JPH0547492A - インバータ式x線高電圧装置 - Google Patents
インバータ式x線高電圧装置Info
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- JPH0547492A JPH0547492A JP23110591A JP23110591A JPH0547492A JP H0547492 A JPH0547492 A JP H0547492A JP 23110591 A JP23110591 A JP 23110591A JP 23110591 A JP23110591 A JP 23110591A JP H0547492 A JPH0547492 A JP H0547492A
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- inverter
- transistor
- switch
- phase
- switches
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、インバータ式X線高電圧装置
において発生するスイッチング損失の低減、及びこの損
失による発熱を抑制する放熱、冷却構造の簡単化、装置
全体の小型、軽量化さらには低価格化を図る。 【構成】インバータ式X線高電圧装置において、第一か
ら第四のスイッチの動作位相を決定する位相決定回路9
と、第一と第四のスイッチ間及び第二と第三のスイッチ
間の位相を制御する位相制御回路10と、第三のスイッ
チと第四のスイッチに流れる電流が遮断されない範囲の
位相差に制限する位相制限回路12とを設けることによ
り、スイッチング損失が低減されこの損失による発熱の
放熱、冷却構造の小型、軽量化ができる。また上記第三
と第四のスイッチを自然消弧型の素子にすることにより
実装の簡単化、低価格化も図れる。
において発生するスイッチング損失の低減、及びこの損
失による発熱を抑制する放熱、冷却構造の簡単化、装置
全体の小型、軽量化さらには低価格化を図る。 【構成】インバータ式X線高電圧装置において、第一か
ら第四のスイッチの動作位相を決定する位相決定回路9
と、第一と第四のスイッチ間及び第二と第三のスイッチ
間の位相を制御する位相制御回路10と、第三のスイッ
チと第四のスイッチに流れる電流が遮断されない範囲の
位相差に制限する位相制限回路12とを設けることによ
り、スイッチング損失が低減されこの損失による発熱の
放熱、冷却構造の小型、軽量化ができる。また上記第三
と第四のスイッチを自然消弧型の素子にすることにより
実装の簡単化、低価格化も図れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータを用いてX
線管に高電圧を印加するインバータ式高電圧装置に関す
る。
線管に高電圧を印加するインバータ式高電圧装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、インバータ式X線高電圧装置
は、直流電源電圧を高周波交流に変換するインバータ
と、このインバータの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器
と、この高電圧変圧器の出力電圧を整流する整流回路
と、この整流回路の出力電圧が印加されるX線管とを有
して構成されている。
は、直流電源電圧を高周波交流に変換するインバータ
と、このインバータの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器
と、この高電圧変圧器の出力電圧を整流する整流回路
と、この整流回路の出力電圧が印加されるX線管とを有
して構成されている。
【0003】このようなX線高電圧装置の小型、軽量化
を図るには、上記の高電圧変圧器を小型、軽量のものと
することが最も有効である。そして、この高電圧変圧器
への入力電圧の周波数を高くすることによって高電圧変
圧器の小型、軽量化を図ることができる。そして、この
ような高電圧変圧器への入力を高周波化する手段とし
て、従来、米国特許第4225788号明細書に開示さ
れている直列共振型インバータを用いたものがある。こ
れは、高電圧変圧器の漏れインダクタンスと、これに直
列に接続された共振用コンデンサとの共振を利用したも
ので、インバータの周波数を制御して負荷としてのX線
管に供給する電圧を制御するようになっている。また、
特開昭63−190556号公報に記載されているよう
に、共振型インバータの対向する二組のスイッチング素
子のオン・オフに位相差を付けることによってインバー
タ電流を遮断し、出力電圧を制御するものもある。
を図るには、上記の高電圧変圧器を小型、軽量のものと
することが最も有効である。そして、この高電圧変圧器
への入力電圧の周波数を高くすることによって高電圧変
圧器の小型、軽量化を図ることができる。そして、この
ような高電圧変圧器への入力を高周波化する手段とし
て、従来、米国特許第4225788号明細書に開示さ
れている直列共振型インバータを用いたものがある。こ
れは、高電圧変圧器の漏れインダクタンスと、これに直
列に接続された共振用コンデンサとの共振を利用したも
ので、インバータの周波数を制御して負荷としてのX線
管に供給する電圧を制御するようになっている。また、
特開昭63−190556号公報に記載されているよう
に、共振型インバータの対向する二組のスイッチング素
子のオン・オフに位相差を付けることによってインバー
タ電流を遮断し、出力電圧を制御するものもある。
【0004】しかし、上記米国特許第4225788号
明細書に記載されたものにおいては、出力を小さくする
ためにインバータ周波数を低くすると、高電圧変圧器に
印加される電圧の時間積分値が大きくなるため、高電圧
変圧器の小型化に限界がある。これは、特開昭63−1
90556号に記載されている方法で、より小型のもの
が可能である。図4は特開昭63−190556号に記
載されている方法によるX線高電圧装置の回路図であ
る。このX線高電圧装置は、二次電池などの直流電源1
と、インバータ2と、高電圧変圧器3と、共振コンデン
サ6と、整流器4と、X線管5とを有している。
明細書に記載されたものにおいては、出力を小さくする
ためにインバータ周波数を低くすると、高電圧変圧器に
印加される電圧の時間積分値が大きくなるため、高電圧
変圧器の小型化に限界がある。これは、特開昭63−1
90556号に記載されている方法で、より小型のもの
が可能である。図4は特開昭63−190556号に記
載されている方法によるX線高電圧装置の回路図であ
る。このX線高電圧装置は、二次電池などの直流電源1
と、インバータ2と、高電圧変圧器3と、共振コンデン
サ6と、整流器4と、X線管5とを有している。
【0005】上記インバータ2は、上記直流電源1から
の直流を交流に変換するもので、該直流電源1の正極に
接続された第一のスイッチとしてのトランジスタTr1
及びその負極に接続された第二のスイッチとしてのトラ
ンジスタTr2からなる第一の直列接続体と、上記トラ
ンジスタTr1とトランジスタTr2に並列に設けられた
第三のスイッチとしてのトランジスタTr3及び第四の
スイッチとしてのトランジスタTr4からなる第二の直
列接続体と、上記各トランジスタTr1〜Tr4にそれぞ
れ逆並列接続されたダイオードD1〜D4とからなる。な
お、上記各トランジスタTr1〜Tr4は、それぞれベー
ス電流を流すことによってターンオンするようになって
いる。また、トランジスタTr1〜Tr4の各々にはスナ
バ回路が接続されているがここでは省略する。
の直流を交流に変換するもので、該直流電源1の正極に
接続された第一のスイッチとしてのトランジスタTr1
及びその負極に接続された第二のスイッチとしてのトラ
ンジスタTr2からなる第一の直列接続体と、上記トラ
ンジスタTr1とトランジスタTr2に並列に設けられた
第三のスイッチとしてのトランジスタTr3及び第四の
スイッチとしてのトランジスタTr4からなる第二の直
列接続体と、上記各トランジスタTr1〜Tr4にそれぞ
れ逆並列接続されたダイオードD1〜D4とからなる。な
お、上記各トランジスタTr1〜Tr4は、それぞれベー
ス電流を流すことによってターンオンするようになって
いる。また、トランジスタTr1〜Tr4の各々にはスナ
バ回路が接続されているがここでは省略する。
【0006】高電圧変圧器3は、上記インバータ2の出
力側に接続され該インバータ2からの出力電圧を昇圧す
るもので、所定の巻数比を有すると共に、漏れインダク
タンスLs及び浮遊容量Csを有している。そして、高
電圧変圧器3の一次巻線には直列に共振コンデンサ6が
接続されている。この高電圧変圧器3の一次巻線と直列
に接続された共振コンデンサ6の静電容量Crと前記高
電圧変圧器3の漏れインダクタンスLsとが共振素子と
して用いられる。なお、直列共振とするために、上記高
電圧変圧器3の浮遊容量Csは上記共振コンデンサ6の
静電容量Crより非常に小さい値に設定されている。整
流器4は、上記高電圧変圧器3からの出力電圧を全波整
流して直流に変換するもので、四つのダイオードD5〜
D8からなる。そして、上記整流器4の出力側には、X
線管5が接続されている。また、Chは上記整流器4の
出力電圧をX線管5に印加するための高電圧ケーブルの
