JPH0549592B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野の説明〕 本発明はエレベータの群管理制御方法に関し、
特にホール呼びの割当て技術に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

近年、複数台のエレベータを並設した場合に、
エレベータの運転効率向上及びエレベータ利用者
へのサービス向上を図るために、各階床のホール
からの呼び（以下ホール呼びと略す。）に対する
応答機をマイクロコンピユータ等の小形コンピユ
ータを用いて合理的に且つすみやかに割当てるよ
うにすることが行なわれている。すなわち、ホー
ル呼びが発生すると、そのホール呼びに対処する
のに最適なエレベータを選定し、早期にそのホー
ル呼びに応答させるエレベータを割当てるととも
に、他のエレベータはそのホール呼びに応答させ
ないようにしている。このホール呼びを割当てる
エレベータの選定の方法としては、従来、ホール
呼びが発生した階床に最初に到着するエレベータ
を予測し、そのエレベータにホール呼びを割当て
る方法が最良と考えられていた。そこで、最初に
到着するエレベータを予測する方法が種々考えら
れ、例えばエレベータが各階床に到着するまでの
予測時間の演算により予測していた。

しかしながら、上述の方法では、新たに発生し
たホール呼びへのサービスを重視するため、全体
のホール呼びに対するエレベータのサービスを考
えた場合、特に混雑時等において不都合な現象が
生じる。

例えば、次々に発生するホール呼びを常にその
発生したホール呼びに最初に対処できるエレベー
タに単純に割当てると、既に割当てられているホ
ール呼びに対する対処が遅れ、待時間が非常に長
いホール呼びが生じることになる。この現象はホ
ール呼びを割当てた時点においては早期に対処で
きると判断しても、その後、他のホール呼びが割
当てられたり、エレベータ内からのかご呼びが新
たに発生して、エレベータの運転状態が変化する
ため生じる。従つて、全体のホール呼びに対する
待時間を考えた場合、著しい不均一化が生じる。
特に、待時間が極端に長い長待ち呼びが発生する
確率が高く、エレベータサービスの低下を招いて
いた。

〔発明の目的〕

本発明は上記の点に鑑みなされたもので、既に
割付けられたホール呼び及び新らたに発生したホ
ール呼びの長待ちを防止し、エレベータのサービ
スを向上させるエレベータの群管理制御方法を提
供する。

〔発明の概要〕

本発明は、並設された複数台のエレベータを対
象とし、発生したホール呼びに対してサービスす
るエレベータを選択して応答させるエレベータの
群管理制御方法において、新らたにホール呼びが
発生したとき、この新らたに発生したホール呼び
を前記複数台の各エレベータに仮割付けし、新ら
たに発生したホール呼び及び新らたに発生したホ
ール呼びより後に応答する既に割付けたホール呼
びの予測未応答時間を算出してその最大値を求
め、この求めた最大値が予じめ定められた許容値
以内のエレベータが複数台ある時は、前記新らた
に発生したホール呼びを既に呼びを割付けてある
エレベータ（以下非フリーかごと略す。）に優先
して割付け、可能なかぎりかご呼び及びホール呼
びが割付けの状態にないエレベータ（以下フリー
かごと略す。）を温存し、以後のホール呼びの需
要に備えることにより、長待ち呼びの発生を防止
し、エレベータのサービスを向上させる。

〔発明の実施例〕

以下本発明の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。第１図は本発明の一実施例の適用
されるシステムの構成を示すものである。

第１図において、１はホール呼び登録回路で、
ホール呼び登録時、対応する階床と方向のレジス
タがセツトされ、かごがそのホール呼びに対応す
る階床に到着したときにリセツトされるものであ
る。２Ａ〜２Ｃは３機のエレベータＡ号機〜Ｃ号
機の１機ごとに設けられたエレベータ運行制御装
置であり、かご状態バツフア３Ａ〜３Ｃ、かご呼
び登録回路４Ａ〜４Ｃ、準かご呼び登録回路５Ａ
〜５Ｃ、信号合成回路６Ａ〜６Ｃが各別に設けら
れている。かご状態バツフア３Ａ〜３Ｃは、かご
の状態を後述するワイパーセレクト回路７に入力
するためのバツフアである。かご呼び登録回路４
Ａ〜４Ｃは、かご呼び登録時にセツトされ、かご
がその呼び登録階床に到着するとリセツトされる
ものである。準かご呼び登録回路５Ａ〜５Ｃは、
そのかごに割当てられたホール呼びを記憶し、か
ごがそのホール呼びに対応する階床に到着したと
きリセツトされるものである。信号合成回路６Ａ
〜６Ｃは、かご呼び登録回路４Ａ〜４Ｃの出力と
準かご呼び登録回路５Ａ〜５Ｃの出力との論理和
を出力するものである。

