JPH0545142B2 - - Google Patents

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JPH0545142B2
JPH0545142B2 JP16757685A JP16757685A JPH0545142B2 JP H0545142 B2 JPH0545142 B2 JP H0545142B2 JP 16757685 A JP16757685 A JP 16757685A JP 16757685 A JP16757685 A JP 16757685A JP H0545142 B2 JPH0545142 B2 JP H0545142B2
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Makoto Hayashi
Masahiro Ootaka
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は金属構造部材に発生したき裂を検出す
るき裂検出技術に係り、得に貫通き裂位置と長さ
をオンラインで精度よく検出するのに好適な方法
に関する。
〔発明の背景〕
従来のポテンシヤル法によるき裂検出法として
はいわゆる4端子法と呼ばれるものがある。それ
は一対の給電端子とその内側に一対の測定端子を
一列に配列した探触子を構造部材の表面を走査し
て、電位差分布の変化からき裂を検出するもので
ある。き裂の判定はき裂がないと思われる領域に
おける電位差を基準電位差とし、それよりも大き
い電位差となつたところにき裂があるとするもの
である。従つて4端子法においては端子を部材の
表面に沿つて走査しなければき裂の有無及びき裂
の長さを判定することができないという欠点があ
つた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は構造部材に生じた欠陥またはき
裂の位置と長さを給電端子および測定端子を部材
表面に沿つて走査することなくオンラインで検出
できる方法を提供することにある。
〔発明の概要〕
き裂の発生は一般に形状不連続部であることが
多く、不連続部をはさんで測定端子を設けておけ
ばき裂長さを測定できるが、不連続部がない部材
ではき裂がどこに発生するのか不明である場合が
あり、また、不連続部がある場合でもき裂を遠隔
で検出しなければならないことがあり、本発明は
測定端子を等間隔で多数配置し、多数の端子間の
電位差を比較演算することにより、き裂が端子と
同じ側にあるか、反対側にあるかの判断と、き裂
の詳細な位置と長さを精度良く検出するものであ
る。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を説明する。第1図は
マルチターミナルポテンシヤル法による片側貫通
き裂の検出システムである。板状の部材5の両端
には直流電流を部材に供給するための給電端子3
が取り付けてある。給電端子3の取付けはスポツ
ト溶接でも良いし、スポツト溶接が不可能な場合
には押し当てるだけで良い。直流安定化電源1か
らは直流電流が供給されるが、測定端子4と被測
定部材5の材質が異なる場合には端子4と部材5
の間に熱起電力が発生し、電位差測定精度が低下
し、ひいてはき裂検出精度が低下する。熱起電力
を除去するための1つの方法としては供給する直
流電流の極性を反転させてプラスの電流を流した
ときに電位差からマイナスの電流を流したときに
電位差を差し引く方法がある。これは電流を流し
たときの電位差には熱起電力が上乗せされる、言
い換えれば熱起電力が平均電位差として存在する
ことになるので、直流電流の極性を反転させるこ
とにより熱起電力を相殺させるものである。その
直流電流の極性を反転するのがスイツチング装置
2である。部材の片側には測定端子4が等間隔で
多数取り付けてある。測定端子4の間隔としては
