JPH0547239B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、超音波で水面あるいは洗濯物の面ま
での距離を測定して、ほとんどの洗濯物が水面下
に沈んでしまつた時を適正水位とする洗濯機の給
水制御装置に関するものである。

従来の技術 従来では、使用者の経験と勘により洗濯物に対
する最適水位を決定していた。また、洗濯物を攪
拌翼で攪拌し、その時のモータ電流の大きさある
いは洗濯物が攪拌翼にあたることによつて生じる
モータ電流の変動分を検出し、それによつて洗濯
物の量を検出することにより最適水位を決定して
いた。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の方式では、少ない水量で洗濯
物を攪拌するため、布いたみが生じたり、あるい
は重量のわりには嵩が大きな洗濯物に対しては最
適な水位が設定できなかつたり、また、モータや
攪拌翼の形状や電源電圧などで大きくばらつき、
最適な水位が設定できないという問題点があつ
た。

ここで、第４図ａ〜ｇは洗濯物の種類におけ
る、重量別の最適な水位と実際の検出結果を示し
たものであるが（図の横軸は洗濯物の重量を、縦
軸は水位を示し、図中の斜線で囲まれた部分がそ
の重量における最適な水位を示す）、従来の方法
で水位設定を行なつた結果は図の黒丸印に示すと
おりである。この結果からあきらかなように、角
型試験布やタオルなどの綿の洗濯物は、水位設定
は適正であるが、カツターシヤツやランジエリ
ー、トレーニングウエアなどの化繊の洗濯物やレ
ースカーテンのような大物の水位設定では適正で
ない。

本発明はかかる問題点を解決するもので、布い
たみが少なく、洗濯物に応じた最適の水位を得る
ことができる洗濯機の給水制御装置を提供するこ
とを目的としている。

問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために、洗濯槽
上方定位置で洗濯槽中心よりやや外側に取り付け
られた超音波送信器および超音波受信器と、洗濯
槽内の水位を検出する水位検知手段と、水位検知
手段の出力により給水動作を制御する給水手段
と、洗濯槽の内底部に設けた攪拌翼と、攪拌翼又
は洗濯槽の少なくとも一方を回転させる駆動手段
と、超音波送信器が動作してから超音波受信器が
信号を出力するまでの時間を計測する計数手段、
計数手段により計測された時間の長さにより水面
で反射したデータと洗濯物で反射したデータを判
別してその比率により最適水位かどうかを判断す
る統計手段、および水位設定制御手段を含む制御
手段とを備え、この制御手段は、給水手段を動作
させて洗濯槽内に基準最少水位になるよう給水を
行わせる第１の機能と、給水完了時点で、駆動手
段の所定時間動作、駆動手段の停止、超音波送信
器の動作、超音波受信器の受信、および超音波信
号の受信までの時間の計測、の一連動作を所定回
数繰り返して水面で反射したデータと洗濯物で反
射したデータを判別してその比率により最適水位
かどうかを判断し、最適水位であると判断した場
合には給水制御完了信号を出力し、最適水位でな
いと判断した場合には給水手段動作信号を出力す
る第２の機能とを有し、この制御手段により第１
の機能を実行した後、第２の機能を基準最少水位
から基準最高水位の間で最適水位になるまで繰り
返す洗濯機の給水制御装置としたものである。

作 用 上記した構成により、最適水位では洗濯物がほ
とんど水面下に沈んでしまうということを利用
し、超音波にて水面上を精査して水面あるいは洗
濯物面までの距離を測定し、大部分が水面となる
（洗濯物が水面下に沈む）時を検出し、最適水位
を得るものである。

実施例 以下本発明の一実施例を示す図面に基づいて説
明する。本実施例で説明に用いる洗濯機は、パル
セータを用いた一槽式の全自動タイプで、洗濯容
量は3.6Kgである。第１図は本発明の洗濯機の給
水制御装置の一実施例を示すブロツク図である。
１は超音波送信器であり、水面に向けて超音波を
送信する。２は超音波受信器であり、超音波送信
器１により送信した超音波が水面あるいは洗濯物
ａにあたつて返つてくる超音波エコーを受信す
る。この超音波送信器１と超音波受信器２は洗濯
槽１０上方定位置で洗濯槽１０中心よりやや外側
に取り付けられている。３は駆動手段であり、撹
拌翼７を一定時間（例えば0.3秒）回転させて洗
濯物を回転させる。また、駆動手段３は撹拌翼７
の代わりに洗濯槽１０を一定時間回転させて洗濯
物を回転させることも可能である。