静電容量であり、該整流器4からの出力電圧を平滑する
ものである。
力側に接続され該インバータ2からの出力電圧を昇圧す
るもので、所定の巻数比を有すると共に、漏れインダク
タンスLs及び浮遊容量Csを有している。そして、高
電圧変圧器3の一次巻線には直列に共振コンデンサ6が
接続されている。この高電圧変圧器3の一次巻線と直列
に接続された共振コンデンサ6の静電容量Crと前記高
電圧変圧器3の漏れインダクタンスLsとが共振素子と
して用いられる。なお、直列共振とするために、上記高
電圧変圧器3の浮遊容量Csは上記共振コンデンサ6の
静電容量Crより非常に小さい値に設定されている。整
流器4は、上記高電圧変圧器3からの出力電圧を全波整
流して直流に変換するもので、四つのダイオードD5〜
D8からなる。そして、上記整流器4の出力側には、X
線管5が接続されている。また、Chは上記整流器4の
出力電圧をX線管5に印加するための高電圧ケーブルの
静電容量であり、該整流器4からの出力電圧を平滑する
ものである。
【0007】そして、上記インバータ2の第一のスイッ
チとしてのトランジスタTr1と第二のスイッチとして
のトランジスタTr2は、該インバータ2の動作周波数
にて180°の位相差で交互にターンオンさせ、第三の
スイッチとしてのトランジスタTr3と第四のスイッチ
としてのトランジスタTr4も同じく180°の位相差
で交互にターンオンさせると共に、第一のトランジスタ
Tr1がターンオンしてから第四のトランジスタTr4が
ターンオンする位相差、及び第二のトランジスタTr2
がターンオンしてから第三のトランジスタTr3がター
ンオンする位相差を適宜変化させることによって、上記
X線管5に供給する電力を制御するようになっている。
チとしてのトランジスタTr1と第二のスイッチとして
のトランジスタTr2は、該インバータ2の動作周波数
にて180°の位相差で交互にターンオンさせ、第三の
スイッチとしてのトランジスタTr3と第四のスイッチ
としてのトランジスタTr4も同じく180°の位相差
で交互にターンオンさせると共に、第一のトランジスタ
Tr1がターンオンしてから第四のトランジスタTr4が
ターンオンする位相差、及び第二のトランジスタTr2
がターンオンしてから第三のトランジスタTr3がター
ンオンする位相差を適宜変化させることによって、上記
X線管5に供給する電力を制御するようになっている。
【0008】次に、このように構成されたX線装置の動
作について説明する。最初に、出力電力が最大となるよ
うに制御する場合の動作を、図4、図5を参照して説明
する。インバータ2の各トランジスタTr1〜Tr4の動
作位相を図5(a)〜(d)に示すように、トランジス
タTr1とトランジスタTr2は180°の位相差で交互
にオンし、トランジスタTr4とトランジスタTr3は1
80°の位相差で交互にオンすると共に、トランジスタ
Tr1とトランジスタTr4がオンする位相差を零として
両者を同時にオンし、トランジスタTr2とトランジス
タTr3がオンする位相差も同様に零として両者を同時
にオンするように制御する。
作について説明する。最初に、出力電力が最大となるよ
うに制御する場合の動作を、図4、図5を参照して説明
する。インバータ2の各トランジスタTr1〜Tr4の動
作位相を図5(a)〜(d)に示すように、トランジス
タTr1とトランジスタTr2は180°の位相差で交互
にオンし、トランジスタTr4とトランジスタTr3は1
80°の位相差で交互にオンすると共に、トランジスタ
Tr1とトランジスタTr4がオンする位相差を零として
両者を同時にオンし、トランジスタTr2とトランジス
タTr3がオンする位相差も同様に零として両者を同時
にオンするように制御する。
【0009】まず、図5の時刻Ta1では共振電流it
が高電圧変圧器3の漏れインダクタンスLsのエネルギ
により、漏れインダクタンスLs→共振コンデンサ6→
ダイオードD1→直流電源1→ダイオードD4→整流器4
→ケーブルの静電容量Ch→整流器4→漏れインダクタ
ンスLsの回路、及び漏れインダクタンスLs→共振コ
ンデンサ6→ダイオードD1→直流電源1→ダイオード
D4→整流器4→X線管5→整流器4→漏れインダクタ
ンスLsの回路をそれぞれ流れる。これにより、第一の
アーム2a及び第四のアーム2dには図5(e)、
(f)に示すようにそれぞれ負の電流i1及びi4が流れ
る。この時トランジスタTr1及びトランジスタTr4が
オンするが、電流の流れる回路には影響がない。そし
て、上記漏れインダクタンスLsのエネルギが減少する
に従って、図5(i)に示すように共振電流itは零に
近づいていく。ここで、上記第四のダイオードD4以後
において二つの回路に分かれて共振電流itが流れる状
態を簡単に表記するため、以下、ダイオードD4→(整
流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX線管5)→漏れ
インダクタンスLsのように表わすこととする。
が高電圧変圧器3の漏れインダクタンスLsのエネルギ
により、漏れインダクタンスLs→共振コンデンサ6→
ダイオードD1→直流電源1→ダイオードD4→整流器4
→ケーブルの静電容量Ch→整流器4→漏れインダクタ
ンスLsの回路、及び漏れインダクタンスLs→共振コ
ンデンサ6→ダイオードD1→直流電源1→ダイオード
D4→整流器4→X線管5→整流器4→漏れインダクタ
ンスLsの回路をそれぞれ流れる。これにより、第一の
アーム2a及び第四のアーム2dには図5(e)、
(f)に示すようにそれぞれ負の電流i1及びi4が流れ
る。この時トランジスタTr1及びトランジスタTr4が
オンするが、電流の流れる回路には影響がない。そし
て、上記漏れインダクタンスLsのエネルギが減少する
に従って、図5(i)に示すように共振電流itは零に
近づいていく。ここで、上記第四のダイオードD4以後
において二つの回路に分かれて共振電流itが流れる状
態を簡単に表記するため、以下、ダイオードD4→(整
流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX線管5)→漏れ
インダクタンスLsのように表わすこととする。
【0010】次に、時刻Ta2では図5(i)に示すよ
うに、共振電流itが零になった後に、直流電源1→ト
ランジスタTr1→共振コンデンサ6→漏れインダクタ
ンスLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX
線管5)→整流器4→トランジスタTr4→直流電源1
の回路を流れ、漏れインダクタンスLsと共振コンデン
サ6の静電容量Crとで決定される共振周波数の弧を描
いて増加していく。
うに、共振電流itが零になった後に、直流電源1→ト
ランジスタTr1→共振コンデンサ6→漏れインダクタ
ンスLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX
線管5)→整流器4→トランジスタTr4→直流電源1
の回路を流れ、漏れインダクタンスLsと共振コンデン
サ6の静電容量Crとで決定される共振周波数の弧を描
いて増加していく。
【0011】次に、時刻Ta3では図5(a)〜(d)
に示すように、トランジスタTr1とトランジスタTr4
がオフし、これと同時にトランジスタTr2とトランジ
スタTr3がオンする。しかし、共振電流itは漏れイ
ンダクタンスLsのエネルギにより、漏れインダクタン
スLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX線
管5)→ダイオードD3→直流電源1→ダイオードD2→
共振コンデンサ6→漏れインダクタンスLsの回路を流
れる。従って、第二のアーム2b及び第三のアーム2c
には図5(g)、(h)に示すようにそれぞれ負の電流
i2及びi3が流れる。そして、上記漏れインダクタンス
Lsのエネルギが減少するに従って、図5(i)に示す
ように共振電流itは零に近づいていく。
に示すように、トランジスタTr1とトランジスタTr4
がオフし、これと同時にトランジスタTr2とトランジ
スタTr3がオンする。しかし、共振電流itは漏れイ
ンダクタンスLsのエネルギにより、漏れインダクタン
スLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX線
管5)→ダイオードD3→直流電源1→ダイオードD2→
共振コンデンサ6→漏れインダクタンスLsの回路を流
れる。従って、第二のアーム2b及び第三のアーム2c
には図5(g)、(h)に示すようにそれぞれ負の電流
i2及びi3が流れる。そして、上記漏れインダクタンス
Lsのエネルギが減少するに従って、図5(i)に示す
ように共振電流itは零に近づいていく。
【0012】次に、時刻Ta4では図5(i)に示すよ
うに、共振電流itが零になった後に、直流電源1→ト
ランジスタTr3→(整流器4,ケーブルの静電容量C
h及びX線管5)→漏れインダクタンスLs→共振コン
デンサ6→トランジスタTr2→直流電源1の回路を流
れ、漏れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電
容量Crとで決まる共振周波数の弧を描いて増加してい
く。
うに、共振電流itが零になった後に、直流電源1→ト
