JPH0550006A - セツテイングブース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装ブースから侵入する未塗着塗料や乾燥炉
から侵入する煤塵がセッティングブースにおいて被塗物
に付着することを防止する。 【構成】 セッティング室３１の内部を浮游する未塗着
塗料等は、パンチングメタル１６およびフィルタ１７を
通過した清浄な下降気流と共に流下し、被塗物Ｂに付着
することなく捕集室２１に流入する。気流中に含まれる
未塗着塗料等は、捕集室２１で給水タンク２６からオー
バーフローして導水板２７に沿って流れる捕集水に接触
して捕集され、外気への放散が防止される。セッティン
グ室３１の上部にはパンチングメタルを山形に形成した
偏向部材３３が設けられ、この偏向部材３３で下降気流
を被塗物Ｂから逸らせることにより、被塗物Ｂの未乾燥
の塗膜に含まれる溶剤を均一に蒸発させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、塗装ブースと乾燥炉と
の間に設けられ、前記塗装ブースにおいて被塗物に塗装
された塗料を前記乾燥炉で焼付処理する前に自然乾燥さ
せるセッティングブースに関する。

【０００２】

【従来の技術】図４に示すように、自動車のバンパーＢ
のような車体部品の塗装工程では、バンパーＢをコンベ
アの台車０１に搭載して直列に形成された塗装ブース０
２、セッティングブース０３、および乾燥炉０４を順次
通過させながら塗装処理を行っている。塗装ブース０２
の塗装室０５では塗装ロボットを用いてバンパーＢに塗
料が吹き付けられ、塗装ブース０２の内部に浮游する未
塗着塗料は上方の供給ダクト０６から流下する気流とと
もに捕集室０７に流入し、そこで捕集水により捕集され
る。続いて、バンパーＢはセッティングブース０３に搬
入され、そこで表面に塗着した塗料を自然乾燥させて塗
料中の溶剤を均一に蒸発させた後、乾燥炉０４に搬入さ
れて加熱空気により前記塗料の焼付処理が行われる。塗
装室０５には除去しきれなかった未塗着塗料が浮游して
おり、また乾燥炉０４の加熱空気には煤塵が含まれてい
るため、それら未塗着塗料や煤塵がセッティングブース
０３に流入してバンパーＢの塗膜に付着するのを防止す
べく、塗装ブース０２とセッティングブース０３の間、
およびセッティングブース０３と乾燥炉０４の間に、ノ
ズル０８から噴出する空気によってエアカーテンが形成
される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにセッティングブース０３の入口と出口にエアカー
テンを設けても、塗装ブース０２からの未塗着塗料の侵
入と乾燥炉０４からの煤塵の侵入を完全に阻止すること
は困難であり、それら未塗着塗料と煤塵がバンパーＢの
未乾燥の塗膜に付着して塗装品質を低下させる問題があ
った。

【０００４】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、セッティングブースにおいて被塗物の塗膜に未塗着
塗料や煤塵が付着することを防止して塗装品質の向上を
図ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、塗装ブースと乾燥炉との間に設けられ、
前記塗装ブースにおいて被塗物に塗装された塗料を前記
乾燥炉で焼付処理する前に自然乾燥させるセッティング
ブースにおいて、フィルタを通過して浄化された気流が
流下するセッティング室と、このセッティング室の下部
に設けられて前記気流中に含まれる未塗着塗料等を除去
する捕集室とを備え、前記セッティング室には被塗物の
上方を覆うように多孔板を山形に形成した偏向部材が配
設されるとともに、前記捕集室には給水ポンプにより循
環する捕集水が案内される傾斜した導水板が配設される
ことを特徴とする。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。

【０００７】図１〜図３は本発明の一実施例を示すもの
で、図１は塗装処理装置の側面図、図２は図１の２−２
線断面図、図３は図１の３−３線断面図である。

【０００８】塗装処理装置は直列に接続された塗装ブー
ス１、セッティングブース２、および乾燥炉３を備え、
その床面を構成するスノコ４に中央上面に被塗物である
自動車のバンパーＢを載置して搬送するコンベア５が設
けられる。コンベア５は基台６の上面に敷設した４本の
ガイドレール７に車輪８を案内されて走行する台車９を
備え、その台車９の上部に設けた支持部材１０にバンパ
ーＢが支持される。基台６の内部に配設されてモータ１
１で駆動される無端チェン１２には、前記台車９が連結
されてガイドレール７に沿って走行する。

