JPH0545841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、バタフライ弁等の回転弁を空気圧あ
るいは油圧等の圧力流体により開閉させるシリン
ダ式バルブアクチユエータに関する。

〔従来の技術〕

第３図に示すように、シリンダ式バルブアクチ
ユエータ１は、バタフライ弁やボール弁等の回転
弁２に接続され、圧力流体回路３から供給される
流体の圧力により回転弁２の開閉を行うもので、
従来のシリンダ式バルブアクチユエータ１は、第
４図に示すように、両側部にシリンダ４，４を配
設し、該シリンダ４，４内のピストン５，５を連
結するピストンロツド６に摺動ピン７を突設する
とともに、回転弁２の弁軸８に連結された回動ア
ーム９に摺動溝１０を形成し、摺動ピン７と摺動
溝１０とを係合させており、一方のシリンダ４に
圧力流体が供給されてピストン５が移動すること
により摺動ピン７が摺動溝１０内を摺動して回動
アーム９を回動させ、回転弁２を開閉させてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述のものでは、回動アームに
形成された摺動溝が回動アームの回動中心から放
射状に形成されているのみであるため、回転弁を
開弁する瞬間のトルクが十分に得られず、シリン
ダを大きくしたり、圧力流体の圧力を高くする必
要があつた。また回転弁を全閉位置に保持してお
くためには、常時シリンダ内に所定の圧力を供給
しておかなくてはならなかつた。

そのため実公昭59−8050号公報に示されるバル
ブ駆動用トルクアクチユエータでは、ヨーク（回
動アーム）に形成されたヨーク溝（摺動溝）の先
端部に切欠部を設けて全閉位置の保持を図つてい
るが、全閉位置における摺動ピンと摺動溝の係合
が片側のみの接触となるため、回動アームの位置
決めを困難としていた。

そこで本考案は、回転弁を開ける際のトルクを
十分に得られるとともに、摺動ピンと摺動溝の係
合を確実にできるシリンダ式バルブアクチユエー
タを提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記した目的を達成するために、本考案は、シ
リンダ内のピストンの直線運動を、摺動溝と該摺
動溝に係合する摺動ピンを備えた駆動部により回
転運動に変換し、回動アームを回動させて回転弁
の開閉操作を行うシリンダ式バルブアクチユエー
タにおいて、前記摺動溝に端部に、前記回転弁が
全閉状態となつた時に前記摺動ピンと係合すると
ともに、前記ピストンの移動方向と平行となる案
内溝を連設したことを特徴とする。

〔作用〕

従つて、回転弁を全閉位置から開け始める時
に、摺動ピンが案内溝内を移動してから摺動溝に
入るため、ピストンが加速されて運動エネルギー
が高まるとともに、摺動ピンと摺動溝との間に衝
撃エネルギーとして働き、大きなトルクを得るこ
とができる。また摺動ピンは、常に摺動溝か案内
溝内にあるため、摺動ピンと摺動溝の位置関係、
即ちピストンと回転弁の弁軸との位置関係を確実
に保つことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

シリンダ式バルブアクチユエータ１１は、前記
従来例で示したシリンダ式バルブアクチユエータ
と略同様に形成されるもので、中央に駆動部１２
が設けられ、該駆動部１２の両側にシリンダ１
３，１３が配設されている。

両シリンダ１３，１３内のピストン１４，１４
は、ピストンロツド１５により連結されており、
ポート１６，１６から供給される圧力流体により
押圧され、往復動を行う。

前記駆動部１２は、前記ピストンロツド１５に
設けられた摺動ピン１７と、回転弁の弁軸１８に
固着された回動アーム１９とで構成されており、
回動アーム１９には、弁開閉用の摺動溝２０と摺
動ピン１７案内用の案内溝２１とが連続して形成
されている。前記摺動溝２０は、回動アーム１９
の回動中心から放射状に形成されており、案内溝
２１は、回転弁の全閉位置、即ち回動アーム１９
の回動終端において前記ピストン１４、即ち摺動
ピン１７の移動方向と平行となるように形成され
ている。

また前記摺動ピン１７は、回転弁を全閉とした
位置において図示のごとく上記案内溝２１の端部
近傍に位置するように設けられており、回転弁を
開ける場合には、図示の状態で図の左側のシリン
ダ１３に圧力流体を供給し、ピストン１４を右行
させる。このピストン１４の移動とともに摺動ピ
ン１７が案内溝２１から摺動溝２０内に進入し、
回動アーム１９を回動させて回転弁を開放する。