ランジスタTr3→(整流器4,ケーブルの静電容量C
h及びX線管5)→漏れインダクタンスLs→共振コン
デンサ6→トランジスタTr2→直流電源1の回路を流
れ、漏れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電
容量Crとで決まる共振周波数の弧を描いて増加してい
く。
【0013】次に、時刻Ta5では図5(a)〜(d)
に示すように、トランジスタTr2とトランジスタTr3
がオフし、これと同時にトランジスタTr1とトランジ
スタTr4がオンする。これは前記時刻Ta1からの状態
と全く同じ状態となり、以後上記の動作を繰り返す。
に示すように、トランジスタTr2とトランジスタTr3
がオフし、これと同時にトランジスタTr1とトランジ
スタTr4がオンする。これは前記時刻Ta1からの状態
と全く同じ状態となり、以後上記の動作を繰り返す。
【0014】以上のようなインバータ2の動作位相の制
御の場合は、トランジスタTr1とトランジスタTr4が
位相差零で同時にオン、オフすると共に、トランジスタ
Tr2とトランジスタTr3も位相差零で同時にオン、オ
フするので、第一のアーム2aに流れる電流i1と第四
のアーム2dに流れる電流i4は図5(e)、(f)に
示すように同じ波形となり、さらに第二のアーム2bに
流れる電流i2と第三のアーム2cに流れる電流i3も図
5(g)、(h)に示すように同じ波形となる。また、
上記トランジスタTr1とトランジスタTr4が同時にオ
ンしている時刻(Ta1〜Ta3)と、トランジスタTr
2とトランジスタTr3が同時にオンしている時刻(Ta
3〜Ta5)は連続状態となり、インバータ2の出力電圧
vtの波形は、図5(j)に示すように直流電源1の電
圧を正負の波高値とする連続した方形波となり、その出
力は最大となる。
御の場合は、トランジスタTr1とトランジスタTr4が
位相差零で同時にオン、オフすると共に、トランジスタ
Tr2とトランジスタTr3も位相差零で同時にオン、オ
フするので、第一のアーム2aに流れる電流i1と第四
のアーム2dに流れる電流i4は図5(e)、(f)に
示すように同じ波形となり、さらに第二のアーム2bに
流れる電流i2と第三のアーム2cに流れる電流i3も図
5(g)、(h)に示すように同じ波形となる。また、
上記トランジスタTr1とトランジスタTr4が同時にオ
ンしている時刻(Ta1〜Ta3)と、トランジスタTr
2とトランジスタTr3が同時にオンしている時刻(Ta
3〜Ta5)は連続状態となり、インバータ2の出力電圧
vtの波形は、図5(j)に示すように直流電源1の電
圧を正負の波高値とする連続した方形波となり、その出
力は最大となる。
【0015】次に、出力電力が小さくなるように制御す
る場合の動作を、図4、図6を参照して説明する。イン
バータ2の各トランジスタTr1〜Tr4の動作位相を図
6(a)〜(d)に示すように、トランジスタTr1と
トランジスタTr2は180°の位相差で交互にオン
し、トランジスタTr4とトランジスタTr3は180°
の位相差で交互にオンすると共に、トランジスタTr1
がオンしてからトランジスタTr4がオンする位相差を
αとし、トランジスタTr2がオンしてからトランジス
タTr3がオンする位相差を同じくαとするように制御
する。
る場合の動作を、図4、図6を参照して説明する。イン
バータ2の各トランジスタTr1〜Tr4の動作位相を図
6(a)〜(d)に示すように、トランジスタTr1と
トランジスタTr2は180°の位相差で交互にオン
し、トランジスタTr4とトランジスタTr3は180°
の位相差で交互にオンすると共に、トランジスタTr1
がオンしてからトランジスタTr4がオンする位相差を
αとし、トランジスタTr2がオンしてからトランジス
タTr3がオンする位相差を同じくαとするように制御
する。
【0016】まず、図6の時刻Tb1ではトランジスタ
Tr1とトランジスタTr3がオンになっており、共振電
流itは漏れインダクタンスLsのエネルギにより、漏
れインダクタンスLs→共振コンデンサ6→ダイオード
D1→トランジスタTr3→(整流器4,ケーブルの静電
容量Ch及びX線管5)→漏れインダクタンスLsの回
路を流れている。従って第一のアーム2aには図6
(e)に示すように負の電流i1が流れ、第三のアーム
2cには図6(h)に示すように正の電流i3が流れ
る。そして、上記漏れインダクタンスLsのエネルギが
減少するに従って、図6(i)に示すように共振電流i
tは零に近づいていく。
Tr1とトランジスタTr3がオンになっており、共振電
流itは漏れインダクタンスLsのエネルギにより、漏
れインダクタンスLs→共振コンデンサ6→ダイオード
D1→トランジスタTr3→(整流器4,ケーブルの静電
容量Ch及びX線管5)→漏れインダクタンスLsの回
路を流れている。従って第一のアーム2aには図6
(e)に示すように負の電流i1が流れ、第三のアーム
2cには図6(h)に示すように正の電流i3が流れ
る。そして、上記漏れインダクタンスLsのエネルギが
減少するに従って、図6(i)に示すように共振電流i
tは零に近づいていく。
【0017】次に、時刻Tb2では図6(i)に示すよ
うに、共振電流itが零になった後に、漏れインダクタ
ンスLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX
線管5)→ダイオードD3→トランジスタTr1→共振コ
ンデンサ6→漏れインダクタンスLsの回路を流れ、漏
れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電容量C
rとで決定される共振周波数の弧を描いて増加してい
く。このとき、第一のアーム2aには図6(e)に示す
ように正の電流i1が流れ始め、第三のアーム2cには
図6(h)に示すように負の電流i3が流れ始める。
うに、共振電流itが零になった後に、漏れインダクタ
ンスLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及びX
線管5)→ダイオードD3→トランジスタTr1→共振コ
ンデンサ6→漏れインダクタンスLsの回路を流れ、漏
れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電容量C
rとで決定される共振周波数の弧を描いて増加してい
く。このとき、第一のアーム2aには図6(e)に示す
ように正の電流i1が流れ始め、第三のアーム2cには
図6(h)に示すように負の電流i3が流れ始める。
【0018】次に、時刻Tb3では図6(d)に示すよ
うにトランジスタTr3がオフすると共に、図6(b)
に示すようにトランジスタTr4がオンする。すると、
図6(a)、(b)に示すようにトランジスタTr1と
トランジスタTr4が共にオンの状態となり、トランジ
スタTr4がオンすることによってダイオードD3が逆バ
イアスされオフするので、共振電流itは直流電源1→
トランジスタTr1→共振コンデンサ6→漏れインダク
タンスLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及び
X線管5)→トランジスタTr4→直流電源1の回路を
流れる。この期間は、第一のアーム2aに流れる電流i
1と第四のアーム2dに流れる電流i4とは図6(e)、
(f)に示すように同じ波形になる。
うにトランジスタTr3がオフすると共に、図6(b)
に示すようにトランジスタTr4がオンする。すると、
図6(a)、(b)に示すようにトランジスタTr1と
トランジスタTr4が共にオンの状態となり、トランジ
スタTr4がオンすることによってダイオードD3が逆バ
イアスされオフするので、共振電流itは直流電源1→
トランジスタTr1→共振コンデンサ6→漏れインダク
タンスLs→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及び
X線管5)→トランジスタTr4→直流電源1の回路を
流れる。この期間は、第一のアーム2aに流れる電流i
1と第四のアーム2dに流れる電流i4とは図6(e)、
(f)に示すように同じ波形になる。
【0019】次に、時刻Tb4では図6(a)に示すよ
うにトランジスタTr1がオフすると共に、図6(c)
に示すようにトランジスタTr2がオンする。このと
き、共振電流itは漏れインダクタンスLsのエネルギ
により、漏れインダクタンスLs→(整流器4,ケーブ
ルの静電容量Ch及びX線管5)→トランジスタTr4
→ダイオードD2→共振コンデンサ6→漏れインダクタ
ンスLsの回路を流れる。従って、第二のアーム2bに
は図6(g)に示すように負の電流i2が流れ、第四の
アーム2dには図6(f)に示すように正の電流i4が
流れる。そして、上記漏れインダクタンスLsのエネル
ギが減少するに従って、図6(i)に示すように共振電
流itは零に近づいていく。
うにトランジスタTr1がオフすると共に、図6(c)
に示すようにトランジスタTr2がオンする。このと
き、共振電流itは漏れインダクタンスLsのエネルギ
により、漏れインダクタンスLs→(整流器4,ケーブ
ルの静電容量Ch及びX線管5)→トランジスタTr4
→ダイオードD2→共振コンデンサ6→漏れインダクタ
