JPH0545537U - 磁歪式トルクセンサ - Google Patents

磁歪式トルクセンサ

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JPH0545537U
JPH0545537U JP10424091U JP10424091U JPH0545537U JP H0545537 U JPH0545537 U JP H0545537U JP 10424091 U JP10424091 U JP 10424091U JP 10424091 U JP10424091 U JP 10424091U JP H0545537 U JPH0545537 U JP H0545537U
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洋一 片平
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日本電子機器株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルクセンサにおいて、トルクが零のときで
も直流の出力電圧を得ることができ、トルクを加える方
向の符号判定を行なうと共に、高精度のトルク検出を行
なう。 【構成】 ブリッジ回路21を、磁歪シャフトに加わる
トルクをインダクタンスの変化として検出する検出コイ
ル7,8および調整抵抗22,23により構成する。そ
して、調整抵抗22,23の各抵抗値の関係はR2 ≫R
1 となっているために、該ブリッジ回路21の平衡状態
は崩れる。そして、この崩れにより差動増幅器11,整
流回路24および積分回路15を介して出力される直流
の電圧E´の大小により、トルクの印加方向を検出する
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば自動車用エンジンの出力軸等に発生するトルクを検出するの に好適に用いられる磁歪式トルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速器を備えたオートマチック車等では、例えば自動変速機構による変速 タイミングを適正化するために、プロペラシャフト等にトルクセンサを取付ける ことが提案されている。
【0003】 そこで、図6にこの種の従来技術によるトルクセンサとして、2コイル型の磁 歪式トルクセンサを例に挙げて示す。
【0004】 図中、1は例えばクロムモリブデン鋼等の磁歪材料から形成された磁歪シャフ トを示し、該磁歪シャフト1は例えばプロペラシャフトの途中に設けられるもの で、両端が入力側取付部1A,出力側取付部1Bとなり、これらの中間はスリッ ト溝形成部1Cとなり、該スリット溝形成部1Cの外周には下向き45°,上向 きに45°に刻設したスリット溝2,3とがそれぞれ対向するように設けられて いる。
【0005】 4は前記スリット溝形成部1Cの外周を囲むように一対の軸受5,5を介して 磁歪シャフト1と相対的に回転自在に設けられたコイル固定部材を示し、該コイ ル固定部材4は図示しない車体側に固着して取付けられている。6は前記コイル 固定部材4の内周側に固着されたリング状のコア部材を示し、該コア部材6には 、スリット溝2,3とそれぞれ対向する位置に検出コイル7,8が設けられ、該 検出コイル7,8の自己インダクタンスはL1 ,L2 となっている。
【0006】 次に、図7に2コイル型の磁歪式トルクセンサの回路構成を示し説明する。
【0007】 図7中、9は検出回路としてのブリッジ回路を示し、該ブリッジ回路9は検出 コイル7,8と、該検出コイル7,8の鉄損r1 ,r2 と、前記検出コイル7, 8とそれぞれ対向するように接続された調整抵抗R,Rにより構成され、検出コ イル7,8の接続点aと調整抵抗R,Rの接続点bとの間には、後述する発振器 10が接続され、検出コイル7と調整抵抗Rとの接続点c(一方の出力端)およ び検出コイル8と調整抵抗Rとの接続点d(他方の出力端)は、それぞれ検出コ イル7,8からの出力電圧V1 ,V2 を導出する出力端子となって、当該接続点 c,dは後述する差動増幅器11の入力端子にそれぞれ接続される。
【0008】 次に、検出処理回路について説明する。該検出処理回路は後述する発振器10 ,差動増幅器11,位相調整回路13,検波処理回路14,積分回路15および 増幅回路16から大略構成されている。
