JPH054455B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、エアジツエツトルームのような流体
噴射式織機における複数糸緯入れ装置に関する。

従来の技術 一般に流体噴射式織機において複数色交互織を
する場合には交互に糸色の異なつた緯糸を緯入れ
する必要があり、そのために緯入れメインノズル
を複数本設け、所定の順序に従い、それぞれのメ
インノズルから緯糸を噴射し緯入れする。

従来の流体噴射式織機における緯入れノズル交
換装置においては、複数のメインノズルを共通の
１つのブラケツトに搭載し、該ブラケツトを揺動
軸に揺動可能に支承し、カム駆動軸に固着した機
械式のカムを用いてブラケツトを揺動軸の回りに
揺動させてメインノズルの交換を行つている（特
開昭55−142747号公報、特開昭57−133248号公報
参照）。

発明が解決しようとする問題点 従来の流体噴射式織機における緯入れノズル交
換装置においては、複数のメインノズル全体を移
動させるために移動部分の重量が大きく、高速運
転に適用できず、また、移動部に機械的な無理が
掛り易いという問題がある。

本発明は上述のような従来装置に付随する問題
を解消して、ノズル交換のための移動部分の質量
を小さくして高速運転に適用可能な複数糸緯入れ
装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明は、複数の加速管を並列して固定設置
し、該加速管の先端部に連なる補助加速管を、前
記加速管の長手方向に交差する方向に移動可能に
設けた流体噴射式織機における複数糸緯入れ装置
により上述した問題点を解決し、上述の本発明の
目的を達成する。

実施例 以下、本発明の実施例を図示した添付図面を参
照して、本発明を詳細に説明する。

第１図は本発明の実施例の一部を断面し且つ駆
動系を省略した正面図を示し、第２図は駆動系も
含めた側面図である。

第２図において、ロツキングシヤフト１５は機
台のクランク軸に連動して織機の１回転（１ピツ
ク）毎に１往復の揺動運動を行う。ロツキングシ
ヤフト１５に、スオード２を介してスレー１を固
定設置している。スレー１には、緯糸を案内する
多数のウエフトガイド３および筬１９を、リード
ホルダーにより固定している。

第１図に示すように、スレー１の緯入れ側にメ
インノズルブラケツト４を固定設置し、メインノ
ズルブラケツト４には一対のメインノズルスレツ
ドガイド５を装着固定し、各メインノズルスレツ
ドガイド５の先端にはそれぞれ加速管６ａ，６ｂ
を一体的に固着している。

加速管６ａ，６ｂの反緯入れ側先端は充分に近
接させて補助加速管７ａ，７ｂの移動量を小さく
することが高速化を図る上で好ましい。加速管６
ａ，６ｂが平行したままでもよいが、平行したま
まではメインノズルスレツドガイド５の太さのた
めに、加速管６ａ，６ｂの反緯入れ側先端を充分
に接近させられない場合には、第１図に示すよう
に、加速管６ａ，６ｂの先端部を互いに傾斜し接
近させてウエフトガイド３の穴の延長線近傍で互
いに交差することが好ましい。

再び第２図において、スレー１に固定ブラケツ
ト２０を設け、固定ブラケツト２０の先端に軸１
により可動ブラケツト８を揺動可能に支承してい
る。可動ブラケツト８の先端には２本の補助加速
管７ａ，７ｂを取付けている。

補助加速管７ａ，７ｂは第１図に示すようにウ
エフトガイド３側の前端が互いに平行し、加速管
６ａ，６ｂ側の後端が加速管６ａ，６ｂに平行す
るように僅かに角度をなしている。

加速管６ａ，６ｂの先端部に連なる補助加速管
７ａ，７ｂを、前記加速管６ａ，６ｂの長手方向
に交差する矢印Ｃ方向（第１図）に、移動可能と
している。すなわち、交換部材により補助加速管
７ａ，７ｂの位置をピツチＡ（第１図）変更する
ことにより、補助加速管７ａの後端が加速管６ａ
の延長上に位置し前端がウエフトガイド３の緯糸
案内用の穴の延長線上に位置するようにして、加
速管６ａから補助加速管７ａを経てウエフトガイ
ド３へ緯糸を緯入れしたり、補助加速管７ｂの後
端が加速管６ｂの延長上に位置し前端がウエフト
ガイド３の緯糸案内用の穴の延長線上に位置する
ようにして、加速管６ｂから補助加速管７ｂを経
てウエフトガイド３へ緯糸を緯入れする。

補助加速管７ａ，７ｂの内径は加速管６ａ，６
ｂの内径と等しいかまたはそれ以上とし、加速管
６ａ，６ｂから補助加速管７ａ，７ｂへの緯糸の
移行がスムーズに行えるようにする。

また、加速管６ａ，６ｂと補助加速管７ａ，７
ｂ間の間隙Ｂ（第１図）は、ノズル交換時に加速
管６ａ，６ｂと補助加速管７ａ，７ｂとが互いに
接触せず、しかもその間隙がカツタとして作用し
て緯糸を切断しないようにするため、ある程度、
例えば１mm程度、の大きさとすることが好まし
い。一方、この間隙が大き過ぎると、加速管６
ａ，６ｂと補助加速管７ａ，７ｂとの間から空気
が吹出し、メインノズルの推進力を低下させるの
で、ある程度、例えば３mm、以下とすることが好
ましい。

