JPH0544760A - 粘性流体封入ダンパー - Google Patents

粘性流体封入ダンパー

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JPH0544760A
JPH0544760A JP3199012A JP19901291A JPH0544760A JP H0544760 A JPH0544760 A JP H0544760A JP 3199012 A JP3199012 A JP 3199012A JP 19901291 A JP19901291 A JP 19901291A JP H0544760 A JPH0544760 A JP H0544760A
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viscous fluid
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recess
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JP3199012A
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Takanobu Ide
孝信 井手
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘性流体の充填効率を高めることを目的とす
る。 【構成】 請求項1の発明は、パワーユニット側若しく
は車体側の一方に結合されたケーシング20と、該ケー
シング内部の室20aに余裕をもって収容されるととも
にパワーユニット側若しくは車体側の他方に結合された
回転円板30と、前記室20aに充填された粘性流体
と、前記回転円板30の表面及び裏面に形成された同心
円状の多数の凹凸部30a、30bと、を含む粘性流体
封入ダンパーにおいて、前記回転円板30の表面と裏面
を連通する複数の連通穴30cを前記回転円板30に形
成した粘性流体封入ダンパー。また、請求項2の発明
は、前記請求項1の発明の同心円状の凹凸部30a、3
0bの凹断面形状をU字状にした粘性流体封入ダンパ
ー。さらに、請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明の同心円状の凹凸部の凹部30bを複数箇所で
切り欠くと共に、該切り欠き位置を、回転円板の半径方
向に沿って非連続となるように配置した粘性流体封入ダ
ンパー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘性流体封入ダンパ
ー、特に車両のパワーユニットのロール振動を減衰する
のに好適なダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平2−85019号公報によれば、
車両のロール振動抑制に有効なパワーユニットダンパー
が記載されている。このダンパーは図3に示すように、
車体側部材としてのセンターメンバー11とパワーユニ
ット(エンジン+トランスアクスル)12との間に、パ
ワーユニットマウント13とは独立した位置に取り付け
られており、図4に示すように、パワーユニット12に
ボルト14及びパワーユニット側ブラケット15を介し
て固定される回転円板16を、ケーシング17の収容空
間18に余裕を持って収容し、この回転円板16とケー
シング17との隙間に粘性流体19を密封充填するとと
もに、ケーシング17とセンターメンバー11との間を
両端ボールジョイントのリンク機構20によって連結し
ている。
【0003】このような構成においては、パワーユニッ
トダンパー10の中心点P1、リンク機構20の2つの
ボールジョイント中心点P2、P3、及び、パワーユニッ
ト12のロール中心点PR(図3参照)の位置関係を適
正化(例えば図3の位置関係)することにより、ロール
振動に対してはこれを回転円板16とケーシング17と
の相対回転変位に変換し、粘性流体19による粘性せん
断抵抗を利用して効果的に減衰抑制できる一方、ロール
方向以外の振動入力に対してはこれをボールジョイント
の自在回動によって円滑に吸収することができる。
【0004】また、同公報によれば、粘性せん断抵抗を
大きくしてロール振動をより効果的に減衰できる技術が
開示されている。この技術は、図5に示すように、ケー
シング20の収容空間20aの壁に同心円状の凸部20
bを形成するとともに、回転円板21にも同様な凸部2
1aを形成してこれらの凸部20b、21aを交互に組
み合せるもので、粘性流体との接触面積を増大すること
ができ、抵抗面積を拡大して粘性せん断抵抗を大きくす
ることができる。
【0005】図6は回転円板21の正面図であり、同心
円状に配列された複数列(図では5列)の凸部21aが
認められる。また、全ての凸部21aにはその一部に切
り欠き21bが形成されており、この切り欠き21bを
通って粘性流体が流動するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の技術にあっては、凸部の一部に切り欠き21bを
形成して粘性流体の流動路を確保しているものの、切り
欠き21bの配列方向が回転円板21の半径方向に一直
線に並ぶものであったため、粘性流体を全体に行き渡ら
せることが困難で、期待どおりのロール減衰効果を発揮
できないことがあるという問題点があった。 (1)すなわち従来構成による粘性流体の充填は、ま
ず、切り欠き列を先行して充填(図6中の白抜き矢印参
照)した後、凸部21a間の隙間(凹部)を充填(図6
中の破線矢印参照)するが、この際、隣接の切り欠き列
からも同じ凹部に充填されるために、凹部内の空気の逃
げ道が塞がれ、残留空気の分だけ粘性流体の充填不足が
生じてしまう。 (2)また、凹部断面が鋭角的なコの字状になっている
ために、凹部の隅に残留空気が生じ易かった。 (3)さらに、回転円板裏側への充填は、回転円板の最
外周を越えて行われるが、このような遠回りの経路は一
般に流動抵抗が大く、したがって、回転円板裏側への充
填不足が生じ易かった。
【0007】本発明は、このような問題点(1)(2)
(3)に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、粘性流体の充填効率を高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、パワ
