JPH0549891U - ケーシングヘッド用切削装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 円筒状の削孔用ケ−シングヘッドの先端部に
固着されるカッタ−ビットにおいて、１種のビットで外
刃用にも内刃用にも使用できるようにする。 【構成】 円筒状の削孔用ケ−シングヘッドの先端部に
固着されるホルダ２と、該ホルダに取り付けられる着脱
可能な切削ビット３の組合せで構成され、前記切削ビッ
トは、基部にホルダに対する固定手段を有する鋼製台金
の頭部に硬質の刃体７を植設してなり、該刃体の切刃部
は、切削方向から見た正面形状が、左右いずれかに偏っ
た頂部９を有する山形で、かつ左右両側面から見た側面
形状が、いずれも中央部に頂部を有する山形に形成され
ており、前記ホルダは、切削方向に傾けてビットを前後
いずれの向きにも固定支持可能に形成されていることを
特徴とするケ−シングヘッド用切削装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、削孔用のケ−シングヘッドの先端部に固着される切削装置に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

杭穴等の削孔に使用されるケ−シングヘッドの先端部には、円周方向に沿って 所定の間隔で切削装置が取り付けられている。この切削装置は、ケ−シングヘッ ドに溶接されるホルダと、該ホルダに着脱自在に取り付けられる切削ビットから なり、この切削装置を地盤等の被削孔面に押し付けつつケ−シングヘッドを回転 させることにより環状の切削が行われるようになっている（例えば、実開昭６４ −１４２９３号、実開平１−６９８９４号参照）。従来、この種の切削装置は、 ケ−シングヘッドの肉厚方向の外面側切削用（外刃ビット）と内面側切削用（内 刃ビット）の２種のビットを交互に千鳥状に取り付けてケ−シングヘッドの肉厚 よりも若干幅の広い溝を削孔していた。そして、いずれかのビットが損傷したと きは、そのビットをホルダから取り外し、別に用意していた新たなビットを取り 付けていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記外面側切削用と内面側切削用のビットの取り付け比率は、 現場の土質その他の条件で異なり、かつビットの消耗度合いも異なるので、勝手 の違う２種のビットを適正な数だけ用意しておくのは困難であり、管理が煩雑で あると共に、両方のビットを余分に揃えておかねばならないので、在庫量が増え 、不経済であった。そこで本考案は、１種のビットで外刃用にも内刃用にも使用 できるようにすることを課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は、次のような構成を採用した。すなわち、 本考案にかかる切削装置は、円筒状の削孔用ケ−シングヘッドの先端部に固着さ れるホルダと、該ホルダに取り付けられる着脱可能な切削ビットの組合せで構成 され、前記切削ビットは、基部にホルダに対する固定手段を有する鋼製台金の頭 部に硬質の刃体を植設してなり、該刃体の切刃部は、切削方向から見た正面形状 が、左右いずれかに偏った頂部を有する山形で、かつ左右両側面から見た側面形 状が、いずれも中央部に頂部を有する山形に形成されており、前記ホルダは、切 削方向に傾けてビットを前後いずれの向きにも固定支持可能に形成されているこ とを特徴としている。

【０００５】

【作用】

この切削装置のホルダは、ビットの切刃部がケ−シングヘッドの回転方向すな わち切削方向に向かって所定の角度で傾斜して取り付けられるような向きで、ケ −シングヘッドの先端部に所定の間隔をおいて溶接等で固着される。このホルダ にビットを取り付けるが、山形の切刃部の頂部が、外面側に偏るような向きにビ ットを取り付けると外刃ビットとして機能し、その反対向きすなわち刃先部の頂 部が内面側に偏るような向きに取り付けると内刃ビットとして機能する。このた め、１種のビットを内刃用にも外刃用にも使用することができる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に表された実施例について説明する。図１以下の各図は本考案の１ 実施例を表すもので、この切削装置１は、ホルダ２と切削ビット３からなる。切 削ビット３は、鋼製台金５の頭部に設けた左右方向の溝６に山形の尖った刃先を 有する硬質の刃体７が差し刃状に植設されている。硬質刃体７は、超硬合金チッ プ製であり、切削方向またはその反対側から見た時、頂部９が左右いずれかに偏 っており、左右の側面から見た時は、いずれも頂部が幅方向の中央部にあるよう な山形となっている。正面視における頂部９の位置は、左右いずれかの端部から 全幅の１／４以下の範囲にあるようにするのが好ましい。

