JPH0547617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、上型と下型とからなり、上型を取
付けた上蓋が下型を取付けた下型フレームにヒン
ジで開閉自在に連結された型式の金型の開閉装置
に関し、例えば自動車用のウレタン製クツシヨン
パツドその他の発泡成形品の製造に利用される。

（従来の技術） 上型を取付けた上蓋および下型を取付けた下型
フレームをヒンジで連結した金型として、自動車
用のウレタン製クツシヨンパツドの成型用金型が
知られている。この金型は、その多数個、例えば
８個がエンドレスの巡回路に沿つて等間隔に配列
されて間欠的に一方向に送られ、所定の位置でポ
リウレタン混合液が注入され、しかるのち移動し
ながらキユアリングされ、１回転後に脱型される
が、従来の金型は、特開昭63−64710号公報およ
び実開昭63−144209号公報等に示されるように、
下型フレームの一辺と上蓋の一辺とをヒンジで連
結し、上蓋の反対側一辺を手動で、または流体シ
リンダで上下することにより金型を開閉してい
た。

（考案が解決しようとする課題） ウレタン製クツシヨンパツド等の発泡成型品を
成型する場合、上記金型の巡回路の内側にポリウ
レタン混合液の注入機を設置し、外側に作業員が
位置し、上蓋を開いた状態で注入機を前進させて
ノズル部を下型上方に位置させ、注入終了後に注
入機を後退させて上蓋を閉じ、この金型がキユア
リングを終了して一周したのち、上蓋を開いて発
泡成型品を取出す必要上、上蓋は、金型の進む方
向に対して前端部または後端部の一辺に沿つて取
付けられていた。したがつて、前後に並ぶ金型の
間に、上蓋を開閉するための流体シリンダ、この
流体シリンダと上蓋とを接続するリンク機構、お
よび流体シリンダ用の流体供給パイプ、制御弁な
どを配置しなければならず、そのため金型の間隔
を広くとる必要があつた。

この考案は、上蓋を金型の移動方向に対して左
右両方に、すなわち注入機側および作業者側の双
方に開くことができ、金型間隔を狭めることが可
能な金型の開閉装置を提供するものである。

（課題を解決するための手段） この考案の金型の開閉装置は、上型を備えた上
蓋および下型を備えた下型フレームの互いに対向
する左右２辺をそれぞれ、上下が対をなすヒンジ
金具とそのピン孔に対して摺動自在の連結ピンと
からなるヒンジによつて連結し、上記連結ピンの
一端を下型フレームに固定されたヒンジ用流体シ
リンダで駆動されて左右方向に摺動する水平ロツ
ドに接続し、上記上蓋の前後方向中央に開閉用流
体シリンダで駆動される上下方向の昇降ロツドを
揺動自在に連結する。

（作用） 左右のヒンジの一方の連結ピンを一方のヒンジ
用流体シリンダの動作により挿入して上蓋の一辺
を下型フレームの一辺に連結し、他方の連結ピン
を他方のヒンジ用流体シリンダの動作により抜い
て上蓋の他辺を自由端に形成し、開閉用流体シリ
ンダを駆動して昇降ロツドを昇降させると、上蓋
が左右の一方の連結ピンを支点にして開閉され
る。反対に、左右の一方の連結ピンを抜いて他方
の連結ピンを挿入し、開閉用流体シリンダを駆動
すると、上蓋が他方の連結ピンを支点にして開閉
される。

