JPH0547746U - 温風暖房機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 暖房中の一時的な冷気流入に際して、室温を
速やかに設定温度に回復させる。 ［構成］ 火力決定手段７が火力を決定し、バーナ８が
決定された火力で燃焼する。温風ファン４は、通常は回
転数決定手段７が火力に応じ定格より低い所定範囲で決
定した回転数で回転している。燃焼中に一時的に多量の
冷気が室内に流入すると、室温センサ６が急激な室温低
下を検知する。そして対流促進手段１０が動作し、これ
より短時間は定格で温風ファン４が駆動する。そのた
め、室内に強い対流が生じ、天井付近の暖気が床付近に
還流するため、室温が速やかに設定温度に近づいてい
く。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、室内に対流を生じさせて暖房する温風暖房機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、石油ファンヒータに代表されるこの種の温風暖房機は、バーナの燃焼熱 を温風ファンの送風と混合させ、吹出口から室内に排出させることにより暖房す る。そして係る運転において、バーナの火力は室温を設定温度に維持すべく随時 変化すると共に、温風ファンの回転数は、特に小火力時における低温の温風の吹 き出しを避けるために、火力に応じて変化するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、人の出入り等に伴って比較的多量の冷気が室内に流入したときは、 室温の急激な低下を検知することが多くあり、この場合、火力が最大まで急に大 きくなる。そして短時間経って冷気の流入が停止すると、これより室温が上昇し ていくものの、部屋が既に暖まっているので昇温が速く且つ火力が大で熱量が過 剰に供給されることから、設定温度に達してもなお室温が上昇し続けてしまう欠 点があった。 この考案は上記した欠点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、一 時的な冷気の流入に際して、室温を速やかに設定温度に回復させることのできる 温風暖房機を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記した目的を達成するために本考案の第一の構成は、温風ファンを通常は定 格より低い所定範囲で回転数を変化させるよう構成すると共に、室温が急激に低 下したことを検知したときに、短時間、温風ファンを定格で駆動させる対流促進 手段を設けたものである。

【０００５】 また第二の構成は、温風ファンを通常は定格より低い所定範囲で回転数を変化 させるよう構成すると共に、室温を検知する複数のセンサを鉛直方向に離して配 し、この両センサの温度差が所定より大となったことを検知したときに、短時間 、温風ファンを定格で駆動させる対流促進手段を設けたものである。

【０００６】

【作用】

前記した構成とすれば、冷気の流入、即ち室温の急激な低下が検知されると、 温風ファンが定格で駆動して室内に強い対流を生じさせ、冷気の流入停止後に天 井付近に滞留している暖気を床付近に還流させるために、室温が設定温度に速や かに回復することとなる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の第一の実施例を添付図により詳細に説明する。図１、図２に おいて、１は石油ファンヒータ２の筺体で、前面に吹出口３、背面に従来品に比 して一回り大きな羽根を備えた温風ファン４が各々配設され、温風ファン４の空 気流入口５付近に室温を検知する室温センサ６が設けられている。なお温風ファ ン４は、従来品より高回転数のものを使用してもよい。

【０００８】 ７は室温と設定温度に基づいてバーナ８の火力を決定する火力決定手段である 。９は回転数決定手段で、温風温度を従来と同程度とするために、図３の如く決 定された火力（Ｑ1、Ｑ2、・・・、Ｑn-1、Ｑn）に応じて、温風ファン４の回転数 （Ｒ1、Ｒ2、・・・、Ｒn-1、Ｒn）を定格（Ｑmax）より低い所定範囲で決定するよ うになっている。１０は対流促進手段である。この対流促進手段１０は、室温が 急激に低下したことを検知したとき、これより短時間（例えば４０秒）温風ファ ン４を定格の高回転数（Ｒmax、但しＲmax＞Ｒn）で駆動させる構成をなす。 なお、１１は決定された火力に応じた量の灯油を圧送する送油ポンプ、１２は 灯油の気化ガスをバーナ８に噴出する気化器である。

【０００９】 前記した構成における動作を、図４を併用して説明する。バーナ８は送油ポン プ１１の始動に伴って気化器１２から噴出する気化ガスを燃焼させる。燃焼熱は 温風ファン４より送られる送風と混合し、温風となって吹出口３より室内に排出 される。係る運転が継続してついに室温が設定温度に達すると、これ以後は随時 火力が小さくなり、設定温度を維持し得る火力にて安定燃焼する。

