JPH0545300B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は被破砕物排出口の開度の自動セツト調
整機構を有する安全装置付破砕機に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来破砕機のスイングヂヨーに掛かる設定圧力
のセツト調整は、第７図の如くトツグルブロツク
ａの後部と、フレームｂ間に所要巾の間〓を設
け、該間〓にセツチング調整用シム板ｃを挿入す
る方法が実施され、又第８図の如く、本発明と同
一出願人による実願昭52−2417号（実公昭57−
2038号）に示すスイングヂヨーｅの後面下部と搖
動自在のトツグルブロツクｆ間に設けたトツグル
プレートｇを介し、油圧シリンダーｈに連結した
方法が開示されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、前記の従来の技術において、前者はセ
ツチング調整用シム板の取付時、トツグルブロツ
クａの固定ボルトのユルメ、締付け、或いはテン
シヨンスプリングｉの調整及びトツグルプレート
ｊの交換等に多大の労力と時間を要し、後者は被
破砕物の剛さ及び大きさにより破砕時に発生する
荷重の変化がトツグルプレートｊを介して刻々油
圧シリンダーｈに伝達するため、シリンダーの作
動によつて破砕機の各部が振動する等の問題点が
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はアジヤスト用油圧シリンダーと破砕反
力の一部を保持する機構を別々に装備するか、又
はアジヤスト用油圧シリンダーと破砕反力の一部
を保持する機構を兼用して装備した安全装置付破
砕機で、以下その構成を図によつて説明する。

第１図、第２図は本発明による破砕機の基本的
構成を示すもので、破砕機本体１内には、前面に
動歯２を設けたスイングヂヨー３が、該本体１の
両側壁４，４の上部に架設した偏心軸５に搖動自
在に挿嵌され、固定歯６は、前記動歯２に対応し
て本体１の前壁７に固定している。

スイングヂヨー３の背面下部には摺動凹溝を有
するトツグルシート８を設け、本体１の後下部に
固定したブロツク９の前端上部に、前面中間部に
摺動凹溝を有するトツグルシート１０を設けたト
ツグルブロツク１１を設け、トツグルシート８，
１０間に両端が夫々トツグルシート８，１０内で
摺動自在にトツグルプレート１２を挿入設置する
状態でピン１３により回転自在に軸設し、トツグ
ルブロツク１１の上端部間に軸１４を架設する。

破砕時において、スイングヂヨー３に掛かる圧
力により被破砕物排出口１５が通常の開度範囲内
で作動するアジヤスト用油圧シリンダー１６より
なる自動セツト調整機構１７を設け、設定圧力の
範囲内では、シリンダーロツド１８とスリーブ１
９との締りばめにより任意の位置においてロツド
１８を固定して荷重を保持し、（第３図参照）設
定した保持荷重を超える圧力が加わつた場合、シ
リンダーロツド１８がスリーブ１９内面を滑つて
動きシリンダーロツド１８を任意の位置まで後退
可能な（第４図参照）油圧アクチユエーター２０
〔例えばヤマナカ鉄工株式会社製のベアロツク
（商品名）〕による安全装置２１をブロツク９の後
方に固定し、シリンダーロツド１８の先端に嵌着
した接続金具２２を前記トツグルブロツク１１，
１１間に架設した軸１４の中央部に、該軸１４に
対し回動自在に装着すると共に、スイングヂヨー
３とブロツク１１，１１間をスプリング２３，２
３により、常にスイングヂヨー３が前方に押圧さ
れる如く槓杆２４，２４により連結して本発明の
自動セツト調整を有する安全装置付破砕機Ａを構
成する。

（作用） スイングヂヨー３は、頂部の偏心軸５の回転と
下端部に取付けられたトツグルプレート１２の搖
動との総合運動により、複雑な形となつており、
スイングヂヨー３の下端部においては、その動き
が破砕状態に従つて圧縮応力のみならず、剪断、
曲げその他の応力が発生する。

これ等の応力をスイングヂヨー３が受圧し、ト
ツグルプレート１２に伝わり、更にトツグルブロ
ツク１１，１１、ピン１３、油圧アクチユエータ
ー２０の接続金具２２に嵌設する軸１４によつて
構成されたリンク機構部に伝達される。

このリンク機構部はトツグルプレート１２と、
トツグルブロツク１１，１１間が摺動可能でトツ
グルブロツク１１，１１の一端がブロツク９にピ
ン１３により回動自在に支持され、他端が軸１４
によつてシリンダーロツド１８の先端に嵌設され
た接続金具２２に回転自在に連結されているの
で、トツグルプレート１２は伝達される様々な応
力の内、曲げ応力等をリング機構部にて吸収除去
し、油圧アクチユエーター２０には軸方向の荷重
のみが加わることになる。

