JPH054564Y2 - - Google Patents

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JPH054564Y2
JPH054564Y2 JP1985132886U JP13288685U JPH054564Y2 JP H054564 Y2 JPH054564 Y2 JP H054564Y2 JP 1985132886 U JP1985132886 U JP 1985132886U JP 13288685 U JP13288685 U JP 13288685U JP H054564 Y2 JPH054564 Y2 JP H054564Y2
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screw
hardened layer
hardness
head
stainless steel
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Description

【考案の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉 本考案は、オーステナイト系ステンレス鋼製の
ねじ、特にセルフタツピング機能又はセルフタツ
ピング・ドリリング機能を有するねじの改良に関
する。 〈従来の技術〉 オーステナイト系ステンレス鋼のねじは、屋外
でも長期間錆が発生しない性質を有する。ところ
が、オーステナイト系ステンレス鋼は焼入れによ
り硬化しないため、実開昭60−75461号公報に記
載された考案においては、無電解ニツケルメツキ
法により、オーステナイト系ステンレス鋼製タツ
ピングねじの表面に、ニツケル燐合金の皮膜をコ
ーテイングすることにより、当該タツピングねじ
の硬度を高めることが提案されている。 ところが、メツキによつてニツケル燐合金の皮
膜をねじの表面に形成した場合、メツキ不良等に
より、その皮膜が剥離するおそれがある。又、先
端部にドリル部を有するセルフタツピングねじに
おいては、ドリル部の硬度が通常のタツピングね
じより高い方が望ましいにもかかわらず、無電解
ニツケルメツキ法によれば、ビツカース硬度
HV550までにしかならず、そして、それ以上硬
化させるには、光輝焼純が必要となり、加工工程
が増えてしまい、更に、硬度を上げると割れ、カ
ケが生ずるという課題を有する。 一方、金属表面に窒化による硬化層を形成して
金属表面を硬化する方法は、例えば昭和52年12月
25日、日刊工業新聞社発行の「金属表面技術更
覧」に開示されているように従来から知られてい
る。 この方法によつて得られる硬化層は、その硬さ
をビツカース硬度HV1000以上に高めることがで
きる等の利点を有する。このため、現在では種々
のものに広く利用されている。 しかしながら、先端にドリル部を備えて鋼板に
もねじ自身により下孔を開け、タツピングを行う
タツピングねじにおいては、下孔を開くける際ね
じ表面に衝撃力がかかる。このため、この種のね
じ表面に窒化による硬化層を形成した場合、使用
の際に硬化層にカケを生じることがある。特に、
下孔を開ける際には連続的に衝撃力がかかるた
め、極わずかのカケが発生した場合にもそのカケ
部から伝播して全体にカケが生じてしまうことに
なる。 従つて、先端部にドリル部を有するタツピング
ねじに窒化による硬化層の形成は適応させ難いと
されている。 そこで、本考案者は、鋼板に対して良好なドリ
リング作用を奏し、しかも使用に際しドリル部に
カケの生じないような窒化による硬化層を有する
オーステナイト系ステンレス鋼製のタツピングド
リリングねじを開発させんとした。 ところが、窒化処理を行つた場合、耐食性が少
し劣化することが確認された。又、硬化層の硬度
を1000前後にまで高め、且つ硬化層の厚さを厚く
すると電動ドライバーでねじ込む際電動ドライバ
ーを受容する頭部の十字穴にカケが生じ易くな
り、カケを生じるとドライバーを確実に受容でき
なくなる。又、メツキや窒化処理を行うと表面の
色や光沢が変化し、オーステナイト系ステンレス
鋼の美しさが損なわれるという課題を有する。 〈考案が解決しようとする課題〉 本考案は以上の実情に鑑み提案されたもので、
その目的とするところは鋼板に対しても良好なド
リリング作用を奏し、使用に際しドリル部にカケ
の生じないものであつて、電動ドレイバーを受容
する頭部の十字穴が電動ドライバーによつてカケ
を生じず、しかも、オーステナイト系ステンレス
鋼の防食性、美しさを保持したタツピングねじを
提供することにある。 〈課題を解決するための手段〉 本考案は以下の特徴を有するオーステナイト系
ステンレス鋼製のタツピングねじを提供すること
により上記課題を解決する。 本考案のオーステナイト系ステンレス鋼製から
なるタツピングねじは、下端先端部にねじの下孔
を開けるドリル部を有す軸部と、電動ドライバー
等の工具と係合する係合部を有する頭部とを備え
る。 そして、少なくとも軸部のドリル部は、その表
面に窒化処理によつて形成されたビツカース硬度
HV600以上の硬さの硬化層を有する。 一方、少なくとも頭部の表面は、窒化処理によ
る硬化層を有さず冷間加工状態の硬さに保持され
てなるものである。 ここで、硬化層とはガス浸炭窒化、液体浸炭窒
化を含む窒化処理によるものの他、各種の表面処
理によるものであつても良い。 〈作用〉 本考案においては、ドリル部表面に窒化処理に
よつて形成されたビツカース硬度HV600以上の
硬さの硬化層を備えるため、鋼板に対しても良好
なドリリング作用を奏し、使用に際しドリル部に
おけるカケの発生を防止することができる。 そして、少なくとも頭部の表面を窒化処理によ
る硬化層を有さず冷間加工状態に保持するため、