【0009】 10は発振回路としての発振器を示し、該発振器10は波高値V0 ,周波数f (例えば30 KHZ)の交流電圧Vを発生するもので、その出力側はブリッジ回路 9の接続点aに接続されると共に、位相調整回路13に接続されている。
【0010】 11は差動増幅回路としての差動増幅器を示し、該差動増幅器11はオペアン プ等により構成され、入力端子には前記ブリッジ回路9の接続点c,dがそれぞ れ接続され、出力電圧V1 ,V2 が入力され、出力端子12は検波処理回路14 に接続され、検出電圧E0 を出力する。そして、検出電圧E0 は図8に示す如く 、トルク零のときには波形B,正のトルクのときには波形C,負のトルクのとき には波形Dのような出力を検波処理回路14に出力する。
【0011】 13は発振器10の出力側に接続された位相調整回路を示し、該位相調整回路 13は磁歪シャフト1にトルクを印加しないときの出力電圧V1 (V2 )の位相 角に同期した位相調整電圧VP (図8および図9の波形A参照)を検波処理回路 14に出力する。
【0012】 14は検波処理回路を示し、該検波処理回路14の入力側にはブリッジ回路9 の出力端子12および位相調整回路13の出力側が接続され、検出電圧E0 およ び位相調整電圧VP が入力される。そして、該検波処理回路14では、位相調整 回路13からの位相調整電圧VP により検出電圧E0 を同期し得られた部分を積 分回路15に出力する(図9の波形C´,D´参照)。なお、前記位相調整回路 13および検波処理回路14により磁歪シャフト1に加わるトルクの符号判定処 理を行なうようになっている。
【0013】 そして、該積分回路15では、この電圧を積分して直流の電圧E、例えば図9 中の一点鎖線で示す特性線E(0),E(+),E(-) として増幅回路16に出力する。 また、該増幅回路16では、積分回路15から入力された電圧Eを増幅して図示 しないコントロールユニットに出力する。
【0014】 このように構成される2コイル型の磁歪式トルクセンサにおいては、検出コイ ル7,8に発振器10の交流電圧Vを印加すると、磁歪シャフト1の表面に磁路 が形成されるが、スリット溝形成部1Cの表面にスリット溝2,3が設けられて いるため、表面磁界による磁路はスリット溝2,3に沿って形成されるようにな る。
【0015】 一方、磁歪シャフト1の入力側取付部1Aに図6に示すような矢示方向(時計 方向)のトルクT(以下「正のトルク」という)を加えたとすると、スリット溝 2には圧縮応力−σが発生し、スリット溝3には引っ張り応力+σが発生する。 そして、磁歪シャフト1に正の磁歪材を用いている場合、引っ張り応力+σによ り透磁率μが増加し、圧縮応力−σにより透磁率μが減少することが知られてい る。
【0016】 然るに、検出コイル7,8においては、それぞれの自己インダクタンスL1 , L2 を、
【0017】
【数1】 ただし、μ:透磁率 N:コイル巻線数 S:磁路断面積 のように算出する。
【0018】 また、ブリッジ回路9において、検出コイル7のL1 ,r1 は調整抵抗Rに、 検出コイル8のL2 ,r2 は調整抵抗Rにそれぞれ直列接続されているから、検 出コイル7,8を流れる電流i1 ,i2 は、
【0019】
【数2】 により算出され、接続点c,dの出力電圧V1 ,V2 は、
【0020】
【数3】 ただし、α1 ,α2 :位相角 により算出される。
【0021】 さらに、差動増幅器11の出力端子12から出力される検出電圧E0 は、
【0022】
【数4】 E0 =A0 ×(V1 −V2 ) ただし、A0 :増幅率 のようになる。
【0023】 かくして、磁歪シャフト1に矢示方向の正のトルクTを加えた場合、スリット 溝2側では圧縮応力−σにより透磁率μが減少するから、該スリット溝2に対向 する検出コイル7の自己 インダクタンスL1 が減少して、該検出コイル7に流 れる電流i1 が増加し、出力電圧V1 が増加する。
【0024】 一方、スリット溝3側では引っ張り応力+σにより透磁率μが増加するから、 該スリット溝3に対向する検出コイル8の自己インダクタンスL2 が増加して、 該検出コイル8を流れる電流i2 は減少し、出力電圧V2 が減少する。