短い方が感度が良いが、精度が劣る。従つて感度
と精度の兼ね合いが問題であるが、有限要素法に
よる検討によれば測定端子の間隔としては部材5
の板幅W程度が最適であることが分かつた。測定
端子4の数は部材5に依存するが、少なくとも5
個必要である。第1図では7個設けて、6箇所の
電位差を測定できるようにした例を示した。各測
定端子間の電位差Vはリード線を介して微小電位
差計6に取り込まれるが、測定端子の切り換えは
微小電位差計6に内蔵されたスキヤナーで自動的
に順次行われる。微小電位差計6で測定された電
位差はA/D変換させてインターフエース7を介
してコンピユータ8に送り込まれる。コンピユー
タ8においては測定された電位差を比較演算して
き裂発生位置とき裂長さa/Wを求め、CRT画
面、或いはX−Yプロツター9に出力する。
以下、マルチターミナルポテンシヤル法による
き裂検出方法について述べる。第2図a,b,c
は片側貫通き裂を有する板状の部材を有限要素法
により解析して得られた等電位線図である。対称
性から部材の半分についてだけ解析している。図
中き裂長さは部材の板幅Wで基準化したa/Wで
示してあり、き裂先端は矢印で示した。き裂から
離れたところでは等電位線は部材表面に対して直
角であり、直流が均一に流れていることを示して
いる。き裂の周辺では等電位線は曲がりくねつて
電場が乱れていることが分かる。き裂によつて電
場が乱される領域はき裂長さに依存するが、き裂
周辺に限られる。
第3図a,bに示したように測定端子の中央に
き裂(図a;表面き裂、図b;裏面き裂)を置い
たときの電位差比V/V0(V:き裂がある時の電
位差、V0:き裂がないときの電位差)とき裂長
さa/W(a:き裂長さ、W:板幅)の関係を第
4図と第5図に示す。ここで測定しているき裂は
片側貫通き裂であるが、第3図a,bに示すよう
にき裂が測定端子と同じ側にある場合を表面き
裂、き裂が測定端子の反対側にある場合を裏面き
裂と定義する。第4図は表面き裂に対するもので
ある。電位差測定端子間距離lは10mmから30mmま
で変えている。電場の乱れはき裂周辺に限定され
るため端子間距離lが短いほど電位差比V/V0
は大きく、検出感度の良いことが分かる。実際の
測定においては微小電位差計の分解能と被測定物
の比抵抗が測定精度に影響し、lはある程度大き
い方が良い場合もある。またlを小さくすれば測
定端子を増やさねばならないので、実機への適用
に当たつては最適端子間距離を定めなければなら
ない。第5図に裏面き裂の場合の電位差比V/
V0とき裂長さa/Wの関係を示す。表面き裂に
比して裏面き裂の検出感度はかなり低い。
測定端子を部材表面で走査することができ、表
面き裂か裏面き裂か分かつていれば第4図あるい
は第5図の電位差比V/V0とき裂長さa/Wの
関係を用いてき裂長さを検出することができる。
しかし、実機部材では測定端子を走査してき裂長
さを測るのであれば目視でも測れるのでわざわざ
測定端子を走査する意味がない。測定端子を固定
しておいてき裂長さを検出しなければならない
が、き裂は第3図a,bのようにいつも測定端子
間の中央にあるとは限らないので、き裂が測定端
子間の中央にない場合電位差がどうなるか検討し
ておかねばならない。即ち、第6図a〜dに示す
ようにき裂に対して測定端子を走査することを考
える。き裂と測定端子との位置関係は第6図a〜
dに示したように測定端子間の中央からき裂まで
の距離をLとして定義した。従つてL=0mmのと
き、き裂は測定端子間の中央にあり、L=l/2
の時き裂は測定端子の真下にあり、L>l/2の
ときはき裂は測定端子の外にあることになる。第
7図に表面き裂の場合を、即ち、測定端子をき裂
のある面上で走査した場合を示す。これは測定端
子間距離l=30mmであり、き裂長さはa/W=
0.1〜0.7である。図の縦軸は電位差Vで横軸はき