１１は制御手段であり、超音波送信器１が動作
してから超音波受信器２が信号を出力するまでの
時間を計測する計数手段５、計数手段により計測
された時間の長さにより水面で反射したデータと
洗濯物ａで反射したデータを判別してその比率に
より最適水位かどうかを判断する統計手段６、お
よび水位設定制御手段４とを備えている。この制
御手段１１は、給水手段９を動作させて洗濯槽１
０内に基準最少水位になるよう給水を行わせる第
１の機能と、給水完了時点で、駆動手段３の所定
時間動作、駆動手段３の停止、超音波送信器１の
動作、超音波受信器２の受信、および超音波信号
の受信までの時間の計測、の一連動作を所定回数
繰り返して水面で反射したデータと洗濯物ａで反
射したデータを判別してその比率により最適水位
かどうかを判断し、最適水位であると判断した場
合には給水制御完了信号を出力し、最適水位でな
いと判断した場合には給水手段動作信号を出力す
る第２の機能とを有し、この制御手段１１により
第１の機能を実行した後、第２の機能を基準最少
水から基準最高水位の間で最適水位になるまで繰
り返すものである。

８は水位検出手段であり、洗濯槽１０内の水位
を検出する。９は給水手段であり、水位検出手段
８の出力により給水動作を制御するものである。

このように構成された洗濯機の給水制御装置の
作用について述べる。洗濯槽１０に洗濯物ａを投
入してから、制御手段１１は給水手段９を動作さ
せ給水を行う。水位検知手段８により洗濯槽１０
内の水位を検出し、予め設定された基準最少水位
に達すれば制御手段１１に制御信号を出力し、そ
の水位設定制御手段４は給水手段９を動作して給
水を完了する。この給水完了時点で、水位設定制
御手段４は駆動手段３を所定時間動作させて、洗
濯物ａを一定時間回転させてから駆動手段３を停
止し、超音波送信器１を動作させ、水面に向けて
超音波を出力する。そして超音波のエコーを超音
波受信器２が受信し、超音波受信器２が受信する
までの時間を計数手段５によつて計数する。この
給水完了時点以降の一連動作を所定回数繰り返し
て水面で反射したデータと洗濯物ａで反射したデ
ータを判別してその比率により統計手段６は最適
水位かどうかを判断する。そして最適水位である
と判断した場合には水位設定制御手段４は給水制
御完了信号を出力し、最適水位でないと判断した
場合には給水手段動作信号を出力するものであ
る。

そして、制御手段１１は、洗濯槽１０内に基準
最少水位になるように給水を行わせる第１の機能
を実行した後、最適水位かどうかを判断しその結
果に応じて信号出力する第２の機能を基準最少水
位から基準最高水位の間で最適水位になるまで繰
り返し実行するものである。

なお、超音波送信器１からの超音波のエコーを
超音波受信器２が受信するまでの時間は、下が洗
濯物面（水面よりも上がつている）場合は、当然
のことながら水面で反射してくる場合の時間より
短いものである。