【０００９】図２から明らかなように、塗装ブース１は
上壁１３、下壁１４、および左右の側壁１５によりトン
ネル状に形成され、その上部をパンチングメタル１６と
フィルタ１７で上下に仕切ることにより、上壁１３とパ
ンチングメタル１６間に動圧室１８が、パンチングメタ
ル１６とフィルタ１７間に静圧室１９が画成される。ま
た、フィルタ１７とスノコ４間に塗装室２０が画成され
るとともに、スノコ４と下壁１４間に捕集室２１が画成
される。

【００１０】塗装ブース１の上壁１３に図示せぬブロア
から延びる供給ダクト２２が接続され、この供給ダクト
２２から動圧室１８に供給された空気は、パンチングメ
タル１６を通過して下向きの滑らかな気流に整流されて
静圧室１９に供給され、更にフィルタ１７を通過して塵
芥を除去された清浄な気流となって塗装室２０に供給さ
れる。

【００１１】塗装室２０のコンベア５の両側に位置する
基台２３上には、スプレーガン２４備えた複数の塗装ロ
ボット２５が配設される。

【００１２】捕集室２１の左右の側壁１５に沿って設け
られた一対の給水タンク２６には、捕集室２１の中央に
向けて前下がりに傾斜した導水板２７がそれぞれ設けら
れ、該導水板２７の互いに対向する先端間には捕集水が
落下する隙間が形成される。そして、捕集室２１の底部
と前記給水タンク２６とは、給水ポンプ２８およびフィ
ルタ２９を介装した給水管３０により接続され、捕集室
２１の底部に溜った捕集水は給水ポンプ２８により給水
タンク２６に還流する。

【００１３】図３から明らかなように、セッティングブ
ース２の内部構造は前述の塗装ブース１の内部構造と類
似しており、上壁１３、下壁１４、および左右の側壁１
５により区画された内部には、供給ダクト２２が接続さ
れる上壁１３とパンチングメタル１６間に動圧室１９
が、パンチングメタル１６とフィルタ１７間に静圧室１
９が、フィルタ１７とスノコ４間にセッティング室３１
が、スノコ４と下壁１４間に捕集室２１がそれぞれ画成
される。また、セッティングブース２の捕集室２１に
は、塗装ブース１の捕集室２１と同様に捕集水を循環さ
せるため給水タンク２６、導水板２７、給水ポンプ２
８、およびフィルタ２９が設けられる。

【００１４】セッティング室３１におけるコンベア５の
上部には、フィルタ１７の下面から複数の支柱３２を介
して偏向部材３３が吊設される。偏向部材３３はパンチ
ングメタルを山形に屈曲して形成したもので、コンベア
５により搬送されるバンパーＢの上部を覆うように配設
される。

【００１５】セッティング室３１の前後端すなわち塗装
ブース１との境界部と乾燥室３との境界部の近傍におい
て、フィルタ１７を上方に円弧状に湾曲させてなる湾曲
部３４が左右方向に形成される。この湾曲部３４により
下向きの気流が集束し、その流速が部分的に増加するこ
とによりエアカーテンが形成される。

【００１６】次に、前述の本発明の実施例の作用につい
て説明する。

【００１７】コンベア５の台車９に搭載されたバンパー
Ｂが塗装ブース１の塗装室２０の内部を通過する間に、
塗装ロボット２５に装着したスプレーガン２４により塗
装が施される。このとき、供給ダクト２２から供給され
て動圧室１８および静圧室１９を通過した空気は、清浄
かつ滑らかな下向きの気流に整流されて塗装室２０に供
給され、その塗装室２０を漂う未塗着塗料と共にスノコ
４の隙間を通過して捕集室２１に流入する。