裂位置Lである。ここで電位差は電場解析に当つ
ては部材の比抵抗と電流値として単位の値を使用
しているので便宜上の値である。その理由はき裂
長さの評価に当つては基準電位差に対する電位差
の比、即ち、電位差比を用いるからである。この
ことは逆に、比抵抗は部材の材質や部材の温度に
依存するため、電位差で評価する場合には比抵抗
を考慮してき裂長さとの関係を予め求めておかね
ばならないのに対して、電位差比を用いれば材質
や温度を考慮する必要がないからである。第7図
でき裂がないときの電位差V0は150である。Lが
大きくなつてき裂が測定端子間の中央から離れて
いくと電位差は増え、き裂が端子のほぼ真下まで
くると電位差は最大値を示す。Lがl/2より大
きくなつてき裂が端子間の外に出ると電位差は急
激に低下し、き裂がない場合の電位差V0よりも
更に低い値となる。端子から更に離れていくと電
位差は増加し、き裂がない場合の電位差V0に近
付く。第8図には裏面き裂の場合のき裂位置Lと
電位差Vの関係を示す。き裂が端子間の中央にあ
るとき電位差Vは最大値を示し、中央から離れる
につれて単調に減少する。L=30mmで電位差Vは
基準電位差V0とほぼ等しくなる。第7図と第8
図のような電位差分布になる理由を第9図a〜c
で説明する。a図は表面き裂の場合の電位差分
布、b図は等電位線図、c図は裏面き裂の場合の
電位差分布である。初めに表面き裂の場合につい
て説明する。端子を図面で左側から走査すると、
き裂から離れたところでは等電位線は表面に対し
て直角で、等間隔に並んでいるので基準電位差
V0と等しい。太い破線で示したき裂に近付くと、
き裂の口の付近では電流が流れないため等電位線
の間隔が広がつているので電位差は低下する。右
側の端子がき裂を越えてき裂が端子間に入つてく
ると、き裂面に潜り込んでいる等電位線が一度に
増えるので電位差は急激に増大する。更に右へ移
動するとき裂の口付近では等電位線の間隔が広が
つているので電位差は低下する。き裂が端子間の
中央にくると電位分布はき裂をはさんで左右対称
であるので電位差は極小値を示す。端子が更に右
側へ移動すれば電場の対称性からいままでと逆の
変化をすることになる。一方、裏面き裂の場合は
き裂の前方で等電位線が密になつているので、端
子を左側から走査してくると電位差は単調に増加
して、き裂の端子間の中央にくると最大値をと
る。端子が更に右側へ移動すれば電場の対称性か
ら単調に減少して基準電位差に漸近する。このよ
うにき裂位置によつて電位差は複雑に変化するの
で、端子を走査する場合でも簡単にはき裂長さを
決定するとはできない。
き裂によつて電場が乱される領域は第2図に示
したようにき裂周辺に限られる。従つて測定端子
間距離lを十分大きくすれば、き裂の位置が多少
ずれたとしても測定される電位差Vは一定であ
る。いま、この端子間にもう1つ測定端子を設
け、2組の測定端子で電位差を測定する場合を考
える。き裂がある位置に存在するときの電位差を
V1,V2とする。ここでき裂がある端子間の電位
差をV1とし、き裂がないもう一方の端子間の電
位差をV2とする。このときV1+V2=Vである。
次に、測定端子を少しずらすと第7図あるいは第
8図のように電位差は変化する。V1がV1′,V2
がV2′に変わつたとしても測定端子間距離lが十
分に大きいのでV1+V2=V1′+V2′=Vとなる。
これを具体的に第7図、第8図および第10図a
〜cで説明する。き裂の周辺に電位差測定端子を
2組配置し、き裂のある端子間の電位差をV1
し、隣の端子間の電位差をV2とする。表面き裂
の場合き裂位置LによつてV1は前述したように
き裂が端子間の中央、即ち、L=0mmの値からL
が大きくなるにつれて増大し、L=15mm=l/
2、即ち、端子の直下で最大値をとる。Lがl/
2より大きくなつて端子間の外に出れば電位差は
