JPH0544824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフイルムにデータ画像を投影する装置
に係り、さらに遮光状態にして閉鎖できるデータ
撮影用窓を有するカセツト内に配置されたフイル
ム上に互いにほぼ直角に配置された二つの原画台
に挿入可能なデータ画像を投影する装置であつ
て、各々の原画台にあるデータ記録体を照明する
光源と、各々の原画台に対してほぼ45度の角度を
もつて配置されたハーフミラーと、一方の原画台
を通過する第１の光軸上にある投影レンズとを備
えたフイルムにデータ画像を投影する装置に関す
るものである。

冒頭に述べた種類のデータ投影装置は、たとえ
ば西独公開公報第2710699号に記載されている。
この種の装置は通常Ｘ線フイルムカセツトに個人
に関するデータを記録するのに用いられる。この
ために装置にはさらにデータ窓を開放する開放手
段が設けられる。この窓はカセツト壁に設けら
れ、特別な解錠を行なつた後にしか開放すること
ができないように構成されている。

医学の分野では、医師は常に患者の心臓が画面
の右側に来るようにＸ線写真を観察するので、患
者は前方（胸部側）から観察されるのが普通であ
る。しかしながら患者のＸ線透過は背後から前方
へ行なう場合もあり、この場合にはｐ−ａ撮影
（postero−anterior）と呼ばれる。ちなみに、前
方から背後に向つて行なわれるのはａ−ｐ撮影
（antero−posterior）と呼ばれる。患者のデータ
の記録は本来のＸ線撮影の前か後に行なわれ、そ
れによつて現像後の写真に面倒なデータを書き込
まなくてすむようになる。

したがつて、写真を観察する場合にｐ−ａ撮影
であるかａ−ｐ撮影であるかによつて患者のデー
タを表裏を間違いなく読み取ることは医師にしか
できず、上述の公開公報においてもデータ記録体
を装置の二つの異なつた位置ないし原画台へ挿入
できるようにし、さらに共通のハーフミラーを設
け、このハーフミラーによつてデータ記録体の画
像を一方の原画台から透過させてフイルム上に投
影し、他方の原画台からは画像を反射させてフイ
ルム面に導くようにする方法が提案されている。

公知の装置の場合には、各々の原画台に配置さ
れるデータ記録体の照射は十分満足できるもので
はないということが明らかにされている。という
のは、光が比較的傾斜して原画台に達するのでデ
ータ記録体が十分に照明されないからである。さ
らに照射が無駄に遮光されてしまうということが
ある。というのは二つの原画台に対して二つの照
射スリツトを設けなければならないからである。

従つて、本考案は比較的簡単な手段でデータ記
録体を良好な画像でフイルム上に記録できるとと
もに、更に安価な構成で他の画像もフイルム上に
記録することが可能なフイルムにデータ画像を投
影する装置を提供することを目的とする。

本考案は、この目的を達成するために、 データ記録体のデータ画像をフイルムに投影す
る装置において、 データ記録体を保持する第１と第２の原画台
と、 前記第１あるいは第２の原画台のいずれか一方
に挿入されるデータ記録体のデータ画像を前記フ
イルム上に投影する投影手段とを有し、 前記投影手段は、第１の原画台のほぼ光軸上に
配置されかつ第１と第２の両原画台のデータ画像
を照明するように配置された光源を有し、 前記投影手段は、更に前記光源からの光の一部
を通過させて第１の原画台に導き、第１の原画台
からの光をフイルムの方向に反射させるととも
に、光源からの光の一部を反射させて第２の原画
台に導き、第２の原画台からの光をフイルムの方
向に通過させるハーフミラーを有し、 前記ハーフミラーは、光源と第１の原画台間に
配置され、 前記光源とハーフミラー間には前記光源が第１
と第２の原画台を直接照射するのを防止する壁が
設けられ、 前記壁には光源からの光をハーフミラーの方向
に導くように配置されたスリツトが形成され、 更に一方の原画台に隣接して表示領域が配置さ
れ、その画像が前記第１あるいは第２の原画台に
挿入されるデータ記録体の画像に隣接してフイル
ム上に投影され、 データ記録体が第１あるいは第２の原画台に挿
入されるかに従つて表示領域の画像の左右を読み
取り可能に反転させる反転装置が設けられ、 また、前記壁は表示領域の画像が前記光源によ
り照明されるのを防止する構成を採用した。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案の詳
細を説明する。

