JPH0549583B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は織物あるいはプラスチツク等のロール
状に巻かれた柔軟なシート材を載置台上に平坦状
態に積重ねるシート材積重ね機械に関する。

［従来の技術およびその課題］ ロール状に巻上げられた布地等の柔軟なシート
材を平坦状態に積重ねるシート材積重ね機械は従
来から知られている。これらのシート材積重ね機
械はシート材を積重ねる載置台とこの載置台の上
側に配置されて布地等のシート材を供給する可動
キヤリツジとを備える。この可動キヤリツジが往
復動する距離で、積重ねられるシート材の幅が定
まる。

本出願人が先に提案したシート材積重ね機械は
特にシート材の巻取ロールを所定位置に配置して
自動的に巻戻す装架装置により種々の利点を有す
る。この装架装置は巻取ロールを回転可能に装着
する軸棒を保持するフオーク状のレバーを備え、
更に、巻取ロールに直接係合する巻戻し手段とコ
ンベアベルトとを備え、この巻取ロールの軸棒が
各フオーク付きレバーの間に挿入される。実際に
巻戻す場合、巻取ロールはレバーで回転自由に保
持されてコンベアベルト上に載置され、これによ
りシート材が最適の方法で巻戻される。更に、フ
オーク付きのレバーは装架位置から巻取ロールを
自動的に移送するために上記のコンベアベルトま
で振上げることができるように形成されている。
このシート材積重ね機械は極めて満足できるもの
である。

しかし、可動キヤリツジと共に往復動する巻取
ロールからシート材を巻戻し、このシート材を載
置台上に順次正確に積重ねるためには、シート材
の送り速度を可動キヤリツジの移動速度と同じに
する必要がある。往復動する可動キヤリツジは停
止位置から短時間で所定速度に増速し、停止位置
に達する直前にこの所定速度から短時間で減速
し、更に、一端停止した後に今度は反対方向に増
速しつつ移動する。シート材の送り速度がこのよ
うな複雑な可動キヤリツジの動きに対応できない
場合には、シート材は載置台上で滑動し、正確に
積重ねることができない。

シート材の送り速度を制御する従来の制御装置
には、２本の棒状部材をその中央の軸線を中心と
して回転するようにし、これらの棒部材によりシ
ート材をＳ字状に移動するものがある。この制御
装置は特に巻戻し中にシート材に張りを与える点
で有益であるが、シート材を送る速度に誤差が生
じた場合に修正することができない。

また、シート材が部分的に巻付けられる複数の
ローラを持ち、各ローラをそれぞれ別個のモータ
で駆動して巻戻し、これらのモータの少なくとも
１の回転速度を特別な制御手段で種々の値に設定
できるようにした制御装置もある。この制御装置
の場合は、制御装置を操作することのできるオペ
レータが常に付添う必要がある。

更に、積重ねられるシート材の張りの程度を所
定の値に設定し、シート材の送り速度を制御する
モータを自動的に調整する制御装置が知られてい
る。このような制御装置はシート材の巻戻し速度
を連続的に調整することができず、単に部分的に
調整するのみで、しかも正確に調整することがで
きないため、あまり満足できるものではない。

本出願人の提案した上記のシート材積重ね機械
は、上述の装架装置の好適な巻戻し作用により、
従来の送り速度制御装置を使用することができ、
この装架装置はシート材を均一に送るため、従来
の制御装置の不足分をある程度補うことができ
る。

しかし、シート材の送り速度を効果的かつ満足
できる態様で制御する制御装置が、このシート材
積重ね機械に用いられる場合には、このシート材
積重ね機械はあらゆる状態で極めて正確に作動す
ることができる。

本発明は、上述に鑑みてなされたもので、構造
が簡単でかつ取付けが容易で、低コストで製造で
きると共に不都合な点がほとんどない制御装置を
備えたシート材積重ね機械を提供することを目的
とする。

