JPH0545697B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は繊維構造物、特に糸を繊維機械のスプ
ライシング室の圧力チヤンネル内でスプライス、
即ちより継ぎするための方法に関し、より継ぎさ
れる繊維構造物は相互に重畳された状態に並列さ
れ、圧力チヤンネルの中心を通つて供給される圧
力空気の旋回効果の作用を受けるものである。

従来技術 従来の繊維構造物の空気式より継ぎ方法の欠点
は結合強度、特に長手方向のそれが低いこと、及
び実際のより継ぎ操作の信頼性が低いことであ
る。

これはより継ぎされるべき繊維構造物の端部の
繊維同士のからみ合いが充分でないことが原因で
ある。これを回避する目的で供給空気の圧力を高
め且つ比較的長時間これを作用せしめる装置が知
られている。しかしこのことは圧縮空気の動力の
浪費を意味する。更にこの装置は汎用性に乏しい
ために繊維構造物の糸継ぎ個所の強度及び信頼性
が低く、従つて特定のより継ぎ方法はたとえば一
方向の撚りを有する、或る特定の数と長さの分離
した繊維を有する繊維材料に対してのみ用いられ
る。それ故、これらの方法は繊維構造物のタイプ
が変わつた場合には、この汎用性のない公知の装
置において必ずしも信頼性のある結果を得ること
ができない。

従つて公知の装置においては特定のタイプの繊
維構造物に応じて空気関連部材の寸法を適宜に変
更してその有効性を高めたり、操作サイクルをい
くつかの時間々隔に分割したりする必要がある。
このため使用される装置は余りにも複雑となり、
その調節は難かしく且つ高価なものとなる。

圧縮空気による繊維構造物のより継ぎ方法は一
つの問題点を含む。即ちより継ぎされるべき繊維
構造物の端部が継がれる前に圧力チヤンネルから
吹き飛ばされてしまうことである。この現象は切
断端を保持する種々の補助装置を用いることによ
つて防ぐことができるが、装置の複雑性は増加し
失敗率も高くなる。

発明の目的及び構成 繊維構造物のより継ぎ方法のこれらの欠点は本
発明の方法によつて大巾に緩和される。本発明の
主題は繊維構造物が圧力チヤンネルの少なくとも
一つの入口において該圧力チヤンネルからの可聴
範囲又は非可聴範囲内の高周波で振動する圧縮空
気流の作用を受けることに存する。

より継ぎされる継ぎ目部分の長さをどのくらい
にするかにより及び繊維構造物の品質とタイプを
考慮して、本発明によれば空気流の振動周波数は
圧力チヤンネルからの空気流の柱の長さを圧力チ
ヤンネルの入口近傍に設けられた変位自在な邪魔
板の方へ向つて変化させることによつて調節する
ことが好ましい。

本発明によれば糸継ぎ前に圧力チヤンネルから
の繊維構造物の端部の好ましくない吹き飛びが生
じないように糸継ぎ前に繊維構造物が少なくとも
圧力チヤンネルの一つの入口においてその長手方
向軸から偏向させることが好ましい。

本発明の繊維構造物のより継ぎ方法の効果は特
に、圧縮空気の動力が高度に利用され、継ぎ目部
分の繊維の平行度を乱すことなしに且つスプライ
シング室を実質的に調整することなしに種々のタ
イプの繊維構造物をより継ぎすることができるこ
とに存する。繊維構造物の内部構造は継ぎ目部分
を別として乱されないことも重要である。

本発明の方法を実行するための装置はスプライ
シング室内の圧力チヤンネルの少なくとも一つの
入口が薄板部を有する変位自在な且つ該圧力チヤ
ンネルからの空気流と接触する邪魔板を有するこ
とを主題とし、該邪魔板は圧力チヤンネルの両側
に配設されることが望ましい。

この配列による利点は簡単で、同時に種々のタ
イプの繊維構造物の糸継ぎにも広く使用できる特
徴を有する一連の多くの圧力チヤンバの変形を作
り得ることにある。たとえば変位自在な邪魔板の
薄板部は弾性ダイアフラムで形成され、特定の共
振周波数となるように調節することができ、それ
以上の付属機構を必要とせず且つその効果によつ
て圧力チヤンネルの長さを短縮できるので継ぎ目
部分の長さは増大しない。