ーユニット側若しくは車体側の一方に結合されたケーシ
ングと、該ケーシング内部の室に余裕をもって収容され
るとともにパワーユニット側若しくは車体側の他方に結
合された回転円板と、前記室に充填された粘性流体と、
前記回転円板の表面及び裏面に形成された同心円状の多
数の凹凸部と、を含む粘性流体封入ダンパーにおいて、
前記回転円板の表面と裏面を連通する複数の連通穴を前
記回転円板に形成したことを特徴とする。
【0009】また、請求項2の発明は、前記請求項1の
発明の同心円状の凹凸部の凹断面形状をU字状にしたこ
とを特徴とする。さらに、請求項3の発明は、請求項1
または請求項2の発明の同心円状の凹凸部の凹部を複数
箇所で切り欠くと共に、該切り欠き位置を、回転円板の
半径方向に沿って非連続となるように配置したことを特
徴とする。
【0010】
【作用】請求項1の発明では、回転円板の表裏を連通す
る連通穴を介して粘性流体が流動し、回転円板の裏面へ
の充填効率が高められる。また、請求項2の発明では、
凹部のU字状断面内を粘性流体が隙間なく流動し、凹部
コーナの残留空気が押し出されて充填効率が高められ
る。
【0011】さらに、請求項3の発明では、切り欠き部
と凹部とを順次に通る流路が形成され、凹部内の残留空
気の逃げ道が確保されて充填効率が高められる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1、図2は本発明に係る粘性流体封入ダンパー
の一実施例を示す図である。図1において、30は回転
円板であり、この回転円板30は、パワーユニット側
(図4の符号12参照)若しくは車体側(図3の符号1
1参照)の一方に結合されている。回転円板30は図示
しないケーシング(図5の符号20参照)の室内に余裕
をもって収容されており、ケーシングはパワーユニット
側若しくは車体側の他方に結合されている。
【0013】回転円板30には、半径方向に等間隔で複
数の凸部30aが形成され、これらの凸部30aはケー
シングの室壁に形成された同様の凸部(図5の符号20
b参照)と交互に組み合わされる。ここで、隣接する凸
部30a間には凹部30bが形成されており、この凹部
30bの断面が略U字状に形成されている(第1のポイ
ント)。また、凹部30bには複数の連通穴30cが開
けられており(第2のポイント)、この連通穴30cに
よって回転円板30の表裏が連通するようになってい
る。
【0014】図2は回転円板30の平面図である。4本
の凸部30a、同じく4本の凹部30b及び12個の連
通穴30cが認められる。さらに、凸部30aにはいく
つかの切り欠き30dが形成されており、この切り欠き
30dの位置が、回転円板30の半径方向に連続しない
ように考慮されている(第3のポイント)。以上の構成
において、粘性流体の充填は、切り欠き30d及び凹部
30bを交互に通過する経路aに沿って行われる。これ
は、切り欠き30dを半径方向に連続させていない(第
3のポイント)からである。したがって、凹部30b内
の空気の逃げ道を塞ぐことがないので残留空気を生ずる
ことなく、粘性流体の充填効率を高めることができる。
【0015】また、凹部30bの断面形状をU字状とし
たので(第1のポイント)、凹部30bの隅々まで粘性
流体が流れ込み、残留空気の押し出し効果を高めてより
一層の充填効率を得ることができる。さらに、凹部30
bの底に連通穴30cを形成したので(第2のポイン
ト)、この連通穴30cを通して回転円板30の裏面に
粘性流体を流し込むことができ、回転円板30の裏面へ
の充填効率を高めることができる。
【0016】以上のように、本実施例では、第1〜第3
のポイントによって、残留空気を生ずることなく、かつ
表裏の別なく粘性流体の充填効率を高めることができ
る。したがって、期待した通りのロール振動減衰効果を
発揮させることができる。なお、実施例では、第1〜第
3のポイントの全てを採用しているが、これに限るもの
ではなく、1つ若しくは2つを採用するものであっても
よい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、回転円板の表面と裏面
を連通する複数の連通穴を前記回転円板に形成したの
で、また、凹断面形状をU字状にしたので、あるいは、
凹部を複数箇所で切り欠くと共に、該切り欠き位置を回
転円板の半径方向に沿って非連続となるように配置した
ので、残留空気を生ずることなく、また、回転円板の表
裏の別なく、粘性流体の充填効率を高めることができ、
期待した通りのロール振動減衰効果を発揮させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の回転円板の要部断面図である。
【図2】一実施例の回転円板の正面図である。
【図3】従来例のダンパー設置位置図である。
【図4】従来例のダンパー設置位置図である。
【図5】従来例の構成図である。
【図6】ロール減衰効果を高めた従来例の要部断面図で
ある。
【符号の説明】
20:ケーシング 20a:収容空間(室) 30:回転円板 30a:凸部(凹凸部) 30b:凹部(凹凸部) 30c:連通穴 30d:切り欠き

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パワーユニット側若しくは車体側の一方に
    結合されたケーシングと、該ケーシング内部の室に余裕
    をもって収容されるとともにパワーユニット側若しくは
    車体側の他方に結合された回転円板と、前記室に充填さ
    れた粘性流体と、前記回転円板の表面及び裏面に形成さ
    れた同心円状の多数の凹凸部と、を含む粘性流体封入ダ
    ンパーにおいて、 前記回転円板の表面と裏面を連通する複数の連通穴を前
    記回転円板に形成したことを特徴とする粘性流体封入ダ
    ンパー。
  2. 【請求項2】前記同心円状の凹凸部の凹断面形状をU字
    状にしたことを特徴とする請求項1記載の粘性流体封入
    ダンパー。
  3. 【請求項3】前記同心円状の凹凸部の凹部を複数箇所で
    切り欠くと共に、該切り欠き位置を、回転円板の半径方
    向に沿って非連続となるように配置したことを特徴とす
    る請求項1または2記載の粘性流体封入ダンパー。
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