［課題を解決するための手段、作用及び効果］ 本発明によるシート材積重ね機械は、巻取ロー
ルから巻戻された柔軟なシート材が平坦状態に積
重ねられる載置台と、巻取ロールを装架してこの
載置台の上側を移動する可動キヤリツジとを備
え、この可動キヤリツジが、巻取ロールに直接接
触してシート材を巻戻すシート材搬送ベルトと、
このシート材搬送ベルトを駆動する第１ローラ
と、この第１ローラを駆動する可変速電動モータ
と、この第１ローラから離隔しかつ独立して駆動
されて巻取ロールから巻戻されたシート材を前記
載置台上に送出す第２ローラと、シート材の巻戻
し速度を制御する制御装置とを有し、この制御装
置は、可動キヤリツジに枢着されかつシート材の
搬送方向に対して横方向に延設されて前記第１，
第２ローラ間のシート材で揺動される棒部材と、
この棒部材に結合して揺動を検出し、棒部材の揺
動に対応して前記可変速電動モータを制御するモ
ータ速度調整器とを有することを特徴とする。

このシート材積重ね機械によると、可動キヤリ
ツジが載置台上を移動する間に、搬送ベルトが巻
取ロールに直接接触してシート材を巻戻し、第２
ローラに向けて搬送する。このシート材は第２ロ
ーラにより順次載置台に送出され、可動キヤリツ
ジが移動する間にこの載置台上に平坦状態に積重
ねられる。この可動キヤリツジが一定速度で移動
する間は、制御装置の棒部材が第１ローラと第２
ローラとの間のシート材で所定位置に保持され、
したがつて可変速電動モータは第１ローラを介し
て搬送ベルトを一定速度で駆動する。そして、可
動キヤリツジの移動速度とシート材の巻戻し速度
との間に速度差が生じると、シート材が搬送ベル
トと載置台との間すなわち搬送ベルトと第２ロー
ラとの間で緩みあるいは緊張した状態となる。こ
れにより、制御装置の棒部材が揺動してこの速度
差を吸収し、この揺動がモータ速度調整器で検出
される。このモータ速度調整器は棒部材の揺動に
対応して可変速電動モータの回転数を制御する。
このため、この可変速電動モータで駆動される第
１ローラ及び搬送ベルトにより、可動キヤリツジ
に装架された巻取ロールから最適の速度でシート
材を巻戻し、載置台上に所要長さのシート材を載
置することができる。

したがつて、本発明のシート材積重ね機械によ
ると、構造が簡単でかつ取付けが容易で、更に低
コストで製造できる制御装置により、巻取ロール
から巻戻したシート材を極めて正確に載置台上に
積重ねることができる。

［実施例］ 第１図は、本発明の実施例による原反変換装置
すなわちシート材積重ね機械の全体を符号１で示
す。このシート材積重ね機械１は織物あるいはプ
ラスチツク等の柔軟なシート材９が平坦状態に積
重ねられる載置台２と、この載置台２の上側を往
復動する可動キヤリツジ３とを備える。この可動
キヤリツジ３には第２図に示すように一対のフオ
ーク付きレバー５からなる装架装置４が配置さ
れ、このレバー５は織物あるいはプラスチツク等
の柔軟なシート材９を巻いた巻取ロール７の軸６
をその両端で保持するように形成してある。ま
た、このレバー５は第２図に示す位置から第１図
に示す位置に向けて振上げあるいはこの逆方向に
も揺動することができ、巻取ロール７を搬送ベル
ト８に接触させる。この搬送ベルト８は巻取ロー
ル７の一部に接触してシート材９を巻戻し、この
巻戻されたシート材９を送出し方向に案内する。

第１図に示すように、巻戻されたシート材９は
搬送ベルト８で搬送され、この搬送ベルト８を巻
き掛けた第１ローラ１０から離れた後、第２ロー
ラ１１に接触する。そして、この第２ローラ１２
の下側に配置された切断装置１２を通過した後、
載置台２上に送出され、この載置台２上に平坦状
に積重ねられる。

図中、第１ローラ１０を駆動する第１モータ１
０ａと、第２ローラ１１を駆動する第２モータ１
１ａとを点線で示してある。これらの第１，第２
モータ１０ａ，１１ａは直流モータであり、第１
ローラ１０を駆動する第１モータ１０ａは、シー
ト材９の送り速度を制御する制御装置１３で制御
される可変速電動モータである。

