JPH0547572A - コモンモ―ド・チヨ―クコイル及びスイツチング電源装置 - Google Patents
コモンモ―ド・チヨ―クコイル及びスイツチング電源装置Info
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- JPH0547572A JPH0547572A JP3204080A JP20408091A JPH0547572A JP H0547572 A JPH0547572 A JP H0547572A JP 3204080 A JP3204080 A JP 3204080A JP 20408091 A JP20408091 A JP 20408091A JP H0547572 A JPH0547572 A JP H0547572A
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F37/00—Fixed inductances not covered by group H01F17/00
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F3/00—Cores, Yokes, or armatures
- H01F3/10—Composite arrangements of magnetic circuits
- H01F2003/103—Magnetic circuits with permanent magnets
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F17/00—Fixed inductances of the signal type
- H01F2017/0093—Common mode choke coil
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Dc-Dc Converters (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 漏れインダクタンスが大きく、側路での磁界
飽和現象を緩和して大電流を流す用途にも適用できるコ
モンモ―ド・チョ―クコイルを提供すること。 【構成】 閉磁路を構成するコア13と、このコア13
に独立して巻かれる第1及び第2のコイル11及び12
とを有するチョ―クコイルにおいて、当該コアのコイル
巻装部の軸方向表面に、互いに分離して装着される永久
磁石部14を設けること。 【効果】 永久磁石部がコイルのノ―マルモ―ド電流に
よる磁界を打ち消す方向の磁界を発生しているので、コ
イルに大電流を流しても必要なインダクタンスを確保で
きる。
飽和現象を緩和して大電流を流す用途にも適用できるコ
モンモ―ド・チョ―クコイルを提供すること。 【構成】 閉磁路を構成するコア13と、このコア13
に独立して巻かれる第1及び第2のコイル11及び12
とを有するチョ―クコイルにおいて、当該コアのコイル
巻装部の軸方向表面に、互いに分離して装着される永久
磁石部14を設けること。 【効果】 永久磁石部がコイルのノ―マルモ―ド電流に
よる磁界を打ち消す方向の磁界を発生しているので、コ
イルに大電流を流しても必要なインダクタンスを確保で
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスイッチング電源装置等
に用いられるノイズ低減用のコモンモ―ド・チョ―クコ
イルに係り、特に小型で伝導ノイズ低減効果の大きな構
造の改善に関する。
に用いられるノイズ低減用のコモンモ―ド・チョ―クコ
イルに係り、特に小型で伝導ノイズ低減効果の大きな構
造の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源装置においては、例え
ば本出願人の提案に係る特開平2−79766号公報で
開示されているようにノイズ低減装置(ノイズフィルタ
回路)が使用されている。更に、本出願人は特願平3−
156716号並びに156717号明細書でコモンモ
―ド・チョ―クコイルを提案している。
ば本出願人の提案に係る特開平2−79766号公報で
開示されているようにノイズ低減装置(ノイズフィルタ
回路)が使用されている。更に、本出願人は特願平3−
156716号並びに156717号明細書でコモンモ
―ド・チョ―クコイルを提案している。
【0003】図15は従来公知のスイッチング電源装置
の回路図である。図において、フィルタ回路10ではレ
ベル端子Lと中立端子Nに商用の交流電源が接続され、
グランド端子Gが接地されている。ダイオ―ドブリッジ
DBはフィルタ回路10から出力された交流電流を整流
し、コンデンサC1で平滑化している。トランスTの一
次巻線n1にはコンデンサC1で平滑化された直流電流
が印加され、FET等のスイッチング素子Qによりオン
オフしている。するとトランスTの二次巻線n2にはス
イッチング信号が誘起されるので、ダイオ―ドD1,D
2により整流し、チョ―クコイルL2で高周波数成分を
除去してコンデンサC2に蓄電し、負荷側に所定電圧V
out の直流電流を供給している。出力電圧安定化回路は
出力電圧Vout を検出して予め定められた一定電圧にな
るようにスイッチング素子Qにオンオフ制御信号を送っ
ている。尚、フィルタ回路10はダイオ―ドブリッジD
BとコンデンサC1よりなる整流平滑化回路に対して前
段に設けられているが、後段に設けてもよくまた前段と
後段の両者に設けてもよい。
の回路図である。図において、フィルタ回路10ではレ
ベル端子Lと中立端子Nに商用の交流電源が接続され、
グランド端子Gが接地されている。ダイオ―ドブリッジ
DBはフィルタ回路10から出力された交流電流を整流
し、コンデンサC1で平滑化している。トランスTの一
次巻線n1にはコンデンサC1で平滑化された直流電流
が印加され、FET等のスイッチング素子Qによりオン
