JPH0546840U - 分離給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰込みローラと、分離パッドと、フィードロ
ーラとを組み合わせて構成される分離給紙装置における
繰込み不良の改善策として、繰込みローラとフィードロ
ーラとに巻き掛けされる伝動ベルトを利用して原稿送り
力を合理的に増強するようにしたものを提案する。 【構成】 繰込みローラ１の上に、該繰込みローラ１に
繰り込まれる原稿Ｐを分離する分離部材として、板状ゴ
ム部材等からなる分離パッド２を設けると共に、繰込み
ローラ１の原稿入口側に伝動ベルト７を介して該繰込み
ローラ１と連動して回転されるフィードローラ３を設け
た分離給紙装置において、上記伝動ベルト７を繰込みロ
ーラ１とフィードローラ３の外周に巻き掛けして、該伝
動ベルト７をフィードローラ３から繰込みローラ１のニ
ップ点に原稿Ｐを送り込むフィードベルトに兼用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、繰込みローラと、分離パッドと、フィードローラとを組み合せて構 成される分離給紙装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ファクシミリ装置等に搭載される自動給紙装置の一種に、図２に示される繰込 みローラと、分離パッドと、フィードローラとを組み合せた分離給紙装置がある 。この種の分離給紙装置では、繰込みローラ１の上に、板状ゴム部材等の弾性部 材からなる分離パッド２を添接すると共に、繰込みローラ１の原稿入口側には、 原稿束ＰＰをセットする原稿ガイド（図示せず）の上にフィードローラ３が設け られ、このフィードローラ３が、繰込みローラ１のシャフトに設けたプーリ５と フィードローラ３のシャフトに設けたプーリ６とに巻き掛けされた伝動ベルト４ を介して、該繰込みローラ１と連動して回転されるようになっている。

【０００３】 この装置では、原稿の給紙時に、繰込みローラ１と連動してフィードローラ３ が給紙方向に回転されると、繰込みローラ１の入口側にセットされた原稿束ＰＰ が最下層から繰込みローラ１のニップ点に向けて送り込まれて繰込みが開始され ると同時に、繰込みローラ１上に添接される分離パッド２の摩擦分離作用によっ て原稿ガイドの上に多数枚積層された原稿Ｐを最下層のものから順に一枚づつ分 離給紙する動作が営まれるものとなる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この種の分離給紙装置には、多数枚の原稿を束ねて原稿ガイド にセットした場合、給紙時に原稿の繰込み不良を多発するという解決すべき問題 点が見られる。

【０００５】 この原因については、図２に示すように、紙端ＰＥを揃えて多数枚の原稿Ｐを セットした場合、原稿束ＰＰの上層部が分離パッド２の支持端側の内面と衝突し て原稿先端から繰込みローラ１のニップ点に至る距離が長くなり、その一方でフ ィードローラ３から最下層の原稿Ｐに付与される送り力が不足し、当該原稿Ｐが 繰込みローラ１のニップ点まで十分に送り込まれないことによるものと考えられ る。

【０００６】 そこで、繰込み不良を防止するための方策として、原稿ガイドの上方に原稿束 ＰＰをフィードローラ３に押え付ける押えスプリング（図示せず）を設けて、フ ィードローラ３の原稿送り力を増強することが考えられるが、こうすると原稿挿 入時に押えスプリングが邪魔になって、原稿セット作業がスムーズに行えなくな ったり、原稿が押えスプリングで押さえ付けられてシワを生じたりする欠点があ る。

【０００７】 本考案は、かかる繰込み不良の改善策として、繰込みローラとフィードローラ とに巻き掛けされる伝動ベルトを利用して原稿送り力を合理的に増強できるよう にした分離給紙装置を実現するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するための手段として、繰込みローラの上に、該 繰込みローラに繰り込まれる原稿を分離する分離パッドを設けると共に、繰込み ローラの原稿入口側に伝動ベルトを介して該繰込みローラと連動して回転される フィードローラを設けた分離給紙装置において、上記伝動ベルトを繰込みローラ とフィードローラの外周に巻き掛けするようにしている。

【０００９】

【作用】

この改良された装置では、従来装置で単に繰込みローラからフィードローラへ 動力を伝える目的で張架された伝動ベルトが、フィードローラから繰込みローラ のニップ点に原稿を送り込むフィードベルトに兼用される。そして、このフィー ドベルトを設けたものでは、その上にセット原稿の挿入端部が面接触の状態で乗 せられるため、原稿給紙時にはベルト上にセットされる原稿束の最下層に繰込み ローラのニップ点に向けて連行する強力な送り力を付与することができる。

【００１０】

【実施例】

図１は、図２の従来例と対比して示される本考案の一実施例を図示し、具体的 にはファクシミリ装置に適用した場合を示している。

【００１１】 図において、１は繰込みローラ、２は繰込みローラ１の上に分離部材として設 けられる板状ゴム部材からなる分離パッドで、その先端部の内面が図示しない押 し圧スプリング等により繰込みローラ１の周面に弾接されている。３は繰込みロ ーラ１の原稿入口側に配置されて、該繰込みローラ１と連動して同方向に回転さ れるフィードローラを示している。

【００１２】 その他、８は繰込みローラ１の直下の給紙経路に配設されるフィードローラ、 ９はフィードローラ８で読取部Ｓに給送されて画像読取を終えた原稿Ｐを機外へ 排出するエキストローラを示し、１０、１１はフィードローラ８とエキストロー ラ９に各々転接されるプレスローラを示している。