（実施例） 第１図および第２図においては、１は上蓋、２
は上型、３は下型フレーム、４は下型であり、下
型フレーム３は、エンドレスの巡回ラインに沿つ
て第１図の紙面手前側から紙背側へ、すなわち第
２図左方から右方へ向かつて間欠的に前送りされ
る。この下型フレーム３の左右の側壁上端にフラ
ンジ５，５が水平に突設される。このフランジ５
は、その中央に間隔をあけて上向きに突出する２
個の下側ヒンジ金具６，６を一体に備えている。
一方、上蓋１の左右両端部下面に上側ヒンジ金具
７が下向きに突設され、この上側ヒンジ金具７が
上記２個の下側ヒンジ金具６，６の間に入り、こ
れらかみ合い状態の上下のヒンジ金具６，７を貫
通するピン孔６ａ，７ａにヒンジ用連結ピン８が
摺動自在に挿入される。そして、この連結ピン８
の一端に、上記のフランジ５上に固定されている
ヒンジ用流体シリンダ９（第２図参照）のピスト
ンロツド９ａが先端が接続され、このピストンロ
ツド９ａの進退により連結ピン８がピン孔６ａ，
７ａを摺動し、上記ピストンロツド９ａの突出時
に上下のヒンジ金具６，７が連結ピン８で連結さ
れてヒンジを形成し、ピストンロツド９ａの進退
時に連結ピン８の先端が上側ヒンジ金具７から脱
出して上下のヒンジ金具６，７の連結が解かれ
る。

しかして、下型フレーム３の前壁および後壁の
各中央にシリンダ用ブラケツト１１によつて上下
方向の開閉用流体シリンダ１２が左右に揺動自在
に取付けられ、この開閉用流体シリンダ１２の上
向きに突出するピストンロツド１２ａの先端が、
前記上蓋１の前後の端部下面に突設された下向き
のピン受け金１３と連結ピン１４で揺動自在に連
結される。

上記の構造において、下型フレーム３の左側の
フランジ５上のヒンジ用流体シリンダ９のピスト
ンロツド９ａを引込め、右側のフランジ５上のヒ
ンジ用流体シリンダ９のピストンロツド９ａを突
出させ、前後の開閉用流体シリンダ１２のピスト
ンロツド１２ａを突出させると、上蓋１は、右側
の連結ピン８を支点として、第３図のように開か
れる。したがつて、左方の注入機のノズル１５を
下型フレーム３の上方へ移動してポリウレタン混
合液を下型４に注入することができる。次いで、
ノズル１５を左方へ後退させ、開閉用流体シリン
ダ１２のピストンロツド１２ａを引込めて上蓋１
を閉じたのち、左側のヒンジ用流体シリンダ９の
ピストンロツド９ａを突出させて左側の上下のヒ
ンジ金具６，７を連結ピン８で連結する。そし
て、この左右の上下のヒンジ金具６，７が双方と
も連結ピン８で連結された金型がラインを一周し
たのち、右側のヒンジ用流体シリンダ９のピスト
ンロツド９ａを引込めて連結ピン８を抜き、しか
るのち開閉用流体シリンダ１２のピストンロツド
１２ａを上方へ突出して第４図に示すように上蓋
１を左方へ開き、右方から作業員が発泡成型品２
０と取出す。

（考案の効果） この考案は、金型の上蓋を左右に着脱自在の連
結ピンを有するヒンジを形成し、上蓋を左右いず
れの方向にも開くことができるようにしたので、
１本の搬送ラインに沿つて金型を移送し、左方か
ら原料を注入し、成型後に右方から成型品を取出
すことができ、かつ前後に並ぶ金型の間隔を従来
よりも狭くすることができ、据付面積を節約する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の正面図、第２図は
第１図の右側面図、第３図および第４図は操作を
説明する正面図である。 １……上蓋、２……上型、３……下型フレー
ム、４……下型、６，７……ヒンジ金具、８……
ヒンジ用連結ピン、９……ヒンジ用流体シリン
ダ、９ａ……ピストンロツド（水平ロツド）、１
２……開閉用流体シリンダ、１２ａ……ピストン
ロツド（昇降ロツド）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上型を備えた上蓋および下型を備えた下型フレ
   ームの互いに対向する左右２辺をそれぞれ、上下
   が対をなすヒンジ金具とそのピン孔に対して摺動
   自在の連結ピンとからなるヒンジによつて連結
   し、上記連結ピンの一端を下型フレームに設置さ
   れたヒンジ用流体シリンダで駆動されて左右方向
   に摺動する水平ロツドに接続し、上記上蓋の前後
   方向中央に開閉用流体シリンダで駆動される上下
   方向の昇降ロツドを揺動自在に連結したことを特
   徴とする金型の開閉装置。