オフしている。するとトランスTの二次巻線n2にはス
イッチング信号が誘起されるので、ダイオ―ドD1,D
2により整流し、チョ―クコイルL2で高周波数成分を
除去してコンデンサC2に蓄電し、負荷側に所定電圧V
out の直流電流を供給している。出力電圧安定化回路は
出力電圧Vout を検出して予め定められた一定電圧にな
るようにスイッチング素子Qにオンオフ制御信号を送っ
ている。尚、フィルタ回路10はダイオ―ドブリッジD
BとコンデンサC1よりなる整流平滑化回路に対して前
段に設けられているが、後段に設けてもよくまた前段と
後段の両者に設けてもよい。
【0004】図16は上述したフィルタ回路10の詳細
回路図である。アクロスザラインコンデンサCX1はレベ
ル端子Lと中立端子Nを連絡するもので、これと並列に
放電用の抵抗R1が接続されている。コモンモ―ドチョ
―クコイルL1はアクロスザラインコンデンサCX1の後
段に接続されたもので、コモンモ―ドノイズ及びノ―マ
ルモ―ドノイズを低減する。アクロスザラインコンデン
サCX2はコモンモ―ドチョ―クコイルL1の後段に接続
されたものであり、これと並列にコンデンサCY1,CY2
が接続されている。コンデンサCY1,CY2は両者の接続
点が接地されたもので、コモンモ―ドノイズを低減す
る。フィルタ回路10はスイッチング電源装置から交流
電源側に伝導・流出していくノイズを抑圧することを主
たる作用としている。
回路図である。アクロスザラインコンデンサCX1はレベ
ル端子Lと中立端子Nを連絡するもので、これと並列に
放電用の抵抗R1が接続されている。コモンモ―ドチョ
―クコイルL1はアクロスザラインコンデンサCX1の後
段に接続されたもので、コモンモ―ドノイズ及びノ―マ
ルモ―ドノイズを低減する。アクロスザラインコンデン
サCX2はコモンモ―ドチョ―クコイルL1の後段に接続
されたものであり、これと並列にコンデンサCY1,CY2
が接続されている。コンデンサCY1,CY2は両者の接続
点が接地されたもので、コモンモ―ドノイズを低減す
る。フィルタ回路10はスイッチング電源装置から交流
電源側に伝導・流出していくノイズを抑圧することを主
たる作用としている。
【0005】図17はフィルタ回路10近傍のノイズの
説明図である。フィルタ回路10は入力端子としてP
1,P2を有し、出力端子としてP3,P4を有してい
る。入力端子P1,P2には交流電源2が接続され、出
力端子P3,P4にはスイッチング電源4が接続されて
いる。スイッチング電源4はインピ―ダンスZ1を介し
て接地されている。
説明図である。フィルタ回路10は入力端子としてP
1,P2を有し、出力端子としてP3,P4を有してい
る。入力端子P1,P2には交流電源2が接続され、出
力端子P3,P4にはスイッチング電源4が接続されて
いる。スイッチング電源4はインピ―ダンスZ1を介し
て接地されている。
【0006】ここでスイッチング電源4をノイズ源とす
ると、コモンモ―ドノイズ電流i1とノ―マルモ―ドノ
イズ電流i2,i3の二種類がある。コモンモ―ドノイ
ズ電流i1は図中破線で示すごとく、インピ―ダンスZ
1とグランドを通して流れスイッチング電源4に戻るも
のである。インピ―ダンスZ1としては、スイッチング
素子Qのカンケ―スとヒ―トシンク間のキャパシタ等が
ある。ノ―マルモ―ドノイズ電流i2は実線に示すごと
く、交流電源2からフィルタ回路10に流れるものであ
り、ノ―マルモ―ドノイズ電流i3は一点鎖線で示すご
とく、スイッチング電源4からフィルタ回路10に流れ
るものであり、いずれも交流電源2とスイッチング電源
4とを接続する二本の信号線間を往復する経路で流れる
ものである。
ると、コモンモ―ドノイズ電流i1とノ―マルモ―ドノ
イズ電流i2,i3の二種類がある。コモンモ―ドノイ
ズ電流i1は図中破線で示すごとく、インピ―ダンスZ
1とグランドを通して流れスイッチング電源4に戻るも
のである。インピ―ダンスZ1としては、スイッチング
素子Qのカンケ―スとヒ―トシンク間のキャパシタ等が
ある。ノ―マルモ―ドノイズ電流i2は実線に示すごと
く、交流電源2からフィルタ回路10に流れるものであ
り、ノ―マルモ―ドノイズ電流i3は一点鎖線で示すご
とく、スイッチング電源4からフィルタ回路10に流れ
るものであり、いずれも交流電源2とスイッチング電源
4とを接続する二本の信号線間を往復する経路で流れる
ものである。
【0007】続いてフィルタ回路10のノイズ低減を各
ノイズ毎に分節する。コモンモ―ドノイズ電流i1はコ
モンモ―ドチョ―クコイルL1とコンデンサCY1,CY2
の作用で低減される。即ち、コモンモ―ドチョ―クコイ
ルL1はそのインダクタンスがコモンモ―ドノイズ電流
i1に対して大きなインピ―ダンスとして働く。またコ
ンデンサCY1,CY2は、その共通接続点が接地されてい
るので、コモンモ―ドノイズ電流i1をスイッチング電
源4側に還流させて、交流電源2側に漏れないようにし
ている。ノ―マルモ―ドノイズ電流i2はアクロスザラ
インコンデンサCX2の作用により交流電源2側の発生源
に還流し、ノ―マルモ―ドノイズ電流i3はアクロスザ
ラインコンデンサCX1の作用によりスイッチング電源4
側の発生源に還流し、信号線に流れるノ―マルモ―ドノ
イズ電流i2,i3の総量を削減している。
ノイズ毎に分節する。コモンモ―ドノイズ電流i1はコ
モンモ―ドチョ―クコイルL1とコンデンサCY1,CY2
の作用で低減される。即ち、コモンモ―ドチョ―クコイ
ルL1はそのインダクタンスがコモンモ―ドノイズ電流
i1に対して大きなインピ―ダンスとして働く。またコ
ンデンサCY1,CY2は、その共通接続点が接地されてい
るので、コモンモ―ドノイズ電流i1をスイッチング電
源4側に還流させて、交流電源2側に漏れないようにし
ている。ノ―マルモ―ドノイズ電流i2はアクロスザラ
インコンデンサCX2の作用により交流電源2側の発生源