急激し、き裂が更に離れるに従つてき裂がないと
きの電位差V0に漸近する。一方、隣の端子間の
電位差V2とき裂位置L′との関係は第7図、第8
図においてL′=30−Lとおいて得られる。即ち、
き裂が隣の端子間の中央にあるときV2はL′=30
−L=30mmにおける値であり、ほぼき裂がないと
きの電位差V0に等しい。き裂が近付いてくると
V2は減少し、き裂が隣の端子のほぼ直下にくる
と最小値を示す。き裂が更に近付いて端子間の中
に入つてくると最大値を示し、端子間の中央に近
付くにつれて漸減する。き裂位置による電位差の
変化をみるとき裂が端子間の中央から離れるに伴
つて増加する分だけ、その隣の端子間の電位差は
減少する傾向にある。別の見方をすれば第10図
cに示したようにき裂の位置によつて移動した傾
斜の部分の電位分布はき裂から離れているために
同じであることに由来し、V1+V2はき裂位置に
よらず一定となるように思われる。第11図に
V1とV2の和から基準電位差V0を引いたV1+V2
V0とき裂位置Lとの関係を表面き裂の場合につ
いて示す。V1+V2−V0はき裂位置によらずほぼ
一定である。このことはき裂のある端子間の電位
差V1でき裂長さを求めると過大評価するのに対
して、き裂のある端子間の電位差V1とき裂に近
い方の隣の端子間の電位差V2で評価すると精度
良くき裂長さを求めることができることを示して
おり、本手法が有効であることが分かる。
裏面き裂の場合には第8図に示したようにき裂
のある端子間の電位差V1はき裂が端子間の中央
にあるとき最大値を示し、き裂位置Lの増大とと
もに単調に減少する。隣の端子間の電位差V2
逆に単調に増加することが分かる。この場合には
V1の減少傾向とV2の増加傾向は良く似ており、
第12図に示したようにV1とV2の和から基準電
位差V0を引いたV1+V2−V0はき裂位置Lとは無
関係にほぼ一定である。
第11図、第12図で分かるようにき裂位置L
に対してプロツトしたV1+V2−V0は全く一定と
いう訳ではなく、第11図の表面き裂では左上が
り、第12図の裏面き裂では左下がりとなつてお
り、き裂が端子間の中央にあるときの測定精度が
少し下がる。これは測定端子間距離l=30mmでは
き裂がa/W=0.7と深い場合には電場の乱れて
いる領域を完全にはカバーしていないことを示し
ている。即ち、第10図の中、下段の斜線部分の
電位分布がやや異なることによるものである。測
定端子間距離をl=15mmおよびl=45mmとした場
合のV1+V2−V0とき裂位置Lとの関係を調べた
結果、l=15mmではa/W=0.2でもV1+V2−V0
は左上がりであるが、l=45mmではa/W=0.7
でもほぼ水平な直線となる。従って単純に精度を
考えると、測定端子間距離lとしては30〜45mmが
適当である。しかし、lを大きくとると、き裂検
出感度が低下し、ひいてはき裂検出精度も低下す
る。第13図に表面き裂の場合の電位差比V1
V2−V0/V0とき裂長さa/Wの関係を示す。
V1/V0とa/Wの関係に比して感度がやや低下
する。一方、第14図に裏面き裂の場合の電位差
比V1+V2−V0/V0とき裂長さa/Wの関係を示
すが、表面き裂とは逆に感度が増加する。図中、
I印はばらつきを示している。測定端子間距離l
が短いとばらつきが大きくて精度が悪く、lが長
いと精度は良いが感度が下がる。精度及び感度の
両方から判断すると測定端子距離としてはl=20
mm、即ち、板幅Wと同じ位が良いと思われる。こ
の表面き裂と裏面き裂に対する電位差比V1+V2
−V0/V0とき裂長さa/Wの関係のマスターカ
ーブは両者の関係をn次近似して、コンピユータ
8の記録回路に記録させておく。
次に、き裂位置の決定法である。き裂位置の決
定法としては2つの方法がある。第15図の方法
は表面き裂に対するものであるが、き裂のある端
子間の電位差比V1/V0とき裂位置Lとの関係を