第１図において符号１で示すものは本考案装置
の底部であつて、この底部１にはＸ線フイルムカ
セツト６′を収容するスリツト２が形成されてい
る。底部１の上面には、挿入されたカセツトのデ
ータ撮影用窓５と整合する位置に窓４が形成され
る。窓４を囲んで底部１の上面にはＵ字状の支持
壁６が配置され、この支持壁６には投影レンズ
７、光源８及びハーフミラー９が支持されてい
る。底部１上にはさらに二つのスリツト１１，１
２を有するハウジング１０が設けられる。スリツ
ト１１はハウジング１０の上面１０ａに形成さ
れ、このスリツト１１には挿入されたデータ記録
体を支持する内方へ向かう二つのガイド面１３，
１４が形成される。一方のガイド面１３は他方の
ガイド面１４よりも短く形成され、それによつて
挿入されたデータ記録体１５の一部が露出し、デ
ータ記録体のデータ画像部分を構成する。ガイド
面１４の先端にはデータ記録体１５の挿入限を規
制するストツパー１４ａが形成される。

ハウジング１０の側壁１０ｂに形成されたスリ
ツト１２は直接ハウジング１０の上面１０ａの下
面に設けられているため、上面１０ａ自体がガイ
ド面の一つを構成する。さらにこのスリツト１２
と平行な第２のガイド面１６が上面１０ａと並行
に延び、その長さは挿入されたデータ記録体１
５′の一部が露光し、第２のデータ画像部分を形
成するように設定される。上面１０ａの内面にも
データ記録体１５′の挿入限を規制する小さなス
トツパ１７が形成される。通常、遮光効果をよく
するためにガイド面１３と１４ないし１０ａと１
６は微細な毛足を有するビロード状のシートで被
覆されることが多い。

Ｕ字状の支持壁６には照明スリツト６ａが形成
され、このスリツト６ａの後方でＵ字状の空間の
外部に光源８が配置される。支持部材６ｂに固定
された放物面鏡８ａによつて光源８から後方へ照
射された光がスリツト６ａを通つてＵ字状の空間
の内部へ反射される。この構成により、両原画台
は光源８により直接照明されることはなくなり、
また第１図から明らかなように支持壁６により光
源８が後述する表示装置１９を照明するのが防止
される。

第１図においてガイド面１６から露出したデー
タ記録体１５′の画像部分を符号Ａで示し、また
データ記録体１５のガイド面１３から露出した画
像部分をＢで示す。画像部分Ａはレンズ７の光学
軸上に配置され、またハーフミラー９も約45度傾
斜して同光軸上に配置される。放物面鏡８ａとと
もに光源８は光学軸２８上に配置され、この光学
軸２８は画像部分Ｂから出ており、ハーフミラー
９内で前記光学軸２７と直交する。光源８から出
る光の一部はハーフミラー９で反射されデータ画
像部分Ａに達し、一部はハーフミラー９を通過し
てデータ画像部分Ｂに照射する。画像部分Ａで反
射した光線はハーフミラー９を通過してレンズ７
によつてカセツト３内のフイルム１８上に投影さ
れる。画像部分Ａに対して90度の角度で配置され
た画像部分Ｂにあるデータ記録体１５のデータ画
像は、ハーフミラー９で反射され、レンズ７を介
してフイルム１８上に達する。したがつて画像部
分Ｂにあるデータ記録体１５のデータ画像は反転
されてフイルム１８上に投影される。