【０００７】 台金５は、正面から見た時、下部が二股状に分かれ、その間隔部は、角溝１０ となっている。この二股の部分には、左右に貫通するボルト穴１１が開けられて いる。なお、前記硬質刃体７の周囲には硬化肉盛層１２が設けられている。

【０００８】 ホルダ２は、前記ビット３の台金の角溝１０が嵌合する薄肉部（ビット固定部 ）１５が、上端部から斜めに設けられており、該薄肉部の中央部にはボルト穴１ ７が開けられている。ビット固定部すなわち薄肉部１５の傾斜角θは、取り付け られたビットの刃先に適当な掬い角が合成されるようなものであり、通常は、４ ５度以下である。またこの部分の陵部１９は面取りＣされている。このホルダ２ は、円筒状のケ−シングヘッド２０に所定の間隔で設けた切り欠き部２１，…に それぞれ溶接される。ホルダ２の向きは、薄肉部１５が切削方向すなわち、ケ− シングヘッドの回転方向に傾くような向きである。

【０００９】 このようにして、ケ−シングヘッド２０に溶接固着された多数のホルダ２，… に切削ビット３，…がその間隔部１０をホルダの薄肉部１５に嵌合させ、両者の ボルト穴１１、１７にボルト２５を挿入してねじ込むことにより取り付けられる 。複数の切削ビット３，…は、一般的には前後向きを反転して、内刃、外刃交互 に取り付けられるが、土質その他の条件によってその比率と配置を適宜調節する 。上記ボルトをゆるめれば、ビット３をホルダから取り外すことができる。この ようにして、多数の切削ビットを内側及び外側に向けて交互に取り付けたケ−シ ングヘッドは、図示しない駆動装置により回転させられつつ、被掘削面に押し付 けることにより環状の掘削が行われる。切削ビットは、回転方向に傾斜している ので、山形の刃先に適当な掬い角が形成される。芯部に残されるコアは、別途破 壊して取り除けばよい。掘削によっていずれかのビットが損傷したときは、当該 損傷したビットを取り外して、新たなビットを取り付ければよい。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案にかかる切削装置は、ケ−シングヘッ ソに取り付けられるホルダに１種類のビットを前後反転して取り付けることによ り、内刃、外刃いずれとしても機能させることができるので、必要な部品数が少 なくなるとともに、在庫数を従来よりも少なくすることが可能となり、きわめて 経済的なものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】切削ビットの正面図である。

【図２】その左側面図である。

【図３】その右側面図である。

【図４】ホルダの正面断面図である。

【図５】その側面図である。

【図６】その平面図である。

【図７】切削装置の側面図である。

【図８】その正面図である。

【図９】カッタ−ヘッドの外観図である。

【符号の説明】

１ 切削装置 ２ ホルダ ３ 切削ビット ７ 刃体 ９ 頂部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状の削孔用ケ−シングヘッドの先端
   部に固着されるホルダと、該ホルダに取り付けられる着
   脱可能な切削ビットの組合せで構成され、前記切削ビッ
   トは、基部にホルダに対する固定手段を有する鋼製台金
   の頭部に硬質の刃体を植設してなり、該刃体の切刃部
   は、切削方向から見た正面形状が、左右いずれかに偏っ
   た頂部を有する山形で、かつ左右両側面から見た側面形
   状が、いずれも中央部に頂部を有する山形に形成されて
   おり、前記ホルダは、切削方向に傾けてビットを前後い
   ずれの向きにも固定支持可能に形成されていることを特
   徴とするケ−シングヘッド用切削装置。