に還流し、ノ―マルモ―ドノイズ電流i3はアクロスザ
ラインコンデンサCX1の作用によりスイッチング電源4
側の発生源に還流し、信号線に流れるノ―マルモ―ドノ
イズ電流i2,i3の総量を削減している。
【0008】図18はコモンモ―ドチョ―クコイルL1
の動作説明図である。コモンモ―ドチョ―クコイルL1
はコイル11,12 とこれらのコイルが共通に巻かれコア1
3よりなり、コア13は閉磁路を形成している。主イン
ダクタンスはコイル11,12 の両方に鎖交する磁束φ1に
よって発生するものであり、漏れインダクタンスは一方
のコイルのみに鎖交する磁束φA,φB,φCによって
発生するものである。コモンモ―ドノイズ電流i1に対
しては主インダクタンス、ノ―マルモ―ドノイズ電流i
2,i3に対しては漏れインダクタンスが減衰に寄与し
ている。
の動作説明図である。コモンモ―ドチョ―クコイルL1
はコイル11,12 とこれらのコイルが共通に巻かれコア1
3よりなり、コア13は閉磁路を形成している。主イン
ダクタンスはコイル11,12 の両方に鎖交する磁束φ1に
よって発生するものであり、漏れインダクタンスは一方
のコイルのみに鎖交する磁束φA,φB,φCによって
発生するものである。コモンモ―ドノイズ電流i1に対
しては主インダクタンス、ノ―マルモ―ドノイズ電流i
2,i3に対しては漏れインダクタンスが減衰に寄与し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来コ
モンモ―ドチョ―クコイルL1は主インダクタンスを増
大することを目的としているので、漏れインダクタンス
は主インダクタンスを得るのに必要な巻数により定まる
二次的なものに過ぎなかった。そこで漏れインダクタン
スの値はノ―マルモ―ドノイズ電流を減衰させるには十
分な値でなく、アクロスザラインコンデンサCX1,CX2
の容量を増大させて対処していた。この結果、フィルタ
回路10が大形化するのでコストが増大し、スイッチン
グ電源の様にノイズ規制が要求され、かつ小型・低価格
の製品が望まれている場合には大きな問題になってい
た。
モンモ―ドチョ―クコイルL1は主インダクタンスを増
大することを目的としているので、漏れインダクタンス
は主インダクタンスを得るのに必要な巻数により定まる
二次的なものに過ぎなかった。そこで漏れインダクタン
スの値はノ―マルモ―ドノイズ電流を減衰させるには十
分な値でなく、アクロスザラインコンデンサCX1,CX2
の容量を増大させて対処していた。この結果、フィルタ
回路10が大形化するのでコストが増大し、スイッチン
グ電源の様にノイズ規制が要求され、かつ小型・低価格
の製品が望まれている場合には大きな問題になってい
た。
【0010】そこで、本出願人は先に述べた出願(特願
平3−156716号並びに156717号)で、これ
らの課題を解決した発明を提案している。しかるに、本
発明者が鋭意研究を継続したところ、更に次の課題を発
見した。図18のコモンモ―ド・チョ―クコイルでは、
コモンモ―ド電流による磁界は磁路全体にわたり均一で
あるが、ノ―マルモ―ド電流による磁界はコイル巻線部
(側路)が最大となる。この結果、コイル電流の増大に
伴なって磁界が増大すると、側路が他の部分よりも早く
飽和する現象が生ずる。従って、先出願の発明によれば
大電流を流す用途ではその機能を充分に発揮することが
できなくなるという課題があった。
平3−156716号並びに156717号)で、これ
らの課題を解決した発明を提案している。しかるに、本
発明者が鋭意研究を継続したところ、更に次の課題を発
見した。図18のコモンモ―ド・チョ―クコイルでは、
コモンモ―ド電流による磁界は磁路全体にわたり均一で
あるが、ノ―マルモ―ド電流による磁界はコイル巻線部
(側路)が最大となる。この結果、コイル電流の増大に
伴なって磁界が増大すると、側路が他の部分よりも早く
飽和する現象が生ずる。従って、先出願の発明によれば
大電流を流す用途ではその機能を充分に発揮することが
できなくなるという課題があった。
【0011】本発明はこのような課題を解決したもの
で、第1の目的は漏れインダクタンスが大きく、側路で
の磁界飽和現象を緩和して大電流を流す用途にも適用で
きるコモンモ―ド・チョ―クコイルを提供することにあ
る。第2の目的は、ノイズ低減回路を小形化・低コスト
化できるスイッチング電源装置を提供するにある。
で、第1の目的は漏れインダクタンスが大きく、側路で
の磁界飽和現象を緩和して大電流を流す用途にも適用で
きるコモンモ―ド・チョ―クコイルを提供することにあ
る。第2の目的は、ノイズ低減回路を小形化・低コスト
化できるスイッチング電源装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成する請
求項1記載の発明は、閉磁路を構成するコアと、このコ
アに独立して巻かれる第1及び第2のコイルとを有する
チョ―クコイルにおいて、当該コアのコイル巻装部の軸
方向表面に、互いに分離して装着される永久磁石部を設
けることを特徴としている。
求項1記載の発明は、閉磁路を構成するコアと、このコ
アに独立して巻かれる第1及び第2のコイルとを有する
チョ―クコイルにおいて、当該コアのコイル巻装部の軸
方向表面に、互いに分離して装着される永久磁石部を設
けることを特徴としている。
【0013】第1の目的を達成する請求項2記載の発明
は、閉磁路を構成するコアと、このコアに独立して巻か
れる第1及び第2のコイルとを有するチョ―クコイルに
おいて、当該コアに設けられた前記コアのコイル巻装部
外部を通過する磁路を形成する漏れインダクタンス部
と、この漏れインダクスタンス部に装着された永久磁石
部とを具備することを特徴としている。
は、閉磁路を構成するコアと、このコアに独立して巻か
れる第1及び第2のコイルとを有するチョ―クコイルに
おいて、当該コアに設けられた前記コアのコイル巻装部
