JPH0548267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、リール台の回転が停止したとき、こ
れを検出して左右のピンチローラを切換動作させ
るテープレコーダのオートリバース装置に関す
る。

（従来の技術） テープレコーダのオートリバース装置は、通
常、磁気ヘツドの左右に各一対のリール台、キヤ
プスタン軸およびピンチローラを設け、各キヤプ
スタン軸の回転を対応するリール台に回転伝達体
を介して択一的に伝達するとともにリール台の停
止を検出する停止検出手段を設け、この停止検出
手段によつて得られた停止信号により各回転伝達
体を回転伝達経路中へまたは回転伝達経路外へ移
動させ、かつ各ピンチローラを対応するキヤプス
タン軸に対して接・離させるように構成されてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来のオートリバース装置にあ
つては、特願昭58−182835号（特開昭60−76046
号）に代表されるように、回転伝達体を支持する
部材とピンチローラを接・離させるための部材と
が別部材で構成されており、このため部品数が多
くなるばかりか動作も複雑化し、しかも構成が複
雑化し、これが原因して装置全体が高価格化する
問題があつた。

そこで本考案は、回転伝達体の支持系およびピ
ンチローラ駆動系の構成を大幅に簡略化でき、部
品数の減少化および低コスト化を図れるテープレ
コーダのオートリバース装置を提供することを目
的としている。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案に係るオー
トリバース装置では、磁気ヘツドの左右に配置さ
れた、一対のリール台、一対のキヤプスタン軸お
よび移動自在な一対のピンチローラと、前記左右
の方向へ往復移動自在に配置された単一の切換作
動板と、この切換作動板が左側安定位置から右側
安定位置にあるいは右側安定位置から左側安定位
置に向けて所定量だけ初期移動した時点より移動
量を増大させる向きの力を上記切換作動板に付与
する反転ばねと、前記切換作動板にそれぞれ軸支
され、上記切換作動板の左右方向への移動に伴な
つて前記各キヤプスタン軸と前記各リール台との
間の回転伝達経路中に相反関係に挿脱される一対
の回転伝達体と、前記各ピンチローラを移動自在
に対する一対の支持部材に臨んで前記切換作動板
にそれぞれ設けられ、上記切換作動板の左右方向
への移動に伴わせて前記各ピンチローラを前記各
キヤプスタン軸に対して相反関係に接離させる一
対の摺合機構と、前記各リール台にフリクシヨン
機構を介してそれぞれ連結された一対のカムフオ
ロアと、前記各回転伝達体にそれぞれ設けられて
対応する前記カムフオロア係合するともに、上記
回転伝達体が前記回転伝達経路中にあるときに前
記リール台の回転停止時にはその回転伝達体の回
転力を動力源とし、かつ対応するカムフオロアと
協同して上記回転伝達体を前記回転伝達経路から
離脱させる方向に前記切換作動板を初期移動させ
る一対の回転停止検出機構とを備えている。

（作用） 上記構成であると、切換作動板と言つた１つの
部材の左右移動によつて、各回転伝達体の回転伝
達経路中へまたは回転伝達経路外への移動制御
と、各ピンチローラの接離制御とが行われる。ま
た、特に、切換作動板が安定位置から次の安定位
置に向けて所定量だけ初期移動した時点より移動
量を増大させる向きの力を切換作動板に付与する
反転ばねを設け、カムフオロアと回転停止検出機
構との作用で切換作動板が初期移動したとき、こ
の移動を継続させて次の安定位置に向わせるよう
に反転ばねで切換作動板に力を与えているので、
オートリバース動作を確実に実行させることがで
きる。すなわち、単一の切換作動板で一対の回転
伝達体を軸支し、リール台の回転停止時に、回転
伝達体の回転力を動力源とし、カムフオロアと回
転伝達体に設けられた回転停止検出機構とを働か
せて切換作動板を移動させる方式では、構成の単
純化を図れる反面、切換作動板の移動力を回転伝
達体から得ているが故に動作が不安定になり易
い。しかし、本考案の構成では、切換作動板が僅
かに移動すると、この移動を継続させて次の安定
位置に向わせるべく反転ばねで切換作動板に力を
加えるようにしているので、切換動作を確実に実
行させることができる。

（実施例） 以下、図面を参照しながら実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例を係るテープレコー
ダのオートリバース装置を示すもので、この図で
は右側のリール台１ａが駆動され、テープば左側
のリール台１ｂに装着されているリールから右側
のリール台１ａに装着されているリールに巻き取
られている状態を示している。