【0025】 そして、ブリッジ回路9から出力される出力電圧V1 ,V2 は前記数式1、数 式3による透磁率μの変化に基づいて位相角α1 ,α2 を生じさせ、差動増幅器 11では、数式4に示すように振幅(電圧値)を変化させ、矢示方向の正のトル クTに比例した検出信号を検出電圧E0 (図8中の波形C)として検波処理回路 14に出力し、該検波処理回路14では、位相調整回路13からの位相調整電圧 VP の正の部分(図9中の検波領域X)に対応した検出電圧E0 の部分を検波し 、図9中の波形C´のようにして積分回路15に出力する。そして、該積分回路 15でこの電圧を積分し、正のトルクTに対応した正の電圧E(+) として増幅回 路16に出力する。
【0026】 一方、磁歪シャフト1に矢示方向と逆方向(反時計方向)のトルクT(以下、 「負のトルク」という)を加えた場合には、検出コイル7に流れる電流i1 が減 少し、検出コイル8に流れる電流i2 が増加するから、前記数式4により差動増 幅器11からは図8の波形Dのような検出電圧E0 が検波処理回路14に出力さ れ、該検波処理回路14では図9中の検波領域Xに対応した部分の検出電圧E0 を検波し、図9中の波形D´のようにして積分回路15に出力する。そして、該 積分回路15を介して、増幅回路16に負のトルクTに対応した負の電圧E(-) を出力する。
【0027】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、磁歪シャフト1に加わるトルクTにより、 発生する応力を検出コイル7,8の自己インダクタンスL1 ,L2 の変化として ブリッジ回路9で検出し、発振器10,差動増幅器11,位相調整回路13,検 波処理回路14,積分回路15および増幅回路16からなる検出処理回路で直流 の電圧EとしてトルクTを検出するものであるから、磁歪シャフト1に加わるト ルクTが正方向か負方向かを判定するために、位相調整回路13および検波処理 回路14を接続しなければならず、符号判定処理の回路構成が複雑になるという 問題がある。
【0028】 また、検波処理回路14では、位相調整回路13から出力される位相調整電圧 VP により検波領域Xを設定するが、このとき検波処理回路14内ではトリガ的 な信号となるため、検波処理中にスパイクノイズが発生し易くなり、回路精度を 低下させる。さらに、従来技術では、磁歪シャフト1にトルクを印加した場合に 前記数式3に示すように発生する位相角α1 ,α2 を無視して検出していた。こ れらの理由により、トルクの検出精度が低下するという問題がある。
【0029】 本考案は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本考案は簡単な回路 構成で高精度のトルク検出を行なうことができる磁歪式トルクセンサを提供する ことを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、第1の考案が採用する構成の特徴は、検出回 路を各検出コイルおよび抵抗からなるブリッジ回路とし、該ブリッジ回路の少な くとも1辺が他の辺のインピーダンスと異なるように構成し、検出処理回路を前 記ブリッジ回路に交流電圧を印加する発振回路と、前記ブリッジ回路からの各検 出コイルからの検出信号に基づいて差動増幅して出力信号を出力する差動増幅回 路と、該差動増幅回路からの出力信号を整流して出力する整流回路とから構成し たことにある。
【0031】 また、第2の考案が採用する構成の特徴は、検出回路を各検出コイルおよび抵 抗からなるブリッジ回路とし、該ブリッジ回路と検出処理回路との間に、該ブリ ッジ回路からの一方の出力端に一方の検出信号を増幅する増幅回路を設けるよう に構成し、前記検出処理回路を前記ブリッジ回路に交流電圧を印加する発振回路 と、前記増幅回路から出力された一方の検出信号と前記ブリッジ回路からの他方 の出力端からの検出信号とを差動増幅して出力信号を出力する差動増幅回路と、 該差動増幅回路からの出力信号を整流して出力する整流回路とから構成したこと にある。
【0032】
【作用】
上記構成により、ブリッジ回路の平衡を崩すことができ、磁歪シャフトに加わ るトルクが零,正方向および負方向の場合でも、整流回路から出力される出力信 号を正方向または負方向の直流の電気信号として出力することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図1ないし図5に基づき説明する。なお、実施例では 前述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも のとする。
