JPH0545512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はキヤツプの着脱による軸筒表面の損傷
や印刷、塗装等の剥離を防止し得るキヤツプ式筆
記具に関する。

（従来の技術） 従来、筆記具の高級化のために、軸筒表面にシ
ルク印刷による柄付けや、塗装による多色塗装等
が施されている。然しながら特にキヤツプ式筆記
具では、そのキヤツプの着脱により軸筒表面の印
刷や塗装が傷つけられ剥離する等の事故が生ずる
問題点がある。斯る問題点を解決する従来の手段
は、キヤツプの開口端縁に面取りを施したり、印
刷又は塗装の膜を厚くしたりするものであつた。
斯る手段に依ればキヤツプの開口端縁による軸筒
表面への損傷を一応防止できる効果はある。とこ
ろがキヤツプの着脱によつて軸筒表面を損傷させ
るものはキヤツプの開口端縁に限らずキヤツプの
内面も同様である。特にキヤツプの外面を塗装し
た様な場合はその塗料が内面にも回り込んで付着
しその塗料による凹凸が生じ、この凹凸とキヤツ
プ内面素地の凹凸が相俟つて軸筒表面を損傷させ
又は印刷や塗装膜を剥離させることが多かつた。
又金属製のキヤツプの場合はその内面の表面処理
が不完全であると腐蝕が起りその腐蝕による凹凸
が生じて一層軸筒表面を損傷しやすい傾向があ
る。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案の目的は、キヤツプの着脱によつて軸筒
表面が損傷したり又は印刷や塗装膜が剥離するこ
とがなく、然も同時にキヤツプ内面の腐蝕を防止
し得る新たなキヤツプ式筆記具を提供することで
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出された本願のキ
ヤツプ式筆記具は、筆記具の軸筒に着脱自在なキ
ヤツプ内面に潤滑剤を塗布したことを特徴として
成るものである。

（実施例） 図は本考案の一実施例を示したものである。第
１図はキヤツプ１の縦断面図であり、該キヤツプ
１は外筒２と内筒３とから成り、その中の金属製
外筒２の内面の塗装膜（図示せず）の表面に更に
シリコンオイル等の不揮撥性潤滑剤が塗布された
ものである。図中４が潤滑剤塗布膜である。第２
図は筆記具軸筒５の先端部にキヤツプ１を着装し
た状態を示すもので、外筒２の内面に薄く塗布さ
れた潤滑剤（第２図及び第３図では潤滑剤塗布膜
４は図示せず）が軸筒５の握り部５ａには付着し
ない構造が採られ、従つて筆記時に滑りやすくな
るという支障はない。第３図は軸筒５の後端部に
於けるキヤツプ１の着脱時に、キヤツプ１の内面
と軸筒５の塗装された表面とが接触した状態を示
すもので、キヤツプ１の内面と軸筒５の表面とは
潤滑剤を介して接触するので両者の摩擦は極めて
小さく軸筒５の表面が傷つけられたり塗装膜が剥
離されたりする事故が消失する。尚、キヤツプ１
はその開口端縁にも勿論面取りが施されている。

（作用及び効果） 本考案は以上の如く構成され、キヤツプ内面に
塗布した潤滑剤によつてキヤツプ内面と軸筒表面
との摩擦係数が低下して両者が滑らかに触れ合
い、よつて軸筒表面の損傷や、又印刷もしくは塗
装時の膜の剥離も防止でき軸筒表面を長く美麗に
維持できる作用効果がある。又キヤツプ内面の表
面処理が不完全であつたりすると腐蝕をまねく原
因ともなつていたが、本考案の潤滑剤の塗布膜は
この腐蝕防止にも大きな役割を果たせるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示したもので、第１図
はキヤツプの縦断面図、第２図は軸筒の先端部に
キヤツプが着装した状態の一部を断面とした側面
図、第３図は軸筒の後端部に於けるキヤツプの着
脱時にキヤツプ内面と軸筒表面とが接触した状態
の一部を断面とした側面図である。 １……キヤツプ、２……外筒、３……内筒、４
……潤滑剤塗布膜、５……軸筒、５ａ……軸筒の
握り部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筆記具の軸筒に着脱自在なキヤツプ内面に潤滑
   剤を塗布したことを特徴とするキヤツプ式筆記
   具。