同図において、２は磁気ヘツドであり、この磁
気ヘツド２の両側にキヤプスタン軸３ａ，３ｂ、
ピンチローラ４ａ，４ｂおよび前記リール軸１
ａ，１ｂがそれぞれ対称関係に配置されている。
キヤプスタン軸３ａ，３ｂには、それぞれ小歯車
５ａ，５ｂおよびフライホイール６ａ，６ｂが取
着されている。

キヤプスタン軸３ａ，３ｂを結ぶ線より図中下
方およびキヤプスタン軸３ａ，３ｂの側方位置に
は、コ字状に形成された切換作動板７が両先端部
をリール台１ａ，１ｂ側に向け、自身に設けられ
た長孔８ａ，８ｂとこれに嵌合する固定ピン９
ａ，９ｂとのガイド作用を受けて左右方向に移動
自在に配置されている。切換作動板７の先端部に
は大小一体の歯車１０ａ，１０ｂ，１１ａ，１１
ｂよりなる回転伝達体が、軸１２ａ，１２ｂを介
して支持されている。各回転伝達体の前記軸１２
ａ，１２ｂの囲りには偏心円状カム１３ａ，１３
ｂが形成されており、この偏心円状カム１３ａ，
１３ｂの外側には、カム１３ａ，１３ｂの周面に
凹側周面を対向させて三日月状カム１４ａ，１４
ｂが設けられている。

前記ピンチローラ４ａ，４ｂは、軸１５ａ，１
５ｂを中心に回動可能な支持体１６ａ，１６ｂに
支持され、キヤプスタン軸３ａ，３ｂに対して離
接自在となつている。そして、各支持体１６ａ，
１６ｂには折曲げ片１７ａ，１７ｂが設けられて
いる。

左右方向に移動自在な切換作動板７には、各支
持体１６ａ，１６ｂの折曲げ片１７ａ，１７ｂを
挿入させる開口部１８ａ，１８ｂが設けられてい
る。各開口部１８ａ，１８ｂ内の一部には傾斜縁
１９ａ，１９ｂが設けられ、切換作動板７が左方
へ移動したときは第１図の如く左方の傾斜縁１９
ｂを左方の支持体１６ｂの折曲げ片１７ｂに摺合
させて左方のピンチローラ４ｂをキヤプスタン軸
３ｂより引離し、切換作動板７が右方へ移動した
ときは右方の傾斜縁１９ａを右方の支持体１６ａ
の折曲げ片１７ａに摺合させて、右方のピンチロ
ーラ４ａをキヤプスタン軸３ａより引離す。ただ
し、各支持体１６ａ，１６ｂは図示しないばねに
より、各ピンチローラ４ａ，４ｂをキヤプスタン
軸３ａ，３ｂに圧接させる方向へ付勢されてい
る。

切換作動板７の一端近傍には展開ばね２０によ
つて一対のストツパピン２１，２２間を節動的に
回動可能な節動板２３が切換作動板７に係合して
設けられている。節動板２３および展開ばね２０
は、切換作動板７と共にピンチローラ切換機構を
構成するもので、たとえば第１図に示す状態から
切換作動板７が右方向へ移動し、展開ばね２０を
その中立点を越えさせる位置まで節動板２３が回
動すると、今度は展開ばね２０の反転力にて節動
板２３が更に回動し、この力で切換作動板７を更
に右方向に移動させる。この切換作動板７の右側
への移動によつて右方のピンチローラ４ａをキヤ
プスタン軸３ａから引離すようにしている。

第１図に示す状態では、右側の回転伝達体を構
成する大小一体の歯車１０ａ，１１ａのうち、大
径の歯車１０ａはキヤプスタン軸３ａと一体の小
歯車５ａに噛合つており、小径の歯車１１ａはリ
ール台１ａと同軸上に設けられた大歯車２４ａに
噛合つている。一方、左側の回転伝達体を構成す
る大小一体の歯車１０ｂ，１１ｂのうち、大径の
歯車１０ｂはキヤプスタン軸３ｂと一体の小歯車
５ｂから離れており、小径の歯車１１ｂもリール
台１ｂと同軸上に設けられた大歯車２４ｂから離
れている。これら歯車１０ａと５ａ、１１ａと２
４ａとの噛合い、または歯車１０ｂと５ｂ、１１
ｂと２４ｂとの噛合いは切換作動板７の左右方向
の位置によつて制御され、磁気ヘツド２を境にし
て一方側に位置する歯車が噛合つているときは、
他方側に位置する歯車が離れるように関連付けら
れている。

