JPH0548667U - 釣り竿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スライド操作だけで移動ガイドの固定を行
い、寸法精度を高めずとも移動ガイドを回り止め状態で
強固に固定する釣り竿を構成する。 【構成】 移動ガイドＧを、竿体１の外面に外嵌するス
リーブ部２と、スリーブ部２に形成されるフレーム部３
と、フレーム部３に備える糸案内部材４とで構成し、ス
リーブ部２にスリット２Ａを形成して弾性変形による内
径の変更を可能に構成し、又、該スリーブ部２の内周面
に弾性的に突出付勢される係合片５を形成し、竿体外周
に係合片５が係入する回り止め用の凹部６を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、竿体の軸芯方向に移動可能に構成された移動ガイドを有して成る釣 り竿に関し、詳しくは、移動ガイドを竿体に固定する技術の改良に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来、移動ガイドを竿体の所定位置に固定する技術としては、実開昭６４−３ ４９６４号公報、あるいは、実開昭５６−１６０４７５公報に示されるものが存 在し、これらの従来例のうち前者の構造のものでは竿体の軸芯に沿った姿勢の溝 を多数形成した固定用の部材を竿体の外面に備えることにより、この部材の外面 に密接する状態で移動ガイドの固定を行えるよう構成され、又、従来例のうち後 者の構造のものでは、移動ガイドのスリーブ部にスリットを形成して、このスリ ーブ部の部位での変形量の増大が図られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、前述した従来例について考えるに、前者のものでは、移動ガイドをス ライド操作するだけの操作によって、該移動ガイドを竿体の所定位置に回り止め 状態で固定できるという良好な面を有するものであるが、この構造のものでは嵌 合によって移動ガイドの固定、及び、回り止めを行う構造であることから、移動 ガイドを竿体の所定位置で強固に固定するためには、移動ガイド、及び、回り止 め部材夫々に高い寸法精度を必要とする。

【０００４】 又、従来例のうち後者のものでは、移動ガイドのスリーブ部の径方向の変形に より該スリーブ部が竿体を抱き込んで移動ガイドの固定を行うよう構成されるこ とから、寸法精度を高めずとも固定を行えるという良好な面を有するものの、こ の構造のものでは、固定を行う際には緊締リングの操作を必要とするので、固定 時に手間を要するばかりで無く、回り止めもあまり確実で無く改善の余地がある 。

【０００５】 特に、投げ竿のように仕掛のキャスティング時に移動ガイドに対して、移動方 向、及び、回転方向に強い力が作用する種類の竿では、移動ガイドを、その移動 を阻止した状態で、しかも、回り止め状態で強固に固定する構造が望まれる。

【０００６】 本考案の目的は、前述した従来例夫々の良好な面を損なうこと無く、回り止め 状態で強固に移動ガイドの固定を行う釣り竿を合理的に構成する点にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴は冒頭に記したように、竿体の軸芯方向に移動可能に構成された 移動ガイドを有して成る釣り竿において、 前記移動ガイドを、前記竿体の外面に外嵌するスリーブ部と、このスリーブ部 と一体的に形成されたフレーム部と、このフレーム部に備える釣り糸案内用の糸 案内部材とで構成すると共に、前記スリーブ部に対してスリットを形成して該ス リーブ部の弾性変形により内径を変更自在に構成し、又、該スリーブ部の内周面 に径方向中心側に弾性的に突出付勢される係合片を形成し、更に、この移動ガイ ドのスリーブ部が弾性的に外嵌する部位の竿体外周に、前記係合片が係入する回 り止め用の凹部を形成して成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通りであ る。

【０００８】

【作用】

上記特徴を例えば図１乃至図３に示すように構成すると、移動ガイドＧを固定 する際には、この移動ガイドＧをスライド操作する操作により、この移動ガイド のスリーブ部２が径方向に弾性的に変形して竿体１、若しくは、この竿体１の外 面に形成された部材の外面に対し弾性力で密接して、摩擦力により移動が阻止さ れると共に、この固定時には、係合片５が凹部６に弾性的に係入して、この移動 ガイドＧの回転を阻止するものとなる。

【０００９】 つまり、この考案では、スリーブ部２にスリット２Ａを形成して、この部位の 弾性変形量、及び、弾性力を高め、しかも、凹部６に対して弾性的に係入する係 合片６を備えているので、この竿体１における移動ガイドＧの固定部位と、移動 ガイドＧとの相対的な精度をあまり高めずとも、スライド操作のみで移動ガイド Ｇの固定が可能になり、しかも、この固定時には、係合片５が弾性的に凹部６に 係入するので、特別の操作を行わずとも、この移動ガイドＧの回り止めが可能に なるのである。

【００１０】

【考案の効果】

従って、スライド操作だけで移動ガイドの固定を行い、寸法精度を高めずとも 移動ガイドの固定を可能にするという良好な面を損なうこと無く、回り止め状態 で強固に移動ガイドを固定できる釣り竿が合理的に構成されたのである。