この実施例では、洗濯物ａを一定時間回転させ
て超音波を送信し、そのエコーを受信するまでの
時間を計数するという上記動作を第２図に示すよ
うに８回繰り返す。この図は洗濯槽１０を上から
みた状態を示す。傾斜の部分は洗濯物ａが水面上
に出ていることを示し、点線部の部分は洗濯物ａ
が水面下に沈んでいることを示す。駆動手段３を
動作させて、洗濯物及び水を回転させて、位置１
から位置８が超音波送信器１及び超音波受信器２
の下にくるようにする。第２図では、それぞれの
位置が等分割されたようになつているが、駆動手
段３を動作させて、きつちりこれらの位置にあわ
せることは、水の量や洗濯物の量が違えば困難で
あるが、８回で洗濯槽１０の上面の水面及び洗濯
物の面をくまなく見ることは可能である。図２に
おいて、位置１のところは洗濯物がもり上がり、
その他の位置２〜８のところは全部水面である。
統計手段６は、統計手段５により計測された時間
の長さにより水面で反射したデータと洗濯物ａで
反射したデータを判別してその比率により最適水
位かどうか判断するものであり、統計手段５の８
回の計数値のうち水面と判断するのが例えば６回
以上（第２図の場合は、水面が「７回」、洗濯物
面が「１回」となつている）の場合は、最適水位
と判断し、次の洗濯行程へ進む。最適水位でない
と判断した場合は、制御手段１１に信号を出力す
る。そして、次の基準低水位の所まで給水し、基
準少水位の時と同じ動作を繰り返す。基準低水位
で最適水位にならない場合は、さらに給水し、基
準中水位または基準高水位で最適水位になるま
で、同じ動作を繰り返す。

以上の動作の流れを第３図のフローチヤートに
示す。

上記の本実施例による水位設定結果は、第４図
に白丸印に示すとおりであり、適正な水位設定が
行われていることが理解できる。すなわち、従来
例では、化繊（カツターシヤツ、ランジエリ、ト
レーニングウエア、レースカーテン）での性能が
悪かつたが、実施例の結果では適正水位になつて
いる。

なお、実施例では、水位検知手段８は少、低、
中、高の４段階を検知するようになつているが、
これをもつと多段階にすれば、洗濯物量に対する
最適水位の決定をさらに細かくすることが可能で
ある。

発明の効果 以上本発明によれば、部分的に水面や洗濯物面
があつても、洗濯槽内の水面や洗濯物面をくまな
く検出でき、統計的に処理することによつて最適
水位を設定することができる。しかも、極めて簡
単な構成で精度よく洗濯物による最適水位を決定
することができる。また、モータ電流による検知
方式のように少ない水量で洗濯物を攪拌翼で長時
間かき回すことがないので、布いたみが少なく、
重量が少ない割には嵩が高い洗濯物（レースのカ
ーテンなど）に対しても最適な水位を設定するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における洗濯機の最
給水制御装置を示すブロツク図、第２図は洗濯槽
内の洗濯物面と水面を示す図、第３図はその作用
を示すフローチヤート、第４図は従来例と本発明
の実施例との水位の設定結果を示す図である。 １……超音波送信器、２……超音波受信器、３
……駆動手段、４……水位設定制御手段、５……
計数手段、６……統計手段、７……攪拌翼、８…
…水位検知手段、９……給水手段、１０……洗濯
槽、１１……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗濯槽上方定位置で洗濯槽中心よりやや外側
   に取り付けられた超音波送信器および超音波受信
   器と、 洗濯槽内の水位を検出する水位検知手段と、 水位検知手段の出力により給水動作を制御する
   給水手段と、 洗濯槽の内底部に設けた攪拌翼と、 攪拌翼又は洗濯槽の少なくとも一方を回転させ
   る駆動手段と、 超音波送信器が動作してから超音波受信器が信
   号を出力するまでの時間を計測する計数手段、計
   数手段により計測された時間の長さにより水面で
   反射したデータと洗濯物で反射したデータを判別
   してその比率により最適水位かどうかを判断する
   統計手段、および水位設定制御手段を含む制御手
   段とを備え、 この制御手段は、給水手段を動作させて洗濯槽
   内に基準最少水位になるよう給水を行わせる第１
   の機能と、 給水完了時点で、駆動手段の所定時間動作、駆
   動手段の停止、超音波送信器の動作、超音波受信
   器の受信、および超音波信号の受信までの時間の
   計測、の一連動作を所定回数繰り返して水面で反
   射したデータと洗濯物で反射したデータを判別し
   てその比率により最適水位かどうかを判断し、最
   適水位であると判断した場合には給水制御完了信
   号を出力し、最適水位でないと判断した場合には
   給水手段動作信号を出力する第２の機能とを有
   し、この制御手段により第１の機能を実行した
   後、第２の機能を基準最少水位から基準最高水位
   の間で最適水位になるまで繰り返す洗濯機の給水
   制御装置。