第１図に示すように、制御装置１３はシート材
９の搬送方向に対して横方向に延設した棒部材１
４を備える。この棒部材１４の両端部からはそれ
ぞれロツド状の支持部材１５がクランク状に延長
され、これらの各支持部１５の先端はヒンジ１６
により可動キヤリツジ３に枢着されており、した
がつてこの棒部材１４は支持部材１５と共に自由
に揺動できるように可動キヤリツジ３に保持され
ている。そして、実際に作動する場合には、棒部
材１４は第１図に実線で示すように可動キヤリツ
ジ３に懸垂された状態に配置され、第１ローラ１
０と第２ローラ１１との間に配置される。このた
め、シート材９はこの棒部材１４の重みにより、
第１ローラ１０と第２ローラとの間で凹部を形成
する。

これらの支持部材１５の少なくとも一方には磁
性部材１５ａを配置してあり、この磁性部材１５
ａを可動キヤリツジ３から片持ち状に突出するク
ロス部材１７に係止させることができる。このた
め、巻取ロール７を搬送ベルト８上に載置してシ
ート材９の巻戻しを開始する際に、第１図に点線
で示すように磁性部材１５ａを介して支持部材１
５及び棒部材１４をクロス部材１７に係止させ、
シート材９を挿通する間隙を形成することができ
る。

更に、制御装置１３はヒンジ１６に隣接して配
置したモータ速度調整器１８を備える。このモー
タ速度調整器１８は第１ローラ１０駆動用の可変
速電動モータ１０ａ側に配置してあり、棒部材１
４の揺動を検出して第１モータたる可変速電動モ
ータ１０ａを制御することができる。このモータ
速度調整器１８は本実施例では支持部材１５の位
置する角度に応じてインピーダンスを変化するイ
ンピーダンス調整器（バイエータ）で形成されて
いる。

次ぎに、上記シート材積重ね機械１の作動につ
いて説明する。

先ず、巻取ロール７をフオーク付きレバー５，
５間に配置し（第２図）、このレバー５，５を旋
回して巻取ロール７を搬送ベルト８に接触させ
る。この搬送ベルト８により、巻取ロール７から
シート材９が巻戻される。巻取ロール７から巻戻
されたシート材９は搬送ベルト８で搬送され、第
１ローラ１０の回りを通過した後、第２ローラ１
１により載置台２に向けて送出され、切断装置１
２を通過して載置台２上に平坦状態に積重ねられ
る。可動キヤリツジ３が往復動する間にシート材
９は所定幅に切断されて順次積み上げられる。こ
のシート材９の幅は可動キヤリツジ３の移動距離
と等しく、また、シート材９は可動キヤリツジ３
の移動する速度と同じ速度で送られるため、多数
のシート材９が載置台２上に安定した状態で積重
ねられる。

制御装置１３の棒部材１４は、第１ローラ１０
と第２ローラ１１との間でシート材９に係合し、
この棒部材１４の重さにより第１図に示すように
シート材９を撓ませて凹部を形成する。

シート材９が所定速度で均一に送られている平
衡状態では、棒部材１４で形成される凹部は比較
的小さく、これに対応する支持部材１５の位置は
速度調整器１８により基準位置たる平衡位置ある
いは零位置として検出される。この基準位置はあ
らかじめ試験により一定の値に固定しておく必要
がある。

この平衡状態では、第１モータたる可変速電動
モータ１０ａ及び第２モータ１１ａの速度は変化
せず、一定に保たれる。

何等かの原因でシート材９の送り速度が平衡状
態から外れると、シート材９は搬送ベルト８と載
置台２との間で緩みあるいは緊張した状態とな
る。これは可動キヤリツジ３の移動速度に対し、
シート材９の巻戻しあるいは搬送速度が早過ぎあ
るいは遅過ぎるためである。すなわち、第１ロー
ラ１０及び搬送ベルト８が一定速度でシート材９
を搬送しているときに、第２ローラ１１が可動キ
ヤリツジ３の移動速度に合わせてシート材９の送
出し速度を減速するとシート材９が緩み、反対
に、第２ローラ１０がシート材の送出し速度を増
速するとシート材９が緊張するためである。

このため、制御装置１３の棒部材１４により第
１ローラ１０と第２ローラ１１との間に形成され
る凹部がより深くあるいは浅くなり、この第１ロ
ーラ１０による搬送速度と第２ローラ１１による
送出し速度との間の速度差が吸収されると共に、
この棒部材１４を支持する支持部材１５が回動す
る。この支持部材１５の動きはモータ速度調整器
１８で検出され、このモータ速度調整器１８は可
変速電動モータ１０ａを制御して第１ローラ１０
の回転速度を増速あるいは減速してシート材９の
平衡状態を回復する。