本考案の実施例にあつては画像部分Ｂに隣接し
て多セグメント素子から成る表示装置１９を設け
ることも可能である。この表示装置１９はたとえ
ば12個の隣接ないし重なり合つて配置された液晶
素子であつて、光源２０により照明される。光源
２０は表示装置１９に関してハーフミラー９とは
反対側に設けられており、表示装置１９に対応し
た細長い形状であることが望ましい。画像部分Ｂ
とほぼ同一平面上に位置する表示装置１９のデー
タ画像Ｃはハーフミラー９の他の画像範囲から離
れた端部で反射され、画像ＡないしＢに隣接した
画像Ｃとしてフイルム１８上に投影される。

さらに液晶表示装置１９はハウジング１の外側
に設けられた入力キー２２を介して操作される制
御装置２１と接続される。制御装置２１には電子
デジタル時間表示器２３、電子日付表示器２４及
び特殊な方法で調整可能な文字あるいは数字コー
ド列２５を設けることも可能である。さらに制御
装置には反転装置２６が設けられ、この反転装置
２６によつてｐ−ａ撮影ないしａ−ｐ撮影に従つ
て表示装置から反射され左右が反転された画像は
フイルム上で反転される。この場合にフイルム１
８に転写される画像は第２図に示すように、患者
のデータ画像に隣接して90度回転させて配置させ
るようになる。

第２図には種々の記録例が示されている。第２
ａ図においては本考案装置のスリツト２中に挿入
されデータが記録されるカセツト３が示されてい
る。理解しやすいように個々の表示を図式化して
直接カセツト上に表示してある。入射側からフイ
ルムを見た場合に、フイルム１８上に倒立した心
臓２７が表示されていることから、ｐ−ａ撮影写
真であることが理解される。すなわち患者は背中
から前方へＸ線が照射されている。カセツトの下
方部分も同様に入射側を上に向けて装置のスリツ
ト２中に挿入され、患者のデータカルテが装置の
スリツト１１中に挿入されるので、画像部分Ｂか
らのデータ画像がハーフミラー９で反射されフイ
ルム上に投影されている。データ画像部分Ｂに隣
接しかつその垂直方向に整合して表示装置１９か
らの所望のデータが記録される。そして現像後に
第２ｂ図に示す画像を見ることができるようにな
るが、この場合に観察者は常に患者を前方から観
察するときのようにＸ線写真を観察する。第２ｃ
図に示すものはａ−ｐ撮影写真であつて、ここで
は患者は前方から背中へＸ線が照射されている。
データカルテ１５′がスリツト１２中に挿入され
露光されるが、データ画像Ａはハーフミラー９で
反射せずに通り抜けて左右が反転しフイルム上に
記録される。一方、画像部分Ｃから送られる数字
は第２ａ図に従つてまずハーフミラー９とレンズ
７で二重に反転されて読み取り可能にフイルム上
に投影される。しかしまたこれらの数字も左右反
転されて画像部分Ａに隣接してフイルム上に投影
されるようにするために、多セグメント表示装置
の表示データは反転装置２６によつて反転され
る。それによつて現像されたＸ線撮影写真を観察
する場合には第２ｄ図に明らかなように、患者の
データ及び表示装置からの他のデータは前方から
読み取り可能なように記録が行なわれ、この場合
に表示装置からのデータは患者のデータの後方に
記録される。

また、本考案の表示装置を他の目的に用いるこ
とも可能である。たとえば、実際の時刻をオフに
してストツプウオツチによる測定時間に切換える
ことができる。これはたとえば造影剤の分解に応
じた一定の時間間隔で一連のＸ線撮影を行なわな
ければならないような場合に利用できる。しかし
また時間表示のかわりにＸ線撮影の連続番号、所
定の撮影基準に関するコードナンバー等を記録す
ることもできる。

