JPH0548720B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、上部より衣類の出し入れが行なえ
る、いわゆるトツプオープン方式の衣類乾燥機に
係るものである。

〔従来の技術〕

トツプオープン操作方式を採用する衣類乾燥機
は、従来、衣類収納室を周知の回転ドラムによつ
て構成し、かつ、そのドラム胴部の一部に蓋付き
の衣類投入口を設けるとともに、乾燥機本体の上
部に外蓋を設け衣類の出し入れ操作は前記乾燥機
本体の上部に設置した外蓋と、回転ドラム胴部の
一部に設けた衣類投入口の蓋とを開くことにより
行なうようにしていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、トツプオープン操作方式を採用
する従来形衣類乾燥機にあつては、乾燥機の運転
停止に際し、回転ドラム胴部に設けられている衣
類投入口が、必ず乾燥機本体の上部に設けられて
いる外蓋の位置で停止するようにしなければなら
ない。位置がずれてしまうと、衣類の出し入れが
できなくなるからである。回転ドラム胴部の衣類
投入口と乾燥機本体の外蓋とが一致していない場
合、操作者は、乾燥機本体の外蓋を設けた後、回
転ドラムを手で回転させ、回転ドラム胴部の衣類
投入口を乾燥機本体の外蓋に一致させて、衣類の
出し入れ操作を行なわなければならず、その操作
に煩わしさを伴う難点があつた。

なお、衣類乾燥機の運転停止時、回転ドラム胴
部の衣類投入口を、乾燥機本体の外蓋と一致させ
て停止させる制御機構も考えられるが、このよう
に、回転ドラム胴部の衣類投入口と乾燥機本体の
外蓋とを一致させて停止させるためには、機械
的・電気的いずれの点でも、乾燥機の構成が複雑
となり、しいては製品コストの大幅な上昇を招
き、必ずしも良策とは云い難い。

上記の問題に鑑み、本発明は、回転ドラムを定
位置で止める必要がなく、しかも機械的にもすこ
ぶる簡単な構成のトツプオープン式の衣類乾燥機
を提供することを目的とするものである。

本発明の他の目的は、組立のし易い構造を提供
せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、乾燥をする衣類を収納する衣類収納
室と、この衣類収納室に送風を行なう送風手段
と、衣類収納室に流入する空気を加熱する加熱手
段とからなる衣類乾燥機において、上記衣類収納
室を筒状の胴部と両側壁部で形成し、衣類収納室
の側壁部内側面に沿うように回転自在なる回転デ
イスクを設けたことを特徴とするものである。

さらに詳しくは、衣類を収納する衣類収納室
を、筒状胴部とその両側に位置する盆状部材とに
よつて構成し、かつ前記衣類収納室に温風を供給
して衣類の乾燥を行なう衣類乾燥機において、前
記衣類収納室を構成する筒状胴部を、乾燥機本体
に対し固定的に取り付けて、この筒状固定胴部の
一部に衣類の出し入れ操作を行なう衣類投入口を
設置するとともに、前記筒状固定胴部の両側に位
置する盆状部材のうち、少なくともそのいずれか
一側の盆状部材を、モータによつて回転駆動する
回転板とし、この回転板状部材に、衣類撹拌用の
リフタを設置する構成にするとともに、衣類収納
室は前記回転板状部材の回転軸に対して直角をな
す平面において、対称形をもつて構成し、さらに
は、その対称形をなす平面で分割された部材で構
成するか、前記回転板状部材の回転軸を含む平面
で分割された部材で構成するか、あるいは前記筒
状固定胴部と両側の回転板状部材が分割された構
成にすることにより達成される。