ンスLsの回路を流れる。従って、第二のアーム2bに
は図6(g)に示すように負の電流i2が流れ、第四の
アーム2dには図6(f)に示すように正の電流i4が
流れる。そして、上記漏れインダクタンスLsのエネル
ギが減少するに従って、図6(i)に示すように共振電
流itは零に近づいていく。
【0020】次に、時刻Tb5では図6(i)に示すよ
うに、共振電流itが零になった後に、漏れインダクタ
ンスLs→共振コンデンサ6→トランジスタTr4→ダ
イオードD4→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及
びX線管5)の回路を流れ、漏れインダクタンスLsと
共振コンデンサ6の静電容量Crとで決定される共振周
波数の弧を描いて増加していく。
うに、共振電流itが零になった後に、漏れインダクタ
ンスLs→共振コンデンサ6→トランジスタTr4→ダ
イオードD4→(整流器4,ケーブルの静電容量Ch及
びX線管5)の回路を流れ、漏れインダクタンスLsと
共振コンデンサ6の静電容量Crとで決定される共振周
波数の弧を描いて増加していく。
【0021】次に、時刻Tb6では図6(b)に示すよ
うにトランジスタTr4がオフすると共に、図6(d)
に示すようにトランジスタTr3がオンする。すると、
図6(c)、(d)に示すようにトランジスタTr2、
Tr3が共にオンの状態となるので、共振電流itは直
流電源1→トランジスタTr3→(整流器4,ケーブル
の静電容量Ch及びX線管5)→漏れインダクタンスL
s→共振コンデンサ6→トランジスタTr2→直流電源
1の回路に流れる。この期間は、第二のアーム2bに流
れる電流i2と第三のアーム2cに流れる電流i3とは図
6(g)、(h)に示すように同じ波形になる。
うにトランジスタTr4がオフすると共に、図6(d)
に示すようにトランジスタTr3がオンする。すると、
図6(c)、(d)に示すようにトランジスタTr2、
Tr3が共にオンの状態となるので、共振電流itは直
流電源1→トランジスタTr3→(整流器4,ケーブル
の静電容量Ch及びX線管5)→漏れインダクタンスL
s→共振コンデンサ6→トランジスタTr2→直流電源
1の回路に流れる。この期間は、第二のアーム2bに流
れる電流i2と第三のアーム2cに流れる電流i3とは図
6(g)、(h)に示すように同じ波形になる。
【0022】次に、時刻Tb7では図6(c)に示すよ
うにトランジスタTr2がオフすると共に、図6(a)
に示すようにトランジスタTr1がオンすると、時刻T
b1からの状態と全く同じ状態となり、以後上記の動作
を繰り返す。
うにトランジスタTr2がオフすると共に、図6(a)
に示すようにトランジスタTr1がオンすると、時刻T
b1からの状態と全く同じ状態となり、以後上記の動作
を繰り返す。
【0023】以上のようなインバータ2の動作位相の制
御の場合は、トランジスタTr1とトランジスタTr4が
位相差αでオン、オフすると共に、トランジスタTr2
とトランジスタTr3が位相差αでオン、オフするの
で、トランジスタTr1とトランジスタTr4が同時にオ
ンしている時刻(Tb3〜Tb4)と、トランジスタTr
2とトランジスタTr3が同時にオンしている時刻(Tb
6〜Tb7)はそれぞれのスイッチのオン期間よりαだけ
短くなる。そして、この期間だけ直流電源1からX線管
5へ電力が供給される。従って、インバータ2の出力電
圧vtの波形は、図6(j)に示すように上記の断続し
た期間、すなわち(180−α)°の期間において直流
電源1の電圧を正負の波高値とする断続した方形波とな
る。このことから、トランジスタTr1とトランジスタ
Tr4がオンする位相差α、及びトランジスタTr2とト
ランジスタTr3がオンする位相差αを適宜変化させる
ことにより、それぞれのトランジスタTr1〜Tr4が同
時にオンする期間を変化することができ、X線管5に供
給する電力を制御することができる。すなわち、上記の
位相差αを大きくして行けば出力電力を小さくすること
ができ、位相差α=180°ではそれぞれのトランジス
タTr1〜Tr4が同時にオンする期間はなくなり、出力
電力を零まで落とすことができる。
御の場合は、トランジスタTr1とトランジスタTr4が
位相差αでオン、オフすると共に、トランジスタTr2
とトランジスタTr3が位相差αでオン、オフするの
で、トランジスタTr1とトランジスタTr4が同時にオ
ンしている時刻(Tb3〜Tb4)と、トランジスタTr
2とトランジスタTr3が同時にオンしている時刻(Tb
6〜Tb7)はそれぞれのスイッチのオン期間よりαだけ
短くなる。そして、この期間だけ直流電源1からX線管
5へ電力が供給される。従って、インバータ2の出力電
圧vtの波形は、図6(j)に示すように上記の断続し
た期間、すなわち(180−α)°の期間において直流
電源1の電圧を正負の波高値とする断続した方形波とな
る。このことから、トランジスタTr1とトランジスタ
Tr4がオンする位相差α、及びトランジスタTr2とト
ランジスタTr3がオンする位相差αを適宜変化させる
ことにより、それぞれのトランジスタTr1〜Tr4が同
時にオンする期間を変化することができ、X線管5に供
給する電力を制御することができる。すなわち、上記の
位相差αを大きくして行けば出力電力を小さくすること
ができ、位相差α=180°ではそれぞれのトランジス
タTr1〜Tr4が同時にオンする期間はなくなり、出力
電力を零まで落とすことができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置は、スイ
ッチング素子のオン、オフに位相差を付けることによっ
てインバータ電流を遮断して出力電圧を制御するので、
そのインバータのスイッチング素子には図4に示したよ
うなトランジスタやGTO(Gate TurnOff
Thyristor)などのような自己遮断素子を必
要としていた。このため、これらの自己遮断素子のスイ
ッチング損失が大きいために、これを低減するためのス
ナバ回路の損失も大きくなり、これらの損失によって生
じる素子や回路部品の発熱を抑制するための放熱、冷却
装置を設けなければならず、装置が大型のものとなって
いた。また、インバータのスイッチング素子には全部自
己遮断素子を必要とするため、駆動するには大きなパワ
ーを必要としていた。特にトランジスタまたはトランジ
スタと逆並列に接続されたダイオードとが一体となって
いるトランジスタモジュールの場合は、デッドタイム
(図4のトランジスタTr1とTr2及びトランジスタT
r3とTr4の不動作時間)を短くしてインバータ周波数
を上げるために、トランジスタの逆ベース電流を多く流
してストレージ時間を短縮しなければならないので、な
おさらドライブパワーが大きくなる。従って装置が大型
化し高価なものとなっていた。
ッチング素子のオン、オフに位相差を付けることによっ
てインバータ電流を遮断して出力電圧を制御するので、
そのインバータのスイッチング素子には図4に示したよ
うなトランジスタやGTO(Gate TurnOff
Thyristor)などのような自己遮断素子を必
要としていた。このため、これらの自己遮断素子のスイ
ッチング損失が大きいために、これを低減するためのス
ナバ回路の損失も大きくなり、これらの損失によって生
じる素子や回路部品の発熱を抑制するための放熱、冷却
装置を設けなければならず、装置が大型のものとなって
いた。また、インバータのスイッチング素子には全部自
己遮断素子を必要とするため、駆動するには大きなパワ
ーを必要としていた。特にトランジスタまたはトランジ
スタと逆並列に接続されたダイオードとが一体となって
いるトランジスタモジュールの場合は、デッドタイム
(図4のトランジスタTr1とTr2及びトランジスタT
r3とTr4の不動作時間)を短くしてインバータ周波数
を上げるために、トランジスタの逆ベース電流を多く流
してストレージ時間を短縮しなければならないので、な
おさらドライブパワーが大きくなる。従って装置が大型
化し高価なものとなっていた。
【0025】また従来、図5に示すような位相差の小さ
いときは、インバータに流れている電流をすべてのトラ
ンジスタが遮断することとなるのでスイッチング損失は
大きくなる。図6に示すような位相差の大きいときは、
トランジスタTr3、Tr4が電流を遮断しない範囲で動
作することとなるので損失は小さくなる。つまり、トラ
ンジスタTr3またはTr4のオンの間だけ電流が流れ、
オフの間は流れない。そのため、トランジスタTr3ま
たはTr4をオフに切り換える時点で第三または第四の
アームに流れる電流が正の電流、いわゆるトランジスタ
Tr3またはTr4に流れる電流であれば、スイッチが切
られるため電流は急激に零に落とされることになる。そ
の結果、トランジスタTr3、Tr4にはスイッチング損
失が発生する。また、トランジスタをオフに切り換える
時点で第三または第四のアームに流れる電流が負の電流
つまりトランジスタに流れる電流ではなくダイオードに
流れる電流であれば、トランジスタをオフに切り換えて
もスイッチング損失は発生しない。
いときは、インバータに流れている電流をすべてのトラ
ンジスタが遮断することとなるのでスイッチング損失は
大きくなる。図6に示すような位相差の大きいときは、
トランジスタTr3、Tr4が電流を遮断しない範囲で動