以上説明したように、本考案では、照明光源が
一つの原画台のほぼ光軸上に配置されるので、原
画台に挿入されるデータ記録体は、その光源から
のハーフミラーの通過光あるいは反射光で均一に
照明され、また直接光源からの光により照明され
ることがないので、強い強度の不要な光がフイル
ムに達するのを防止することができ、良質のデー
タ画像をフイルムに記録することができる。

更に本考案では、表示領域の他の画像（時刻な
どの付加的なデータ）をフイルムに記録すること
ができ、その場合反転装置によりデータ記録体が
第１あるいは第２の原画台に挿入されるかに従つ
てその画像の左右を反転させて読み取り可能にフ
イルム上に記録できるので、両原画台に対して一
つの表示領域を設けるだけで第１あるいは第２の
原画台に挿入されたデータ記録体の画像とともに
上記表示領域にある他の画像を読み取り可能にフ
イルムに記録することができる、という優れた効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

各図は本考案の実施例を説明するもので、第１
図は本考案装置の横断面図、第２図ａからｄは二
種類の記録例を説明する説明図である。 １……底部、２……スリツト、３……カセツ
ト、４，５……窓、６……支持体、７……レン
ズ、８……光源、９……ハーフミラー、１０……
ハウジング、１１，１２……スリツト、１３，１
４……ガイド面、１５，１５′……データ記録体、
１６……ガイド面、１７……ストツパー、１８…
…フイルム、１９……表示装置、２０……光源、
２１……制御装置、２２……入力キー、２３……
デジタル時間表示器、２４……電子日付表示器、
２５……数字コード列、２６……反転装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １） データ記録体のデータ画像をフイルムに投
   影する装置において、 データ記録体を保持する第１と第２の原画台
   Ｂ，Ａと、 前記第１あるいは第２の原画台のいずれか一
   方に挿入されるデータ記録体のデータ画像を前
   記フイルム上に投影する投影手段とを有し、 前記投影手段は、第１の原画台Ｂのほぼ光軸
   上に配置されかつ第１と第２の両原画台のデー
   タ画像を照明するように配置された光源８を有
   し、 前記投影手段は、更に前記光源からの光の一
   部を通過させて第１の原画台Ｂに導き、第１の
   原画台からの光をフイルムの方向に反射させる
   とともに、光源からの光の一部を反射させて第
   ２の原画台Ａに導き、第２の原画台からの光を
   フイルムの方向に通過させるハーフミラー９を
   有し、 前記ハーフミラー９は、光源８と第１の原画
   台Ｂ間に配置され、 前記光源８とハーフミラー９間には前記光源
   が第１と第２の原画台Ａ、Ｂを直接照射するの
   を防止する壁６が設けられ、 前記壁６には光源からの光をハーフミラー９
   の方向に導くように配置されたスリツト６ａが
   形成され、 更に一方の原画台Ｂに隣接して表示領域１９
   が配置され、その画像Ｃが前記第１あるいは第
   ２の原画台に挿入されるデータ記録体の画像に
   隣接してフイルム１８上に投影され、 データ記録体が第１あるいは第２の原画台に
   挿入されるかに従つて表示領域の画像Ｃの左右
   を読み取り可能に反転させる反転装置２６が設
   けられ、 また、前記壁６は表示領域の画像Ｃが前記光
   源８により照明されるのを防止することを特徴
   とするフイルムにデータ画像を投影する装置。 ２） 前記表示領域に表示装置１９が配置される
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載のフイルムにデータ画像を投影する装
   置。 ３） 表示装置１９には、制御装置２１と接続さ
   れた多数の多セグメント素子が設けられること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項に
   記載のフイルムにデータ画像を投影する装置。 ４） 前記多セグメント素子は、第２の光源２０
   によつて照射される液晶表示装置の多セグメン
   ト素子であることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第３項に記載のフイルムにデータ画像
   を投影する装置。