【００１３】 ここにおいて、繰込みローラ１からフィードローラ３に動力を伝える伝動ベル ト７は、繰込みローラ１とフィードローラ３の外周に巻き掛けされている。すな わち、伝動ベルト７は、繰込みローラ１とフィードローラ３との間に張架されて フィードローラ３から繰込みローラ１のニップ点に向けて原稿Ｐを送り込むフィ ードベルトを兼ねるものとなっている。

【００１４】 かかるフィードベルト７を設けたものでは、繰込みローラ１の入口側の図示さ れない原稿ガイドに原稿束ＰＰをセットすると、最下層のセット原稿Ｐの挿入端 部が該フィードベルト７の上に面接触の状態で乗せられる。そして、原稿給紙時 において、繰込みローラ１が給紙方向に当る順方向に回転されると、フィードベ ルト７は、フィードローラ３を同方向に従動回転しつつその原稿乗載面がフィー ドローラ３から繰込みローラ１に向けて転送され、原稿束ＰＰを最下層から繰込 みローラ１のニップ点に向けて連行する動作を営むものとなる。この際、フィー ドベルト７から最下層の原稿Ｐに付与される送り力は、両者が直接面接触されて いるため、従前のフィードローラ３が線接触の状態で原稿Ｐに接触されるのに比 較すると、非常に強力なものとなる。

【００１５】 従って、図示例の如く、繰込みローラ１の入口側に多数枚の原稿Ｐを積層した 原稿束ＰＰが紙端ＰＥを揃えた状態で差し込まれていても、従前のように送り力 が不足して原稿Ｐの繰込み不良を起こすことがなく、給紙動作が確実に遂行され るものとなる。

【００１６】 なお、繰込みローラ１とフィードローラ３とに巻き掛けされるベルト７の架設 部位、ベルト幅、本数、種類等の細部実施条件については、特に限定されず、実 施状況に勘案して適宜に変更し得る。

【００１７】 ところで、上述した本考案に係る分離給紙装置の比較例として、図３に示すよ うに、ベルト搬送式の繰込み機構と、正逆転可能なセパレートローラ（マジック ローラ）の分離機構とを組み合わせて構成したものがある。この装置は、繰込み ローラ１の上に、該繰込みローラ１に繰り込まれる原稿Ｐを分離する分離部材と して、トルクリミッターを介してトルク管理された逆転セパレートローラ１２を 設けると共に、繰込みローラ１の原稿入口側に伝動ベルト１３を介して該繰込み ローラ１と連動して回転されるフィードローラ３を設けたものにおいて、上記伝 動ベルト１３を繰込みローラ１とフィードローラ３の外周に巻き掛けして、該伝 動ベルト１３をフィードローラ３から繰込みローラ１のニップ点に原稿Ｐを送り 込むフィードベルトに兼用するようにしたものからなっている。

【００１８】 この比較例装置においても、繰込みローラ１とフィードローラ３とにベルト搬 送式の繰込み機構を採用することで、原稿Ｐの繰込み力を増強し多数枚の原稿Ｐ を紙端ＰＥを揃えてセットした場合での繰込み不良を解消することができ、また 繰込みローラ１上のセパレートローラ１２がトルクリミッターの設定スリップト ルクを分岐点に、逆転、停止又は正転動作する挙動を営むことで、分離部材とし て単純リバースローラを用いる場合に見られるセット原稿が残り少ない段階での 原稿スリップによる繰込み不良等の問題点を的確に解消できる特性が得られるも のとなる。

【００１９】 しかして、本考案に係る装置と上記比較例装置とを比べた場合、分離部材に分 離パッド２を用いるかセパレートローラ１２を用いるかの点で両者は相違してい るが、本装置の一つの特徴として、装置全体として必要なローラ本数が１本少な くて済み、この点構造簡素化とコストダウンが図れることが挙げられる。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように、本考案の改良された分離給紙装置であれば、伝動ベルトを繰込 みローラとフィードローラの外周に巻き掛けしてフィードベルトに兼用している ため、多数枚の原稿を紙端を揃えてセットしても原稿の送り力不足に起因して繰 込み不良を起こす心配がなく、繰込みローラと、分離パッドと、フィードローラ とを組み合わせて構成される分離給紙装置で見られる原稿の繰込み不良の問題を 解決する有効な改善策を提供することができる。また、ローラ分離方式のものに 比較すると、構造簡単でコストダウンが図れる利点が特記される。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例を示す分離給紙装置の概略側断面図であ
る。

【図２】従来例を示す分離給紙装置の概略側面図であ
る。

【図３】比較例を示す分離給紙装置の概略側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 繰込みローラ ２ セパレートローラ ３ フィードローラ ４ 伝動ベルト ５ プーリ ６ プーリ ７ フィードベルト（伝動ベルト） ８ フィードローラ ９ エキストローラ １０ プレスローラ １１ プレスローラ １２ セパレートローラ（マジックローラ） １３ フィードベルト（伝動ベルト） Ｐ 原稿 ＰＰ 原稿束 ＰＥ 紙端 Ｓ 読取部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｈ 3/52 ３１０ Ｇ 9148−3Ｆ Ｇ０３Ｇ 15/00 １０７ 8530−2Ｈ Ｈ０４Ｎ 1/00 １０８ Ｂ 4226−5Ｃ Ｌ 4226−5Ｃ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 繰込みローラの上に、該繰込みローラに
   繰り込まれる原稿を分離する分離パッドを設けると共
   に、繰込みローラの原稿入口側に伝動ベルトを介して該
   繰込みローラと連動して回転されるフィードローラを設
   けた分離給紙装置において、上記伝動ベルトを繰込みロ
   ーラとフィードローラの外周に巻き掛けしたことを特徴
   とする分離給紙装置。