作することとなるので損失は小さくなる。つまり、トラ
ンジスタTr3またはTr4のオンの間だけ電流が流れ、
オフの間は流れない。そのため、トランジスタTr3ま
たはTr4をオフに切り換える時点で第三または第四の
アームに流れる電流が正の電流、いわゆるトランジスタ
Tr3またはTr4に流れる電流であれば、スイッチが切
られるため電流は急激に零に落とされることになる。そ
の結果、トランジスタTr3、Tr4にはスイッチング損
失が発生する。また、トランジスタをオフに切り換える
時点で第三または第四のアームに流れる電流が負の電流
つまりトランジスタに流れる電流ではなくダイオードに
流れる電流であれば、トランジスタをオフに切り換えて
もスイッチング損失は発生しない。
【0026】そこで、本発明の目的は、インバータ回路
の損失を小さくし、装置全体の小型、軽量化及び低価格
化を図ると共に、透視から撮影までの広範囲の負荷に対
する出力電圧を制御することができる共振型インバータ
式X線高電圧装置を提供することにある。
の損失を小さくし、装置全体の小型、軽量化及び低価格
化を図ると共に、透視から撮影までの広範囲の負荷に対
する出力電圧を制御することができる共振型インバータ
式X線高電圧装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、直流電源と、この直流電源の正極に接続された第一
のスイッチと負極に接続された第二のスイッチとからな
る第一の直列接続体と前記第一及び第二のスイッチにそ
れぞれ並列に設けられた第三及び第四のスイッチからな
る第二の直列接続体とを有すると共に前記第一から第四
のスイッチにそれぞれ逆並列接続されたダイオードを有
し前記直流電源の出力を交流に変換するインバータと、
このインバータの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器と、
この高電圧変圧器の出力を直流に変換する整流器と、こ
の整流器の出力側に接続されたX線管とを有し、前記高
電圧変圧器の漏れインダクタンスまたはこの漏れインダ
クタンスと漏れインダクタンスへ直列に接続されたコン
デンサを共振素子とする共振型インバータ式X線管高電
圧装置において、前記X線管より放射されるX線条件を
設定する信号によって前記インバータの第一と第四のス
イッチ間、及び第二と第三のスイッチ間の各動作位相を
決める位相決定回路と、この位相決定回路からの出力信
号及びX線曝射信号に応じて第一と第二のスイッチを、
及び第三と第四のスイッチをインバータの動作周波数に
合わせてそれぞれ180°の位相差で交互に動作させる
位相制御回路と、インバータを流れる共振電流を前記第
三及び第四のスイッチが遮断しない範囲で前記動作位相
に制限を加える位相制限回路とを備えたものである。ま
た、第三及び第四のスイッチを自然消弧型の素子とする
ものである。
に、直流電源と、この直流電源の正極に接続された第一
のスイッチと負極に接続された第二のスイッチとからな
る第一の直列接続体と前記第一及び第二のスイッチにそ
れぞれ並列に設けられた第三及び第四のスイッチからな
る第二の直列接続体とを有すると共に前記第一から第四
のスイッチにそれぞれ逆並列接続されたダイオードを有
し前記直流電源の出力を交流に変換するインバータと、
このインバータの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器と、
この高電圧変圧器の出力を直流に変換する整流器と、こ
の整流器の出力側に接続されたX線管とを有し、前記高
電圧変圧器の漏れインダクタンスまたはこの漏れインダ
クタンスと漏れインダクタンスへ直列に接続されたコン
デンサを共振素子とする共振型インバータ式X線管高電
圧装置において、前記X線管より放射されるX線条件を
設定する信号によって前記インバータの第一と第四のス
イッチ間、及び第二と第三のスイッチ間の各動作位相を
決める位相決定回路と、この位相決定回路からの出力信
号及びX線曝射信号に応じて第一と第二のスイッチを、
及び第三と第四のスイッチをインバータの動作周波数に
合わせてそれぞれ180°の位相差で交互に動作させる
位相制御回路と、インバータを流れる共振電流を前記第
三及び第四のスイッチが遮断しない範囲で前記動作位相
に制限を加える位相制限回路とを備えたものである。ま
た、第三及び第四のスイッチを自然消弧型の素子とする
ものである。
【0028】
【作用】位相決定回路により第一のスイッチと第四のス
イッチ間、及び第二のスイッチと第三のスイッチ間の動
作位相を決め、位相制御回路により位相決定回路からの
出力信号及びX線曝射信号を受け第一のスイッチと第二
のスイッチ、及び第三のスイッチと第四のスイッチをそ
れぞれ180°の位相差を付けて交互に動作させる。そ
して、位相制限回路によりインバータに流れる電流を第
三及び第四のスイッチが遮断しない範囲で、つまりトラ
ンジスタのスイッチングのオフによりトランジスタに流
れている電流を急激に零へ落ちない範囲で動作させるた
めに、第一のスイッチと第四のスイッチ間、及び第二の
スイッチと第三のスイッチ間の位相差を所定の位相差以
下にしないように制限する。これによりスイッチの投入
を遅らせる方のスイッチつまり第三のスイッチ及び第四
のスイッチは、電流を遮断しないで動作できるためスナ
バ回路が不要となり装置の小型化が図れる。
イッチ間、及び第二のスイッチと第三のスイッチ間の動
作位相を決め、位相制御回路により位相決定回路からの
出力信号及びX線曝射信号を受け第一のスイッチと第二
のスイッチ、及び第三のスイッチと第四のスイッチをそ
れぞれ180°の位相差を付けて交互に動作させる。そ
して、位相制限回路によりインバータに流れる電流を第
三及び第四のスイッチが遮断しない範囲で、つまりトラ
ンジスタのスイッチングのオフによりトランジスタに流
れている電流を急激に零へ落ちない範囲で動作させるた
めに、第一のスイッチと第四のスイッチ間、及び第二の
スイッチと第三のスイッチ間の位相差を所定の位相差以
下にしないように制限する。これによりスイッチの投入
を遅らせる方のスイッチつまり第三のスイッチ及び第四
のスイッチは、電流を遮断しないで動作できるためスナ
バ回路が不要となり装置の小型化が図れる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体
的に説明する。図1は、共振型インバータ式X線高電圧
装置による本発明の一実施例を示す回路図であり、主回
路部の構成及び回路動作は図3とほぼ同じで、スナバ回
路を先にスイッチを投入するトランジスタTr1、Tr2
にのみ設ける点が異なる。図1において、X線管5に印
加すべき電圧(以下、管電圧と称する)及び電流(以
下、管電流と称する)の設定信号によって上記インバー
タ2のトランジスタTr1〜Tr4の動作位相を決める位
相決定回路9と、この位相決定回路9からの出力信号及
びコントローラ(図示省略)から入力するX線曝射信号
に応じて上記トランジスタTr1〜Tr4の動作を制御す
る信号を出力する位相制御回路10が設けられると共
に、インバータを流れる電流をトランジスタTr3また
はTr4が遮断しない範囲で動作させる位相制限回路1
2が設けられている。上記位相制御回路10からの信号
のうち、トランジスタTr1、Tr2の制御信号はそのま
ま駆動回路11a、11bで増幅してトランジスタTr
1、Tr2のベースに供給し、またトランジスタTr3、
Tr4の制御信号は位相制限回路12でトランジスタT
r1とTr4間、及びトランジスタTr2とTr3間の動作
位相を所定の位相差以下にならないように制限し、駆動
回路11c、11dで増幅してトランジスタTr3、T
r4のベースに供給してインバータ2を駆動する。
的に説明する。図1は、共振型インバータ式X線高電圧
装置による本発明の一実施例を示す回路図であり、主回
路部の構成及び回路動作は図3とほぼ同じで、スナバ回
路を先にスイッチを投入するトランジスタTr1、Tr2
にのみ設ける点が異なる。図1において、X線管5に印
加すべき電圧(以下、管電圧と称する)及び電流(以
下、管電流と称する)の設定信号によって上記インバー
タ2のトランジスタTr1〜Tr4の動作位相を決める位
相決定回路9と、この位相決定回路9からの出力信号及
びコントローラ(図示省略)から入力するX線曝射信号
に応じて上記トランジスタTr1〜Tr4の動作を制御す
る信号を出力する位相制御回路10が設けられると共
に、インバータを流れる電流をトランジスタTr3また
はTr4が遮断しない範囲で動作させる位相制限回路1
2が設けられている。上記位相制御回路10からの信号
のうち、トランジスタTr1、Tr2の制御信号はそのま
ま駆動回路11a、11bで増幅してトランジスタTr
1、Tr2のベースに供給し、またトランジスタTr3、
Tr4の制御信号は位相制限回路12でトランジスタT
r1とTr4間、及びトランジスタTr2とTr3間の動作
位相を所定の位相差以下にならないように制限し、駆動
回路11c、11dで増幅してトランジスタTr3、T
r4のベースに供給してインバータ2を駆動する。
【0030】また第二の発明を図2により説明する。図
2は図1におけるトランジスタTr3、Tr4をサイリス
タSCR1、SCR2に置き換え、またトランジスタT
r3、Tr4の制御信号はサイリスタSCR1、SCR2