リール台１ａ，１ｂと共通の軸にはカムフオロ
ワ２５ａ，２５ｂが図示しない第２のフリクシヨ
ン機構介してリール台１ａ，１ｂの回転が伝達さ
れるように設けられている。このカムフオロア２
５ａ，２５ｂには、偏心円状カム１３ａ，１３ｂ
の周面および三日月状カム１４ａ，１４ｂの凸型
周面に摺接する摺接部２６ａ，２６ｂと、この各
摺接部２６ａ，２６ｂに対向する位置に形成され
て係止部２７ａ，２７ｂと、各軸１２ａ，１２ｂ
を覆うように設けられたばね性を有するアーム部
２８ａ，２８ｂとが形成されている。そして、係
止部２７ａ，２７ｂに対向する固定位置にはスト
ツパピン２９ａ，２９ｂが立設されている。な
お、図中３０は支持板を示している。

次に、本実施例装置の作用を説明する。第１図
は右方のピンチローラ４ａがキヤプスタン軸３ａ
に圧接し、キヤプスタン軸３ａの矢印方向の回転
が歯車５ａ，１０ａ，１１ａ，２４ａおよび図示
しない第１のフリクシヨン機構を介して右方のリ
ール台１ａに伝達されている状態を示す。このと
き、リール台１ａの回転力が図示しない第２のフ
リクシヨン機構を介してカムフオロア２５ａへ、
これを反時計方向へ回転させる力となつて伝達さ
れる。このため、カムフオロア２５ａの摺接部２
６ａが偏心円状カム１３ａの周面に摺接する。こ
のようにして摺接部２６ａが偏心円状カム１３ａ
の周面に摺接している限り、摺接部２６ａは三日
月状カム１４ａの凸側周面と摺接することはな
い。このため、キヤプスタン軸３ａから歯車５
ａ，１０ａ，１１ａ，２４ａおよび第１のフリク
シヨン機構を介してのリール台１ａへの回転伝達
経路は維持される。

今、右側のリール台１ａに装着されたリールに
テープが巻取られながら再生または録音が行なわ
れているとする。このとき切換作動板７は左方へ
移動した状態となつている。このため、歯車５ｂ
と歯車１０ｂとは離れ、また歯車１１ｂと歯車２
４ｂとは離れている。また、カムフオロア２５ｂ
は図示しない第２のフリクシヨン機構を介してリ
ール台１ｂから反時計方向への回動力を受ける。
しかし、軸１２ｂがカムフオロワ２５ｂのアーム
部２８ｂを押圧するので、この押圧力によつてカ
ムフオロア２５ｂが時計方向に回動した位置に保
持され、摺接部２６ｂは偏心円状カム４１ｂの周
面に摺接する。したがつて、摺接部２６ｂは三日
月状カム１４ｂの凸側周面と摺接することはな
い。そして、左方の回転伝達体（歯車１０ｂ，１
１ｂ）は大歯車２４ｂおよび歯車５ｂから離れて
リール台１ｂに対する非係合状態を維持する。

次に、テープが右側のリールにすべて巻取られ
ると、大歯車２４ａとリール台１ａとの間に介挿
された第１のフリクシヨン機構においてすべりが
生じ、リール台１ａが停止する。こうなると、そ
れまで偏心円状カム１３ａの周面に摺接していた
カムフオロワ２５ａの摺接部２６ａは偏心円状カ
ム１３ａの最大偏心位置、つまり軸１２ａから最
も離れた位置まで運ばれて静止する。この状態で
歯車１０ａ，１１ａが回転を続けると、やがて摺
接部２６ａが第２図の如く三日月状カム１４ａの
凸側周面に摺接するようになる。これによりカム
フオロア２５ａが時計方向に回動し、続いてカム
フオロア２５ａの係止部２７ａがストツパピン２
９ａに係止される。この間にも歯車１０ａ，１１
ａは回転しているので、摺接部２６ａの三日月状
カム１４ａの凸側周面への乗上げ量が増加し、つ
いには切換作動板７が右方向へ移動を開始する、
この結果、歯車１０ａが歯車５ａから離れ、また
歯車１１ａが歯車２４ａから離れる。第３図は、
まさに離れようとしている直前の状態を示してい
る。

