JPH0550023U - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉鋼板の平板状帯材と前記薄肉鋼板を波形
状に加工した波板状帯材と排気ガスの接触をよくし排気
ガスの浄化効率を向上する。 【構成】 排気ガス入口部材１と、排気ガス出口部材２
の部材間に筒状の容器３が配置されている。この容器３
の内部には、排気ガス浄化のためのハニカム状触媒体４
が密に嵌合した状態で配置され、このハニカム状触媒体
４は薄肉平板状の金属板７と波形状の金属板８を交互に
巻回し配置して軸方向に多数の開口９を有する筒状のハ
ニカム担持体４とし、このハニカム担持体４の波形の金
属板８を中央帯８ａの左右に交互に足状片８ｄ，８ｅを
備える。 【効果】 排気ガスは、足状片８ｄ，８ｅの端縁部に衝
突して乱流が発生し、金属板８に十分に接触する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関における排気ガス浄化用触媒物質を担持する担持体を高温 に耐えうる鋼板によって形成したハニカム担持体とし、このハニカム担持体を触 媒物質で被覆して排気ガスを浄化するハニカム触媒体を備えた排気ガス浄化装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車等の内燃機関の排気ガスの有害物質を浄化する排気ガス浄化装置として 、従来より触媒を担持する担持体をハニカム状の金属体とするものがある。この 種の排気ガス浄化装置に使用されるハニカム担持体は、耐熱性の薄肉鋼板の平板 状帯材と前記薄肉鋼板を波形状に加工した波板状帯材とを、相互に当接部を有す るように重積し、これを巻回すことにより軸方向に排気ガス通路のための多数の 開口を有するよう製作されている（例えば、特公昭６３−４４４６６参照）。

【０００３】 そして、このハニカム担持体に触媒物質を被覆してハニカム状触媒とし、さら にハニカム状触媒を両端が開口した筒状の金属ケ−スに収納し、排気ガスの高温 度および排気ガスと浄化用触媒との発熱反応などによる熱膨張や熱的応力に耐え るように、また自動車走行時の振動などに耐え得るようにろう接などにより強固 に固着されてハニカム状触媒体とされる。その後、ハニカム状触媒体を自動車の 排気管と接続される排気ガス浄化装置のケ−スに収納し、ハニカム状触媒体とケ −スに密に嵌合した状態で保持されて排気ガス浄化装置が構成されていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のハニカム担持体の構成では、排気ガスと鋼板との接触が 不十分で、ハニカム担持体に触媒物質を被覆してハニカム状触媒とした触媒の浄 化効率を向上することができず、しかもハニカム状触媒のうち十分生かされない 部分が生じるという不具合があった。

【０００５】 本考案は、この様な問題を解決するために案出されたものであり、その目的は 、薄肉鋼板の平板状帯材と前記薄肉鋼板を波形状に加工した波板状帯材と排気ガ スの接触をよくし排気ガスの浄化効率を向上することができる排気ガス浄化装置 を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、高温に耐える薄肉平板状の金属板と波 形状の金属板とを交互に巻回し配置して軸方向に多数の開口を有する筒状のハニ カム担持体とし、このハニカム担持体を触媒物質で被覆してなる排気ガス浄化装 置において、前記波形状の金属板は、薄肉平板状の金属板から軸方向に延設され た中央帯と、この中央帯の左右に切り起こされた複数の足状片とを備えてなるも のであることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

以上の構成によれば、自動車等の内燃機関の有害成分を含む排気ガスがハニカ ム状触媒の薄肉平板状の金属板と波形状の金属板との間を流通するとき、排気ガ スは、複数の足状片の端縁部に衝突することによって乱流が発生し、金属板の間 をじぐざぐ状に流れる結果、金属板との接触がよくなり浄化効率を向上すること が可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。図１ないし図３は 、この考案にかかる内燃機関の排気ガス浄化装置の一実施例を示している。同図 において、１は排気ガス入口部材、２は排気ガス出口部材であり、これらの部材 間には大径筒状の容器３が一体的に配置されている。この容器３の内部には、排 気ガス浄化のためのハニカム状触媒体４が密に嵌合した状態で配置されている。