電動ドライバーでねじ込む際電動ドライバーを受
容する頭部の係合部がカケるのを防止することが
できる。しかも、オーステナイト系ステンレス鋼
の防食性、美しさを保持することができる。 〈実施例〉 第1図は実施例のねじを示すもので、このねじ
は、軸部1と頭部2とを有し、軸部1の先端には
ドリル部3が形成され、ドリル部3と頭部2との
間には、タツピング及び締付作用を行うねじ部4
が形成されている。頭部2には、ドライバー等の
締付工具を受容する十字穴5が設けられている。
そして、ねじの軸部1の表面に硬化層6が形成さ
れている。 本考案のねじはオーステイナイト系ステンレス
鋼を加工するものであるが、この実施例では
18Cr−8Niに銅を添加して冷間加工硬化性を低く
抑えたものを用いた。その化学成分及び機械的性
質を表1に示す。 このねじは、上記鋼線にヘツダ加工を施し頭部
2を形成し、ダイスによりドリル部3を加工
【表】 し、ローリングダイスによりねじ部4の加工を施
したものである。これら冷間加工により、ねじは
中心線に沿う断面において、第2図に示すよう
に、ねじ部4でビツカース硬度HV180〜280、頭
部3及びドリル部2でHV300〜360にまで硬化す
る。 次に、ねじの頭部2を除く先端側部分に、窒化
処理による硬化層6を形成する。この窒化処理の
方法として、当該実施例では、硬度を高めるため
浸炭処理を併用した真空浸炭窒化処理を行なう。
これにより、表面がビツカース硬度HV1050の硬
化層が形成される。硬化層の形成されない頭部3
の硬度はHV300〜360であつた。 〈比較例〉 実施例のねじと同一の形状のねじにおいて、第
3図に示すように、ねじの全表面に真空浸炭窒化
処理による硬化層6を形成する。この比較例のね
じと、実施例のねじとの特性を下記の表2に示
す。
【表】 かくして、実施例では、頭部2に硬化層が形成
されていないため、頭部2の表面硬度が比較的低
い反面、靱性が高いという特性を有する。その結
果、頭部2の十字穴5に電動ドライバー等を受容
させ、ねじを高速で回転させる際にも、十字穴5
にカケが生じたりすることがないという、利点を
有する。他方、軸部1、特にドリル部3には、硬
化層6が形成されているため、鋼板に対しても高
速のドリリングが可能となる。 さらに、頭部2は耐錆性の良いオーステナイト
系ステンレス鋼が未処理の状態で残されるため、
ねじが締着され、頭部2が空気中に長年放置され
ても、頭部2の錆の発生を確実に防止し得る。 尚、硬化層の形成方法としては、実施例の真空
浸炭窒化処理の他、同処理後焼き戻しを行なつた
もの、融液のシアンソーダ中にて滲炭窒化を行な
うシアナイジング法や他の窒化処理等を行うこと
ができる。又、硬化層を形成しない部分を、頭部
2のみならず、軸部1の基端寄り部分に広げるこ
とも可能である。 〈考案の効果〉 以上本考案のオーステナイト系ステンレス鋼製
のタツピングねじにおいては、ねじの頭部を基端
側に硬化層を形成せず、先端側にのみ硬化層を形
成したため、頭部の靱性を低下させることなくド
リル部やねじ部の硬度を高めることができ、電動
ドライバー等を頭部の十字穴で確実に受容するこ
とができる。しかも、ねじの締付後長期間空気中
に放置される頭部は、耐錆性の良いオーステナイ
ト系ステンレス鋼の特性が100%生かされ、錆の
発生を防止し得ると共に、ステンレス鋼の美しさ
をそのまま生かすことができる。 さらに、硬化層の硬度をビツカース硬度
HV600〜1100にすることによつて、鋼板に対し
て充分な硬さを有するタツピング・ドリリングね
じを提供し得たものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のねじの側面図、第2図は窒化
処理前のねじの硬度を示す説明図、第3図は比較
的のねじの側面図である。 1……軸部、2……頭部、3……ドリル部、4
……ねじ部、5……十字穴、6……硬化層。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 オーステナイト系ステンレス鋼製からなるタツ
    ピングねじが、下端先端部にねじの下孔を開ける
    ドリル部を有する軸部と、電動ドライバー等の工
    具と係合する係合部を有する頭部とを備え、 少なくとも軸部のドリル部が、その表面に窒化
    処理によつてビツカース硬度HV600以上の硬さ
    の硬化層を有し、 少なくとも頭部の表面が、窒化処理による硬化
    層を有さず冷間加工状態の硬さに保持されてなる
    ものであることを特徴とするオーステナイト系ス
    テンレス鋼製のタツピングねじ。
JP1985132886U 1985-08-29 1985-08-29 Expired - Lifetime JPH054564Y2 (ja)

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JP2686001B2 (ja) * 1990-07-09 1997-12-08 大同ほくさん株式会社 オーステナイト系ステンレス製硬質ねじ
JP5865483B2 (ja) * 2012-03-14 2016-02-17 キヤノンアネルバ株式会社 締結部材および真空装置
JP7285523B2 (ja) * 2021-03-19 2023-06-02 株式会社ヤマシナ タッピンねじを用いた締結構造

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JPS6075461U (ja) * 1983-10-27 1985-05-27 ヱトー株式会社 オ−ステナイト系ステンレス鋼製タツピンねじ

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