き裂長さa/W=0.1きざみで作成して、両者の
関係をn次近似し、コンピユータ8の記憶回路に
記憶させておく。測定された電位差から第13図
に示したマスターカーブによりV1とV2、及びV0
とからき裂長さa/Wを決定する。ところがき裂
長さa/Wは0.1で割り切れるような値とはなら
ない。そこで、例えばa/W=2.7が得られた場
合a/W=0.2とa/W=0.3のように得られたと
き裂長さa/Wの前後のマスターカーブにき裂の
ある端子間の電位差比V1/V0を代入してき裂位
置L1とL2を求め、その平均値L=(L1+L2)/2
をき裂位置とするものである。別の方法としては
同じくき裂のある端子間の電位差比V1/V0とき
裂位置Lとの関係をき裂長さa/W=0.1きざみ
で作成して、両者の関係をn次近似し、コンピユ
ータ8の記録回路に記録させておき、測定された
電位差から第13図に示したマスターカーブによ
りV1とV2、及びV0からき裂長さa/Wを決定す
る。得られたa/Wに対応する電位差比V1/V0
とき裂位置Lとの関係を前記a/W=0.1きざみ
で作成された両者の関係から作成する。即ち、例
えば第15図に示したようにL=2.5mm毎に電位
差比V1/V0とき裂長さa/Wの関係をn次近似
して得られたき裂長さa/Wに対する電位差比
V1/V0を求め、改めてき裂長さa/Wに対する
電位差比V1/V0とき裂位置Lとの関係をn次近
似して、その関係に測定された電位差V1/V0
代入することにより端子間におけるき裂位置を判
定する。裏面き裂の場合にも第15図のようなマ
スターカーブを作成すればき裂位置を判定するこ
とができる。
き裂位置の判定法としてき裂のある端子間の両
隣の端子間の電位差を使うこともできる。即ち、
き裂から遠い方の隣の端子間の電位差V3とき裂
に近い方の端子間の電位差V2の差の基準電位差
V0に対する比V3−V2/V0と端子間のき裂位置L
との関係は第16図に示すようになるので、V3
−V2/V0と端子間のき裂位置Lとの関係をn次
近似して、コンピユータ8の記憶回路に記憶させ
ておき、前記電位差比V1/V0用いる方法と同じ
方法により端子間におけるき裂位置Lを判定する
ものである。第15図と第16図を比較すれば分
かるようにき裂位置に対する電位差比の変化は第
16図のV3とV2を用いる方が大きく、精度が良
い。
裏面き裂については表面き裂の場合とは反対に
き裂に近い方の端子間の電位差V2とき裂から遠
い方の隣の端子間の電位差V3との差を利用する。
第17図に電位差比V2−V3/V0と端子間のき裂
位置Lとの関係を示す。両者の関係は表面き裂の
場合と異なり、ほぼ比例関係にあるようである。
次に、表面き裂と裏面き裂の判定法について示
す。第7図、および第8図に示したように電位差
分布は表面き裂と裏面き裂では全く異なつた変化
をする。測定端子を走査した場合表面き裂では電
位差は基準電位差から一旦減少した後、急激に増
加して、再び漸減して極小値をとり、変化は反転
する。一方、裏面き裂の場合には電位差は単調に
増加して極大値を示して、再び単調に減少する。
従つてき裂のある端子間の電位差V1は常に基準
電位差V0よりも大きいのに対して、き裂のある
端子間の両隣の端子間の電位差V2とV3は表面き
裂と裏面き裂で異なり、表面き裂ではV2とV3
両方ともに基準電位差V0よりも小さく、反対に
裏面き裂ではV2とV3は両方ともに基準電位差V0
よりも大きい。従つて、V2とV3の和を求めると、
表面き裂では基準電位差の2倍よりも小さく、裏
面き裂では基準電位差の2倍よりも大きいことに
なるので、V2とV3の和によつて表面き裂か裏面
き裂かの判定が可能である。V2とV3の判別は表
面き裂ではV2がV3よりも小さいこと、裏面き裂
ではV2がV3よりも大きことから判別できる。
また、基準電位差V0については全端子間の電