【００１８】捕集室２１では、給水ポンプ２８からフィ
ルタ２９を介して給水タンク２６に供給された捕集水が
オーバーフローして導水板２７の表面を流れており、こ
の捕集水に接触することより気流中に含まれる未塗着塗
料が捕集される。導水板２７の先端に達した捕集水は捕
集室２１の底部にシャワー状に落下するため、気流が落
下する捕集水の間を通過する際に残余の未塗着塗料が捕
集される。上述のようにして気流中に含まれる大部分の
未塗着塗料が捕集室２１で除去されるため、塗装ブース
１の外部に未塗着塗料を殆ど含まない清浄な空気を排出
することができる。

【００１９】続いて塗料が塗着したバンパーＢが搬入さ
れるセッティングブース２は、その前後端がフィルタ１
７の湾曲部３４により形成されるエアカーテンにより仕
切られ、塗装ブース１に残留した未塗着塗料や乾燥炉３
中の煤塵が侵入できないようになっているが、前記未塗
着塗料や煤塵のセッティングブース２への侵入を完全に
阻止することは困難である。しかしながら、セッティン
グ室３１の内部には動圧室１８と静圧室１９を通過した
気流が流下しているため、その気流によってセッティン
グ室３１に侵入した未塗着塗料や煤塵は捕集室２１に排
出され、バンパーＢの塗膜に付着することが防止され
る。このとき、フィルタ１７を通過して流下する気流
は、偏向部材３３により左右に振り分けられてバンパー
Ｂに直接吹き付けられることは無く、パンチングメタル
よりなる偏向部材３３の開口を通過した一部の気流のみ
がバンパーＢの塗膜に作用する。これにより、バンパー
Ｂの塗膜に含まれる溶剤を均一に蒸発させるとともに、
変更部材３３の下部に浮遊する未塗着塗料や煤塵を下方
へ押し流すことが可能となる。

【００２０】而して、未塗着塗料や煤塵を含む気流はセ
ッティング室３１からスノコ４を通って捕集室２１に流
入し、そこで前述と同様にして循環する捕集水に接触し
て除去される。この様にして塗膜の溶媒を蒸発させたバ
ンパーＢは、乾燥炉３に搬入されて焼付乾燥が施され
る。

【００２１】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行うことが可能である。

【００２２】例えば、本発明は自動車のバンパーＢの塗
装に限らず、他の任意の被塗物の塗装に対しても適用可
能である。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、塗装ブー
スあるいは乾燥炉からセッティング室に流入する未塗着
塗料や煤塵を、そのセッティング室の内部を流下する清
浄な気流により除去して被塗物の塗膜への付着を防止
し、塗装品質の低下を回避することができる。そして前
記気流に含まれる未塗着塗料等は、捕集室で導水板を循
環する捕集水と充分に接触して大気に放出されることな
く効率的に除去される。またセッティング室の内部を流
下する気流の大部分は偏向部材により逸らされて被塗物
に対する直接の影響が緩和されるため、被塗物の塗膜に
含まれる溶剤を均一に蒸発させることができるだけでな
く、多孔板よりなる変更板を通過した一部の気流によ
り、被塗物の近辺に浮遊する未塗着塗料等を下方へ押し
流すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるセッティングブースを備えた塗装
処理装置の側面図

【図２】図１の２−２線断面図

【図３】図１の３−３線断面図

【図４】従来の塗装処理装置の側面図

【符号の説明】

１・・・・・塗装ブース ３・・・・・乾燥炉 １７・・・・フィルタ ２１・・・・捕集室 ２７・・・・導水板 ２８・・・・給水ポンプ ３１・・・・セッティング室 ３３・・・・偏向部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 塗装ブース（１）と乾燥炉（３）との間
   に設けられ、前記塗装ブース（１）において被塗物
   （Ｂ）に塗装された塗料を前記乾燥炉（３）で焼付処理
   する前に自然乾燥させるセッティングブースにおいて、 フィルタ（１７）を通過して浄化された気流が流下する
   セッティング室（３１）と、このセッティング室（３
   １）の下部に設けられて前記気流中に含まれる未塗着塗
   料等を除去する捕集室（２１）とを備え、前記セッティ
   ング室（３１）には被塗物（Ｂ）の上方を覆うように多
   孔板を山形に形成した偏向部材（３３）が配設されると
   ともに、前記捕集室（２１）には給水ポンプ（２８）に
   より循環する捕集水が案内される傾斜した導水板（２
   ７）が配設されることを特徴とする、セッティングブー
   ス。