この開放操作の初期に、摺動ピン１７が回動ア
ーム１９の抵抗を受けずに案内溝２１内を移動す
るのでピストン１４、即ち摺動ピン１７の動きが
加速されて運動エネルギーが高まるとともに、摺
動ピン１７の運動エネルギーが、摺動溝２０の側
壁に対して衝撃エネルギーとして作用するので、
弁軸１８に大きなトルクを与えることができる。

これにより、最も大きなトルクを必要とする開
弁の瞬間に大きなトルクを得ることができるの
で、シリンダ式バルブアクチユエータ１１を小型
化したり、圧力流体の圧力を下げることができ、
製造コストや運転コストを低減することができ
る。また摺動ピン１７が常に両溝２０，２１内に
あるため、摺動ピン１７と両溝２０，２１との位
置関係、即ちピストン１４と回転弁の弁軸１８と
の位置関係を確実に保つことができる。

第２図は本考案の他の実施例を示すもので、こ
のシリンダ式バルブアクチユエータ２２の駆動部
２３は、回転弁の弁軸２４に固着された回動アー
ム２５と、両側のピストン２６（一方は図示せ
ず）を連結する連結板２７とで構成されている。

そして上記回動アーム２５の回動端には摺動ピ
ン２８が設けられており、連結板２７には前記摺
動ピン２８が係合する係合溝２９が形成されてい
る。この係合溝２９は、連結板２７の移動方向と
平行に形成された案内溝３０と該案内溝３０の両
端に垂直方向に形成された２本の摺動溝３１，３
１からなり、回転弁が全閉となつた状態で図に示
すように前記摺動ピン２８が案内溝３０の一端に
位置するように形成されている。

このシリンダ式バルブアクチユエータ２２の開
弁操作の際には、連結板２７が図示の状態から右
行するとともに摺動ピン２８が案内溝３０内を移
動し、案内溝３０の左端部で摺動溝３１の側壁に
より押圧されて回動アーム２５を回動させながら
図示左側の摺動溝３１内を往復し、回転弁を開放
して案内溝３０の端部に戻る。また閉弁の際に
は、連結板２７が左行するとともに摺動ピン２８
が案内溝３０内を移動して右側の摺動溝３１内を
往復し、回転弁を閉じて案内溝３０の端部に戻
り、図示の状態となる。

このシリンダ式バルブアクチユエータ２２も前
記実施例のシリンダ式バルブアクチユエータと同
様に、摺動ピン２８が案内溝３０内を移動してか
ら摺動溝３１に進入するため、大きなトルクを得
ることができ、また摺動ピン２８が常に摺動溝３
１か案内溝３０内にあるため、ピストン２６と回
転弁の弁軸２４との位置関係を確実に保つことが
できる。

尚、摺動ピンは、溝内を移動する際の摩擦抵抗
を低減するために転動部材とすることもできる。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、回転弁が全閉状
態の時にピストンの移動方向と平行となる案内溝
を摺動溝の端部に延設したので、回転弁の開放操
作の初期に摺動ピンが回動アームの抵抗を受けず
に案内溝内を移動するのでピストンの動きが加速
されて運動エネルギーが高まるとともに、回動ア
ームに対して衝撃エネルギーとして作用するの
で、大きなトルクを得ることができ、シリンダ式
バルブアクチユエータを小型化したり、圧力流体
の圧力を下げることができ、製造コストや運転コ
ストを低減することができる。また摺動ピンが常
に溝内に保持されているため、ピストンと回転弁
との位置関係を確実に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すシリンダ式バ
ルブアクチユエータの断面図、第２図は本考案の
他の実施例を示す要部の断面図、第３図はシリン
ダ式バルブアクチユエータの使用状態を示す説明
図、第４図は従来のシリンダ式バルブアクチユエ
ータを示す断面図である。 １１，２２……シリンダ式バルブアクチユエー
タ、１２，２３……駆動部、１３……シリンダ、
１４，２６……ピストン、１５……ピストンロツ
ド、１６……ポート、１７，２８……摺動ピン、
１８，２４……弁軸、１９，２５……回動アー
ム、２０，３１……摺動溝、２１，３０……案内
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ内のピストンの直線運動を、摺動溝と
   該摺動溝に係合する摺動ピンを備えた駆動部によ
   り回転運動に変換し、回動アームを回動させて回
   転弁の開閉操作を行うシリンダ式バルブアクチユ
   エータにおいて、前記摺動溝の端部に、前記回転
   弁が全閉状態となつた時に前記摺動ピンと係合す
   るとともに、前記ピストンの移動方向と平行とな
   る案内溝を連設したことを特徴とするシリンダ式
   バルブアクチユエータ。