JPH0548009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はヒートポンプユニツトで稼働時に生ず
るドレンをユニツトケース内で蒸発露散させるよ
うにしたドレン処理装置に関する。

（従来の技術） この種空調設備におけるドレンの処理としては
一般に排水管により外部に放出するを一般とする
が、これを改善するものとしてドレンを直接熱交
換器に散布して、熱交換器の放熱によりドレンを
蒸発する手段も行われている。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来手段における前者の排水管を用いるも
のは漏水等の弊害防止用の措置を必要とするから
設備が面倒となり、又後者の場合は熱交換器側の
フインが腐蝕するため空調設備の機能を低下させ
寿命を短かくする弊害があり、又蒸発量が十分確
保できない難点があつた。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記従来の不都合を排すると共に年間
を通じてドレンの処理を行い得るようにしたもの
で、ユニツトケース内において夫々ドレンパン上
に設置された室外側熱交換器と室内側熱交換器と
の夫々空気流の下流側外側に、多孔質吸水板の適
数板を適宜間隔を存して水平に重合して構成した
ドレン蒸発器を設置し、吸引ポンプで吸引したド
レンパン内のドレンを切換装置を介して冷房時に
は室外側熱交換器側のドレン蒸発器の上面に散水
し、暖房時には室内側熱交換器側のドレン蒸発器
の上面に散水するようにしたことを特徴とする。

（作用） 本考案装置において、ドレンパンに溜るドレン
を吸引ポンプで汲み上げ、これをヒートポンプサ
イクルによる冷房運転時には切換装置を介して室
外側熱交換側のドレン蒸発器上に散水して、重合
した多孔質吸水板を順次下方に透水滴下させてそ
の全面を濡らし、又熱交換器を経た温風との接触
でドレンを蒸発露散させるもので、又暖房運転時
に生ずるドレンは室内側熱交換器側のドレン蒸発
器に散水して同様にその多孔質吸水板を順次下方
に透水滴下させつつ熱交換器からの温風との接触
で蒸発させるもので、かくて年間を通じてドレン
を蒸発露散させ排気と共に室外に放出させる。

（実施例） 本考案装置の実施例を図面について説明する。

図面において１は内部に室外側熱交換器２、室
内側熱交換器３その他送風機、圧縮機等の外気を
熱源とするヒートポンプ装置の各機器を装備した
ユニツトケースで、両熱交換器２，３は夫々ドレ
ンパン４，５上に設備される。

尚、図示の実施例では室外側のドレンパン４は
室内側ドレンパン５よりも下位に位置し、両ドレ
ンパン４，５を連管１１で連続し、室内側ドレン
パン５に溜るドレンは下方位置の室外側ドレンパ
ン４内に流入するようにしたが、その上下関係が
逆の場合もある。

各、熱交換器２，３における空気流の下流側外
側に夫々ドレン蒸発器７，８を設備する。

各ドレン蒸発器は夫々第４図で示すように多孔
質吸水板６の適数板を上下に間隔を存して水平に
重合させて一体に結合し、更にその上面に散水孔
１２ａを有する管又は皿状の散水材１２を設けて
構成する。

９はドレンパン内に溜るドレンを吸引するポン
プで、図示の場合該ポンプ９は室外側熱交換器２
のドレンパン４内に設け、室内側熱交換器３のド
レンパン５内から連管１１を経て室外側のドレン
パン４内に流入するドレンもこのポンプ９で汲み
上げるようにしたが、必らずしも室外側ドレンパ
ンに設置するものではなく上下位置の関係が逆の
場合は室内側ドレンパン内に設置してもよい。

該ドレンパン４内から汲み上げたドレンは切換
装置１０により選択して室外又は室内側のドレン
蒸発器７，８の一方の散水材１２に送られる。

切換装置１０の一例を第３図と第５図によつて
説明する。該装置は内部を２室１３ａ，１３ｂに
区画した切換パン１３と切換機構１４とから成
り、切換パン１３の２室１３ａ，１３ｂは夫々管
１５，１６によつて各ドレン蒸発器７，８の散水
材１２に連通させ、前記ドレンパン４内の吸引ポ
ンプの吐出側に連なるホース１７を切換パン１３
の２室のいづれかに適時切換連通させるようにし
た。

