 594oに近いpH2
,5“細胞なし 1.639 0に近い1)85.5 ”細胞なし 1,639
0.000182pH2,51′細胞 1.839 01:近いpos、s°
細胞 1.[i39 0 ’:近いa−まず細胞を殺すことなく細胞を除去する
ために遠心分離した発酵ビール。
b−遠心分離していない発酵ビールで細胞はまた生きているもの。
C=遠心分離していない発酵ビールで細胞はまだ生きているもの。
d−マイクログラム グルコース7ml7分で表示した開始濃度。開始濃度(全
ての酵素)はpH5、5で測定した。
上記データは、キモシンかポリエチレングリコール相に分配され、発酵ビールの
他の酵素はポリエチレングリコール相に分配されないことを示している。このデ
ータは、発酵ポリペプチドの存在下で、キモシンかポリエチレングリコール相に
選択的に分配されることを立証している。
実施例8
pH5,8のAspergillus Niger var、 awamori
の1gアリコートをRC−3B遠心機(Sorvall)で約5000X gに
て約15分間遠心分離して細胞(殺さずに)を除去した。得られた発酵ブロス(
fermentation broth)を約37°Cにあたためた。
この溶液に、硫酸ナトリウム(10,5対容積重量%)とPEG3000 (4
対容積重量%)を加えた。この溶液を成分が溶解するまで混合させた。次にこの
溶液を5000X gの遠心分離に約15分間(遠心機で)供し、得られた相の
分離を促進させた。キモシンリッチポリエチレングリコール相(上部相)を塩リ
ッチ相(上部相)から、バースタルティックポンプ(perstaltic p
ump)を用いて上部相を除去することにより、分離した。上部相の半分(45
ml)を蒸留水で1=3に稀釈し、501IIMリン酸ナトリウムI)H5,I
llで平衡させた2、5ml Pharmacia Q−8epharoseカ
ラムに充填した。このカラムを同じ緩衝剤の14カラム容積で洗浄した。キモシ
ンを50mMリン酸ナトリウム、pH5,8,2M N a (17で溶離した
。
溶離剤の容積は45m1であった。結果は以下の通りである。
容積 活性全キモシン回収
(ff ) (CHU/m1.) (%)(粗ブロス) l 11.[111,
600100抽出物 0.0925 102.9 9,775″ 84ラフイネ
ート 0.925 0.53 490 4Q−seph 、空隙 0.1.01
1.54 3Q−seph、溶離液 0.045 75 3.375 69’
全回収 58
マスバランス 69
分配係数(K) 約1901
e−前述したように、抽出物の半分のみしか使用しなかった。つまり、キモシン
の半分のみ(9775/ 2または4887CHU)をアニオン交換樹脂に施し
た。
f−抽出物にみつかったキモシンの量と比較して69%回収が収率である。
g−約200以上の分配係数は、検定限度のために正確に測定するのか困難であ
る。すなわち、分配係数は上部相のキモシンの濃度を上部相のキモシンの濃度で
割った比であるため、そしてさらに上部相のキモシンの量は通常大変少ないため
、この上部相のキモシンの濃度の小さい変化か分配係数の大きな振れを生じさせ
る。さらに、検定原理により決定される濃度は特に大変小さい濃度において変動
にさらされる。
上述した手段に従うと、実質的に純粋なキモシンが回収される。すなわち、キモ
シンは少なくとも約90vt%の純度を有し、好ましくは少なくとも約95wt
%の純度を有し、不純物を除くためのさらなる重大な処理を行うことなく商業的
使用のために調製できる。商業的キモシン生成物は通常、1ガロン当り約5gま
たは11キモシン当り約1.5gに稀・釈する。塩(通常NaCΩ)a度は、通
常約18%までにされ、防腐剤(例えば安息香酸ナトリウムのような)を加える
。食品グレード使用を意図した最終濃縮生成物は通常、最終a過にも供されて、
存在するあらゆる望ましくない固形分または粒子を除かれる。
国際調査報告