交換部材の一例を第２図に基づき説明する。ロ
ツキングシヤフト１５にブラケツト１２を固着し
ており、への字状をした回動レバー１４をブラケ
ツト１２の先端部に軸１３により揺動可能に支承
している。回動レバー１４はコネクチングロツド
１０およびロツクエンド９（第１図）を介してブ
ラケツト８に連結している。また、回動レバー１
４の先端にはＵ字状に結合溝１４ａを形成してい
る。機台に設けた軸２２の回りにカムレバー１６
を揺動可能に支承し、該カムレバー１６の両端部
にそれぞれカムフオロワ１６ａ，１６ｂを回転可
能に支承している。カムフオロワ１６ａは結合溝
１４ａに係合し、カムフオロワ１６ｂはカム１７
に接触している。カム１７は駆動軸１８に止着し
ている。

駆動軸１８の回転とともにカム１７は回転し、
カムレバー１６を軸２２の回りに揺動する。それ
により、回動レバー１４を押上げまた押下げ、そ
れとともにブラケツト８を昇降して、補助加速管
７ａ，７ｂを昇降させる。

第２図に図示した実施例においてはカム１７に
よりカムレバー１６を揺動しているが、電磁ソレ
ノイドまたは流体圧シリンダによりカムレバー１
６を揺動させてもよい。従来の流体噴射式織機に
おける複数糸緯入れ装置では、大重量を移動させ
るために、電磁ソレノイド等を用いて電気的に制
御して任意のパターンで交換を行う所謂自由交換
は、出力が不充分で困難であり、移動制御はカム
等により専ら機械的に行わざるを得なかつた。こ
のため、従来装置の交換パターンは規則的とな
り、所謂定時交換しか行えなかつた。しかし、本
発明においては補助加速管のみを移動させればよ
いので、移動部分の質量が小さく、電磁ソレノイ
ド等を用いて電気的に制御することも可能であ
り、交換パターンを任意に選定する自由交換を行
うこともできる。

本発明の流体噴射式織機における複数糸緯入れ
装置を用いて緯糸を変更する状態を第３図から第
５図を用いて説明する。

第３図においては加速管６ａと補助加速管７ａ
とが整合しており、カツタで切断された緯糸１１
の先端１１ａが補助加速管７ａの先端から出てい
る。この状態から補助加速管７ａ，７ｂを第４図
に示すようにＣ方向に移動し加速管６ｂと補助加
速管７ｂとを整合させると、加速管６ａと補助加
速管７ａ間で緯糸１１ｂが弛む（矢印Ｅ）。一方、
第３図において補助加速管７ａの先端から出てい
た緯糸の先端１１ａは、補助加速管７ａの移動に
より、補助加速管７ａ内に引き戻される（矢印Ｄ
方向）。

この状態で、第５図に示すように、加速管６ｂ
から補助加速管７ｂにメインノズルの空気流が流
れると、加速管６ｂと補助加速管７ｂ間に食み出
していた緯糸１１ｂは加速管内に戻り（矢印Ｇ）、
緯入れされる（矢印Ｈ）。

従つて、加速管６ａ，６ｂの前方から垂れ下が
つていた緯糸１１ａが緯入れされる緯糸１１に絡
まり緯入れミスの原因となることもない。しか
も、本発明においては、特別な引き戻し部材を設
置しなくとも、補助加速管７ａ，７ｂの移動によ
り上述のように補助加速管７ａ，７ｂの先端から
垂れ下がつている緯糸の引き戻し効果があり、緯
糸の絡み付きに原因する緯入れミスが防止でき、
引き戻し部材が不要なため装置が簡単になる。

発明の効果 本発明によれば、複数の加速管を並列して固定
設置し、該加速管の先端部に連なる補助加速管
を、前記加速管の長手方向に交差する方向に移動
可能に設け、ノズル交換部の質量を非常に小さく
しており、織機の高速化が図れる。また、移動部
分の質量が小さいので３色以上ノズル交換にも適
用可能である。

本発明では、特別な引き戻し部材を設けなくと
も、補助加速管を移動することにより使用しない
方の補助加速管の先端から垂れ下がつている緯糸
の引き戻しを行え、緯糸の絡み付きによる緯入れ
ミスをなくすことができ、緯入れミスを減少でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の一部を断面し且つ駆
動系を省略した正面図を示し、第２図は駆動系も
含めた側面図、第３図、第４図および第５図は本
発明の作用を説明するための概略断面図である。 ６ａ，６ｂ……加速管、７ａ，７ｂ……補助加
速管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体噴射式織機における複数糸緯入れ装置に
   おいて、複数の加速管を並列して固定設置し、該
   加速管の先端部に連なる補助加速管を、前記加速
   管の長手方向に交差する方向に移動可能に設けた
   ことを特徴とする流体噴射式織機における複数糸
   緯入れ装置。 ２ 前記補助加速管の内径が少なくとも加速管の
   内径と等しい特許請求の範囲第１項記載の流体噴
   射式織機における複数糸緯入れ装置。