このように、切換作動板７が右方向に移動し、
ある量移動すると節動板２３が展開ばね２０を蓄
勢しながら反時計方向へ回動する。そして、展開
ばね２０の中立点を越えると、このばね２０の弾
力が節動板２３をさらに反時計方向へ回動させる
力となつて作動する。この結果、切換作動板７は
急速に右方へ移動する。このとき、切換作動板７
の左方の傾斜縁１９ｂは支持体１６ｂに対する係
止を解き、逆に右方の傾斜縁１９ａは支持体１６
ａを反付勢方向へ回動させる。このため、左方の
ピンチローラ４ｂがキヤプスタン軸３ｂに圧接
し、右方のピンチローラ４ａがキヤプスタン軸３
ａから引離される。また、左方の回転伝達体の構
成している小歯車１１ｂを大歯車２４ｂに噛合さ
せ、同時に大歯車１０ｂをキヤプスタン軸３ｂと
同軸に設けられた小歯車５ｂに噛合わせる。この
状態では第１図とは逆の第４図に示す形となり、
左方のリール台１ｂが巻取り方向へ回転してテー
プが左方のリールに巻取られながら再生または録
音が行なわれ、ここにオートリバース動作が行わ
れることになる。

なお、上記実施例では偏心円状カム１３ａ，１
３ｂ、三日月状カム１４ａ，１４ｂ、カムフオロ
ア２５ａ，２５ｂ、ストツパピン２９ａ，２９ｂ
を組み合わせてテープ停止検出機構を構成してい
るが、必ずしももの構成に限定されるものではな
い。その他、本考案の用紙を逸脱しない範囲で
種々変形して実施することができる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案に係るテープレコー
ダのオートリバース装置は、各回転伝達体の支持
および各ピンチローラの駆動を１つの切換作動板
で行なわせるようにしているので、部品点数を大
幅に減少させることができるとともに装置の単純
化を図れ、装置全体の低価格化に寄与できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るテープレコー
ダのオートリバース装置の一方の動作状態下にお
ける概略構成を示す平面図、第２図および第３図
は同装置が他方の動作状態へ切換わる過程を説明
するための図、第４図は同装置が他方の動作状態
に切換わた状態下の概略平面図である。 １ａ，１ｂ……リール台、２……磁気ヘツド、
３ａ，３ｂ……キヤプスタン軸、４ａ，４ｂ……
ピンチローラ、７……切換作動板、１０ａ，１０
ｂ……大歯車、１１ａ，１１ｂ……小歯車、１３
ａ，１３ｂ……偏心円状カム、１４ａ，１４ｂ…
…三日月状カム、２４ａ，２４ｂ……歯車、２５
ａ，２５ｂ……カムフオロワ、２６ａ，２６ｂ…
…摺接部、２８ａ，２８ｂ……アーム部、２７
ａ，２７ｂ……係止部、２９ａ，２９ｂ……スト
ツパピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気ヘツド２の左右に配置された、一対のリー
   ル台１ａ，１ｂ、一対のキヤプスタン軸３ａ，３
   ｂおよび移動自在な一対のピンチローラ４ａ，４
   ｂと、前記左右の方向へ往復移動自在に配置され
   た単一の切換作動板７と、この切換作動板７が左
   側安定位置から右側安定位置にあるいは右側安定
   位置から左側安定位置に向けて所定量だけ初期移
   動した時点より移動量を増大させる向きの力を上
   記切換作動板７に付与する反転ばね２０と、前記
   切換作動板７にそれぞれ軸支され、上記切換作動
   板７の左右方向への移動に伴なつて前記各キヤプ
   スタン軸３ａ，３ｂと前記各リール台１ａ，１ｂ
   との間の回転伝達経路中に相反関係に挿脱される
   一対の回転伝達体１０ａ，１１ａ，１０ｂ，１１
   ｂと、前記各ピンチローラ４ａ，４ｂを移動自在
   に支持する一対の支持部材に臨んで前記切換作動
   板７にそれぞれ設けられ、上記切換作動板７の左
   右方向への移動に伴わせて前記各ピンチローラ４
   ａ，４ｂを前記各キヤプスタン軸３ａ，３ｂに対
   して相反関係に接離させる一対の摺合機構１８
   ａ，１８ｂと、前記各リール台１ａ，１ｂにフリ
   クシヨン機構を介してそれぞれ連結された一対の
   カムフオロア２５ａ，２５ｂと、前記各回転伝達
   体１０ａ，１１ａ，１０ｂ，１１ｂにそれぞれ設
   けられて対応する前記カムフオロアに係合すると
   ともに、上記回転伝達体が前記回転伝達経路中に
   あるときに前記リール台の回転停止時にはその回
   転伝達体の回転力を動力源とし、かつ対応するカ
   ムフオロアと協同して上記回転伝達体を前記回転
   伝達経路から離脱させる方向に前記切換作動板７
   を初期移動させる一対の回転停止検出機構１３
   ａ，１４ａ，１３ｂ，１４ｂとを具備してなるこ
   とを特徴とするテープレコーダのオートリバース
   装置。