のゲート制御信号と置き換えたもので、トランジスタT
r3、Tr4のベースへ供給するところをサイリスタSC
R1、SCR2のゲートへ供給するものである。この発
明は、サイリスタSCR1、SCR2に置き換えただけ
で動作は図1のトランジスタTr3、Tr4を用いた場合
と同様の動作をする。
2は図1におけるトランジスタTr3、Tr4をサイリス
タSCR1、SCR2に置き換え、またトランジスタT
r3、Tr4の制御信号はサイリスタSCR1、SCR2
のゲート制御信号と置き換えたもので、トランジスタT
r3、Tr4のベースへ供給するところをサイリスタSC
R1、SCR2のゲートへ供給するものである。この発
明は、サイリスタSCR1、SCR2に置き換えただけ
で動作は図1のトランジスタTr3、Tr4を用いた場合
と同様の動作をする。
【0031】以上により、インバータ2のトランジスタ
Tr3、Tr4またはサイリスタSCR1、SCR2を所
定の位相差以下にならないように制限するため、図5に
示したような電流を遮断する範囲では動作しない。つま
りトランジスタTr3、Tr4またはサイリスタSCR
1、SCR2に電流が流れている途中でスイッチをオフ
して急に零へ落とすことがない。
Tr3、Tr4またはサイリスタSCR1、SCR2を所
定の位相差以下にならないように制限するため、図5に
示したような電流を遮断する範囲では動作しない。つま
りトランジスタTr3、Tr4またはサイリスタSCR
1、SCR2に電流が流れている途中でスイッチをオフ
して急に零へ落とすことがない。
【0032】次にインバータ2の各トランジスタTr1
〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2とサイリスタ
SCR1、SCR2の動作位相制御について説明する。
まず、負荷としてのX線管5に供給する管電圧及び管電
流が決まると、上記管電圧に対応した管電圧設定信号S
1及び管電流に対応した管電流設定信号S2を、コントロ
ーラから位相決定回路9へ入力する。ここで、この位相
決定回路9は、図7に示すように、横軸を位相差α、縦
軸をX線管5の管電圧V、位相差αと管電圧Vとの関係
を負荷抵抗値R1,R2,R3,…(R1>R2>R3)をパ
ラメータとして所定のカーブで表わしたグラフをテーブ
ル化した目盛、または関数発生器あるいはオペアンプな
どから成る。そして、この位相決定回路9では、上記管
電圧設定信号S1及び管電流設定信号S2から負荷抵抗値
R1,R2,R3,…を求め、図7における位相差αと管
電圧Vとの関係を用いて、上記の負荷抵抗値たとえばR
3をパラメータとしてこのカーブを設定すべき管電圧V
との交点を求めて、インバータ2の各トランジスタTr
1〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタ
SCR1、SCR2の動作の位相差αを決定する。
〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2とサイリスタ
SCR1、SCR2の動作位相制御について説明する。
まず、負荷としてのX線管5に供給する管電圧及び管電
流が決まると、上記管電圧に対応した管電圧設定信号S
1及び管電流に対応した管電流設定信号S2を、コントロ
ーラから位相決定回路9へ入力する。ここで、この位相
決定回路9は、図7に示すように、横軸を位相差α、縦
軸をX線管5の管電圧V、位相差αと管電圧Vとの関係
を負荷抵抗値R1,R2,R3,…(R1>R2>R3)をパ
ラメータとして所定のカーブで表わしたグラフをテーブ
ル化した目盛、または関数発生器あるいはオペアンプな
どから成る。そして、この位相決定回路9では、上記管
電圧設定信号S1及び管電流設定信号S2から負荷抵抗値
R1,R2,R3,…を求め、図7における位相差αと管
電圧Vとの関係を用いて、上記の負荷抵抗値たとえばR
3をパラメータとしてこのカーブを設定すべき管電圧V
との交点を求めて、インバータ2の各トランジスタTr
1〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタ
SCR1、SCR2の動作の位相差αを決定する。
【0033】すると、この位相差αに応じた位相信号S
3が上記位相決定回路9から出力され位相制御回路10
へ入力する。この位相制御回路10では、上記位相信号
S3から各トランジスタTr1〜Tr4またはトランジス
タTr1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2がター
ンオン、及びターンオフする制御信号を作ると共に、第
一のスイッチとしてのトランジスタTr1と第四のスイ
ッチとしてのトランジスタTr4またはサイリスタSC
R2の位相差α、及び第二のスイッチとしてのトランジ
スタTr2と第三のスイッチとしてのトランジスタTr3
またはサイリスタSCR1の位相差αを制御する制御信
号を作成する。そして、上記位相制御回路10にコント
ローラからX線曝射信号S4が入力することにより、位
相制御回路10は、上記作成した制御信号をそれぞれの
駆動回路11a〜11dへ送出する。このときトランジ
スタTr3、Tr4またはサイリスタSCR1、SCR2
を動作する駆動回路11c、11dへ出力する前に電流
を遮断しない範囲で動作するかを判断し、遮断してしま
うのであれば位相差αを電流を遮断しない最小の位相差
αminに制限してやる。これにより、各駆動回路11
a〜11dは、上記位相制御回路10からの制御信号に
したがってインバータ2の各トランジスタTr1〜Tr4
またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタSCR
1、SCR2を駆動する。
3が上記位相決定回路9から出力され位相制御回路10
へ入力する。この位相制御回路10では、上記位相信号
S3から各トランジスタTr1〜Tr4またはトランジス
タTr1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2がター
ンオン、及びターンオフする制御信号を作ると共に、第
一のスイッチとしてのトランジスタTr1と第四のスイ
ッチとしてのトランジスタTr4またはサイリスタSC
R2の位相差α、及び第二のスイッチとしてのトランジ
スタTr2と第三のスイッチとしてのトランジスタTr3
またはサイリスタSCR1の位相差αを制御する制御信
号を作成する。そして、上記位相制御回路10にコント
ローラからX線曝射信号S4が入力することにより、位
相制御回路10は、上記作成した制御信号をそれぞれの
駆動回路11a〜11dへ送出する。このときトランジ
スタTr3、Tr4またはサイリスタSCR1、SCR2
を動作する駆動回路11c、11dへ出力する前に電流
を遮断しない範囲で動作するかを判断し、遮断してしま
うのであれば位相差αを電流を遮断しない最小の位相差
αminに制限してやる。これにより、各駆動回路11
a〜11dは、上記位相制御回路10からの制御信号に
したがってインバータ2の各トランジスタTr1〜Tr4
またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタSCR
1、SCR2を駆動する。
【0034】このようにして上記各トランジスタTr1
〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタ
SCR1、SCR2が駆動され動作を開始すると、図3
に示すような共振電流itが変圧器3に流れ、X線管5
には前記設定した管電圧及び管電流による電力が供給さ
れる。なお、このとき、インバータ2は、変圧器3の漏
れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電容量C
rとの共振周波数あるいはそれに近い周波数で動作す
る。
〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタ
SCR1、SCR2が駆動され動作を開始すると、図3
に示すような共振電流itが変圧器3に流れ、X線管5
には前記設定した管電圧及び管電流による電力が供給さ
れる。なお、このとき、インバータ2は、変圧器3の漏
れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電容量C
rとの共振周波数あるいはそれに近い周波数で動作す
る。
【0035】図8、図9は本発明の第二の実施例を示す
回路図である。説明を簡単にするために、図1に示す第
一の実施例と同様の構成であり同様の作用を成す部分
は、同一の符号を付して説明を省略する。この第二の実
施例は、X線管5に印加された管電圧を検出する分圧器
14を設けると共に、この分圧器14からの検出信号及
び予め設定した目標電圧信号(管電圧設定信号S1)を
入力してその差を増幅すると共にこの差によってインバ
ータ2のトランジスタTr1〜Tr4またはトランジスタ
Tr1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2の動作位
相を決める誤差増幅位相決定回路15を設ける。且つこ
の誤差増幅位相決定回路15からの出力信号に応じて上
記トランジスタTr1〜Tr4またはトランジスタT