外部を通過する磁路を形成する漏れインダクタンス部
と、この漏れインダクスタンス部に装着された永久磁石
部とを具備することを特徴としている。
【0014】第1の目的を達成する請求項3記載の発明
は、閉磁路を構成するコアと、このコアに独立して巻か
れる第1及び第2のコイルとを有するチョ―クコイルに
おいて、当該コアのコイル巻装部外部の軸方向表面に装
着される、当該コアの磁性材料に比較して高い飽和磁束
密度を有する高飽和磁束部を設けることを特徴としてい
る。
は、閉磁路を構成するコアと、このコアに独立して巻か
れる第1及び第2のコイルとを有するチョ―クコイルに
おいて、当該コアのコイル巻装部外部の軸方向表面に装
着される、当該コアの磁性材料に比較して高い飽和磁束
密度を有する高飽和磁束部を設けることを特徴としてい
る。
【0015】第2の目的を達成する請求項4記載の発明
は、請求項1,2又は3記載のコモンモ―ド・チョ―ク
コイルを介して交流電源と接続され、印加される交流電
流を整流平滑化回路によって直流化し、この直流化され
た電流をスイッチング電源により所定電圧の直流電圧に
して負荷側に供給することを特徴としている。尚、コモ
ンモ―ド・チョ―クコイルと整流平滑化回路の接続関係
は逆でも差し支えない。
は、請求項1,2又は3記載のコモンモ―ド・チョ―ク
コイルを介して交流電源と接続され、印加される交流電
流を整流平滑化回路によって直流化し、この直流化され
た電流をスイッチング電源により所定電圧の直流電圧に
して負荷側に供給することを特徴としている。尚、コモ
ンモ―ド・チョ―クコイルと整流平滑化回路の接続関係
は逆でも差し支えない。
【0016】
【作用】本発明の各構成要素はつぎの作用をする。請求
項1記載の発明では、永久磁石部がノ―マルモ―ド電流
による磁界を打ち消す方向の磁界を発生しているので、
コアの磁束飽和により定まるコイルに流せる電流限界が
増大する。請求項2記載の発明では、漏れインダクタン
ス部でコアの漏れインダクタンスを増大させることによ
り、ノ―マルモ―ドノイズ低減機能を増大させている。
永久磁石部は請求項1記載のものと同様の働きをしてい
る。請求項3記載の発明では、高飽和磁束部がコアのコ
イル巻装部表面に設けてあるので、主インダクタンス及
び漏れインダクタンスを一定値に保持しながら、コアの
磁束飽和により定まるコイルに流せる電流限界が増大す
る。
項1記載の発明では、永久磁石部がノ―マルモ―ド電流
による磁界を打ち消す方向の磁界を発生しているので、
コアの磁束飽和により定まるコイルに流せる電流限界が
増大する。請求項2記載の発明では、漏れインダクタン
ス部でコアの漏れインダクタンスを増大させることによ
り、ノ―マルモ―ドノイズ低減機能を増大させている。
永久磁石部は請求項1記載のものと同様の働きをしてい
る。請求項3記載の発明では、高飽和磁束部がコアのコ
イル巻装部表面に設けてあるので、主インダクタンス及
び漏れインダクタンスを一定値に保持しながら、コアの
磁束飽和により定まるコイルに流せる電流限界が増大す
る。
【0017】請求項4及び5記載の発明では、ある大き
さのチョ―クコイルに流せる電流限界が従来品よりも高
いので、小型のチョ―クコイルで従来品と同等のノイズ
低減効果を得ることができ、装置の小形化に寄与する。
さのチョ―クコイルに流せる電流限界が従来品よりも高
いので、小型のチョ―クコイルで従来品と同等のノイズ
低減効果を得ることができ、装置の小形化に寄与する。
【0018】
【実施例】以下図面を用いて、本発明を説明する。図1
は本発明の一実施例を示す構成図である。閉磁路コア1
3は断面四辺形のロの字形状をしており、例えば比透磁
率が8000程度のMnZn系フェライトが使用される。永
久磁石部14は希土類磁石やフェライト磁石などの材料
を用いたもので、閉磁路コア13の長辺外側に取付けら
れており、この場所はコイル11,12を巻装する部所にな
っている。コイル11,12 に流れる電流はオンオフ電流で
あるところから、コイル11,12 の電流により閉磁路コア
13に発生する磁束は一方向である。永久磁石部14の
極性はコイル11,12 のノ―マルモ―ド電流による磁界を
打ち消す方向に定める。
は本発明の一実施例を示す構成図である。閉磁路コア1
3は断面四辺形のロの字形状をしており、例えば比透磁
率が8000程度のMnZn系フェライトが使用される。永
久磁石部14は希土類磁石やフェライト磁石などの材料
を用いたもので、閉磁路コア13の長辺外側に取付けら
れており、この場所はコイル11,12を巻装する部所にな
っている。コイル11,12 に流れる電流はオンオフ電流で
あるところから、コイル11,12 の電流により閉磁路コア
13に発生する磁束は一方向である。永久磁石部14の
極性はコイル11,12 のノ―マルモ―ド電流による磁界を
打ち消す方向に定める。
【0019】図2は図1の装置の磁気回路図である。磁
界H1はコイル11,12 の両方に鎖交する磁界であり、コ
モンモ―ドノイズ電流により発生する。磁界H2,H3 は
コイル11,12 の片方のみに鎖交する磁界であり、ノ―マ
ルモ―ドノイズ電流により発生する。磁界H4は永久磁
石部14の発生する磁界であり、磁界H2と相殺される
方向になっている。従って、閉磁路コア13のコイル巻
装部に発生する磁界が永久磁石部14の存在しない場合
に比較して小さくなっているから、その減少分に相当す
る量の磁界の発生を磁界H2に許すことができ、その結
果コイル11,12に大電流を流すことができる。
界H1はコイル11,12 の両方に鎖交する磁界であり、コ
モンモ―ドノイズ電流により発生する。磁界H2,H3 は
コイル11,12 の片方のみに鎖交する磁界であり、ノ―マ
ルモ―ドノイズ電流により発生する。磁界H4は永久磁
石部14の発生する磁界であり、磁界H2と相殺される
方向になっている。従って、閉磁路コア13のコイル巻