【0034】 まず、本考案の第1の実施例を図1ないし図3に示し説明する。
【0035】 図中、21は本実施例による検出回路としてのブリッジ回路を示し、該ブリッ ジ回路21は従来技術に述べたブリッジ回路9とほぼ同様に構成され、該ブリッ ジ回路21は検出コイル7,8と、該検出コイル7,8の鉄損r1 ,r2 と、前 記検出コイル7と対向するように接続された抵抗値R1 を有する調整抵抗22と 、前記検出コイル8と対向するように接続された抵抗値R2 (≫R1 )を有する 調整抵抗23とから構成されているものの、調整抵抗22,23の各抵抗値の関 係はR2 ≫R1 となっているために、該ブリッジ回路21の平衡を崩すように構 成されている。
【0036】 そして、検出コイル7,8の接続点aと調整抵抗22,23の接続点bとの間 には、発振器10が接続され、検出コイル7と調整抵抗22との接続点c(一方 の出力端)および検出コイル8と調整抵抗23との接続点d(他方の出力端)は 、それぞれ検出コイル7,8からの出力電圧V1 ´,V2 ´を導出する出力端子 となって、当該接続点c,dは差動増幅器11の入力端子にそれぞれ接続されて いる。
【0037】 さらに、差動増幅器11に入力される出力電圧V1 ´,V2 ´はブリッジ回路 21の平衡が崩れているため、磁歪シャフト1へのトルクの印加に拘らず常にV 1 ´>V2 ´の関係を満たすようになる。このため、差動増幅器11の出力端子 12から出力される検出電圧E0 ´は、磁歪シャフト1にトルクを加えない場合 において、出力端子12からは図2中の波形Gに示すような波高値VG0,周波数 fの正弦波を出力する。また、磁歪シャフト1に正のトルクを加えた場合には、 V1 ´≫V2 ´となり、波形Hに示すような波高値VH0(>VG0),周波数fの 正弦波を出力する。さらに、磁歪シャフト1に負のトルクを加えた場合でも、V 1 ´>V2 ´となり、波形Lに示すような波高値VL0(<VG0),周波数fの正 弦波を出力する。
【0038】 なお、ブリッジ回路21の調整抵抗22,23の抵抗値R1 ,R2 は、ブリッ ジ回路21の接続点c,dから差動増幅器11に出力される検出電圧V1 ´,V 2 ´の差、即ち検出電圧E0 ´が、磁歪シャフト1に加えるトルクを零、正方向 または負方向の場合でも、波形G,H,Lに示すように波形が同相で反転しない ように設定されている。
【0039】 24は差動増幅器11の出力端子12に接続された全波整流回路としての整流 回路を示し、該整流回路24は出力端子12から出力される検出電圧E0 ´を整 流して積分回路15および増幅回路16に出力する。
【0040】 ここで、整流回路24は図2に示すような波形G,H,Lを図3に示すような 電圧が零の軸で正方向に折曲げるような波形G´,H´,L´に変換すもので、 トルク零の場合には、波形Gを波形G´に、正のトルクの場合には、波形Hを波 形H´に、負のトルクの場合には、波形Lを波形L´にそれぞれ変換する。
【0041】 そして、この波形G´,H´,L´は積分回路15により積分されるから、該 積分回路15から出力される直流の電圧E´は、トルク零の場合には波形G´の 実効値となる直流の電圧EG (基準電圧ΔV)に、正のトルクの場合には波形H ´の実効値となる直流の電圧EH に、負のトルクの場合には波形L´の実効値と なる直流の電圧EL に変換し、それぞれ増幅回路16に出力する。
【0042】 かくして、本実施例においては、ブリッジ回路21の平衡の崩れを検出コイル 7,8に対向するように接続された調整抵抗22,23の抵抗値(R1 ,R2 ) の差を大きくすることによって行ない。このブリッジ回路21の平衡の崩れによ り、磁歪シャフト1に加えるトルクを零、正方向または負方向の場合であっても 、積分回路15から出力される直流の電圧E´(EG ,EH ,EL )は必ず正の 電圧となるから、従来技術のように位相調整回路13および検波処理回路14を 用いることなく、電圧E´の基準電圧ΔVに対する大小で磁歪シャフト1に加え るトルクの正方向,負方向を判定することができ、従来検出処理回路に接続され ていた符号判定処理としての位相調整回路13および検波処理回路14等の複雑 な回路構成を不要にでき、大幅なコスト低減を図れる。
【0043】 さらに、従来トルク零のときに行なっていたブリッジ回路の平衡状態の調整を 行なう初期設定の必要がなくなり、調整抵抗の微調整を廃止することができ、初 期設定を容易にできる。