このモータ速度調整器１８は連続的に作動して
常に棒部材１４を上記零位置あるいは基準位置か
ら最短位置に保持する。このため、載置台２に載
置されるシート材９は常に所要長さに揃えられ
る。

したがつて、上記シート材積重ね装置１によれ
ば、可動キヤリツジ３が載置台２上を移動しつつ
搬送ベルト８により巻取ロール７からシート材９
を巻戻して第２ローラ１１に搬送し、更にこの第
２ローラ１１から載置台２に送出す。このシート
材９は載置台２上に平坦状態に延設され、切断装
置１２により所定長さに切断される。可動キヤリ
ツジ３が載置台２上をこのように往復動すること
により、多数枚のシート材９が載置台２上に積重
ねられる。そして、第２ローラ１１による送出し
速度と、搬送ベルト８すなわち第１ローラ１０に
よる巻戻し及び搬送速度との間に差が発生する
と、第１ローラ１０と第２ローラ１１との間に配
置された棒部材１４の揺動によりこの速度差が吸
収され、かつ、この棒部材１４の揺動が支持部材
１５を介してモータ速度調整器１８に伝達され、
このモータ速度調整器１８により第１ローラ１０
を駆動する可変速電動モータ１０ａが制御され
る。したがつて、常に一定長のシート材９を正確
に積み重ねることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるシート材積重
ね機械の前方から見た斜視図、第２図は作動一の
異なる状態を後方から見た斜視図である。 １……シート材積重ね機械、２……載置台、３
……可動キヤリツジ、４……装架装置、５……フ
オーク付きレバー、６……軸棒、７……巻取ロー
ル、８……搬送ベルト、９……シート材、１０，
１１……ローラ、１０ａ，１１ａ……モータ、１
２……切断装置、１３……制御装置、１４……棒
部材、１５……支持部材、１７……クロス部材、
１８……モータ速度調整器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 巻取ロールから巻戻された柔軟なシート材が
   平坦状態に積重ねられる載置台と、巻取ロールを
   装架してこの載置台の上側を移動する可動キヤリ
   ツジとを備え、この可動キヤリツジが、巻取ロー
   ルに直接接触してシート材を巻戻すシート材搬送
   ベルトと、このシート材搬送ベルトを駆動する第
   １ローラと、この第１ローラを駆動する可変速電
   動モータと、この第１ローラから離隔しかつ独立
   して駆動されて巻取ロールから巻戻されたシート
   材を前記載置台上に送出す第２ローラと、シート
   材の巻戻し速度を制御する制御装置とを有し、こ
   の制御装置は、可動キヤリツジに枢着されかつシ
   ート材の搬送方向に対して横方向に延設されて前
   記第１，第２ローラ間のシート材で揺動される棒
   部材と、この棒部材に結合して揺動を検出し、棒
   部材の揺動に対応して前記可変速電動モータを制
   御するモータ速度調整器とを有することを特徴と
   するシート材積重ね機械。 ２ 前記モータ速度調整器は前記可変速電動モー
   タの速度を連続的に変化させるインピーダンス調
   整器である特許請求の範囲第１項に記載のシート
   材積重ね機械。 ３ 前記可変速電動モータは前記シート材が部分
   的に巻付く第１ローラに結合され、第２の電動モ
   ータで駆動される第２ローラがこの第１ローラに
   沿つて併置され、前記棒部材がこれらの第１第２
   ローラ間に配置されてシート材に凹部を形成する
   特許請求の範囲第１項に記載のシート材積重ね機
   械。 ４ 前記棒部材の各端部はロツド状の支持部材を
   介して前記可動キヤリツジに枢着されてこの可動
   キヤリツジから懸垂され、前記モータ速度調整器
   がこの支持部材を保持するヒンジに併置して設け
   られ、支持部材の位置する角度を検出する特許請
   求の範囲第１項記載のシート材積重ね機械。 ５ 前記支持部材には磁性部材が配置され、前記
   キヤリツジから突出する固設のクロス部材の少な
   くとも１に取外し可能に係止される特許請求の範
   囲第１項に記載のシート材積重ね機械。 ６ 前記第１ローラはコンベアベルトの搬送方向
   の一端側に配置される特許請求の範囲第１項に記
   載のシート材積重ね機械。