７はワイパーセレクト回路、８はデコード回路
で、後述する出力レジスタ１２の出力信号をデコ
ードし、対応する号機の対応する階床方向の準か
ご呼び登録回路５Ａ〜５Ｃをセツトするものであ
る。９は例えば12ビツトのマイクロコンピユータ
を用いた小形コンピユータで、出力レジスタ１
０、入力レジスタ１１、出力レジスタ１２を有し
ている。出力レシスタ１０は、次に出力が出され
るまで同出力を保持する機能を有している。

なお、エレベータ各号機に１つずつ備えた同一
機能をもつレジスタ及びインターフエース装置
は、複数本例えば12本の並列の信号線で結合され
ている。またすべてのレジスタは、小形コンピユ
ータ９の１語に相当するビツト数となつている。

次に、本発明の一実施例を第２図〜第４図に示
すフローチヤートを参照して説明する。なお、第
２図はこの実施例における全体のフローチヤート
第３図及び第４図は応答号機決定ルーチンの詳細
なフローチヤートである。

まず、第２図の端子P1からスタートし、処理
P2で計算機内の書込み可能なメモリの初期化を
行ない、処理P3で各かごの状態（方向、位置、
ドア状態等）を全号機読込む。そして処理P4で
ホールインデツクスを０とする。

次に、処理P5でホールの状態（新ホール呼び
発生、ホール呼びに対する応答完了、ホール呼び
発生済みであるがサービス未完了、ホール呼び無
し）を次に述べる方法で判定する。

すなわち、ホール呼びが第１図のホール呼び登
録回路１に登録されると、第５図に示すホール呼
び状態を格納するテーブルの該当するビツトが
“１”となり、ホール呼びが無くなると、“０”と
なる。従つて、該当するビツトが“０”から
“１”に変化した時は、新呼びが発生したことに
なり、処理P6へ進む。また該当ビツトが“１”
から“０”に変化した時はホール呼びに対する応
答が完了したことになり、処理P7でホール呼び
の未応答時間T_I格納した後、処理P8でT_I＝０と
して処理P9に移る。該当ビツトが“１”→“１”
であればホール呼びが有るがサービス未完了の状
態であるから処理P10でホール呼びに対する未反
応時間T_Iを「１」インクリメントして処理P9に
進む。該当ビツトが“０”→“０”であれば、ホ
ール呼びが無く且つ無変化であるので、処理P8
でT_I＝０にし処理P9に移る。前記処理P6では新
発生ホール呼びに対する応答号機を第３図及び第
４図のフローチヤートで示す方法で決定するが、
まずｉ階のホール呼びの割当てを数式を用いて説
明する。

まず後述する変数COUNT及びNFCARを０ク
リアし、かごインデデツクスＪを１（Ａ号機）に
する。かごＪのｉ階ホールへの装着到着時間（予
測未応答時間）Tjiは、かごｊの現在位置からｉ
階ま走行するのに要する時間と、ｉ階に行くまで
に途中停止するために費されるロス時間（主とし
て加減速時間、ドアの開閉時間、ドア開放時間）
の和として求められる。次に、ｉ階のホール呼び
をかごｊに割付けた際、かごｊの既割付ホール呼
びの予測待時間Tjk1，……，Tjkn（kn＝既割付
ホール呼び数）は次式で求められる。ただし、ｉ
階より後で停止する呼び（割付けホール呼び）の
み予測待時間が変化する（遅くなる）。