【００１１】 特に、この考案では図１に示すように、移動ガイドＧのスリーブ部２とフレー ム部３とを滑らかな外面の一体物に形成した場合には、この移動ガイドＧに対す る釣り糸の絡みを生じ難くするという効果も奏する。

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１には振出型に構成された釣り竿の移動ガイドＧを表してあり、この移動ガ イドＧの構造、及び、釣り竿を構成する竿体１に対する該移動ガイドＧの固定構 造は以下のように構成されている。

【００１２】 つまり、図１乃至図３に示すように、前記移動ガイドＧは、前記竿体１の外面 に外嵌するスリーブ部２と、このスリーブ部２と一体的に形成されたフレーム部 ３と、このフレーム部３に備えた釣り糸案内用の糸案内部材４とで構成されると 共に、前記スリーブ部２に対して竿体１の軸芯Ｘ方向に沿う姿勢に複数のスリッ ト２Ａ‥を形成して、該スリーブ部２の弾性変形により内径の値を変更自在に構 成し、かつ、該スリーブ部２の内周面に径方向中心側に弾性的に突出付勢された 係合片５を形成してある。

【００１３】 尚、この移動ガイドＧでは、スリーブ部２と前記フレーム部３とを夫々の外面 が滑らかに連なる外面にプレス成形されたステンレスの素材の一体物により形成 し、又、前記糸案内部材４は耐磨耗性に優れたセラミック製の素材を環状に成形 して構成され、又、前記係合片５は屈曲成形したピアノ線の一方の端部をスリー ブ部の内面に固定して成っている。

【００１４】 又、この移動ガイドＧのスリーブ部２が弾性的に外嵌する部位の竿体１の外周 には、樹脂の肉盛り、樹脂シートの被覆等により、固定部１Ａを形成してあり、 この固定部１Ａの外面には、移動ガイドＧの係合片５が係入する回り止め用の凹 部６を、竿体１の軸芯Ｘに沿う姿勢の溝状に形成してある。

【００１５】 そして、この移動ガイドＧを固定する際には、該移動ガイドＧを単にスライド 操作するだけの操作によって、スリーブ部２の弾性力によって竿体１の固定部１ Ａを抱き込む状態に密嵌合して位置固定が行われると共に、係合片５が凹部６へ 弾性的な付勢力によって係入することにより回り止めが行われるようになってい る。

【００１６】 〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、例えば、竿体の素材を切削する等により、この竿 体の外面に対して直接凹部を形成する構造であって良く、又、移動ガイドのスリ ーブ部と、フレーム部とを別体で形成して良く、更に、これらを樹脂で形成して も良い。

【００１７】 又、本考案では、図４及び図５に示すように、スリーブ部２の素材を竿の側に 突出する形状に成形し、該スリーブ部２と一体的に係合片５を形成することが可 能であり、スリーブ部の内周面を樹脂で被覆して摩擦力の向上を図るよう構成す ることが可能であり、この移動ガイド等の構造は投げ竿以外に、磯竿等様々な構 造の釣り竿に適用できる。

【００１８】 又、本考案では、独立した凹部を複数個並べて形成する、若しくは、外方にの み開放する形状の単一の凹部を形成して実施することも可能である。

【００１９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】移動ガイド等の縦断側面図

【図２】移動ガイド等の縦断正面図

【図３】移動ガイドの斜視図

【図４】別実施例の移動ガイドの縦断側面図

【図５】別実施例の移動ガイドの縦断正面図

【符号の説明】

１ 竿体 ２ スリーブ部 ２Ａ スリット ３ フレーム部 ４ 糸案内部材 ５ 係合片 ６ 凹部 Ｇ 移動ガイド

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 竿体（１）の軸芯方向に移動可能に構成
   された移動ガイド（Ｇ）を有して成る釣り竿であって、 前記移動ガイド（Ｇ）を、前記竿体（１）の外面に外嵌
   するスリーブ部（２）と、このスリーブ部（２）と一体
   的に形成されたフレーム部（３）と、このフレーム部
   （３）に備える釣り糸案内用の糸案内部材（４）とで構
   成すると共に、前記スリーブ部（２）に対してスリット
   （２Ａ）を形成して該スリーブ部（２）の弾性変形によ
   り内径を変更自在に構成し、又、該スリーブ部（２）の
   内周面に径方向中心側に弾性的に突出付勢される係合片
   （５）を形成し、又、この移動ガイド（Ｇ）のスリーブ
   部（２）が弾性的に外嵌する部位の竿体外周に、前記係
   合片（５）が係入する回り止め用の凹部（６）を形成し
   て成る釣り竿。
2. 【請求項２】 前記スリーブ部（２）と前記フレーム部
   （３）とを、夫々の外面が滑らかに連なる一体物に形成
   して成る請求項１記載の釣り竿。