位差のうち、き裂のある端子間の電位差V1、き
裂の両隣の端子間の電位V2とV3を除いたものの
平均から求めるものとする。
実際の判別は次のようにする。まず、測定され
た全端子間の電位差のうち、最大の電位差を求
め、それをき裂のある端子間の電位差V1とする。
次に、全端子間の電位差のうち、き裂のある端子
間の電位差V1とその両隣の端子間の電位差V2
V3を除いたものの平均値で基準電位差V0を求め
る。電位差比V1/V0求めて、それが例えば1.02
以上であればき裂があると判断して、前述の方法
に従つて表面き裂か裏面き裂かの判別をき裂のあ
る端子間の両隣の端子間の電位差の和V2+V3
基準電位差の2倍以上か以下で行う。次に、き裂
のある端子間の電位差比V1/V0を表面き裂ある
いは裏面き裂の電位差V1/V0とき裂長さa/W
のマスターカーブに代入して、き裂長さa/Wを
求める。表面き裂であればき裂のある端子間の両
隣の端子間の電位差V2,V3から電位差比V3
V2/V0を求め、種々のき裂長さに対するV3
V2/V0と端子間のき裂位置Lとの関係のマスタ
ーカーブを用いてき裂長さa/Wに対するマスタ
ーカーブを作成し、そのマスターカーブに代入し
て端子間におけるき裂位置Lを求め、裏面き裂で
あればき裂のある端子間の両隣の端子間の電位差
V2,V3から電位差比V2−V3/V0を求め、V2
V3/V0と端子間のき裂位置Lとの関係をマスタ
ーカーブを用いて前記と同じ方法により端子間に
おけるき裂位置Lを求めるものである。
これらの電位差測定、最大電位差V1の判別、
V2,V3による表面き裂、裏面き裂の判別、き裂
長さの決定、種々のき裂長さに対するV3−V2
V0あるいはV2−V3/V0と端子間のき裂位置Lと
の関係のマスターカーブを用いてき裂長さa/W
に対応するマスターカーブを作成し、そのマスタ
ーカーブによる端子間におけるき裂位置の決定の
一連の作業は全て第1図に示したコンピユータ9
により行われる。従つて電位差比とき裂長さの関
係のマスターカーブ、及び種々のき裂長さに対す
るV3−V2/V0あるいはV2−V3/V0と端子間の
き裂位置Lとの関係のマスターカーブは予めコン
ピユータ9の内部記憶装置に入力しておくか、あ
るいはプログラムの中に包含させておく。また、
直流電源1から供給される直流電源の極性を反転
するスイツチング装置2の制御もコンピユータ8
により行われる。
次に、第1図の測定システムを用いて板幅20
mm、板厚8mm、長さ400mmの板状試験片にき裂を
模擬したスリツトを入れて、前記の方法の検証を
実施した。用いた材料はステンレス鋼SUS304、
炭素鋼SS41、および電気銅の3種類である。測
定結果を第18図から第21図に示す。第18図
は表面き裂の場合の測定されたき裂長さと実際の
き裂長さの対応を示したものである。両者は非常
に良く一致することが分かる。測定精度はa/W
で±0.05程度であり、a/W=±0.05という浅い
き裂でも十分な精度で検出できる。第19図は測
定端子間におけるき裂位置の測定値と実際の値と
の比較である。測定精度は±1mm程度であり、端
子間距離20mmからみると良い精度である。第20
図と第21図は裏面き裂の場合である。き裂長さ
の精度は表面き裂と同等であるが、き裂位置精度
はやや低下する。このように本方法によれば測定
端子を多数並べておくだけで表面き裂と裏面き裂
の判別ができ、き裂長さとき裂位置を精度良く検
出できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば測定端子を走査しなくとも、測
定端子を多数並べておき、それらの端子間の電位
差を比較演算することにより表面き裂と裏面き裂
の判別ができ、き裂長さとき裂位置を精度良く検
出できるので、オンラインでき裂を検出できると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図から第21図は本発明のき裂検出方法の