破砕時において自動セツト調整機構１７のアジ
ヤスト用油圧シリンダー１６を通常の被破砕物を
破砕する場合の設定圧力に調整しておけば、設定
圧力範囲内における圧力の変化に対し、油圧アク
チユエーター２０のシリンダーロツド１８は、該
ロツド１８とスリーブ１９の摩擦力によつて任意
の位置に保持されて破砕物排出口１５の開度は安
定した状態で維持するもので、自動セツト調整
は、安全装置２１が働いて自動セツト調整機構１
７が開き、任意の位置まで開くとリミツトスイツ
チ（図示を略す）が働いて油圧ユニツト（破砕機
とは別に設ける）を自動的に操作させる。

油圧アクチユエーター２０のスリーブ１９とシ
リンダーロツド１８の間に圧油を流入させて、ス
リーブ１９とシリンダーロツド１８間の摩擦力を
少なくして、シリンダーロツド１８を小さな力の
作用で動くようにする。

アジヤスト用油圧シリンダー１６に油を流入し
てシリンダーロツド１８を動かすと、トツグルブ
ロツク１１が動いてトツグルプレート１２を介し
てスイングヂヨー３が動き自動セツト調整機構１
７が開閉する。

必要なセツトに調整した後、アジヤスト用油圧
シリンダー１６への油の流入を止めて油圧アクチ
ユエーター２０のスリーブ１９とシリンダーロツ
ド１８の間に入つている圧油を排油させて、スリ
ーブ１９とシリンダーロツド１８の摩擦力を元に
戻す。

即ち設定した圧力を超える荷重がトツグルプレ
ート１２に掛かつた場合は、安全装置２１が働い
て、自動セツト調整機構１７が開き、シリンダー
ロツド１８が後退し、後退分に応じてスイングヂ
ヨー３が固定歯６に対して後退し、固定歯６と動
歯２の間〓が拡大して破砕困難な異物が破砕物排
出口１５を通過し、異状負荷は軽減され、異物の
通過後、シリンダーロツド１８を前進させて、再
び原位置に戻して、油圧アクチユエーター２０の
アンロツクポート２５を通して圧油を抜くとスリ
ーブ１９が縮んで、スリーブ１９とシリンダーロ
ツド１８の摩擦力は元に戻り、保持機能を回復す
ると同時にスイングヂヨー３は元の位置に復帰す
るので、トツグルプレート１２の折損や、破砕機
本体１の破損を防止することが出来、又油圧アク
チユエーター２０に掛かる異状荷重は軸方向のみ
であるからシリンダーロツド１８の移動は円滑に
行われ、油圧アクチユエーター２０自体の破損を
防止出来るものである。

（効果） 叙述の如き構成及び作用を有する本発明は、油
圧シリンダーによる自動セツト調整機構により、
破砕時におけるスイングヂヨーに掛かる設定圧力
範囲を調整し、該油圧シリンダーに連動する油圧
アクチユエーターよりなる安全装置により前記設
定圧力範囲内の圧力に応じて該アクチユエーター
のシリンダーロツドの移動をスリーブとの摩擦力
により任意位置にロツクするので、スイングヂヨ
ーは安定した状態で維持され、破砕困難な異物に
より異状荷重が発生し、スイングヂヨーがこれを
受圧したときは、シリンダーロツドとスリーブ間
のロツクは解除され、ロツドが後退して破砕物排
出口を拡開するので、トツグルプレートの折損や
破砕機本体、自動セツト調整機構及び安全装置の
破損が防止される等の優れた効果を有するもので
ある。

（実施例） 第５図及び第６図は、本発明の一実施例を示す
もので、破砕機本体３１内には、前面に動歯３２
を固着し、背面下部に摺動凹溝を有するトツグル
シート３３を設けたスイングヂヨー３４が、該本
体３１の両側壁３５，３５の上部に架設した偏心
軸３６に搖動自在に挿嵌され、固定歯３７は前記
動歯３２に対応して本体３１の前壁３８に固定し
ている。

直方体状で前面に摺動凹溝を有するトツグルプ
レート３９を設けたトツグルブロツク４０は、ス
イングヂヨー３４に対応してその後方に、前倒傾
斜した状態で本体３１に設けた摺動枠台４１内に
前後方に摺動可能に挾持し、該トツグルブロツク
４０の背面両側に接続金具４２，４２を介してト
ツグルブロツク前後用の油圧シリンダー４３，４
３のロツド側を搖動自在に軸設し、該シリンダー
４３，４３の後端部を後に述べる後壁ブロツク体
４４に回動自在に取付けると共に、スイングヂヨ
ー３４のトツグルシート３３とトツグルブロツク
４０のトツグルシート３９間に、両端部が夫々該
シート３３，３９内で摺動自在にトツグルプレー
ト４５を挿入設置し、スイングヂヨー３４とトツ
グルブロツク４０間をスプリング４７，４７によ
り常にスイングヂヨー３４が前方に押圧される如
く槓杆４８，４８により連結する。