【0044】 また、位相調整回路13および検波処理回路14を廃止することにより、従来 発生していたスパイクノイズを防止できると共に、トルクの大きさによる前記数 式3に示す位相角α1 ,α2 の位相差の影響を防止し、トルクの高精度検出を行 なうことができる。
【0045】 さらに、25は電圧補正回路を示し、該電圧補正回路25は補正電圧−ΔVを 発生する直流電圧発生器により構成され、該電圧補正回路25は積分回路15と 増幅回路16との間に接続された加算回路26を介して電圧E´に補正電圧−Δ Vを加算することにより、従来技術と同様にトルク零の場合には電圧E´は零に 、正のトルクを磁歪シャフト1に加えた場合には正の電圧E´に、負のトルクを 磁歪シャフト1に加えた場合には負の電圧E´にそれぞれ変換し、この電圧E´ を増幅回路16にそれぞれ入力するようにしている。
【0046】 これにより、図3に示す如く、トルク零のときの電圧EG に補正電圧−ΔVを 加算して零電圧のグランドラインとし、正のトルクのときには電圧EH を正の電 圧EH ´(=EH −ΔV)に、負のトルクのときには電圧EL を負の電圧EL ´ (=EL −ΔV)に変換し、トルクの加わる方向を正負の関係で容易に判別でき るようにしている。
【0047】 次に、第2の実施例を図4に基づいて説明するに、本実施例の特徴はブリッジ 回路を構成する各検出コイルの自己インダクタンスの差を大きくすることにより 、該ブリッジ回路の平衡を崩すようにしたことにある。なお、前記第1の実施例 と同様の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0048】 図中、31は本実施例によるブリッジ回路を示し、該ブリッジ回路31は従来 技術に述べたブリッジ回路9とほぼ同様に構成されているものの、該ブリッジ回 路31はインダクタンスL3 ,鉄損r3 を有する検出コイル32と、インダクタ ンスL4 (≫L3 ),鉄損r4 (≫r3 )を有する検出コイル33と、前記検出 コイル32,33とそれぞれ対向するように接続された調整抵抗R,Rにより構 成され、検出コイル32,33の接続点aと調整抵抗R,Rの接続点bとの間に は、発振器10が接続され、検出コイル32と調整抵抗Rとの接続点c(一方の 出力端)および検出コイル33と調整抵抗Rとの接続点d(他方の出力端)は、 それぞれ検出コイル32,33のインピーダンスの変化による出力電圧V1 ´, V2 ´を導出する出力端子となって、当該接続点c,dは差動増幅器11の入力 端子にそれぞれ接続される。そして、検出コイル32,33のインダクタンスの 関係はL4 ≫L3 となっているため、該ブリッジ回路31は平衡状態を崩すよう に構成され、常にV1 ´>V2 ´の関係にある電圧が接続点c,dから差動増幅 器11に入力される。
【0049】 なお、検出コイル32,33のインダクタンスL3 ,L4 および鉄損r3 ,r 4 を異なる値にする方法としては、コイルの巻き数を変えるか、巻線の太さを変 える等により行なうことができる。
【0050】 従って、本実施例によるブリッジ回路31は前記第1の実施例で述べた如く、 検出処理回路では図2および図3に示すような波形を得ることができ、トルクの 印加方向の分かるトルク検出を行なうことができる。
【0051】 かくして、本実施例においても、前述した第1の実施例と同様に複雑な符号判 定処理の回路を廃止することができると共に、トルクの高精度検出を可能にし、 第1の実施例と同様の効果を奏する。
【0052】 なお、前記第2の実施例では、電圧補正回路25を接続しない場合について説 明したが、第1の実施例のように電圧補正回路25を加算回路26を介して積分 回路15の出力側に接続するようにしてもよい。
【0053】 また、前記各実施例では、トルクが零のときに、ブリッジ回路21,31の平 衡のずれを、整流回路24,積分回路15を介して出力される直流の電圧E´が 正の電圧となるように設定したが、本考案はこれに限らず、直流の電圧E´が負 の電圧を出力するようにブリッジ回路21,31の平衡を崩すように設定しても よく。また、この場合には、電圧補正回路25から出力される補正電圧はΔVを 加算するようにすればよい。
【0054】 さらに、ブリッジ回路の平衡を崩す方法として、従来技術のように平衡状態に あるブリッジ回路の場合には、一対の調整抵抗Rまたは検出コイルの少なくとも いずれかに分流抵抗または分圧抵抗を接続して平衡を崩すようにしてもよく、こ の場合にはブリッジ回路の平衡を簡単に崩すことができる。