説明図で、第1図はマルチターミナルポテンシヤ
ル法による貫通き裂の検出装置のブロツク図、第
2図a〜cは片側貫通き裂を有する部材の有限要
素法解析による等電位線図、第3図a,bは表面
き裂と裏面き裂の定義を示す図、第4図はき裂を
端子間の中央においたときの表面き裂の場合の電
位差比とき裂長さの関係図、第5図はき裂を端子
間の中央においたときの裏面き裂の場合の電位差
比とき裂長さの関係図、第6図a〜dはき裂位置
Lの定義を示す図、第7図は表面き裂について測
定端子を走査したときの電位差の変化を示す図、
第8図は裏面き裂について測定端子を走査とたと
きの電位差の変化を示す図、第9図a〜cは測定
端子を走査したときの電位差の変化を説明する
図、第10図a〜cはマルチターミナルポテンシ
ヤル法の基本原理を示す図、第11図及び第12
図はそれぞれ表面き裂と裏面き裂におけるき裂の
ある端子間の両隣の端子間の電位差の和から基準
電位差を引いた電位差とき裂位置との関係を示す
図、第13図と第14図はそれぞれ表面き裂と裏
面き裂におけるき裂のある端子間の両隣の端子間
の電位差の和から基準電位差を引いた電位差とき
裂長さとの関係を示す図、第15図はき裂のある
端子間の電位差比とき裂位置との関係を示す図、
第16図は表面き裂におけるき裂のある端子間の
隣のき裂から遠い方の端子間の電位差からき裂に
近い方の端子間の電位差を引いた電位差と基準電
位差との比とき裂位置との関係を示す図、第17
図は裏面き裂におけるき裂のある端子間の隣のき
裂に近い方の端子間の電位差からき裂から遠い方
の端子間の電位差を引いた電位差と基準電位差と
の比とき裂位置との関係を示す図、第18図は表
面き裂におけるき裂長さの測定値と実際のき裂長
さの比較を示す図、第19図はき裂位置の測定値
と実際の位置との比較を示す図、第20図は裏面
き裂におけるき裂長さの測定値と実際のき裂長さ
の比較を示す図、第21図はき裂位置の測定値と
実際の位置との比較を示す図である。 1……直流安定化電源、2……スイツチング装
置、3……給電端子、4……測定端子、5……被
測定部材、6……微小電位差計、7……インター
フエース、8……コンピユータ、9……X−Yプ
ロツター、10……き裂。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 部材表面に相互に離間した1組の給電端子対
    により直流電流を印加し、該給電端子対の間にお
    いて電位差測定端子対を設けて電位差を測定し、
    該電位差から欠陥の形状を検出する方法におい
    て、測定端子を等間隔で複数個設け、測定端子間
    の電位差を比較演算することにより、電位差が最
    大である端子間とはその両隣の端子間の電位差を
    除いた全電位差の平均値を求め、該平均値を基準
    電位差とし、前記最大の電位差の基準電位差に対
    する比が限界値より大きければその端子間にき裂
    が存在し、き裂が表面き裂か裏面き裂かはき裂の
    存在する端子間の両隣の端子間の電位差の和で判
    定し、端子間におけるき裂の位置は表面き裂の場
    合、電位差の最小の端子間寄りにき裂が存在する
    と判断し、裏面き裂の場合、電位差の大きい方の
    端子間寄りにき裂が存在すると判断すると共に、
    前記基準電位差と、き裂のある端子間の電位差
    と、き裂の両隣の端子間の電位差とからき裂長さ
    とき裂発生位置を検出することを特徴とするき裂
    検出法。 2 特許請求の範囲第1項記載の方法において測
    定端子の間隔を部材の板幅と等しくしたことを特
    徴とするき裂検出法。 3 特許請求の範囲第1項記載の方法において給
    電端子を両端の測定端子から少なくとも部材の板