〔作用〕

しかして、前記構成よりなる本発明によれば、
衣類収納室の一部を構成する筒状胴部を、乾燥機
本体に対し固定的に取り付けて、この筒状固定胴
部の一部に、衣類の出し入れ操作を行なう衣類投
入口を設置したことにより、前記衣類投入口は、
衣類乾燥機の運転・停止に拘らず、常に一定の位
置にあるため、衣類の出し入れ操作は容易に行な
われる。したがつて、トツプオープン操作方式を
採用する従来形衣類乾燥機のように、乾燥機の運
転停止に際し、回転ドラム胴部の衣類投入口と乾
燥機本体の外蓋とが一致していない場合、操作者
は、乾燥機本体の外蓋を開けた後、回転ドラムを
手で回転させ、回転ドラム胴部の衣類投入口を乾
燥機本体の外蓋に一致させて、衣類の出し入れ操
作を行なわなければならないといつた煩わしい操
作をなくすことができる。

また、前記構成よりなる本発明においては、筒
状固定胴部の側部に位置する回転板状部材に、衣
類撹拌用のリフタを設置したことにより、衣類収
納室内における衣類の撹拌作用は良好に行なわ
れ、ついては前記衣類の乾燥作用も良好に行なわ
れる。

更に、少なくとも、衣類収納室を前記回転板状
部材の回転軸に対して直角をなす平面において、
対称形であることにより、その平面における両側
の部材を左右（あるいは前後）部品の共用化を計
ることができるため、部材を製造するに当り、製
作用の型の共用化、更に部材そのものの共用化を
行なうことができるため、コスト的にも非常に有
効なるものである。

〔実施例〕

以下、本発明を、第１図、第２図および第３図
の一実施例にもとづいて説明をすると、第１図
は、本発明に係る衣類乾燥後の縦断正面図、第２
図は第１図の縦断面図、第３図は縦断背面図であ
る。

第１図、第２図および第３図において、１は外
枠体脚１−１を底部に有し、一部に排気口１−２
を有し、後面を外枠体裏蓋１−３に覆われた外枠
体、５は盆状の形状を呈する回転デイスク、６は
外枠体１に衣類収納室支持板７を介して固体的に
取り付けられたデイスク支持体を示し、回転デイ
スク５は、デイスク支持体６に対して、デイスク
支持体６に取り付けられた軸受６−２と、回転デ
イスク５に取り付けられたデイスクシヤフト５−
２とを介して回転自在に支持されている。５−１
は回転デイスク通気孔、５−３は撹拌リフタで各
各、回転デイスク５に設置されている。ここでデ
イスク支持体６は深い円形の盆状の形状を呈し、
左右一対で円筒形を形成する如く構成され、上部
は、外枠体１の天井部を覆うトツプカバー２に開
閉自在に取り付けられた外蓋３および内側パツキ
ン４−１を有する内蓋４に対して開口した衣類投
入口Ｂが設けられている。更に６−１は支持体通
気孔である。

かくして、左右一対で円筒形を形成したデイス
ク支持体６の筒状胴の部分と、左右一対の回転デ
イスク５によつて形成される空間で衣類が収納さ
れる衣類収納室Ａが構成される。

回転デイスク５は、外枠体１の底部にモータベ
ース１２−１を介して設置されたモータ１２の回
転運動をモータ１２に取り付けられたデイスク駆
動プーリ１２−２、およびテンシヨンプーリ１３
およびテンシヨンプーリヒキバネ１３−１によつ
て張力を印加されたデイスク駆動ベルト１４を介
して伝達し、回転されるように構成されている。

８は送風フアン８−１を内装した送風機であ
り、前記外枠体１の底部に送風機取付板８−２を
介し設置されている。送風フアン８−１は前記モ
ータ１２に取り付けられた送風フアン駆動プーリ
１２−３および送風フアンベルト１５を介してモ
ータ１２の回転運動が伝達され、回転運動せしめ
られる。

送風機８と、前記デイスク支持体６および回転
デイスク５によつて構成された衣類収納室Ａと
は、衣服収納室Ａ側は、デイスク支持体６の支持
体通気孔６−１を覆い連結されたフアンダクト１
１および延長管１１−１によつて通風路を構成し
接続されている。また送風機８の吐出側は、前記
外枠体１の排気口１−２に接続されている。