即ち可逆式ギヤードモータ１８で反転駆動する
作動片１９によつて中間を軸支２１した切換片２
０の先端を左右に動かすようにし、その振動幅の
両側に夫々リミツトスイツチ２２ａ，２２ｂを設
けて夫々一方への振動位置で切換片２０と該スイ
ツチの一方との衝合によりモータ１８を停止させ
て切換片２０をその位置に停止させるようにし、
該切換片２０の先端部に前記吐出ホース１７の遊
動端を結着することによりモータ１８への信号に
よつて吐出ホース１７の先端を第５図で示すよう
に切換パン１３の２室１３ａ，１３ｂのいづれか
に位置させてポンプ９による汲上げドレンをいづ
れかの室内に流入する。

かくて冷房時には室内熱交換器３で凝縮されて
ドレンパン５に溜るドレンは連管１１を経て室外
側ドレンパン４に流下させ、これをポンプ９によ
り汲上げて切換パン１３の一室１３ａに送り、管
１５を経て室外側ドレン蒸発器７の散水材１２か
ら散水し、室外側熱交換器２によつて加温された
空気流との接触でドレン蒸発器７の各段の多孔質
吸水板６を濡らした水を蒸発させ、又暖房時には
室外側熱交換器２の凝縮によつて生ずるドレンパ
ン４内に溜るドレンをポンプ９で汲み上げて切換
装置１０による切換え作動で位置を変えた吐出ホ
ース１７から切換パン１３の他室１３ｂ内に送
り、管１６を経て室内側ドレン蒸発器８に散水し
て室内側熱交換器３を経た温風により蒸発させる
もので、かくて年間を通じて室外、室内側のドレ
ン蒸発器７，８のいづれかでドレンの蒸発処理を
行うようにした。

尚、上記汲み上げポンプ９の駆動をヒートポン
プ装置における圧縮機の起、停に連動させて該圧
縮機の稼働によるヒートポンプ作用の開始時にポ
ンプ９を起動させ、ヒートポンプ作用の休止時に
はポンプ９の運転を自動停止し、又切換機構１４
の反転作動をヒートポンプにおける冷暖房の交換
切換時の四方弁による切換に連動させてギヤード
モータ１８を起動させると有利であるが、これら
の作動をヒートポンプ作動と関係なく別個の起
停、切換手段を用いることは任意である。

（考案の効果） 本考案によるときは年間を通じてヒートポンプ
ユニツトにおける室外、室内側のいづれか一方の
温風を利用してドレンを蒸発処理し得られ、ドレ
ン蒸発器としては多孔質吸水板を水平多段式に設
けたからその上面にドレンを散水することによ
り、該吸水板の１枚づつを確実に濡らしながら下
方に滴下するため各板を100％の蒸発面として利
用し得られ、その使用枚数を設定して重層した板
の全部を使用することなくドレンの蒸発を完了さ
せるように充分な余裕を持たせることによりメン
テナンスを良くし耐用年数を充分に長くすること
ができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので第１図に本
装置を施したユニツトケースの截断正面図、第２
図は同截断平面図、第３図は要部の斜視図、第４
図はドレン蒸発器の一部断面図、第５図は切換装
置の斜視図である。 １……ユニツトケース、２……室外側熱交換
器、３……室内側熱交換器、４，５……ドレンパ
ン、６……多孔質吸水板、７，８……ドレン蒸発
器、９……吸引ポンプ、１０……切換装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニツトケース１内において夫々ドレンパン
   ４，５上に設置された室外側熱交換器２と室内側
   熱交換器３との夫々空気流の下流側外側に、多孔
   質吸水板６の適数板を適宜間隔を存して水平に重
   合して構成したドレン蒸発器７，８を設置し、吸
   引ポンプ９で吸引したドレンパン内のドレンを切
   換装置１０を介して冷房時には室外側熱交換器２
   側のドレン蒸発器７の上面に散水し、暖房時には
   室内側熱交換器３側のドレン蒸発器８の上面に散
   水するようにして成る空気熱源ヒートポンプユニ
   ツトにおけるドレン処理装置。