本発明のその他の利点と効果は以下に述べるよ
り継ぎ方法とこれを実施するための装置の説明並
びに添付の図面によつて更に明らかになるであら
う。

実施例 繊維構造物Ａ及びＢは図示しない装置によつて
適宜なやり方でスプライシング室１のカバー１′
を具えた開放された圧力チヤンネル３内に導入さ
れる。繊維構造物Ａ，Ｂが圧力チヤンネル３内に
相互に隣接して重畳された状態で導入された後、
圧力チヤンネル３はカバー１′を閉めることによ
つて閉鎖され、同時に繊維構造物Ａ，Ｂの端部は
図示しない装置によつて切断され適当な長さの糸
端ａ，ｂとなされる。

スプライシング室１のカバー１′に固定された
邪魔板２，２′の薄板部５，５′はカバー１′が閉
まると同時に圧力チヤンネル３の入口の前面に出
現し、繊維構造物Ａ，Ｂの少なくとも前記糸端
ａ，ｂを圧力チヤンネル３の長手方向軸から偏向
させ、それによつて糸継ぎが行なわれる前に他の
操作が行なわれている間に糸端ａ，ｂが吹飛ばさ
れないように充分に保護する。

この後で中央開口４を通じて圧縮空気が圧力チ
ヤンネル内に導入される。圧力チヤンネル３内に
おいては圧縮空気の強い旋回流が発生し、繊維構
造物Ａ，Ｂの部分的な解撚とその分離繊維同士の
交絡を生ずる。旋回流のより継ぎ効果は、圧力チ
ヤンネル３の入口の片方または両方の正面に位置
している調節自在な邪魔板２又は２′に向つて圧
力チヤンネル３の入口を離れた圧縮空気柱を振動
せしめて音波スペクトルの可聴又は非可聴範囲以
内の高周波にまで上昇せしめることによつて強化
される。

この状態において、繊維構造物Ａ，Ｂの分離繊
維同士の高度に強力なより継ぎが行なわれ、それ
によつてコンパクトな、結び目のない、軸方向の
強度の高い継ぎ目に形成される。

圧縮空気の作用が止むと、繊維構造物Ａ，Ｂの
より継ぎは完了する。結合された繊維構造物Ａ，
Ｂの繊維状部分は加撚作用によつて実質的にもと
通りにされ、スプライシング室１のカバー１′は
開かれ、そしてより継ぎされた繊維構造物Ａ，Ｂ
は開放された圧力チヤンネル３から通常の紡糸経
路に移動せしめられる。

圧力チヤンネル３に発生する圧縮空気柱を振動
せしめるために、邪魔板２，２′の薄板部５，
５′はたとえば弾性ダイアフラムによつて作製さ
れているか又は該薄板部５，５′は別のやり方に
よつて特定の共振周波数になるように調整されて
いる。この周波数は邪魔板２，２′の薄板部５，
５′を圧力チヤンネル３の入口に近づけたり又は
取除いたりすることによつても変更することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はスプライシング室が開放され、圧力チ
ヤンネル内に繊維構造物の端部が引揃えて導入さ
れている状態を示す断面図、第２図はスプライシ
ング室が閉鎖され、繊維構造物の端部が切断され
且つ圧力チヤンネルの長手方向軸から偏向せしめ
られている状態を示す断面図、第３図は圧縮空気
が繊維構造物に作用している状態を示す断面図、
及び第４図は圧縮空気の作用が止み、繊維構造物
のより継ぎが完了した状態を示す断面図である。 １……スプライシング室、１′……カバー、２，
２′……邪魔板、３……圧力チヤネル、４……開
口、５，５′……薄板部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繊維機械のスプライシング室の圧力チヤンネ
   ル内に糸継ぎされるべき繊維構造物の端部同士を
   隣接して並列して位置せしめ、次いで該圧力チヤ
   ンネル内に中央部より導入された圧縮空気の旋回
   効果を作用せしめる繊維構造物のより継ぎ方法で
   あつて、該繊維構造物は該圧力チヤンネルの少な
   くとも一方の入口において、音波スペクトルの可
   聴又は非可聴範囲内のいずれかの高周波数を以つ
   て振動している、前記圧力チヤンネルから発生し
   た空気流の作用を受けることを特徴とする繊維構
   造物のより継ぎ方法。 ２ 圧力チヤンネルから発生する空気流の振動の
   周波数が、継ぎ目部分の長さ及び繊維材料の特性
   に応じて、前記圧力チヤンネルの入口の調節自在
   な邪魔板の方へ空気流柱を動かすことによつて圧
   力チヤンネル内で発生する該空気流柱の長さを変
   化することによつて調節されることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載された方法。 ３ 繊維構造物がそのより継ぎの前に圧力チヤン
   ネルの少なくとも一方の入口においてその長手方
   向軸から偏向せしめられていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載された方法。