【0055】 次に、第3の実施例を図5に示し説明するに、本実施例の特徴は、平衡状態に あるブリッジ回路の一方の出力端に増幅回路を接続し、差動増幅器に入力される 前記ブリッジ回路からの各検出電圧に差を生じさせ、見かけ上ブリッジ回路の平 衡を崩すようにしたことにある。
【0056】 図中、41はブリッジ回路9の一方の出力端となる接続点cと差動増幅器11 の非反転端子との間に接続されたブリッジ用増幅回路を示し、該ブリッジ用増幅 回路41はブリッジ回路9で検出された出力電圧V1 をβ倍に増幅し、差動増幅 器11の非反転端子に出力電圧V1 ´として出力する。
【0057】 これにより、ブリッジ回路9から検出される検出電圧V1 ´,V2 ´をトルク 零のときでもV1 ´>V2 ´となるようにできるから、見かけ上ブリッジ回路9 の平衡を崩すようする。
【0058】 そして、前記各実施例と同様に本実施例においても、前記第1の実施例で述べ た如く、検出処理回路では図2および図3に示すような波形を得ることができ、 トルクの印加方向の分かるトルク検出を行なうことができる。
【0059】 かくして、本実施例においても、前記各実施例と同様の作用効果を得ることが でき、さらに本実施例では、従来技術のブリッジ回路9にブリッジ用増幅回路4 1を接続するだけで、位相調整回路13および検波処理回路14を容易に廃止で きる。
【0060】 なお、前記第3の実施例では、ブリッジ用増幅回路41を接続点cと差動増幅 器12の非反転端子との間に接続するようにしたが、本考案はこれに限らず、接 続点dと反転端子との間に接続するようにしてもよく、この場合には、積分回路 15から出力される直流の電圧Eは負の電圧として出力するようになる。
【0061】 また、前記第3の実施例においても、第1の実施例のように電圧補正回路25 を接続するようにして、電圧E´をトルクの印加方向により正負の方向に出力す るようにしてもよい。
【0062】 さらに、前記各実施例では2コイル式のトルクセンサについて説明したが、本 考案はこれに限らず、4コイル式のトルクセンサに用いてもよい。
【0063】
【考案の効果】
以上詳述した如く、本考案によれば、検出回路となるブリッジ回路の平衡状態 を崩すようにし、検出処理回路を前記ブリッジ回路に交流電圧を印加する発振回 路と、前記ブリッジ回路からの信号に基づいて検出信号を出力する差動増幅回路 と、該差動増幅回路からの出力信号を整流する整流回路とから構成したから、整 流回路から出力されるトルクに対応した直流電圧は常に同位相(正または負)の 電圧となるから、トルクの加わる方向の符号判定処理を容易に行なうことができ 、従来必要であった複雑な回路構成となる位相調整回路および検波処理回路を廃 止することができる。そして、トルクの高精度検出を行なうと共に、大幅なコス ト低減を図ることができる。
【0064】 また、本考案によれば、ブリッジ回路からの一方の出力端に一方の検出信号を 増幅する増幅回路を設けるように構成することにより、見かけ上前記ブリッジ回 路の平衡状態を崩すようにしても、前述した如く、トルクの加わる方向の符号判 定処理を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例による磁歪式トルクセン
サのブリッジ回路および検出処理回路を示す回路構成図
である。
【図2】第1の実施例による差動増幅器から出力される
トルク零,正のトルク,負のトルクのときの検出電圧の
波形を示す波形図である。
【図3】第1の実施例による整流回路から出力されるト
ルク零,正のトルク,負のトルクのときの波形および積
分回路から出力されるトルク零,正のトルク,負のトル
クのときの波形を示す波形図である。
【図4】本考案の第2の実施例による磁歪式トルクセン
サのブリッジ回路および検出処理回路を示す回路構成図
である。
【図5】本考案の第3の実施例による磁歪式トルクセン
サのブリッジ回路および検出処理回路を示す回路構成図
である。
【図6】従来技術による磁歪式トルクセンサの構成図で
ある。
【図7】従来技術による検出回路および検出処理回路を
示す回路構成図である。
【図8】従来技術によるトルクが零のときの位相調整回
路から出力される位相調整電圧および差動増幅器から出
力されるトルク零,正のトルク,負のトルクのときの検