９は運転時、温風を発生するためのヒータであ
り、前述同様、衣服収納室Ａとヒータダクト１０
によつて通風路を構成し接続されている。

２−１は前記したモータ１２、ヒータ９の運転
制御を司る制御装置であり、前記トツプカバー２
に設置されている。２−２は運転時、送風機８に
外気を供給するための吸気口であり、トツプカバ
ー２に設けられている。

１６は乾燥運転時、衣類より発生する糸屑を捕
集し、運転後、操作者が掃除できるよう回転デイ
スク５に着脱自在に取り付けられた糸屑捕集装
置、１７は万一糸屑捕集装置１６掃除を忘れて何
回も運転された場合、衣類収納室Ａ内における衣
類の撹拌により生ずる煽り現象によつてヒータ９
側への糸屑の逆流を防止する糸屑逆流防止装置で
ある。

ここで、前記衣類収納室Ａ部の構造について詳
述すると、デイスク支持体６とその両側に設置さ
れた回転デイスク５は、第１図、第２図および第
３図に示すように、回転デイスク５の回転軸に対
して直角をなす平面○イにおいて、左右対称であ
り、さらに回転デイスク５の回転軸を含む平面○ロ
において対称形である。

また、デイスク支持体６は、前記平面○イにおい
て、分割されるべく構成されている。

よつてデイスク支持体６および回転デイスク５
は、第１図および第３図において、撹拌リフタ５
−３等の取付用の孔の配置を除けば、左右同一の
部材となるわけである。

更に、ヒータダクト１０、フアンダクト１１も
前記平面○イにおいて、ヒータダクト１０はヒータ
９、フアンダクト１１は延長管１１−１の取付部
を除いては対称形となつている。各部材の形状を
第４図に示す。

このように構成された本発明による一実施例に
ついてその動作を説明する。

衣類収納室Ａに衣類を収納し乾燥運転を開始す
ると、モータ１２が起動し回転デイスク５が回転
運動する。そしてこの状態で回転デイスク５に設
置された撹拌リフタ５−３の助力も作用して乾燥
室内に収納された衣類は乾燥室内にて効率よく撹
拌され、この状態で送風機８の運転によりトツプ
カバー２の吸気口２−２より吸入された外気は、
ヒータ９を通過する際に温められ、温風となりヒ
ータダクト１０を通りデイスク支持体６の支持体
通気孔６−１、回転デイスク５の回転デイスク通
気孔５−１を介し衣服収納室Ａ内で撹拌されてい
る衣類に効率よく供給され、その後衣類より水分
を吸収した上記となり、回転デイスク通気孔５−
１、支持体通気孔６−１を介しフアンダクト１
１、および延長管１１−１を通り、送風機８へ導
びかれ、外枠体１の排気口１−２より外部へ排出
され乾燥運転が行なわれる。

このように、乾燥運転については前記した従来
の回転ドラム式のものに何んら相違点なく、良好
におこなわせしめることができる。

しかして、前記構成よりなる本発明によれば、
衣類収納室Ａの一部を構成するデイスク支持体６
を本体に対して固体的に取り付けて、このデイス
ク支持体６の一部に衣類の出し入れ操作をおこな
う衣類投入口Ｂを設置したことにより、本体の運
転停止に拘らず、衣類投入口Ｂは、常に一定の位
置にあるため衣類の出し入れ操作は、図示実施例
の場合、トツプカバー２に配置された外蓋３およ
び内蓋４の開閉操作のみにより容易におこなわせ
しめることができる。したがつてこの種の従来形
の衣類乾燥機における、運転、停止に際し、回転
ドラム胴部の衣類投入口と、衣類乾燥機本体の外
蓋とが一致していない場合、操作者は、衣類乾燥
機本体の外蓋を開けた後、回転ドラムを手で回転
させ、回転ドラム胴部の衣類投入口を、前記外蓋
の位置に一致させて、衣類の出し入れ操作をおこ
なわなければならないといつた煩わしい操作をな
くすことができ、さらに回転ドラム胴部の衣類投
入口と衣類乾燥機本体の外蓋とを一致させて停止
させる場合のように機械的、電気的いずれの点で
も、衣類乾燥機本体の構成が複雑となり、しいて
は製品コストの大巾な上昇を招くといつた問題も
生ずるものではない。

