JPH0547955Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ラヂエター、冷却コイル、加熱コ
イル等として使用される熱交換器に関する。

〔従来の技術〕

従来ラジエターとして使用されている熱交換器
は、冷媒や熱媒等の流路となる熱伝導率の良好な
銅やアルミニウム製のパイプを波形状に曲げ、こ
れに薄いフインを多数取り付けたものが多く使用
されている。また、冷却コイルや加熱コイルとし
ては、パイプをコイル状に巻いたものが使用され
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前者のものは、冷媒等を通す流
路の単位容積当たりの長さを長くとれないとめ、
効率が悪く、或る程度の放熱量を得るためには、
放熱器を大型化せざるを得なかつた。またフイン
を取り付ける場合に、これをパイプにろう付けす
る等、その取り付けに手数がかかり、一旦取り付
けられたフインを取り外すことは困難であつた。

これに対して後者のものは、単位容積当たりの
流路の長さを長くとることができるが、長いパイ
プが両端で支持される結果、この間でパイプが動
き易い。従つて振動等に弱く、自動車のラジエタ
ー等に使用するには問題があつた。また、その複
雑な形状からフインを取り付けるが困難であり、
コイルのみで使用される例が多い。

この考案は、熱交換器におけるこうした従来の
問題点を解消すべくなされたもので、単位容積当
たり長い流路を得ることができ、振動等にも強
く、フインの取り付け、取り外しの容易な熱交換
器を提供することを目的とする。

〔問題を解決するための手段〕

すなわち、本考案では、前記目的を達成するた
め、内部に流路を有するパイプがほゞ一定のピツ
チで螺旋状に巻かれたコイルを、複数本並列に並
べると共に、隣接するコイルを１巻毎絡め、これ
らコイルの中心軸に対して斜めに連なつたパイプ
の間隙に板状のフインを差し込んでなることを特
徴とするフイン付きコイル型熱交換器を提供す
る。

〔作用〕

前記本考案による熱交換器では、並列された隣
接するコイルを１巻毎絡めているので、隣接する
コイルが１巻毎に接触し、その接触した部分でコ
イル間の熱伝導が円滑に行なわれる。同時に、コ
イルの相互の保定が確実に行なわれる。さらに、
一定のピツチで螺旋状に巻いた隣接するコイルを
１巻毎に絡めているので、これらコイルのパイプ
の間隙は、互いに修正され、それらの間隙が斜め
横に並んで揃うため、間隙が斜め横にに直線状に
連なつて形成される。従つて、ここに板状のフイ
ンを差し込むことができる。そして、コイルの相
互の保定が確実に行なわれるため、間隙に挿入し
たフインを確実に挟持し、保持することができ、
振動等でフインの脱落等が起らない。

〔実施例〕

以下、この考案の構成を図示の実施例に基づ
き、詳細に説明する。

この考案による熱交換器は、銅パイプ、アルミ
ニウムパイプ等、中に冷媒等の流路を有する熱伝
導良好なパイプをほゞ一定のピツチで螺旋状に巻
いてコイル１，１…を作る。そして複数のコイル
１，１…を並列的に並べると共に、隣接するコイ
ル１と１を各巻毎互いに絡ませ、これらを連結す
る。

連結された数組のコイル１，１…の両端を一対
の保持板２，２の間に固定し、隣接するコイル
１，１…の端部３，３…を保持板２，２から引き
出して接続する。そして両端のコイル１，１の他
のコイル１と接続されない端部を接続端部４，４
とし、これを冷凍機、加熱機、エンジンの冷却装
置等の配管に接続する。

第２図に示す通り、こうして互いに連結された
コイル１，１の各巻間の間隙に１枚、または互い
にスペーサ等を介して間隔をもつて積み重ねられ
た数枚の板状のフイン５，５…を挟み込む。これ
らのフイン５，５…は、各巻間の間隙に或る程度
きつく嵌り込むようにその厚さを調整することに
よつて、単に差し込むだけで固定することもで
き、また熔接等の手段によつて適当な個所をコイ
ル１，１…に固定することもできる。

なお、コイル１，１を交絡させる手段として
は、例えば第３図イで示すように、２本以上のパ
イプを揃えて２条あるいは数条巻いた後、これを
第３図ロで示すように両側に引き離すことによつ
て交絡された１組以上のコイル１，１を容易に作
ることができる。また、この他の手段としては、
コイル１，１をそれぞれ別個に作つた後、これを
互いに回転させながら絡ませていくという一般的
な方法も使用できる。

この熱交換器では、コイル１，１…が各巻毎交
絡されて隣接するものが互いに連結されているた
め、隣接するコイル１，１間の熱伝導が円滑に行
われるだけでなく、振動等を与えてもコイル１，
１…が相互に保持し合つて簡単に動かない。ま
た、第２図で理解できる通り、前記のようにして
並列的に並べられ、かつ連結されたコイル１，１
…は、各巻間の間隙がその中心軸方向に対して斜
めに連続的に形成される。従つてここに差し込む
だけでフイン５，５…を簡単に取り付けることが
できる。また、これを熔接等で固定しなければ簡
単に取り外すことができる。

なお、コイル１，１…は、既に述べた通り、単
位容積当たりの流路の長さが長いうえ、これらが
交絡されていることから、単位容積当たりさらに
長い流路が得られる。従つてこの中を流れる流体
とコイル１，１…を介して接触する他の流体（例
えば空気）との接触面積も広くなり、高い効率が
得られる。

〔考案の効果〕

以上説明した通り、この考案によれば、単位容
積当たり流路長さの長い熱交換器を構成できる共
に、振動等に対して強く、フインの取り付け、取
り外しの容易な熱交換器が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す熱交換器の一
部分解した斜視図、第２図は同熱交換器の正面
図、第３図はコイル１，１を交絡させる手段を示
す説明図である。 １……コイル、５……フイン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に流路を有するパイプがほゞ一定のピツチ
   で螺旋状に巻かれたコイルを、複数本並列に並べ
   ると共に、隣接するコイルを１巻毎絡め、これら
   コイルの中心軸に対して斜めに連なつたパイプの
   間隙に板状のフインを差し込んでなることを特徴
   とするフイン付コイル型熱交換器。