【０００９】 そして、ハニカム状触媒体４の上流側（図中で左側）中央には電線接続端子５ ａが設けられ、容器３の上流端上部には他の電線接続端子５ｂが設けられており 、両接続端子５ａ，５ｂは電線６によって接続されている。

【００１０】 前記ハニカム状触媒体４は、高温に耐える薄肉金属板の平坦な金属板７と波形 状の金属板８を径方向に交互に配置して軸方向に多数の開口９、９を形成するよ う構成されたハニカム担持体１０とし、このハニカム担持体１０を両端が開口し た筒状の金属ケ−ス１１に収納してろう接などにより強固に固着し、ハニカム担 持体１０をパラジュウム（Ｐｄ）、白金（Ｐｔ）、ロジュウム（Ｒｈ）等を用い た触媒物質で被覆して触媒加工をしてなる。

【００１１】 前記波形状の金属板８は、薄肉平板状の金属板から軸方向に延設された中央帯 ８ａと、この中央帯８ａの左右に複数の切込み８ｂ，８ｃを形成することによっ て切り起こされた足状片８ｄ，８ｅとを備えてなっている。この結果、軸方向に 多数の開口９面に向けて波形の金属板８の端縁部１２、１３、１４、１５が表出 される。この実施例では、足状片８ｄ，８ｅが中央帯８ａの軸方向および左右で 交互に切り起こされているが、左右の足状片を軸方向の同位置に形成してもよい 。 以上の構成において、排気ガス入口部材１側から流入した排気ガスは、筒状 の容器３のハニカム状触媒体４を通過する祭に触媒物質と接触して浄化される。 前記ハニカム触媒体４を通過する際に波形状の金属板８の中央帯８ａの左右の交 互に足状片８ｄ，８ｅを形成し、軸方向に多数の開口９面に波形状の金属板８の 端縁部１２、１３、１４、１５を表出させたので、図３中で矢印図示方向に流れ る排気ガスは波形状の金属板８の端縁部１２、１３、１４、１５に衝突して乱流 を起こし、軸方向に配置された多数の開口９内をじぐざぐ状に流れる結果、金属 板との接触がよくなりハニカム状触媒体４全体と排気ガスとが十分に接触して浄 化効率を向上させる。

【００１２】 また、排気ガスが低温で触媒反応に十分な温度でないときは、電線接続端子５ ｂから電線６を通しハニカム状触媒体４の中央の電線接続端子５ａへ電流を加え ることによりハニカム担持体１０が金属で構成されているので、ハニカム担持体 １０が発熱して触媒反応に十分な温度となり浄化効率の向上となる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の実施例によって詳細に説明したように、この考案による排気ガス浄化装 置にあっては、ハニカム触媒体を通過する際に波形状の金属板８の中央帯８ａの 左右に足状片が形成されているので、ハニカム触媒体の軸方向の多数の開口面に 波形状の金属板の端縁部を多数表出され、この金属板の端縁部に排気ガスが衝突 することによってハニカム触媒体内で乱流が生じハニカム触媒体との接触がよく なり浄化効率が良くなるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による排気ガス浄化装置の断面図であ
る。

【図２】図１の要部の拡大された断面図である。

【図３】図２に示された波形状の金属板の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 排気ガス入口部材 ２ 排気ガス出口部材 ３ 筒状の容器 ４ ハニカム状触媒体 ７ 平板状の金属板 ８ 波形状の金属板 ８ｄ，８ｅ 足状片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高温に耐える薄肉平板状の金属板と波形
   状の金属板とを交互に巻回し配置して軸方向に多数の開
   口を有する筒状のハニカム担持体とし、このハニカム担
   持体を触媒物質で被覆してなる排気ガス浄化装置におい
   て、前記波形状の金属板は、薄肉平板状の金属板から軸
   方向に延設された中央帯と、この中央帯の左右に切り起
   こされた複数の足状片とを備えてなるものであることを
   特徴とする排気ガス浄化装置。