r1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2が動作する
位相を制御する信号を、コントローラから入力するX線
曝射信号S4によって出力する位相制御回路10と、ト
ランジスタTr3、Tr4またはサイリスタSCR1、S
CR2の位相差を制限する位相制限回路12を設けたも
のである。なお16は、上記分圧器14で検出した信号
を誤差増幅位相決定回路15で使用するために適した信
号に変換する信号変換回路である。
回路図である。説明を簡単にするために、図1に示す第
一の実施例と同様の構成であり同様の作用を成す部分
は、同一の符号を付して説明を省略する。この第二の実
施例は、X線管5に印加された管電圧を検出する分圧器
14を設けると共に、この分圧器14からの検出信号及
び予め設定した目標電圧信号(管電圧設定信号S1)を
入力してその差を増幅すると共にこの差によってインバ
ータ2のトランジスタTr1〜Tr4またはトランジスタ
Tr1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2の動作位
相を決める誤差増幅位相決定回路15を設ける。且つこ
の誤差増幅位相決定回路15からの出力信号に応じて上
記トランジスタTr1〜Tr4またはトランジスタT
r1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2が動作する
位相を制御する信号を、コントローラから入力するX線
曝射信号S4によって出力する位相制御回路10と、ト
ランジスタTr3、Tr4またはサイリスタSCR1、S
CR2の位相差を制限する位相制限回路12を設けたも
のである。なお16は、上記分圧器14で検出した信号
を誤差増幅位相決定回路15で使用するために適した信
号に変換する信号変換回路である。
【0036】そして、これらの分圧器14と誤差増幅位
相決定回路15と位相制御回路10とにより、上記イン
バータ2の第一スイッチとしてのトランジスタTr1と
第二のスイッチとしてのトランジスタTr2またはサイ
リスタSCR1は該インバータ2の動作周波数にて交互
にターンオンさせ、第三のスイッチとしてのトランジス
タTr3と第四のスイッチとしてのトランジスタTr4ま
たはサイリスタSCR2も同じく交互にターンオンさせ
ると共に、第一のトランジスタTr1と第四のトランジ
スタTr4またはサイリスタSCR2の位相差及び第二
のトランジスタTr2と第三のトランジスタTr3または
サイリスタSCR1の位相差をαmin以上で適宜変化
させることによって上記X線管5に供給する電力を帰還
制御するようになっている。
相決定回路15と位相制御回路10とにより、上記イン
バータ2の第一スイッチとしてのトランジスタTr1と
第二のスイッチとしてのトランジスタTr2またはサイ
リスタSCR1は該インバータ2の動作周波数にて交互
にターンオンさせ、第三のスイッチとしてのトランジス
タTr3と第四のスイッチとしてのトランジスタTr4ま
たはサイリスタSCR2も同じく交互にターンオンさせ
ると共に、第一のトランジスタTr1と第四のトランジ
スタTr4またはサイリスタSCR2の位相差及び第二
のトランジスタTr2と第三のトランジスタTr3または
サイリスタSCR1の位相差をαmin以上で適宜変化
させることによって上記X線管5に供給する電力を帰還
制御するようになっている。
【0037】次に、このように構成された第二の実施例
の動作について説明する。まず、X線管5に供給する管
電圧が決まると、この管電圧に対応した管電圧設定信号
S1を目標電圧信号としてコントローラから誤差増幅位
相決定回路15へ入力する。一方、この誤差増幅位相決
定回路15には、分圧器14で検出し信号変換回路16
で変換された現在の管電圧に対応した管電圧検出信号S
5が入力される。すると、この誤差増幅位相決定回路1
5は上記管電圧設定信号S1と管電圧検出信号S5との誤
差を検出し、この誤差の大きさに対応してインバータ2
の各トランジスタTr1〜Tr4またはトランジスタTr
1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2の動作の位相
差αを決定する。この位相差αに応じた位相信号S3が
上記誤差増幅位相決定回路15から出力され、位相制御
回路10へ入力する。このとき、X線曝射の開始前は、
管電圧設定信号S1に対して管電圧検出信号S5は零であ
るので、最大電力が供給できるように上記位相差αmi
nとされる。
の動作について説明する。まず、X線管5に供給する管
電圧が決まると、この管電圧に対応した管電圧設定信号
S1を目標電圧信号としてコントローラから誤差増幅位
相決定回路15へ入力する。一方、この誤差増幅位相決
定回路15には、分圧器14で検出し信号変換回路16
で変換された現在の管電圧に対応した管電圧検出信号S
5が入力される。すると、この誤差増幅位相決定回路1
5は上記管電圧設定信号S1と管電圧検出信号S5との誤
差を検出し、この誤差の大きさに対応してインバータ2
の各トランジスタTr1〜Tr4またはトランジスタTr
1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2の動作の位相
差αを決定する。この位相差αに応じた位相信号S3が
上記誤差増幅位相決定回路15から出力され、位相制御
回路10へ入力する。このとき、X線曝射の開始前は、
管電圧設定信号S1に対して管電圧検出信号S5は零であ
るので、最大電力が供給できるように上記位相差αmi
nとされる。
【0038】次に、上記位相制御回路10では、上記位
相信号S3から各トランジスタTr1〜Tr4またはトラ
ンジスタTr1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2
がターンオン及びターンオフする制御信号を作ると共
に、第一のスイッチとしてのトランジスタTr1と第四
のスイッチとしてのトランジスタTr4またはサイリス
タSCR2の位相差α、及び第二のスイッチとしてのト
ランジスタTr2と第三のスイッチとしてのトランジス
タTr3またはサイリスタSCR1の位相差αを制御す
る制御信号を作成する。そして、上記位相制御回路10
にコントローラからX線曝射信号S4が入力することに
より、該位相制御回路10は、上記作成した制御信号を
それぞれの駆動回路11a〜11dへ送出する。これに
より、各駆動回路11a〜11dは、上記位相制御回路
10からの制御信号にしたがってインバータ2の各トラ
ンジスタTr1〜Tr4またはトランジスタTr1、T
r2、サイリスタSCR1、SCR2を駆動する。
相信号S3から各トランジスタTr1〜Tr4またはトラ
ンジスタTr1、Tr2、サイリスタSCR1、SCR2
がターンオン及びターンオフする制御信号を作ると共
に、第一のスイッチとしてのトランジスタTr1と第四
のスイッチとしてのトランジスタTr4またはサイリス
タSCR2の位相差α、及び第二のスイッチとしてのト
ランジスタTr2と第三のスイッチとしてのトランジス
タTr3またはサイリスタSCR1の位相差αを制御す
る制御信号を作成する。そして、上記位相制御回路10
にコントローラからX線曝射信号S4が入力することに
より、該位相制御回路10は、上記作成した制御信号を
それぞれの駆動回路11a〜11dへ送出する。これに
より、各駆動回路11a〜11dは、上記位相制御回路
10からの制御信号にしたがってインバータ2の各トラ
ンジスタTr1〜Tr4またはトランジスタTr1、T
r2、サイリスタSCR1、SCR2を駆動する。
【0039】このようにして上記各トランジスタTr1
〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタ
SCR1、SCR2が動作を開始すると、図3に示すよ
うな共振電流itが変圧器3に流れ、X線管5には管電
圧が印加し始め、管電流が流れる。そして、上記X線管
5の管電圧が設定した値に近づくと、前記管電圧設定信
号S1と管電圧検出信号S5との誤差が小さくなるので、
上記誤差増幅位相決定回路15は、位相差αを大きくす
るように動作し、直流電源1からの電力の供給を少なく
する。X線管5の管電圧が設定した値とほぼ等しくなる
と、上記設定した管電圧及び管電流による電力に等しい
電力が直流電源1から供給できる位相でインバータ2は
動作する。なお、このときインバータ2は、変圧器3の
漏れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電容量
Crとの共振周波数あるいはそれに近い周波数で動作す
る。
〜Tr4またはトランジスタTr1、Tr2、サイリスタ
SCR1、SCR2が動作を開始すると、図3に示すよ
うな共振電流itが変圧器3に流れ、X線管5には管電
圧が印加し始め、管電流が流れる。そして、上記X線管
5の管電圧が設定した値に近づくと、前記管電圧設定信
号S1と管電圧検出信号S5との誤差が小さくなるので、
上記誤差増幅位相決定回路15は、位相差αを大きくす
るように動作し、直流電源1からの電力の供給を少なく
する。X線管5の管電圧が設定した値とほぼ等しくなる
と、上記設定した管電圧及び管電流による電力に等しい
電力が直流電源1から供給できる位相でインバータ2は
動作する。なお、このときインバータ2は、変圧器3の