装部に発生する磁界が永久磁石部14の存在しない場合
に比較して小さくなっているから、その減少分に相当す
る量の磁界の発生を磁界H2に許すことができ、その結
果コイル11,12に大電流を流すことができる。
【0020】図3は閉磁路コア13のコイル巻装部によ
るインダクタンスLとコイルの負荷電流IDCの関係図
で、実線が永久磁石部14を有する場合、破線が有しな
い場合を表わしている。永久磁石部14により同一のイ
ンダクタンスの得られる負荷電流範囲が、矢印方向にΔ
Iだけシフトしている。コイル11,12 の負荷電流IDCで
問題になるのは直流の特性であるから、シフトに相当す
る分動作範囲が実質的に増大している。このシフト量Δ
Iは、永久磁石部14の保磁力Hcにより一義的に定ま
り、例えばHc=2000〜4000(cgs)のものを用い
る。永久磁石部14の比透磁率は約1なので、保磁力H
cを指定すれば残留磁気Brが定まる。尚、フェライト
磁石は希土類磁石に比べて経時的変化が少ないという性
質がある。
るインダクタンスLとコイルの負荷電流IDCの関係図
で、実線が永久磁石部14を有する場合、破線が有しな
い場合を表わしている。永久磁石部14により同一のイ
ンダクタンスの得られる負荷電流範囲が、矢印方向にΔ
Iだけシフトしている。コイル11,12 の負荷電流IDCで
問題になるのは直流の特性であるから、シフトに相当す
る分動作範囲が実質的に増大している。このシフト量Δ
Iは、永久磁石部14の保磁力Hcにより一義的に定ま
り、例えばHc=2000〜4000(cgs)のものを用い
る。永久磁石部14の比透磁率は約1なので、保磁力H
cを指定すれば残留磁気Brが定まる。尚、フェライト
磁石は希土類磁石に比べて経時的変化が少ないという性
質がある。
【0021】図4は第1の発明の変形実施例の構成図
で、(A)は永久磁石部14を閉磁路コア13の窓の内
側、(B)は内側と外側の両方に装着する場合を示して
いる。永久磁石部14の装着位置はコイル11,12 を挟ん
でN極とS極が対峙するものであれば良く、閉磁路コア
13の取付け位置は窓の内側でも外側でも良い。図5は
永久磁石部14の形状を説明する図である。永久磁石部
14の長さはコイル11,12 の軸長に比較して長くする必
要があるが、他方コアに比べて磁石は高価であるから体
積の小さいものが量産上望ましい。そこで巻数が少な
く、コイルの軸長の短いものはそれに適合させて短い磁
石を用いると良い。
で、(A)は永久磁石部14を閉磁路コア13の窓の内
側、(B)は内側と外側の両方に装着する場合を示して
いる。永久磁石部14の装着位置はコイル11,12 を挟ん
でN極とS極が対峙するものであれば良く、閉磁路コア
13の取付け位置は窓の内側でも外側でも良い。図5は
永久磁石部14の形状を説明する図である。永久磁石部
14の長さはコイル11,12 の軸長に比較して長くする必
要があるが、他方コアに比べて磁石は高価であるから体
積の小さいものが量産上望ましい。そこで巻数が少な
く、コイルの軸長の短いものはそれに適合させて短い磁
石を用いると良い。
【0022】次に本実施例品と従来品との比較例を説明
する。表1は漏れインダクタンスと飽和電流を本実施例
品と従来品との間で比較したものである。
する。表1は漏れインダクタンスと飽和電流を本実施例
品と従来品との間で比較したものである。
【表1】 また図6は縦軸に漏れインダクタンス、横軸に直流電流
を表わした直流重畳特性図である。直流電流が0Aのと
きの漏れインダクタンスは両者の間で大差ない。飽和電
流を漏れインダクタンスが最大値の50%となる電流値
と定義すると、従来品で3.6Aであるのに対して実施
例品では5.4Aと5割増の値になっている。コイル巻
装部における断面積の比は、[閉磁路コア13]:[永
久磁石部14]=3:2になっている。
を表わした直流重畳特性図である。直流電流が0Aのと
きの漏れインダクタンスは両者の間で大差ない。飽和電
流を漏れインダクタンスが最大値の50%となる電流値
と定義すると、従来品で3.6Aであるのに対して実施
例品では5.4Aと5割増の値になっている。コイル巻
装部における断面積の比は、[閉磁路コア13]:[永
久磁石部14]=3:2になっている。
【0023】次に第2の発明について説明する。図7は
第2の発明の一実施例を示す構成図である。図におい
て、バイパスコア15は閉磁路コア13の窓の内側に設
けられたもので、ギャップgを有しており、漏れインダ
クタンスを増大させている。この様なコアは、例えば試
作時にはEEコアやEIコアの中足を加工してギャップ
gを生ずるように削ったり、量産時にはコアの中足を短
く製造する。永久磁石部16はバイパスコア15のギャ
ップgに取付けられるもので、このNS極性はコイル1
1,12 のノ―マルモ―ド電流により発生する磁界を打ち
消すように定められている。
第2の発明の一実施例を示す構成図である。図におい
て、バイパスコア15は閉磁路コア13の窓の内側に設
けられたもので、ギャップgを有しており、漏れインダ
クタンスを増大させている。この様なコアは、例えば試
作時にはEEコアやEIコアの中足を加工してギャップ
gを生ずるように削ったり、量産時にはコアの中足を短
く製造する。永久磁石部16はバイパスコア15のギャ
ップgに取付けられるもので、このNS極性はコイル1
1,12 のノ―マルモ―ド電流により発生する磁界を打ち
消すように定められている。
【0024】図8は図7の装置の磁気回路図である。磁
界H1〜H4については図2の説明と同様であるが、磁
界H2はバイパスコア15を通る磁界、磁界H3はバイ
パスコア15以外の領域を通る磁界を表わしている。永
久磁石部16で発生する磁界H4はバイパスコア15を
介してコイル11,12 の巻装された閉磁路コア13を通っ
ている。従って、コイル11,12 のノ―マルモ―ド電流に
より発生する磁界H2は磁界H4により打消されるか