Tfkl＝（kl階のホール呼びが発生してからの
経過時間）＋（kl階にかごが到着するまでの
予測到着時間）＋（ｉ階にかごｊが停止する
のに要する時間） ……(1) ただし、kl階はｉ階より後に停止する階床で、
先に停止する階床については上式においてｉ階に
かごが停止するのに要する時間は不要となる。

次に(1)式で求めたTjkl（kl＝１，……，knおよ
びｊ）の中から予測未応答時間の最大値Tmax
（ｊ）を次式(2)により求める。

Tmax（ｊ）＝max（Tjⁱ，Tj^k1，……，Tj^kn）
……(2) (2)式で求めたTmax（ｊ）が長待ち呼びとはな
らない予め定められた許容値LT以上であればC3
へ進み、許容値LT以下であればフリーかごか否
かを調べ、非フリーかごであれば予測未応答時間
が許容値以内の非フリーかご台数NFCARを＋
1iC2へ進む。

第４図において、予測未応答時間が許容値以内
のかごがC2にくるので、同かご台数COUNTを
＋１し、全号機完了する迄同様の処理をくり返し
た後、COUNTが１台以下のとき又はCOUNTが
２台以上でかつ、ホールインデツクスＩへの予測
未応答時間が予じめ定められた許容値LT以内の
フリーかごが１台もいないときはC4に進み、
Tmax（ｊ）が最小のかごを全号機の中から選び、
同かごをサービスかごに決定する。

次に、COUNTが２台以上、かつホールインデ
ツクスＩの予測未反応時間が許容値LT以内のか
ごの中に非フリーかごが１台もいなければ、即ち
COUNT＝NFCAR、即ち予測未応答時間が許容
値LT内のかごが全号機フリーかごの時もC4へ進
み、全号機の中からTmax（ｊ）が最小のかごを
選び同かごをホールインデツクスＩのサービスエ
レベータとして決定する。

次に、COUNTが２台以上、かつCOUNT≠
NFCARかつCOUNT≠FCARの場合、即ち予測
未応答時間が許容値LT以内のかごが２台以上有
り、かつ同かごの中に少なくとも１台フリーかご
が有る場合（但し全号機がフリーの場合は除く）、
Tmax（ｊ）が許容値LT以内の非フリーかごの中
からTmax（ｊ）が最小となるかごを求め、同か
ごをホールインデツクスＩのサービスエレベータ
に決定する。

以上の操作を全階床につき実施し、全階床完了
後リピートスタートポイント（シンボルＡ）に戻
り、以後同様の処理をサイクリツクにくり返す。

〔本発明の効果〕

以上説明した通り本発明によれば、新らたにホ
ール呼びが発生したとき、この新らたに発生した
ホール呼びを各エレベータに仮割付けした上で、
各エレベータの予測未応答時間の最大値を求め、
この最大値が予じめ定められた許容値以内のエレ
ベータが複数台あるときは、新らたに発生したホ
ール呼びを非フリーかごに優先して割付け、可能
な限りフリーかごを温存し、以後のホール呼びの
需要に備えるため、かご位置が偏るのを防ぎ、長
待ち呼びの発生を防止し、エレベータのサービス
が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用するエレベータの群管理
制御装置のブロツク図、第２図乃至第４図は本発
明を説明するためのフローチヤートの図、第５図
は第１図に示したエレベータの群管理制御装置の
ホール呼び状態を格納するテーブルの説明図であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 並設された複数台のエレベータを対象とし、
   発生したホール呼びに対してサービスするエレベ
   ータを選択して応答させるエレベータの群管理制
   御方法において、新らたにホール呼びが発生した
   とき、この新らたに発生したホール呼びを前記複
   数台の各エレベータに仮割付けし、前記新らたに
   発生したホール呼び及びこの新らたに発生したホ
   ール呼びより後に応答する既に割付けたホール呼
   びの予測未応答時間を各エレベータ毎に算出し、
   この予測未応答時間の最大値を各エレベータ毎に
   求め、この最大値が予じめ定めた許容値以内のエ
   レベータが複数台あるとき、前記新らたに発生し
   たホール呼びを非フリーかごに優先的に割付ける
   ことを特徴とするエレベータの群管理制御方法。