出電圧の波形を示す波形図である。
【図9】従来技術によるトルクが零のときの位相調整回
路から出力される位相調整電圧および検波処理回路から
出力されるトルク零,正のトルク,負のトルクのときの
波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 磁歪シャフト 4,8,32,33 検出コイル 9,21,31 ブリッジ回路 10 発振器(発振回路) 11 差動増幅器(差動増幅回路) 15 積分回路 16 増幅回路 22,23 調整抵抗 24 整流回路 25 電圧補正回路 26 加算回路 41 ブリッジ用増幅回路

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁歪シャフトと、該磁歪シャフトの外周
    側に設けられた少なくとも一対の検出コイルと、該各検
    出コイルからのインダクタンスの変化により前記磁歪シ
    ャフトにかかるトルクを検出する検出回路と、該検出回
    路からの信号に基づきトルクを電気信号に変換する検出
    処理回路とからなる磁歪式トルクセンサにおいて、前記
    検出回路を前記各検出コイルおよび抵抗からなるブリッ
    ジ回路とし、該ブリッジ回路の少なくとも1辺が他の辺
    のインピーダンスと異なるように構成し、前記検出処理
    回路を前記ブリッジ回路に交流電圧を印加する発振回路
    と、前記ブリッジ回路からの各検出コイルからの検出信
    号に基づいて差動増幅して出力信号を出力する差動増幅
    回路と、該差動増幅回路からの出力信号を整流して出力
    する整流回路とから構成したことを特徴とする磁歪式ト
    ルクセンサ。
  2. 【請求項2】 磁歪シャフトと、該磁歪シャフトの外周
    側に設けられた少なくとも一対の検出コイルと、該各検
    出コイルからのインダクタンスの変化により前記磁歪シ
    ャフトにかかるトルクを検出する検出回路と、該検出回
    路からの信号に基づきトルクを電気信号に変換する検出
    処理回路とからなる磁歪式トルクセンサにおいて、前記
    検出回路を前記各検出コイルおよび抵抗からなるブリッ
    ジ回路とし、該ブリッジ回路と検出処理回路との間に、
    該ブリッジ回路からの一方の出力端に一方の検出信号を
    増幅する増幅回路を設けるように構成し、前記検出処理
    回路を前記ブリッジ回路に交流電圧を印加する発振回路
    と、前記増幅回路から出力された一方の検出信号と前記
    ブリッジ回路からの他方の出力端からの検出信号とを差
    動増幅して出力信号を出力する差動増幅回路と、該差動
    増幅回路からの出力信号を整流して出力する整流回路と
    から構成したことを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
JP10424091U 1991-11-22 1991-11-22 磁歪式トルクセンサ Pending JPH0545537U (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10983019B2 (en) 2019-01-10 2021-04-20 Ka Group Ag Magnetoelastic type torque sensor with temperature dependent error compensation
US11486776B2 (en) 2016-12-12 2022-11-01 Kongsberg Inc. Dual-band magnetoelastic torque sensor
US11821763B2 (en) 2016-05-17 2023-11-21 Kongsberg Inc. System, method and object for high accuracy magnetic position sensing
US12025521B2 (en) 2020-02-11 2024-07-02 Brp Megatech Industries Inc. Magnetoelastic torque sensor with local measurement of ambient magnetic field

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