なお、図中の矢印○ハは回転デイスク５および撹
拌リフタ５−３の回転方向を示し、矢印○ニは運転
時における乾燥に供する空気の流れを示すもので
ある。

また、前述した如く、少なくとも衣類収納室Ａ
を構成する部材を実施例の場合であれば、第１図
における○イ平面および○ロ平面において、左右対
称、更には、○イ平面において分割する構成とする
ことにより、左右の部品を共用化することができ
る（回転デイスクにおける撹拌リフタ５−３の取
付部、更には、ヒータダクト１０、フアンダクト
１１におけるヒータ９、延長管１１−１の取付部
の左右の違いは、例えばその取付部を各部材を製
作する際の工程における一部を変更することによ
り共用を計ることができる。）ことにより、構成
部品の種類数を削減することができ、その製作に
当る初期的コスト（例えば金型代）の大巾削減、
更には、部材共用化による部品の生産管理をも含
めた部品単価の削減を計ることができる。

また、衣類収納室Ａを構成するに当り、○イ平面
において分割されていることにより、回転デイス
ク５のデイスク支持体６への取付が容易となり、
組立性においても優れたものである。

ここで、少なくとも衣類収納室Ａを回転デイス
ク５の回転軸を含む平面において分割すること
も、生産性の向上に寄与する一案ではあるが、本
発明の一実施例に示す如く、衣類収納室Ａの回転
軸方向の寸法が回転軸に直角な方向の寸法よりも
小さい場合は、部材の製作上不利となる。これ
は、部材を製作する金型等のコストが大きくなつ
たり、あるいは衣類収納室Ａを構成するデイスク
支持体６等を鋼板で構成しようとした場合など
は、深い絞り部材となり、製作が困難になる恐れ
がある。分割をどの面で行なうかは、部材寸法、
材質など場合場合によつて決定すればよいことで
あることは述べるまでもないことである。

〔発明の効果〕

本発明は以上の如きであり、図示実施例からも
明らかなように、本発明によれば、すこぶる簡単
なる手段をもつて、衣類の出し入れ操作の容易で
性能良好な、かつ、生産性、コスト面においても
非常に優利なるトツプオープン操作方式の衣類乾
燥機に適用して、好適な、改良されたこの種の衣
類乾燥機を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る衣類乾燥機の一実施例を
示す縦断正面図、第２図は第１図の縦断側面図、
第３図は第１図の縦断背面図、第４図は本発明の
衣類収納室の構成部材を分割した状態を示す説明
図である。 １……外枠体、５……回転デイスク、６……デ
イスク支持体、１０……ヒータダクト、１１……
フアンダクト、１２……モータ、Ａ……衣類収納
室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外枠体内に乾燥すべき衣類を収納する衣類収
   納室と、この衣類収納室に送風に行う送風手段
   と、衣類収納室に流入する空気を加熱する手段と
   を備えた衣類乾燥機において、上記衣類収納室を
   筒状の胴部と両側に位置する盆状部材で形成し、
   上記筒状の胴部は上記外枠体に固定的に支持され
   るとともにその周壁に衣類投入口を有し、上記盆
   状部材の内面に沿うように回転自在なる回転デイ
   スクを設け、上記回転デイスクに収納室内の衣類
   を撹拌する撹拌リフターを設け、回転デイスクの
   回転軸線にほぼ直行する面で上記衣類収納室の胴
   部を分割するようにしたことを特徴とする衣類乾
   燥機。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のものにおいて、
   回転デイスクの回転軸線に直行する面で衣類収納
   室の胴部中央を分割するようにしたことを特徴と
   する衣類乾燥機。 ３ 特許請求の範囲第１項記載のものにおいて、
   衣類収納室を形成している胴部の最上部に衣類投
   入口を設けたことを特徴とする衣類乾燥機。