JPH0544741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、大口径の流管に流速計を挿入し、該
流管内を流れる流体の流速計挿入位置の流速を計
測し、流体の平均流速または流量を求める挿入流
量計において、挿入流量計を固定する固定装置に
関する。

従来技術 流体の取引等のため高精度が要求される流体計
測とは異なり管理用に使用される大流量計測にお
いては数パーセントの器差の流量計が用いられ
る。このような流量計測においては、簡易で安価
な挿入流量計を使用することが多い。挿入流量計
は直管を流れる整流された流体の流速分布はレイ
ノルズ数の関数として与えられる正規分布とな
り、正規分布においては、流管の中心部の流速が
平均流速に対してもつ流速比は定められており、
また、平均流速点は流管直径上の位置として与え
られることを利用して流速計として小形簡易な羽
根車、カルマン渦等の方式が使用されるが、羽根
車式は可動翼をもつので耐久性が要求されるとこ
ろでは可動部をもたないカルマン渦式の利用が多
い。

第３図は、挿入流量計の概略を示す図で、１は
被測定流体が流通する流管で、該流管１の一方の
壁面に、流管軸と直交して円筒体２が溶接等で固
設してある。また、円筒体２の他端には取付フラ
ンジ３が配設されている。５は流速計で、検出要
素（図示せず）である渦発生体等はプローブ内に
装着され、流管軸上、流れに対向した姿勢とす
る。

軸筒４は該流速計５と流速計５からの流れ信号
を整形増幅して信号処理するプリアンプ６を端部
に配設し、流速計５を前記の所定位置に配設する
円筒であり、流速計５とプリアンプ６間を接続す
る導線１０（第４図）を挿通しており、結合フラ
ンジ７を貫通して固設されている。該結合フラン
ジ７と流速計５間の長さは円筒体２の長さで決ま
るので、軸筒４は結合フランジ７に移動可能に固
設（図示せず）され、結合フランジ７は取付フラ
ンジ３上にボルト７１、ナツト７２等の接合手段
により螺着される。

上記の挿入流量計に矢標方向に流量Ｑが流れる
と、流れの中の軸筒４と流速計５には動圧が作用
し軸筒４は結合フランジ７による固設部を支点と
して流れ方向に撓み、更にカルマン渦が発生した
とき、軸筒４は流れに面して左右に振動する。こ
の結果、安定な流速が計測できず、長期的には軸
筒４が疲労破断するので、これを防ぐため軸筒４
に円筒体２の内径より僅かに小さい固定円板８を
固設し、該固定円板８を挟んで円筒体２内壁に接
するゴム等でできた緩衝板９を配設し、流速計５
の変動を防いでいる。

従来技術の問題点 上述した挿入流量計は、計測の安定性、延いて
は、精度保持のため、外乱としての流速計振動を
軸筒４に固設された固定円板８を緩衝板９で挟
み、該緩衝板９の外周部を円筒体２に当接して防
止することを試みているが、この方式では、流速
の低い領域では効果的であるが、流速が大きくな
ると、緩衝板９外周部は大きい外力を受けて振動
を始め、初期の目的が達成されず、特に流速計５
が渦式である場合、軸筒４のカルマン渦による振
動数と流速計５の渦周波数とが等しくなる近傍で
は不安定となり渦信号が停止することもある等の
問題点があつた。

問題点解決のための手段 上述の従来技術は、流速計５を円筒体２内に挿
入することと、該流速計５を円筒体２に固定する
こととの相矛盾する機能を緩衝板９の弾性体を用
いて両立させるようにしたところに問題があるの
で、本考案では、挿入手段と、固定手段とを分離
するようにし、流速計５を挿入後、該流速計５を
固定する手段として、くさびを用い、該くさびを
挿入することにより流速計５を安定に固定したも
のである。

実施例 第１図は、本考案による挿入流速流量の一実施
例を説明するための要部側断面図、第２図は、第
１図の−線断面図で、図中、第３図及び第４
図に示した従来技術と共通する構成要素には同一
の参照番号を付し、その説明を省略する。図にお
いて、軸筒４にはくさび座３０を溶接等で固設し
てある。くさび座３０は底面３０１を流管１内に
なるようにした円錐形又は斜面体である。３１は
くさびで硬質ゴム等の弾性体であるが、金属でも
よく、要はくさび３１が円筒体２の内面とくさび
３０とに挿入され固定されることである。くさび
３１には固定棒３２が固設されている。固定棒３
２の他端は結合フランジ７を貫通してナツト７３
等で該フランジ７に上下方向に移動可能に固設さ
れている。また、図においては、くさび３１に２
分割されているが、２分割である必要はなく、円
環状でもよく、これも要はくさび３１の斜面に沿
つて挿入することにより軸筒４を円筒体２内面に
対し固定されるものであればよい。３３は固定バ
ンドで固定棒３２を包囲位置決めするものでシリ
コンゴム等の弾性環でもよい。

効 果 本考案においては、挿入手段と位置固定手段と
を分離して配設し、しかも固定手段はくさびを用
いているので、確実強固に固定されるので安定を
必要とする渦流速計においても渦信号は常に安定
して発信され、長期安定な挿入流量計を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案の挿入流量計の概
略説明図、第３図及び第４図は、従来の挿入流量
計の一例を説明するための断面図である。 １……流管、２……円筒体、３……取付フラン
ジ、４……軸筒、５……流量計、３０……くさび
座、３１……くさび、３２……固定棒、３３……
固定バンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流管に開口して軸直角に固設され他端に取付フ
   ランジを有する円筒体と、前記取付フランジに着
   脱可能に接合する接合フランジと、該接合フラン
   ジの中央部を移動可能に貫通固設される筒体で、
   流管側の端部に流速検出器を、他端部にプリアン
   プを、中間部に前記流管側に拡大するくさび座を
   それぞれ固着した軸筒と、該軸筒の外周側に配設
   され一端が前記接合フランジに固設された複数の
   固定棒の他端に前記流管壁面と略々同一面となる
   ように固着され、前記くさび座と弾性的に係合す
   るくさびと、該くさびの上部に位置し前記固定棒
   に外接する固定バンド、とからなり、前記流速検
   出器が流管の所定位置となるように前記軸筒を移
   動固着したとき、前記くさびと、くさび座とを弾
   性的に押圧固定したことを特徴とする挿入流速流
   量計。