漏れインダクタンスLsと共振コンデンサ6の静電容量
Crとの共振周波数あるいはそれに近い周波数で動作す
る。
【0040】図10、図11は第三の実施例を示す回路
図である。この実施例は、直流電源1を商用電源から交
流を受電し直流に整流して平滑することにより得るよう
にしたものである。図10、図11において、17は受
電した商用電源を全波整流する整流器であり、四つのダ
イオードD9〜D12からなる。また、L′はインダクタ
ンス、C′はキャパシタンスであり、このインダクタン
スL′とキャパシタンスC′とによって上記整流器17
の出力を平滑化するようになっている。この実施例の場
合は、図8、図9に示す実施例に比べてより出力電力を
増大することができ、例えば数10kW〜100kW程
度の電力を供給することができる。なお、整流器17は
サイリスタからなる整流器に置き換えて、インバータ2
の入力電圧を可変する構成にすることにより、さらに制
御範囲を広くできる。
図である。この実施例は、直流電源1を商用電源から交
流を受電し直流に整流して平滑することにより得るよう
にしたものである。図10、図11において、17は受
電した商用電源を全波整流する整流器であり、四つのダ
イオードD9〜D12からなる。また、L′はインダクタ
ンス、C′はキャパシタンスであり、このインダクタン
スL′とキャパシタンスC′とによって上記整流器17
の出力を平滑化するようになっている。この実施例の場
合は、図8、図9に示す実施例に比べてより出力電力を
増大することができ、例えば数10kW〜100kW程
度の電力を供給することができる。なお、整流器17は
サイリスタからなる整流器に置き換えて、インバータ2
の入力電圧を可変する構成にすることにより、さらに制
御範囲を広くできる。
【0041】なお、図1、図2及び図8乃至図11にお
ける実施例では、インバータ2のスイッチング素子とし
てトランジスタを用いたものを示したが、本発明はこれ
らの実施例だけに限らず、例えばGTOを用いることも
可能であり、さらに高周波化するには、MOSFET,
IGBT,SIトランジスタ、またはSIサイリスタな
どを使用することも可能である。また、負荷はX線管5
だけに限らず、比較的高電圧の直流出力が必要な負荷な
らば同様に適用できる。さらに、図8乃至図11に示し
た誤差増幅位相決定回路15は、比例−積分制御による
ものが一般的であるが、これに限らず、一度デジタル値
に交換してソフトウエアによる制御を適用してもよい。
ける実施例では、インバータ2のスイッチング素子とし
てトランジスタを用いたものを示したが、本発明はこれ
らの実施例だけに限らず、例えばGTOを用いることも
可能であり、さらに高周波化するには、MOSFET,
IGBT,SIトランジスタ、またはSIサイリスタな
どを使用することも可能である。また、負荷はX線管5
だけに限らず、比較的高電圧の直流出力が必要な負荷な
らば同様に適用できる。さらに、図8乃至図11に示し
た誤差増幅位相決定回路15は、比例−積分制御による
ものが一般的であるが、これに限らず、一度デジタル値
に交換してソフトウエアによる制御を適用してもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明は、位相決定回路と位相制御回路
及び位相制限回路を設け、インバータの位相差を所定の
位相差以下にしないように制限することによって、イン
バータに流れる電流を第三及び第四のスイッチが遮断し
ない範囲で使用できるため、スイッチング損失が小さく
なり素子の放熱、冷却構造が簡単になる。また、電流を
遮断しないのでスナバ回路が不要となる。さらに、第三
及び第四のスイッチを自然消弧型の素子にすることによ
り、小さいパワーで駆動できるため実装の簡単化及び低
価格化が可能となる。
及び位相制限回路を設け、インバータの位相差を所定の
位相差以下にしないように制限することによって、イン
バータに流れる電流を第三及び第四のスイッチが遮断し
ない範囲で使用できるため、スイッチング損失が小さく
なり素子の放熱、冷却構造が簡単になる。また、電流を
遮断しないのでスナバ回路が不要となる。さらに、第三
及び第四のスイッチを自然消弧型の素子にすることによ
り、小さいパワーで駆動できるため実装の簡単化及び低
価格化が可能となる。
【図1】本発明によるインバータ式X線高電圧装置にお
いての一実施例を示す回路図
いての一実施例を示す回路図
【図2】本発明によるインバータ式X線高電圧装置にお
いて第三及び第四のスイッチに自然消弧型の素子を用い
た一実施例を示す回路図
いて第三及び第四のスイッチに自然消弧型の素子を用い
た一実施例を示す回路図
【図3】図1、図2の各部の動作波形図
【図4】従来のインバータ式X線高電圧装置の主回路図
【図5】従来の方法で出力電力が最大となるようにイン
バータを駆動した場合の各部の波形図
バータを駆動した場合の各部の波形図
【図6】従来の方法で出力電力を小さくなるようにイン
バータを駆動した場合の各部の波形図
バータを駆動した場合の各部の波形図
【図7】位相決定回路における位相差と管電圧との関係
を負荷抵抗をパラメータとして示すグラフ
を負荷抵抗をパラメータとして示すグラフ
【図8】第二の実施例を示す回路図
【図9】第三及び第四のスイッチに自然消弧型の素子を
用いた第二の実施例を示す回路図
用いた第二の実施例を示す回路図
【図10】第三の実施例を示す回路図
【図11】第三及び第四のスイッチに自然消弧型の素子
を用いた第三の実施例を示す回路図
を用いた第三の実施例を示す回路図
1 直流電源 2 インバータ 3 変圧器 4 整流器 5 X線管 6 共振コンデンサ 9 位相決定回路 10 位相制御回路 11 駆動回路 12 位相制限回路 14 分圧器 15 誤差増幅位相決定回路 17 整流器 it 共振電流 Tr トランジスタ SCR サイリスタ D ダイオード Ls 漏れインダクタンス L′ インダクタンス Cr 共振コンデンサの静電容量 Cs 浮遊容量 Ch ケーブルの静電容量 C′ キャパシタンス
Claims (2)
- 【請求項1】直流電源と、この直流電源の正極に接続さ
れた第一のスイッチと負極に接続された第二のスイッチ
とからなる第一の直列接続体と前記第一及び第二のスイ
ッチにそれぞれ並列に設けられた第三及び第四のスイッ
チからなる第二の直列接続体とを有すると共に前記第一
から第四のスイッチにそれぞれ逆並列接続されたダイオ
ードを有し前記直流電源の出力を交流に変換するインバ
ータと、このインバータの出力電圧を昇圧する高電圧変
圧器と、この高電圧変圧器の出力を直流に変換する整流
器と、この整流器の出力側に接続されたX線管とを有
し、前記高電圧変圧器の漏れインダクタンスまたはこの
漏れインダクタンスと漏れインダクタンスへ直列に接続
されたコンデンサを共振素子とする共振型インバータ式
X線管高電圧装置において、前記X線管より放射される
X線条件を設定する信号によって前記インバータの第一
と第四のスイッチ間、及び第二と第三のスイッチ間の各
動作位相を決める位相決定回路と、この位相決定回路か
らの出力信号及びX線曝射信号に応じて第一と第二のス
イッチを、及び第三と第四のスイッチをインバータの動
作周波数に合わせてそれぞれ180°の位相差で交互に
動作させる位相制御回路と、インバータを流れる共振電
流を前記第三及び第四のスイッチが遮断しない範囲で前
記動作位相に制限を加える位相制限回路とを備えたこと
を特徴とするインバータ式X線高電圧装置。 - 【請求項2】上記第三のスイッチ及び第四のスイッチを
自然消弧型の素子とする請求項1に記載のインバータ式
X線高電圧装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23110591A JPH0547492A (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | インバータ式x線高電圧装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23110591A JPH0547492A (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | インバータ式x線高電圧装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547492A true JPH0547492A (ja) | 1993-02-26 |
Family
ID=16918380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23110591A Pending JPH0547492A (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | インバータ式x線高電圧装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0547492A (ja) |
-
1991
- 1991-08-20 JP JP23110591A patent/JPH0547492A/ja active Pending
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