【００１０】 このような燃焼状態であるときに人の出入り等に伴って戸が暫く開けられると 、多量の冷気が流入（Ａ点）して床付近に滞留する結果、室温センサ６が急激な 室温低下を検知する。そして対流促進手段１０が動作するので、これより短時間 （ｔ）は定格（Ｑmax）で温風ファン４が駆動する。それ故、吹出口３から多量 の温風が吹き出し、冷気の流入停止後に室内に強い対流が生じ、天井付近の暖気 が床付近に還流して室内温度が平均化するため、室温が速やかに設定温度に近づ いていく。

【００１１】 対流促進手段１０の動作が停止すると、引き続き通常の燃焼制御が実行される 。つまり、火力決定手段７が火力を決定し、バーナ８が決定された火力で燃焼す ると共に、回転数決定手段９が火力に応じた回転数で温風ファン４を駆動させる 。ところで、該燃焼制御に移行する時（Ｂ点）においては、前記した如く対流が 盛んなことから、室温と設定温度との差が大幅に縮小している。故に速やかに室 温が設定温度に回復し安定燃焼となることから、熱量が過剰に供給されて室温が 設定温度を大きく超えるといった従来の不具合は発生しない。

【００１２】 次に、本考案の第二の実施例を説明する。図５、図６において、１３、１４は 各々上方室温センサ、下方室温センサで、この両センサは筺体１の背面にあって 鉛直方向に離れて配設している。１５は対流促進手段で、前記両センサ１３、１ ４の温度差が所定（例えば２℃）より大となったことを検知したときに、短時間 、温風ファン４を定格（Ｑmax）で駆動させる。また火力決定手段７は、ここで は上方室温センサ１３が検知した室温と設定温度に基づいて火力を決定する構成 をなす。なお、これ以外の部分に関しては、第一実施例で述べたと同様なので、 同一番号を付して詳しい説明は省略する。

【００１３】 係る構成において、人の出入り等のために冷気が流入したときは、床に近い下 方室温センサ１４の側から室温の急激な低下が検知される。そして下方室温と上 方室温の温度差が所定以上に拡大すると同時に対流促進手段１５が動作すること から、これより短時間は定格（Ｑmax）で温風ファン４が駆動する。而して冷気 の流入停止後は、室内に強い対流が生じることにより前記温度差が縮小していく 。そのため、既述した如く引き続いてなされる通常の燃焼制御により、速やかに 設定温度に回復して安定燃焼となるのである。

【００１４】

【考案の効果】

以上に説明したとおり本考案の温風暖房機は、温風ファンを通常は定格より低 い所定範囲で回転数を変化させるよう構成すると共に、室温が急激に低下したこ とを検知したときに、短時間、温風ファンを定格で駆動させる対流促進手段を備 えている。また、同じく温風ファンを通常は定格より低い所定範囲で回転数を変 化させるよう構成すると共に、室温を検知する複数のセンサを鉛直方向に離して 配し、この両センサの温度差が所定より大となったことを検知したときに、短時 間、温風ファンを定格で駆動させる対流促進手段を備えている。

【００１５】 従って冷気の流入を検知したときは、温風ファンが定格で駆動することにより 多量の温風が室内に勢いよく排出される。そして、冷気の流入停止後に室内に強 い対流が生じ、天井付近に滞留している暖気が床付近に還流する等により室温が 設定温度に速やかに回復するので、温度変化の少ない快適な暖房を行えるといっ た優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一の実施例を説明するブロック図で
ある。

【図２】石油ファンヒータの概略構造図である。

【図３】本考案の温風暖房機の火力と回転数の関係を説
明する図である。

【図４】本考案の温風暖房機の室温制御を説明する時系
列図である。

【図５】本考案の第二の実施例を説明するブロック図で
ある。

【図６】石油ファンヒータの概略構造図である。

【符号の説明】

４ 温風ファン ６ 室温センサ １０ 対流促進手段 １３ 上方室温センサ １４ 下方室温センサ １５ 対流促進手段

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】温風ファンの回転数を火力に応じ変化させ
   て室温を設定温度に維持する温風暖房機において、温風
   ファンを通常は定格より低い所定範囲で回転数を変化さ
   せるよう構成すると共に、室温が急激に低下したことを
   検知したときに、短時間、温風ファンを定格で駆動させ
   る対流促進手段を設けたことを特徴とする温風暖房機。
2. 【請求項２】火力に応じ温風ファンの回転数を変化させ
   て室温を設定温度に維持する温風暖房機において、温風
   ファンを通常は定格より低い所定範囲で回転数を変化さ
   せるよう構成すると共に、室温を検知する複数のセンサ
   を鉛直方向に離して配し、この両センサの温度差が所定
   より大となったことを検知したときに、短時間、温風フ
   ァンを定格で駆動させる対流促進手段を設けたことを特
   徴とする温風暖房機。