JPH0545630U - 光アイソレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】反射光や散乱光が発生しない性能の優れた光ア
イソレータであり、製造が簡単な光アイソレータを提供
すること。 【構成】光の入射端に偏光子１、中間にファラデー回転
子３、光の出射端に検光子２、及びファラデー回転子３
に磁界を印加する磁石４が組み込まれた光アイソレータ
において、前記各素子を組み込む金属部材７、１１、１
２のうち少なくとも光の入射端側及び出射端側が黒色の
金属部材１１、１２で形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば光通信システムや光計測器に使用される光学部品であり、光 源から発した光が光学系の端面で反射し光源に戻るのを防止するための光アイソ レータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

光源からの光を光学系を介して伝達しようとすると、光学系の端面で反射した 光が光源に戻ってくる。例えば光ファイバによる信号伝送で、レーザー光源から 発した光はレンズを介してファイバ端面に投影され、その多くは伝送光としてフ ァイバ内部に入ってゆくが、レンズやファイバの端面で表面反射をしてレーザー 光源まで戻ってその端面で再度表面反射し、ノイズとなってしまう。このような ノイズを消去するために光アイソレータが使用されている。光アイソレータでは 、ノイズを消す能力が高く、光の透過率の損失が少ないこと、すなわち挿入損失 が低いことが要求される。

【０００３】 図３に光アイソレータの断面図を示す。同図で光学素子である偏光子１、ファ ラデー回転子３、検光子２はこの順に配置され、金属部材のホルダ５、６、及び ファラデー回転子３に磁界を印加する円筒磁石４と共に組み立てられ、外筒７に 収納される。光アイソレータは各部品の境界部分を半田ａで接合することにより 固定する。夫々の部品が半田付けしにくい部材の場合は、部品の境界部分に半田 付け可能な金属膜を形成すればよい。

【０００４】 前記光アイソレータを使用して光源からの光を偏光子１に入射すると、光は金 属に反射するため、一部の光がホルダ５、６にぶつかって反射光及び散乱光が発 生する。発生した反射光及び散乱光は、光路に載ってノイズとなる。また、部品 の境界部分を接合した半田にも光が反射し、反射光及び散乱光が発生してノイズ となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、反射光及び散乱光が発 生せず性能が優れた光アイソレータであり、製造が容易にできる光アイソレータ を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するためになされた本考案の光アイソレータを、実施例に対 応する図１に従って説明する。

【０００７】 同図で光の入射端に偏光子１、中間にファラデー回転子３、光の出射端に検光 子２、及びファラデー回転子３に磁界を印加する磁石４が組み込まれた光アイソ レータにおいて、前記各素子を組み込む金属部材７、１１、１２のうち少なくと も光の入射端側及び出射端側が黒色の金属部材１１、１２で形成されている。

【０００８】

【作用】

光アイソレータの各素子を組み込む金属部材を黒色にすると、金属部材や部品 を接合する半田にぶつかって発生していた反射光や散乱光がすべて吸収され、無 反射になるので、ノイズが生じない。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を説明する。

【００１０】 図１は本考案を適用した一実施例の光アイソレータの断面図である。

【００１１】 同図の光アイソレータは光の入射端に偏光子１、中間にファラデー回転子３、 光の出射端に検光子２、及びファラデー回転子３に磁界を印加する磁石４が、ホ ルダ５、６と共に外筒７内に配置され、半田ａで接合され一体に形成されている 。光の入射端側および出射端側には板状のリング１１、１２が設けられ、ホルダ ５、６および外筒７に半田ａで固定されている。

【００１２】 偏光子１はガラス偏光板でホルダ５の内周面に、検光子２はガラス偏光板でホ ルダ６の内周面に納まる外径の円柱状に形成する。ファラデー回転子３はビスマ ス置換希土類鉄ガーネットで造り、円筒磁石４に納まる外径の円柱状に形成する 。

【００１３】 ホルダ５、６、外筒７、リング１１、１２は金属部材であり、全て銀で造られ る。金属部材のうちリング１１、１２は表面に黒色の金属薄膜３０を形成する。 前記の金属薄膜３０は主成分が硫化銀であり、これを形成する方法は以下の通り である。半田付け部をワックスまたは耐熱性樹脂でコートした後、硫化水素を含 むガス中に３〜１０分放置する。その後、溶剤にてワックスまたは耐熱性樹脂を 除去し、黒色薄膜付きリングができる。

【００１４】 偏光子１はホルダ５の内側に、検光子２はホルダ６の内側に、ファラデー回転 子３は円筒磁石４の内側に配置し、夫々の部品を半田で固定する。ホルダ５の入 射端側にはリング１１を、ホルダ６の出射端側にはリング１２を半田で固定する 。前記の部品全体は外筒７の内側に配置し、外筒７にホルダおよびリングを半田 で固定することにより、光アイソレータが完成する。

【００１５】 図２は、本発明の別な実施例の光アイソレータである。同図の光アイソレータ は図１の光アイソレータで記したリング１１、１２を設けずに、光の入射端側お よび出射端側の一部に延長された外筒８および外筒９を組み合わせる。外筒８お よび外筒９の外側表面は、前記と同様に主成分が硫化銀である金属薄膜３０が形 成されている。外筒８と外筒９は、最後に半田で接合される。

【００１６】 金属部材は実施例において使用した銀だけでなく、半田付けしやすい金、カド ミウム、錫、銅、及びこれらを主体とした合金を使用することができる。黒色の 金属薄膜は光アイソレータで用いる光と同じ波長の光を吸収する組成であればよ く、前記硫化銀以外では例えば硫化金（金黒）、黒亜鉛が挙げられる。

【００１７】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように本考案の光アイソレータは、光アイソレータの外 側を構成する金属部材の表面に光を吸収する黒色の薄膜を設けることにより反射 光及び散乱光を防止でき、特性が優れた光アイソレータが提供できる。また、光 アイソレータの外側を黒色処理した金属部材で覆うだけなので、製造が簡単であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用する一実施例の光アイソレータの
断面図。

【図２】本考案を適用する別な実施例の光アイソレータ
の断面図。

【図３】従来の光アイソレータの断面図。

【符号の説明】

１は偏光子、２は検光子、３はファラデー回転子、４は
円筒磁石、５、６はホルダ、７、８、９は外筒、１１、
１２はリング、３０は黒色薄膜、ａは半田である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光の入射端に偏光子、中間にファラデー
   回転子、光の出射端に検光子、及び該ファラデー回転子
   に磁界を印加する磁石が組み込まれた光アイソレータに
   おいて、前記各素子を組み込む金属部材のうち少なくと
   も光の入射端側及び出射端側が黒色の金属部材で形成さ
   れていることを特徴とする光アイソレータ。