ら、閉磁路コア13を飽和させるのに必要なコイル11,1
2 に流す電流が増大している。
界H1〜H4については図2の説明と同様であるが、磁
界H2はバイパスコア15を通る磁界、磁界H3はバイ
パスコア15以外の領域を通る磁界を表わしている。永
久磁石部16で発生する磁界H4はバイパスコア15を
介してコイル11,12 の巻装された閉磁路コア13を通っ
ている。従って、コイル11,12 のノ―マルモ―ド電流に
より発生する磁界H2は磁界H4により打消されるか
ら、閉磁路コア13を飽和させるのに必要なコイル11,1
2 に流す電流が増大している。
【0025】次に本実施例品と従来品との比較例を説明
する。表2は漏れインダクタンスと飽和電流を本実施例
品と従来品との間で比較したものである。
する。表2は漏れインダクタンスと飽和電流を本実施例
品と従来品との間で比較したものである。
【表2】 また図9は縦軸に漏れインダクタンス、横軸に直流電流
を表わした直流重畳特性図である。永久磁石部16をギ
ャップgに有する本実施例品では、漏れインダクタンス
が約2Aのところで最大値を示す凸形になっている。直
流電流が0Aのとき及び実施例品が最大値となるときの
漏れインダクタンスは両者の間で大差ない。しかし、飽
和電流を漏れインダクタンスが最大値の50%となる電
流値と定義すると、従来品で2.0Aであるのに対して
実施例品では3.7Aと7割増の値になっている。コイ
ル巻装部における断面積の比は、[バイパスコア1
5]:[永久磁石部16]=1:1と同一である。
を表わした直流重畳特性図である。永久磁石部16をギ
ャップgに有する本実施例品では、漏れインダクタンス
が約2Aのところで最大値を示す凸形になっている。直
流電流が0Aのとき及び実施例品が最大値となるときの
漏れインダクタンスは両者の間で大差ない。しかし、飽
和電流を漏れインダクタンスが最大値の50%となる電
流値と定義すると、従来品で2.0Aであるのに対して
実施例品では3.7Aと7割増の値になっている。コイ
ル巻装部における断面積の比は、[バイパスコア1
5]:[永久磁石部16]=1:1と同一である。
【0026】図10はこの比較例における磁路長の説明
図である。磁路長は図8に破線で示す磁界H2の閉曲線
のうち、バイパスコア15及び閉磁路コア13を通過す
る部分の長さl1と永久磁石部16の長さl2(=g)
の比をとると、40:1になっている。
図である。磁路長は図8に破線で示す磁界H2の閉曲線
のうち、バイパスコア15及び閉磁路コア13を通過す
る部分の長さl1と永久磁石部16の長さl2(=g)
の比をとると、40:1になっている。
【0027】続いて、第3の発明について説明する。図
11は第3の発明の一実施例を示す構成図である。図に
おいて、高飽和磁束部17は閉磁路コア13のコイル1
1,12巻装部に取付けられるもので、例えば比透磁率が30
0 、飽和磁束密度2.0Tのケイ素鋼板を用いる。この
ほかの材料としては、Fe−Al−Si系合金(商品名
センダスト)の比透磁率が90、飽和磁束密度0.8T
のものや、比透磁率が2000、飽和磁束密度1.6Tの純
鉄等がある。
11は第3の発明の一実施例を示す構成図である。図に
おいて、高飽和磁束部17は閉磁路コア13のコイル1
1,12巻装部に取付けられるもので、例えば比透磁率が30
0 、飽和磁束密度2.0Tのケイ素鋼板を用いる。この
ほかの材料としては、Fe−Al−Si系合金(商品名
センダスト)の比透磁率が90、飽和磁束密度0.8T
のものや、比透磁率が2000、飽和磁束密度1.6Tの純
鉄等がある。
【0028】このように構成された装置の特性を次に説
明する。図12は閉磁路相当部と付加コア相当部の材料
を3種類組み合わせた図、図13は図12の組み合わせ
に対する直流重畳特性図で、縦軸に漏れインダクタン
ス、横軸に直流電流を表わしたグラフである。ここで閉
磁路相当部は図11で閉磁路コア13が占有する領域、
付加コア相当部は高飽和磁束部17が占有する領域を表
わしている。
明する。図12は閉磁路相当部と付加コア相当部の材料
を3種類組み合わせた図、図13は図12の組み合わせ
に対する直流重畳特性図で、縦軸に漏れインダクタン
ス、横軸に直流電流を表わしたグラフである。ここで閉
磁路相当部は図11で閉磁路コア13が占有する領域、
付加コア相当部は高飽和磁束部17が占有する領域を表
わしている。
【0029】図中、曲線は閉磁路相当部にMnZn系
フェライト、付加コア相当部にもMnZn系フェライト
を用いた従来品である。曲線は閉磁路相当部を空心、
付加コア相当部をケイ素鋼板とした参考曲線である。曲
線は閉磁路相当部をMnZn系フェライト、付加コア
相当部にケイ素鋼板を用いた本実施例品である。コイル
11,12 に流れる電流が0〜5Aを小電流領域、5〜10
Aを中間領域、10A以上を大電流領域と呼ぶ。本実施
例品は、従来品に参考品を合わせた構造になって
いる関係で、直流重畳特性も曲線は曲線と曲線を
加算したものに似ている。即ち、小電流領域では従来品
と同程度の漏れインダクタンスが取れる。中間領域で
は、従来品に比べて付加コア相当部に高飽和磁束密度
材を用いている分だけ、飽和し難くなっており、曲線
の形状は曲線と曲線を滑らかに繋げるようになって
いる。
フェライト、付加コア相当部にもMnZn系フェライト
を用いた従来品である。曲線は閉磁路相当部を空心、
付加コア相当部をケイ素鋼板とした参考曲線である。曲
線は閉磁路相当部をMnZn系フェライト、付加コア
相当部にケイ素鋼板を用いた本実施例品である。コイル
11,12 に流れる電流が0〜5Aを小電流領域、5〜10
Aを中間領域、10A以上を大電流領域と呼ぶ。本実施
例品は、従来品に参考品を合わせた構造になって
いる関係で、直流重畳特性も曲線は曲線と曲線を
加算したものに似ている。即ち、小電流領域では従来品
と同程度の漏れインダクタンスが取れる。中間領域で
