JPH0548304U - チョークコイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ドラム型フェライトコアを用いて、磁束の漏
れの変動も小さく能率よく高い歩留で安価な所望の電気
的特性を有するチョークコイルを提供することを目的と
する。 【構成】 ドラム型フェライトコア１の中央円環溝に巻
線５を巻回し、巻線の端部をドラム型フェライトコアの
鍔のリード線引出し溝４に通して引出し、軟磁性材を混
入した熱収縮チューブ８を巻線を施したドラム型フェラ
イトコアの両端の鍔を覆い被せ熱収縮し形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電話器やデータ通信機器が接続される電話回線に誘導される電磁妨 害を防止するチョークコイルの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電話回路への放送波による誘導雑音を防止するための従来のチョークコイルは 、図２に示したドラム型フェライトコア１（以下コアと称す）の両端の鍔３の間 に巻線を巻回し作られている。図３は従来のチョークコイルの一例の縦断正面図 である。コア１の円環溝２に絶縁被覆銅線を巻回して巻線５をつくり、巻線５の 両端部をコア１の鍔３の外周面に形成したリード線引出し溝４から外へ引き出し てから、コア１の外周にほぼ同じ長さ（軸方向寸法）の円筒形フェライトコア６ を被せて接着剤７で固定した構造であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

円筒形フェライトコアは、ドラム型コアの開磁路の構造を閉磁路にし実効比透 磁率を増加させ、巻線の少ない巻回数で大きなインダクタンスを得るために被せ る。しかし、フェライトコアは焼成上がりの寸法のばらつきが大きく、変形があ り、又焼成後の仕上げ加工が難しいので、円筒形コアとドラム型コアの鍔とを密 着させることが困難であり、ドラム型コアにまかれた巻線の励磁による磁束が円 筒形コアと鍔との間から漏れて、漏れの程度も変動が大きく、所望の電気的特性 のチョークコイルを安定に供給することが困難であった。また、接着剤で円筒形 コアとドラム型コアを固着する構造は、多くの工数と固化時間を要する欠点と、 接着剤の余分な作業やはみだしなどの外観上の不具合の発生が歩留りを低下させ る欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ドラム型コアを使用するチョークコイルにおいて、比透磁率の値が 高い磁性材を混入した熱収縮チューブを、巻線を巻回したドラム型フェライトコ アに被せ構成したことを特徴とするチョークコイルである。

【０００５】 即ち本考案は、円環状溝の両端鍔の外周にリード線引出し溝を形成したドラム 型フェライトコアの前記円環状溝に巻線を巻回し、巻線の端部をリード線引出し 溝に通して引き出し、軟磁性材を混入した熱収縮チューブを、巻線を施したドラ ム型フェライトコアの両端鍔を覆い被せ熱収縮し形成したことを特徴とするチョ ークコイルである。

【０００６】

【作用】

比透磁率の値の高い磁性材入りの熱収縮チューブは、ドラム型コアの鍔の外周 に密着して鍔同士を磁気的に結合し、ドラム型コアの磁気回路を閉磁路にし実効 的な比透磁率の値を高くし、高いインダクタンスのチョークコイルとする。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例の縦断正面図である。ドラム型フェライトコア１の 円環溝２にポリウレタン銅線を巻回し、巻線５の両端部をコア１の鍔３のリード 線引出し溝４（図２参照）からコア１の軸方向（図では下方）に引き出す。次に 高い比透磁率特性を有する軟磁性フェライト粉末（粒径μｍ単位の微粉末）を混 入した絶縁樹脂材で作った熱収縮チューブをコア１に被せる。熱収縮チューブは 、所要の太さと収縮後にコア１の軸方向寸法より若干長い長さにし、リード線引 出し溝４のある鍔３の外面（図では底面）と片端面を面一にしてから熱収縮され る。図１に示したように、熱収縮した熱収縮チューブ８は、リード線引出し溝４ の部分を除いて両方の鍔３の外周に密着し、巻線５を覆う。熱収縮チューブ８は 軟磁性フェライト粉末を混入してあるので、巻線を間にはさんで両端の鍔３同士 を巻線の外周で磁気的に短絡し閉磁路を形成する。本考案によるチョークコイル とすることにより、実質的に磁束の漏れがなく、所要のインダクタンスをもつチ ョークコイルとなる。

【０００８】

【考案の効果】

両端鍔の外周を円筒形フェライトコアで包み鍔と円筒形フェライトコアとの間 を接着剤を用い接着した従来の構造と異なり、軟磁性フェライト粉末を混入した 熱収縮チューブを、巻線を施したドラム型フェライトコアに被せて包み加熱する 単純な作業ですむチョークコイルであるから、能率よく高い歩留で安価に作るこ とができる効果と、確実に所望の電気的特性を実現できる効果とを奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるチョークコイルの実施例を示す
縦断正面図。

【図２】ドラム型フェライトコアの一例を示す外観斜視
図。

【図３】従来例のこの種のチョークコイルを示す縦断正
面図。

【符号の説明】

１ ドラム型フェライトコア ２ 円環溝 ３ 鍔 ４ リード線引出し溝 ５ 巻線 ６ 円筒形フェライトコア ７ 接着剤 ８ 熱収縮チューブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０１Ｆ 37/00 Ｚ 8935−5Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円環状溝の両端鍔の外周にリード線引出
   し溝を形成したドラム型フェライトコアの前記円環状溝
   に巻線を巻回し、巻線の端部をリード線引出し溝に通し
   て引き出し、軟磁性材を混入した熱収縮チューブを、巻
   線を施したドラム型フェライトコアの両端鍔を覆い被せ
   熱収縮し形成したことを特徴とするチョークコイル。