    幅の2倍離したことを特徴とするき裂検出法。 4 特許請求の範囲第1項記載の方法においてき
    裂のある端子間の電位差にき裂に近い隣の端子間
    の電子差を加算し、更にそれから基準電位差を引
    算した電位差の基準電位差に対する電位差比によ
    りき裂深さを検出することを特徴とするき裂検出
    法。 5 特許請求の範囲第1項の方法においてき裂の
    ある端子間の両隣の端子間の電位差の和が基準電
    位差の2倍以下であればき裂は端子を設けた面と
    同じ面上に存在し、2倍以上であればき裂は端子
    を設けた面と反対側の面上に存在すると判定する
    ことを特徴とするき裂検出法。 6 特許請求の範囲第1項記載の方法において予
    め有限要素法により電場を解析して求められた電
    位差分布を基にして得られたき裂のある端子間の
    電位差と端子間におけるき裂位置との関係により
    端子間におけるき裂位置を決定することを特徴と
    するき裂検出法。 7 特許請求の範囲第6項記載の方法においてき
    裂のある端子間の電位差比とき裂位置との関係を
    き裂長さの部材の板幅に対する比を0.1きざみで
    作成して、両者の関係をn次近似し、得られたき
    裂長さの部材の板幅に対する比の前後の関係を用
    いてき裂位置を求め、それらの平均を端子間にお
    けるき裂位置と判定することを特徴とするき裂検
    出法。 8 特許請求の範囲第6項記載の方法においてき
    裂のある端子間の電位差比とき裂位置との関係を
    き裂長さの部材の板幅に対する比を0.1きざみで
    作成して、両者の関係をn次近似しておき、得ら
    れたき裂長さの部材の板幅に対する比に対応する
    電位差比とき裂位置との関係を前記0.1きざみで
    作成された両者の関係から作成し、その関係にき
    裂のある端子間の電位差を代入することにより端
    子間におけるき裂位置を判定することを特徴とす
    るき裂検出法。 9 特許請求の範囲第1項記載の方法において予
    め有限要素法により電場を解析して求められた電
    位差分布を基にして得られたき裂のある端子間の
    両隣の電位差のうちき裂に近い端子間の電位差と
    き裂から遠い端子間の電位差の差と端子間におけ
    るき裂位置との関係により端子間におけるき裂位
    置を決定することを特徴とするき裂検出法。 10 特許請求の範囲第9項記載の方法において
    き裂のある端子間の両隣の電位差のうちき裂に近
    い端子間の電位差とき裂から遠い端子間の電位差
    の差と端子間におけるき裂位置との関係をき裂長
    さの部材の板幅に対する比が0.1きざみで作成し
    て、両者の関係をn次近似しておき、得られたき
    裂長さの部材の板幅に対する比の前後の関係を用
    いてき裂位置を求め、それらの平均を端子間にお
    けるき裂位置と判定することを特徴とするき裂検
    出法。 11 特許請求の範囲第9項記載の方法において
    き裂のある端子間の両隣の電位差のうちき裂に近
    い端子間の電位差とき裂から遠い端子間の電位差
    の差と端子間におけるき裂位置との関係をき裂長
    さの部材の板幅に対する比が0.1きざみで作成し
    て、両者の関係をn次近似しておき、得られたき
    裂長さの部材の板幅に対する比に対応する電位差
    比とき裂位置との関係を前記0.1きざみで作成さ
    れた両者の関係から作成し、その関係にき裂のあ
    る端子間の両隣電位差を代入することにより端子
    間におけるき裂位置を判定することを特徴とする
    き裂検出法。
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