本体３１に、前面４９を垂直面とした後壁ブロ
ツク体４４を垂設し、トツグルブロツク４０の背
面５０と、後壁ブロツク体４４の前面４９間に上
下方向に摺動可能に挾入した前面５１をトツグル
ブロツク４０の背面５０に対応する傾斜面とし、
背面５２を後壁ブロツク体４４の前面４９に対応
する垂直面としたアジヤストブロツク５３は、上
面両側に接続金具５４，５４を介してアジヤスト
ブロツク上下用の油圧シリンダー５５，５５のロ
ツド側を摺動自在に軸設すると共に、該シリンダ
ー５５，５５を垂直に起立して他側を本体３１上
部に回動自在に取付け、破砕時においてスイング
ヂヨー３４に掛かる圧力により破砕物排出口５６
が通常の開度範囲内で作動する油圧シリンダー４
３，４３及び５５，５５よりなる自動セツト調整
機構５７を構成すると共に、アジヤストブロツク
５３の中央部に前記破砕機Ａに使用した油圧アク
チユエーター２０と同一機能を有する油圧アクチ
ユエーター２０′（第３図、第４図参照）による
安全装置５８の上端部を固定し、該アクチユエー
ター２０′を略垂直にして下端部をブロツク４６
に搖動自在に軸着して本発明の一実施例による自
動セツト調整機構を有する安全装置付破砕機
A′を構成する。

次に上記破砕機A′の作用について説明すると、
破砕作動時においてスイングヂヨーが受圧する応
力は、トツグルプレート４５を介してトツグルブ
ロツク４０に伝わる。

自動セツト調整機構５７の油圧シリンダー４
３，４３及び５５，５５を通常の破砕物を破砕す
る場合の設定圧力に調整しておけば、該設定圧力
範囲内における圧力の変動に対し、安全装置５８
の油圧アクチユエーター２０′のシリンダーロツ
ド１８とスリーブ１９の摩擦力によつて任意の位
置に保持されて、破砕物排出口５６の開度は安定
した状態で維持される。

動歯３２と固定軸３７間に破砕困難な異物等を
噛み込んでトツグルプレート４５に設定した圧力
を超える荷重が掛かつた場合は、油圧アクチユエ
ーター２０′のシリンダーロツド１８がスリーブ
１９内面を滑つて動き任意の位置まで後退し、後
退分に応じたスイングヂヨー３４が固定歯３７よ
り離れて動歯３２と固定歯３７の間〓が拡大して
破砕困難な異物は破砕物排出口５６を通過して異
状負荷は取り除かれ異物の通過後、油圧シリンダ
ー４３，４３及び５５，５５を利用して再び原位
置までシリンダーロツド１８を復帰させて油圧ア
クチユエーター２０′のアンロツクポート２５を
通して圧油を抜くとスリーブ１９が縮んで保持機
能を回復すると同時にスイングヂヨー３４は元の
位置に復帰するので、トツグルプレート４５の折
損や、破砕機本体３１の破損は防止出来、油圧ア
クチユエーター２０′にかかる異状荷重は軸方向
のみであるから、シリンダーロツド１８の移動は
円滑に行われ、該アクチユエーター２０′自体の
破損も防止出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は夫々本発明の平面及び正面の
概略図、第３図、第４図は安全装置用の油圧アク
チユエーターの要部を示し、第３図はシリンダー
ロツドをスリーブで保持した状態、第４図は解除
した状態の作用図、第５図、第６図は夫々実施例
による本発明の正面概略図及び要部斜視図、第７
図、第８図は夫々従来技術による破砕機の概略図
を示す。 Ａ…本発明の破砕機、１…破砕機本体、３…ス
イングヂヨー、５…偏心軸、８…トツグルシー
ト、１０…トツグルシート、１１…トツグルブロ
ツク、１２…トツグルプレート、１５…破砕物排
出口、１６…アジヤスト用油圧シリンダー、１７
…自動セツト調整機構、１８…シリンダーロツ
ド、１９…スリーブ、２０…油圧アクチユエータ
ー、２１…安全装置、２５…アンロツクポート、
A′…本発明の一実施例による破砕機、３１…破
砕機本体、３３…トツグルシート、３４…スイン
グヂヨー、３６…偏心軸、３９…トツグルシー
ト、４０…トツグルブロツク、４３…油圧シリン
ダー、４５…トツグルプレート、５３…アジヤス
トブロツク、５５…油圧シリンダー、５７…自動
セツト調整機構、５８…安全装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 箱形の破砕機本体の上部に設けた偏心軸に、
   前面に動歯を有するスイングヂヨーを搖動自在に
   軸設し、前記の破砕機本体の前壁に、該動歯に対
   応して固定歯を設けると共に、スイングヂヨーの
   後面下部とトツグルプレートを介して設けたトツ
   グルブロツクに取付けたスリーブとシリンダーロ
   ツドとの特殊材料の締りばめを利用した摩擦力を
   有する油圧アクチユエーターとアジヤスト用油圧
   シリンダーの圧力変化によつて、破砕機の出口開
   度を自動的にセツトすると共に、設定した摩擦力
   を超える荷重が加わつた時は、油圧とは関係な
   く、シリンダーロツドがスリーブ内面を滑つて動
   き、ロツドを任意の位置まで後退させ出口開度を
   拡開し、安全装置の役目をする自動セツト調整機
   構を有する安全装置付破砕機。