は、従来品に比べて付加コア相当部に高飽和磁束密度
材を用いている分だけ、飽和し難くなっており、曲線
の形状は曲線と曲線を滑らかに繋げるようになって
いる。
【0030】表3は漏れインダクタンスと飽和電流を本
実施例品と従来品との間で比較したものである。
実施例品と従来品との間で比較したものである。
【表3】 主インダクタンス及び漏れインダクタンスは従来品を
基準として本実施例品は95%程度の値を有してお
り、ほぼ同等と見なせる。他方、飽和電流は従来品が
5.5Aであるのに対して本実施例品は13.3Aで
あり2.4倍の値を示している。従って、大電流の用途
に適したコモンモ―ド・チョ―クコイルが得られる。こ
こで、コイル巻装部における断面積の比は、[閉磁路コ
ア13]:[高飽和磁束部17]=3:2になってい
る。
基準として本実施例品は95%程度の値を有してお
り、ほぼ同等と見なせる。他方、飽和電流は従来品が
5.5Aであるのに対して本実施例品は13.3Aで
あり2.4倍の値を示している。従って、大電流の用途
に適したコモンモ―ド・チョ―クコイルが得られる。こ
こで、コイル巻装部における断面積の比は、[閉磁路コ
ア13]:[高飽和磁束部17]=3:2になってい
る。
【0031】図14は第3の発明の変形実施例の構成図
で、(A)は閉磁路コア13の窓の内部に付加コア18
を設けたもの、(B)は窓の内部と外部の両方に付加コ
ア18を設けたもの、(C)は閉磁路コア13をトロイ
ダル型とした場合を示している。付加コア18は高飽和
磁束部17と均等なものであり、要するに高い飽和磁束
密度を有する材料をコイル11,12 巻装部を含む閉磁路コ
ア13に装着すれば良い。トロイダル型の場合には、付
加コア18の形状もトロイダル型として閉磁路コア13
に係止できる形状とすれば良い。
で、(A)は閉磁路コア13の窓の内部に付加コア18
を設けたもの、(B)は窓の内部と外部の両方に付加コ
ア18を設けたもの、(C)は閉磁路コア13をトロイ
ダル型とした場合を示している。付加コア18は高飽和
磁束部17と均等なものであり、要するに高い飽和磁束
密度を有する材料をコイル11,12 巻装部を含む閉磁路コ
ア13に装着すれば良い。トロイダル型の場合には、付
加コア18の形状もトロイダル型として閉磁路コア13
に係止できる形状とすれば良い。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、第1及び第2の発
明によれば永久磁石部14,16によりコイル11,12 の
ノ―マルモ―ド電流により発生する磁束を打ち消してい
るので、コイル11,12 に流れる電流が大きくなってもコ
モンモ―ド・チョ―クコイルとして十分なイクダクタン
ス値を確保できる。また第3の発明によれば、高飽和磁
束部17を閉磁路コア13に設けているので、コイル1
1,12 に流れる電流が大きくなっても磁束の飽和が起き
難くなり、大電流用のコモンモ―ド・チョ―クコイルが
得られる。
明によれば永久磁石部14,16によりコイル11,12 の
ノ―マルモ―ド電流により発生する磁束を打ち消してい
るので、コイル11,12 に流れる電流が大きくなってもコ
モンモ―ド・チョ―クコイルとして十分なイクダクタン
ス値を確保できる。また第3の発明によれば、高飽和磁
束部17を閉磁路コア13に設けているので、コイル1
1,12 に流れる電流が大きくなっても磁束の飽和が起き
難くなり、大電流用のコモンモ―ド・チョ―クコイルが
得られる。
【0033】更に、上述した発明のコモンモ―ド・チョ
―クコイルをスイッチング電源装置のノイズ回路として
用いると、小型のチョ―クコイルで大電流のコモンモ―
ドノイズを削減することができ、低コスト化に寄与す
る。
―クコイルをスイッチング電源装置のノイズ回路として
用いると、小型のチョ―クコイルで大電流のコモンモ―
ドノイズを削減することができ、低コスト化に寄与す
る。
【図1】第1の発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】図1の装置の磁気回路図である。
【図3】閉磁路コア13のコイル巻装部によるインダク
タンスLとコイルの負荷電流I DCの関係図である。
タンスLとコイルの負荷電流I DCの関係図である。
【図4】第1の発明の変形実施例の構成図である。
【図5】永久磁石部14の形状を説明する図である。
【図6】表1の比較例における直流重畳特性図である。
【図7】第2の発明の一実施例を示す構成図である。
【図8】図7の装置の磁気回路図である。
【図9】表2の比較例における直流重畳特性図である。
【図10】表2の比較例における磁路長の説明図であ
る。
る。
【図11】第3の発明の一実施例を示す構成図である。
【図12】閉磁路相当部と付加コア相当部の材料を3種
類組み合わせた図である。
類組み合わせた図である。
【図13】図12の組み合わせに対する直流重畳特性図
である。
である。
【図14】第3の発明の変形実施例の構成図である。
【図15】従来公知のスイッチング電源装置の回路図で
ある。
ある。
【図16】フィルタ回路10の詳細回路図である。
【図17】フィルタ回路10近傍のノイズ説明図であ
る。
る。
【図18】コモンモ―ド・チョ―クコイルL1の動作説
明図である。
明図である。
11,12…コイル 13…閉磁路コア 14,16…永久磁石部 15…バイパスコア(漏れインダクタンス部) 17…高飽和磁束部(付加コア)
Claims (5)
- 【請求項1】閉磁路を構成するコアと、このコアに独立
して巻かれる第1及び第2のコイルとを有するチョ―ク
コイルにおいて、 当該コアのコイル巻装部の軸方向表面に、互いに分離し
て装着される永久磁石部を設けることを特徴とするコモ
ンモ―ド・チョ―クコイル。 - 【請求項2】閉磁路を構成するコアと、このコアに独立
して巻かれる第1及び第2のコイルとを有するチョ―ク
コイルにおいて、 当該コアに設けられた前記コアのコイル巻装部外部を通
過する磁路を形成する漏れインダクタンス部と、 この漏れインダクスタンス部に装着された永久磁石部
と、 を具備することを特徴とするコモンモ―ド・チョ―クコ
イル。 - 【請求項3】閉磁路を構成するコアと、このコアに独立
して巻かれる第1及び第2のコイルとを有するチョ―ク
コイルにおいて、 当該コアのコイル巻装部外部の軸方向表面に装着され
る、当該コアの磁性材料に比較して高い飽和磁束密度を
有する高飽和磁束部を設けることを特徴とするコモンモ
―ド・チョ―クコイル。 - 【請求項4】請求項1,2又は3記載のコモンモ―ド・
チョ―クコイルを介して交流電源と接続され、印加され
る交流電流を整流平滑化回路によって直流化し、この直
流化された電流をスイッチング電源により所定電圧の直
流電圧にして負荷側に供給することを特徴とするスイッ
チング電源装置。 - 【請求項5】交流電源より送られる交流電流を整流平滑
化回路によって直流化し、この直流化された電流を請求
項1,2又は3記載のコモンモ―ド・チョ―クコイルを
介してスイッチング電源に供給し、当該スイッチング電
源により所定電圧の直流電圧にして負荷側に供給するこ
とを特徴とするスイッチング電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204080A JPH0547572A (ja) | 1991-08-14 | 1991-08-14 | コモンモ―ド・チヨ―クコイル及びスイツチング電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204080A JPH0547572A (ja) | 1991-08-14 | 1991-08-14 | コモンモ―ド・チヨ―クコイル及びスイツチング電源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547572A true JPH0547572A (ja) | 1993-02-26 |
Family
ID=16484451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3204080A Pending JPH0547572A (ja) | 1991-08-14 | 1991-08-14 | コモンモ―ド・チヨ―クコイル及びスイツチング電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0547572A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1187150A1 (en) * | 2000-09-08 | 2002-03-13 | Tokin Corporation | Inductance component in which a permanent magnet for applying a magnetic bias is arranged outside an excitation coil |
WO2002035691A1 (fr) * | 2000-10-25 | 2002-05-02 | Nec Tokin Corporation | Noyau magnetique, composant de bobine le contenant, et circuit de source d"energie |
JP2002359127A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Nec Tokin Corp | 磁心、磁心を用いた線輪部品、及び電源回路 |
JP2006319176A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd | 複合リアクトル |
JP2011082278A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-04-21 | Nec Tokin Corp | 複合磁性体 |
JP2014175396A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Fdk Corp | 直流リアクトル |
WO2017103077A1 (fr) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives | Noyau d'inductance a pertes magnetiques reduites |
CN107731480A (zh) * | 2017-08-21 | 2018-02-23 | 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七二研究所) | 一种用于电力电子换流装置的高漏感差模电抗器 |
CN110319010A (zh) * | 2018-03-30 | 2019-10-11 | 株式会社丰田自动织机 | 车载用电动压缩机 |
-
1991
- 1991-08-14 JP JP3204080A patent/JPH0547572A/ja active Pending
Cited By (15)
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SG101470A1 (en) * | 2000-09-08 | 2004-01-30 | Nec Tokin Corp | Inductance component in which a permanent magnet for applying a magnetic bias is arranged outside an excitation coil |
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